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LINE広告

LINE広告でCV数が195% GA technologiesがLINE Conversion API導入を決めた理由

株式会社GA technologies

2024.06.17

(右から)
RENOSYアセットデザイン マーケティング部門マネージャー 光安悠太氏
RENOSYアセットデザイン マーケティング部門チーフ 木村和華氏

AIを活用した不動産サービスを提供する株式会社GA technologies(以下、GA technologies)は、不動産投資プラットフォーム「RENOSY(リノシー)」の見込み顧客獲得にLINE広告を活用しています。広告効果を高めるために「LINE Conversion API」を導入したところ、CV数が導入前の195%に増加し、CPAは63%に改善しました。導入の背景や成果について、同社RENOSYアセットデザイン マーケティング部門マネージャーの光安悠太氏(以下、光安氏)と同チーフの木村和華氏(以下、木村氏)に話を聞きました。

目的

・コンバージョン計測の乖離を解消して、最適化の精度を上げたい

・質の高いコンバージョンデータを最適化に活用したい

施策

・LINE Conversion API(コンバージョンAPI)の導入

効果

・コンバージョン計測の精度が向上

・導入後に CV数が195%に増加、CPAは63%に改善

マーケティングのKPIを「獲得件数」にしない理由

GA technologiesは、他業界と比較してアナログと言われることが多い不動産業界において、AIなどのテクノロジーを活用し急成長を続ける、新進気鋭の企業です。BtoB向けSaaSサービスなど、さまざまな事業を展開する中で、同社の事業の柱となっているのが不動産投資プラットフォーム「RENOSY」です。

RENOSY
不動産投資プラットフォーム「RENOSY」

RENOSYのマーケティング責任者を務める光安氏は、サービスの強みについて「データ活用と他にはない利便性」と話します。

 

「『確度の高い不動産投資』をコンセプトに掲げるRENOSYは、日本一の販売データを基にAIが判断した『収益性の高い不動産』だけを取り扱っており、会員数は40万人を超え(2024年5月時点)、中古マンション販売実績では国内トップの実績を誇ります。

 

また、不動産投資において通常は別々の会社によって分断されている、物件購入、管理、売却という3つのイベントを一気通貫で提供しています」

RENOSYアセットデザイン マーケティング部門マネージャー 光安悠太氏

ブランディングから成約まで、フルファネルマーケティングを行う同社のマーケティング部門は、KPIを「推定の売り上げ金額」としています。

 

「成約の前段階となる問い合わせの中には『成約につながらないコンバージョン』も含まれるため、リード獲得数だけをKPIに置くのは不十分だと考えています。弊社は、『コンバージョンの質』を定義して、件数だけではなく量と質のかけ算でKPIを設定しています」(光安氏)

LINE広告はメインターゲットにリーチしやすい

同社は、リード獲得を目的に2017年からLINE広告を活用しています。

 

LINE広告の運用を担当する木村氏は、LINEに広告出稿する理由について「メインターゲットの多さ」と語ります。

RENOSYアセットデザイン マーケティング部門チーフ 木村和華氏

「不動産投資という高額な商品のため、広告のメインターゲットは不動産のローンが組める一定以上の年収の会社員の方です。そのため、広告媒体を選ぶ判断基準も、ターゲット層へのリーチのしやすさが重要になります。

 

LINE広告は月間9,600万ユニークユーザー(※)という圧倒的なユーザー規模があることから、メインターゲットのユーザー数も多く、他媒体に比べて獲得件数が多いです」

 

※2023年12月末時点

 

インハウスで運用を行う同社は、広告クリエイティブの制作でもテクノロジーを最大限に活用しています。

 

自社開発した「クリエイティブヒートマップ」は、過去配信した広告クリエイティブのデータを蓄積し、広告クリエイティブのどの部分がユーザーに刺さりやすいかを配信前に診断できるツールです。診断結果を基に、配信前にクリエティブを改善して配信効果を高めています。

