夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる
「時給を上げよう」というCMフレーズでおなじみの、アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」を運営するディップ株式会社。社名(dip)は「夢(dream)、アイデア(idea)、情熱(passion)」の頭文字から取られており、これらの要素を原動力に求人市場における課題を解決し、誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指しています。
同社は自社アプリ「バイトル」の広告を、ディスプレイ広告(運用型)を活用して配信。ターゲティングの拡張、自動入札の導入、クリエイティブの最適化などの施策により、インストール数を150%に、顧客獲得単価(CPA)を約50%にしました。この施策について、ウェブ、アプリ両チャネルで広告運用のディレクションをしている、マーケティング統括部メディアマーケティング部の藤野氏、橋場氏、今川氏に詳細を伺いました。
左からマーケティング統括部メディアマーケティング部 部長 藤野亮氏、リーダー 今川達貴氏、課長 橋場瑠海氏
背景
アプリインストール広告の拡大、求人応募率の改善のため
バイトルは広告戦略に沿った持続的な改善を追求しつつも、新たな広告に積極的に挑戦することで成果を上げてきました。スマートフォンの普及に伴い、業界トップのアプリダウンロード数を目指しながらも、「より求人応募につながる、費用対効果が良い媒体や広告を常に検討していました」と藤野氏。特に「アプリインストールからの応募率の最適化は重要」と今川氏は強調します。橋場氏も「CPIとCPA、どちらも同じぐらい重視している指標なので、両方拡大が可能ということを前提に商材を選定しました」と背景を語ります。
コロナ禍を受けて広告予算を絞る必要があり、そのタイミングでYahoo!広告の出稿は一度縮小されましたが、単にインストール数を追随するのではなく、インストール後の応募率の最適化を図る広告メニューを検討していました。その結果、再度、各世代においてユーザー数が多く、かつ「白地があった」ディスプレイ広告(運用型)を選択されました。
アプリをプロモーションする広告のイメージ
施策
準顕在層等へのターゲティングとクリエイティブ改善
2023年2月、バイトルはディスプレイ広告(運用型)のオーディエンスリストターゲティングを活用。独自のデータを元に、応募転換率が高いと見込まれる準顕在層や検討層に配信を拡大しました。また、世代を問わず利用されるYahoo! JAPANの利点にも着目し、主婦層に特化した広告も配信。過去には、自動入札に切り替えるタイミングが早かったため、インストール1回あたりのコスト(CPI)高騰の原因となっていましたが、今回は手動入札で実績を積み重ね、最適化の精度が高まったタイミングで自動入札に切り替え配信を継続しました。「配信中も常にKPIと照らし合わせ、想定のシミュレーションと乖離(かいり)がある場合は原因を追究し、調整を繰り返しました」と橋場氏。
また、クリエイティブ面でも市況状況、サイトデータ、他媒体の実績を基に改善を重ねました。「これらの要素に基づいて仮説を立て、新しい訴求や表現を考案し、A/Bテストを進めたことで、新たなクリエイティブを発掘することができました。特に、あるSNS系広告とYahoo!広告での効果の高いクリエイティブの親和性に着目し、今後のクリエイティブ表現の示唆を得ることができた点は大きな成果です」と藤野氏は述べます。
実際に配信したクリエイティブの一例
結果
インストール数は150%に増、CPAは約50%に改善
アプリプロモーションにおいて、ディップが重視していたKPIはインストール数と応募数です。2023年2月のインストール訴求広告の結果を2020年2月を100%として比較すると、インストール数は150%に大きく上昇(CPIは109%と微増)。
インストール後の応募獲得単価(CPA)は約50%に大きく改善しました。 「Yahoo!広告の機能の活用とクリエイティブの改善により想像以上にインストール数を獲得し、応募転換率を向上させることに成功しました」と今川氏は述べます。
インストール数
インストール後の応募単価
「他のメディアではCPIの上限に達し、それ以上の拡大ができない中で、Yahoo!広告に予算を配分することでバイトルの広告全体の最適化につながった点は非常に評価できる」と藤野氏。また、最も成功した要因について今川氏は「Yahoo!広告でのアプリインストールを目的とした広告を再開する際に、ヤフーの営業担当者と一緒に当時の課題を見直し、目的やクリエイティブ作成などで密に連携できたことが大きかった」と教えてくれました。
展望
さらなる事業貢献を目指す
最後に、弊社への要望と今後の展望をお伺いしました。 「データを元にした広告配信がますます重要になっています。ユーザーのプライバシーを保護しながら、ヤフーにはさらなるデータ活用の推進をお願いしたいです。これまでは求人への応募数増加に焦点を当てて来ましたが、今後は事業本体に注目し、売上貢献とROAS(Return On Advertising Spend:広告費用対効果)向上に努めたいです」と藤野氏、橋場氏、今川氏にお話しいただき、インタビューを終えました。
- 企業名
- ディップ株式会社(外部サイト)
- 所在地
- 東京都
- 従業員数
- 2,925名(2023年4月1日現在の正社員)
※契約・アルバイト・派遣社員除く - 事業内容
- 人材サービス事業 / DX事業
藤野 亮 氏
ディップ株式会社
マーケティング統括部メディアマーケティング部 部長
橋場 瑠海 氏
ディップ株式会社
マーケティング統括部メディアマーケティング部 アドマネジメント課 課長
今川 達貴 氏
ディップ株式会社
マーケティング統括部メディアマーケティング部 アドマネジメント課 リーダー