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「テレビ離れ」の若者にどうリーチするか?テレビCMと同等の効果を生んだアイフルのLINE広告活用

アイフル株式会社

2019.04.15

(写真右から)
アイフル株式会社 宣伝部 部長 麻生 洋平氏
アイフル株式会社 宣伝部 宣伝課 大川戸 広志氏

企業・サービスのブランディングが重要となるカードローン業界では、テレビCMを中心に数多くの広告を展開しています。アイフル株式会社(以下、アイフル)では、広告施策の一つとしてLINEにおけるブランディング広告の有効性を検証するため、LINE広告(旧LINE Ads Platform)の指定セグメントへのリーチ最大化広告「リーチ&フリークエンシー」を実施しました。そこで得られたという予想外の結果について、同社宣伝部の麻生洋平氏(以下、麻生氏)と大川戸広志氏(以下、大川戸氏)に話を伺いました。

目的
  • デジタルにおいて大規模なリーチが可能な広告でブランドの認知を獲得したい
  • テレビCMではリーチできない層にLINEでどれだけリーチが可能か検証したい
  • LINE広告への出稿によるブランドリフトの効果を知りたい
施策
  • 「リーチ&フリークエンシー」を2回出稿
  • テレビCMとのリーチの重複調査を実施
  • 「ブランドリフトサーベイ」を実施してブランドリフト効果を調査
効果
  • LINEでのみリーチ可能なユーザーが、テレビCMでのみリーチ可能なユーザーと同等数いることが判明
  • 広告接触ユーザーにブランドリフト効果が見られた
  • 広告に2回接触したユーザーにおいて認知度が最大となった

「テレビ離れ」が顕著な若年層へのリーチに抱く課題感

施策内容について触れる前に、麻生氏は今回の取り組みの背景として「アイフルにおいて、ブランディング広告が重視される理由」について語ります。

 

「カードローン事業はさまざまな規制が存在するため、他社とプロダクトを差別化することが難しいサービスです。そのため、お客様が必要性を感じた際にサービスを選んでもらうためには、信頼できるブランドとして一番に想起していただくことが必要です。そこで、セキュリティー面の強化や返済のしやすさなどの利便性を向上する取り組みと併せて、ブランディング広告に重きを置いています」(麻生氏)

アイフル株式会社 宣伝部 部長 麻生 洋平氏

ユーザーにブランドへの信頼感を与えるため、アイフルでは今までテレビCMなどのマス広告を中心にブランディング広告を展開してきました。しかし、ユーザーボリュームとして大きな比率を占める20代の「テレビ離れ」が叫ばれ始めます。そこで、マス広告ではリーチできないユーザーに接触するため、LINE広告を採用しました。

 

「『信頼のブランド』を広く確立していく上で、今後もテレビCMをはじめとしたマスメディアでリーチをとっていくことは重要だと考えています。一方で、アイフルのお客さまはいわゆるテレビ離れの代表ともいえる20代が中心。以前は全国に900店舗ある無人店舗経由が中心だった利用申し込みが、7割以上をインターネット経由で占めるようになったことからも、20代にリーチするためにはデジタルでのコミュニケーションが必要だと感じていました。そこで、マスメディアと同等に継続的で大規模なリーチが取れるデジタル広告を探した結果、8,200万人のユーザーを抱えるLINEにたどり着きました」(麻生氏)

「リーチ&フリークエンシー」の効果を検証するために実施した2つの調査

アイフルがLINE広告で実施したのが、「リーチ&フリークエンシー」という広告配信機能です。配信側が広告接触回数の上限を定めることで優先的に配信を行い、プラットフォーム内でのリーチを最大化することができるメニューです。「リーチ&フリークエンシー」を実施した狙いについて、大川戸氏はこう語ります。