GA technologiesが自社開発したクリエイティブヒートマップ
クリエイティブ内でユーザーの反応がありそうな箇所をヒートマップで可視化

「クリエイティブの表現は『税金対策』の訴求、『副収入』の訴求など、いろいろな訴求軸をテストしてPDCAを回しています。LINE広告は他の広告媒体と比べてさまざまな配信面があるのが特徴で、配信面ごとにクリエイティブサイズも異なるので、すべてのサイズを配信して検証します。

 

また、配信面の『トークリスト』はタイトルのテキストが重要なため、同じクリエイティブで複数パターンのタイトルを配信したり、クリエイティブ以外の検証も行っています」(木村氏)

RENOSYの広告クリエイティブ
RENOSYの広告クリエイティブ。さまざまな訴求軸、クリエイティブサイズで効果検証を行っている

2つの課題を解消するためLINE Conversion APIを導入

一方で、LINE広告の運用を続けていくうちに2つの課題が生じてきたといいます。「コンバージョン計測の乖離」と「質の高いコンバージョンでの最適化」です。

 

LINE広告のコンバージョンは、LINE Tagを通じてクッキー情報を基に計測することから、同社が計測する実際のコンバージョン件数より少なく、コンバージョンの乖離があったといいます。同社はコンバージョンデータで最適化をかける運用をしているため、最適化の学習データの基となるコンバージョンデータの欠損は、最適化の精度低下につながります。

 

また、同社で定義する「質の高いコンバージョン」で的を絞った最適化が実現できておらず、広告パフォーマンスの最大化に苦戦していました。

この2つの課題を解決するために同社が導入したのが「LINE Conversion API」です。

 

LINE Conversion APIは、広告主が自社サーバーに保有しているデータをLINEサーバーに直接送信できる機能です。この機能を利用することで、クッキーに依存しない正確なコンバージョンの計測、それに伴う最適化の精度向上が期待できます。

LINE Conversion API
LINE Conversion APIの仕組み

また、コンバージョンデータの中から条件に合った特定のデータのみを、LINE Conversion APIを通じてLINEサーバーに送信することができます。

 

同社が目指す「質の高いコンバージョンでの最適化」も、コンバージョンデータの中から「一定以上の年収の会社員のユーザー」のみを抽出して最適化をかけることで実現可能です。

LINE Conversion APIで2つの課題を解消できる

「近い将来のサードパーティークッキー規制もありますし、待ちに待った機能だと思いました。すぐに導入し、正確な計測データを取って運用を安定させたいと考えました」と木村氏は振り返ります。

CV数195%、CPA63%に「もっと早く導入したかった」

LINE Conversion APIの導入によって、コンバージョン計測の乖離が解消され、「質の高いコンバージョン最適化」ができるようになった結果、すぐに大きな成果があったといいます。

 

「2024年3月中旬に実装したのですが、導入前後を比較するとコンバージョン数が195%に増え、CPA(顧客獲得単価)は63%に改善するという期待以上の成果が出ました。一時的ではなく、4月と5月もコンバージョン数が伸長した状態で安定するようになり、ここ数年で最大のパフォーマンスが出ています」(木村氏)

LINE Conversion API導入後の成果

大きな成果に「もっと早く導入したかった」と振り返る光安氏は、LINE Conversion APIを活用してさらに高度な運用を構想しています。

 

「現在はコンバージョンデータの中からメインターゲットのデータをLINEサーバーに返していますが、さらに進化させたいと考えています。コンバージョンデータに売上期待値を設定してグラデーションをかけたうえで最適化できる仕組みをつくれば、『コンバージョンの質』の向上にもつながります。

 

LINEというプラットフォームを通じて、GA technologiesのビジョンである『誰もが当たり前に不動産で資産形成ができる』という社会の実現につながることを期待しています」  

(公開:2024年6月、取材・文/岩﨑史絵、写真/慎芝賢)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です

企業名 株式会社GA technologies
所在地
東京都(本社)
事業内容
ネット不動産投資サービスブランド「RENOSY」の開発・運営
SaaS型のBtoB PropTechプロダクトの開発
サービス RENOSY
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