「CHIVAS REGAL(シーバス リーガル)」をはじめとするウイスキーなどの蒸留酒、シャンパンやワインを輸入・販売しているペルノ・リカール・ジャパン株式会社(以下、ペルノ・リカール・ジャパン)。LINE広告(旧LINE Ads Platform)を通じてLINE公式アカウントの友だちを獲得する「友だち追加」を実施した同社に、活用の背景や取り組みについて話を伺いました。
- シャンパンのメゾン マムの日本における認知向上と、ブランドのファンを獲得したい
- 自社商品のファンとつながり、将来に向けたファンマーケティングの基盤をつくりたい
- LINE広告の配信機能「友だち追加」でLINE公式アカウントの友だちを獲得
- 当初目標のCPA(Cost Per Action)を達成し、3,000人以上の友だちを獲得
- 自社商品へ興味のあるユーザーを獲得できたため、将来のファンマーケティングに向けた基盤づくりに成功
認知向上とブランドのファン獲得のため、友だち追加配信を実施
ペルノ・リカールは1975年、フランスのペルノ社とリカール社の合併により誕生し、ワイン・スピリッツ業界における企業規模は世界第2位を誇ります。その日本法人であるペルノ・リカール・ジャパンの基本戦略は、プレミアムブランドの展開に注力すること。同社 マーケティング本部 デジタルアクセレレーションマネージャーのマキシム ラマガ氏は「お酒を嗜むことが好きな方へ向け、プレミアムで魅力的な商品を提供している」と説明します。
これまで同社では、メールで配信していたニュースレターがユーザーとの主なコミュニケーションツールとなっていました。しかし、メールでは企業からの一方通行なコミュニケーションになるうえ、他のメールに埋もれて過去に届いたメールはなかなか読み返されないというデメリットがありました。
また、メール以外にもFacebookやInstagramといったSNSも運用していましたが、ユーザーとの距離はメールより近づくものの、双方向のコミュニケーションを行うツールとしては適していなかったといいます。そこで、よりユーザーと親密な双方向コミュニケーションを実現するため、2018年にメゾン マムのシャンパンのLINE公式アカウントを開設しました。
ペルノ・リカール・ジャパン株式会社 マーケティング本部 デジタルアクセレレーションマネージャー マキシム ラマガ氏
「LINEのユーザーは若年層が多いというイメージがあるかもしれませんが、実際には老若男女問わず非常に幅広い年代層のユーザーが活用しています。当社は酒類を扱っているため20代以上がターゲットになりますが、幅広い世代に愛飲いただいているため、LINEを活用してあらゆる年代にリーチすることができるのは大きなメリットでした」
1872年に誕生したメゾン マムは、日本での知名度はまだ低いものの、「挑み続ける日々とともに」をコンセプトにした世界中で人気の商品です。このメゾン マムの日本国内での認知向上やブランドのファン獲得を目指すため、LINE公式アカウントの友だち増加施策としてLINE広告の友だち追加配信を実施することにしました。
CPAと友だち獲得目標の達成に向け、クリエイティブやターゲティング設定を工夫
配信は、メゾン マムのシャンパンを楽しめるイベント「MUMMBEACHCLUB(マム ビーチクラブ)」の告知を兼ねて2019年8月1日から9月末までの約2カ月間で実施しました。広告予算は110万円、「CPA300円、3,000人以上の友だちを獲得すること」を目標に設定しました。
限られた期間で目標を達成するため、単に広告を配信するだけでなく、できるだけ広告配信におけるターゲティングを精緻にし、きめ細かく設定していきました。
「当初はグルメに興味がある若年層の人をターゲットにしていましたが、対象が広すぎて獲得効率は上がりませんでした。もともとメゾン マムのシャンパンは慶事やイベントの際などに飲まれることが多い商品なので、シチュエーションまで考慮してターゲティング設定を調整しました」
クリエイティブもサイズが異なる2つのバージョンを用意するなど、工夫を凝らしたとラマガ氏は説明します。
「日本ではブランド自体の知名度がまだ低いので、目に留まるようなクリエイティブでないとユーザーに関心を抱いてもらえません。本国の方で展開しているブランドイメージを損なわないようにしつつ、LINEの特性に合うようなクリエイティブを作り分けました」
今後は他ブランドへの展開や、LINE Payなど多彩な機能の活用も
2カ月にわたり友だち追加を目的とした配信を実施した結果、設定していた目標であるCPAの獲得単価を達成し、獲得した友だち数は目標を超える3,600人以上と大きな成果を得られました。
「LINEを活用するメリットは、ファンとも呼べる友だちを一度獲得すると、その友だちと継続的に双方向のコミュニケーションが図れる点です。探さずとも情報が簡単に得られる現代では、Webサイトをわざわざ訪問して情報を得る機会が少なくなっています。自社商品への理解があるファンの方とつながり続けることができ、すぐにユーザーの希望に沿った情報を届けられるチャネルは非常に有用です」
最後にラマガ氏は、今後のLINE活用について展望を語ります。
「今回、獲得した友だちに対するコミュニケーションをより強化しつつ、LAPの類似配信なども活用してファンを拡大していきたいと考えています。また、LINE Payや位置情報サービスであるLINE Beaconなどの他機能も活用しながら、ファンに有益な提案を続けていけたらと思います」
(公開:2019年11月、取材・文:岩崎史絵、写真:小田光二)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
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