アイフル株式会社 宣伝部 宣伝課 大川戸 広志氏

「今回の主な目的は、リーチ獲得におけるプラットフォームとして、LINE広告の価値を測定することでした。そこで、リーチ最大化が可能な『リーチ&フリークエンシー』へ2回出稿し、並行して2つの調査を実施しました。実施した調査は、テレビCMでは接触できない層にどれだけリーチすることができるかを検証するための重複調査と、LINE広告での接触によるブランドリフトを測るためのブランドリフトサーベイ*です。なお、LINE広告に特化したクリエイティブは用意せず、比較のためにテレビCMと同じ動画素材を使用しました」(大川戸氏)

  • ブランドリフトサーベイ:広告の接触有無によってブランドリフトの変化を見ることができる「LINEリサーチ」のオプションのメニュー

重複調査で得られた意外な結果とは?

重複調査で得られた意外な結果とは?

気になる各施策の結果ですが、まずLINE広告と並行して行ったテレビCMとの重複調査で、当初の予想とは異なる意外な結果が現れたといいます。

「調査によると、テレビCMのみでリーチできたのは17.4%、LINE広告のみでリーチできたのが14.1%という結果でした。正直なところ、実施前はリーチの8〜9割がテレビCMで獲得できていると予想していたので、LINE広告のみでリーチできる層がテレビCMに匹敵するという結果には驚きました。また、LINE広告のみでリーチできたユーザー比率を見ると、最も大きなボリュームゾーンが20代だったことからも、若年層のテレビ離れを補完することができるメディアであると感じました」(大川戸氏)

20代〜40代のスマートデバイス利用者10,000名を対象としてマクロミルで実施した調査結果。TVCMのみ接触者とLINEのみ接触者の割合はそれぞれ17.4%、14.1%と、近しい結果となった。

広告接触者の内、LINEのみで接触した割合が20代で最も高い結果となった。

広告接触者の内、LINEのみで接触した割合が20代で最も高い結果となった。

さらに、ブランドリフトを測る「ブランドリフトサーベイ」で得られた結果によって、麻生氏は最適な広告接触回数が判明したと語ります。


「1回目と2回目、どちらの配信においても一定のブランドリフトが見られ、特に認知度においては両方の配信に接触したユーザーが最も高くなるという結果が判明しました。同じ広告に2回接触させる中でも継続的にブランドリフトが図れるという点において、さらに広く深いリーチがとれるプラットフォームとしての可能性をLINE広告に感じました。今回はフリークエンシー(1人あたりの広告接触回数)を10回までに設定しましたが、継続的に広告効果を上げていくためには最適なフリークエンシーを研究していく必要があると考えています。また、広告評価が高かったユーザーにおいてはサービス利用意向のリフトが高いこともわかったので、LINEユーザーに合わせたクリエイティブについても考えていきたいです」(麻生氏)

LINE公式アカウント活用も視野に、さらなる活用を推し進める

試験的に行った今回のLINE広告における取り組みを踏まえ、現在取り組んでいるLINEの活用について大川戸氏は下記のように語ります。

アイフル株式会社 宣伝部 宣伝課 大川戸 広志氏

「今回の目的はあくまで認知獲得におけるLINE広告のポテンシャルを測ることでしたが、コンバージョンも多く獲得することができ、CV獲得においても効果的な広告であると感じました。そこで、リターゲティングを主体としてLINE広告への出稿を行って広告面の価値を検証したところ、あらためて効果を感じることができました。現在は類似拡張機能を使っての獲得効率の改善や、より効果的なクリエイティブの検証に取り組んでいます」(大川戸氏)


LINE広告での施策結果を踏まえ、アイフルではLINE公式アカウントの活用にも前向きな姿勢を見せています。

アイフル株式会社 宣伝部 部長 麻生 洋平氏

「ユーザーが毎日、複数回触れるというLINEの強みを生かし、今後はLINE公式アカウントを開設してチャットで問い合わせを受け付けるなど、ユーザーが日常的に親しんでいるLINEのインターフェイスに合わせた形でアイフルのサービスを提供していくことも考えていきたいです」(麻生氏)

(公開:2019年4月/写真:佐坂和也)


※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです

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