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LINE広告

LINE広告でニッチ製品の認知度向上へ マイクロコンバージョンで最適化するBtoB商材の戦略

SFA Japan株式会社

2024.10.25

SFA Japan代表 荻野雄仁氏
マーケティング・マネージャー タカブット・ナッタポン氏
アドミン&マーケティング・アシスタント・マネージャー 鈴木柚子氏

排水圧送ポンプを販売するSFA Japan株式会社(以下、SFA Japan)は、一般的な認知度の低い製品を訴求するため、LINE広告を活用しました。自社で運用を行うにあたり、初期設定代行サービスを利用し、CPC(クリック単価)4円以下という低コストで効果的な運用を実現しています。ニッチなBtoB商材でありながら成果を上げている理由について、SFA Japan 代表を務める荻野雄仁氏、マーケティングを担当するタカブット・ナッタポン氏、鈴木柚子氏(以下、荻野氏、タカブット氏、鈴木氏)に話を聞きました。

目的

・一般にあまり知られていない製品の認知度を高め、Webサイトに集客したい

・自社でLINE広告を運用するにあたり設定方法を知りたい

施策

・初期設定代行サービスを利用してLINE広告を活用

・ページ内遷移というマイクロコンバージョンを設定して運用を最適化

効果

・初期設定の工数を削減して、スムーズに広告出稿を開始

・自動最適化により、パフォーマンスが良い月のCPCは4円以下、CPA50円以下と低コストな運用に成功

大規模な工事不要で簡単に水まわり設備を設置できる

排水圧送ポンプは、大規模な工事不要で水まわり設備を設置できる装置です。排水管工事ができない場所でも、トイレやキッチン、洗面台などを設置できるため、日本国内でも利用が拡大しています。

排水圧送ポンプを利用してトイレを設置したイメージ(SFA Japan提供)

排水圧送ポンプのトップメーカーが、フランスに本社を置くSFAです。日本法人であるSFA Japan 代表の荻野雄仁氏は、同社製品の強みについて次のように説明します。

 

「例えば、商業ビル内で以前本屋やブティックだった場所にカフェを開くには、キッチン設備を導入しなくてはなりません。そうした場合は床を上げて水回りの配管を通す必要がありますが、SFAの小型ユニット式排水圧送ポンプを利用すれば、床を上げるような大工事をせずにバリアフリーでキッチン設備が導入できます。住宅においても、2階やデッドスペースにトイレを設置したり、キッチンを増設して二世帯住宅にしたりなど、ライフスタイルに合わせて自由に住宅の設備向上を実現できます」

SFA Japan代表 荻野雄仁氏

課題である認知度向上のためLINE広告を選択

SFA Japanの取引先はBtoB領域が中心で、7〜8割が住宅設備企業や施工会社です。見込み顧客の獲得について、同社でマーケティング業務全般を担当するタカブット氏は「セミナー、展示会への出展、Web広告などあらゆるチャネルを活用している」と話します。

マーケティング・マネージャー タカブット・ナッタポン氏

また、水まわりに関するニーズは一般の生活者にも広く存在することから、XやYouTubeを通じてリフォームなど水まわり増設に関するお役立ち情報を発信しています。SNS運用担当の鈴木氏は、営業チームとも連携してクリエイティブ改善などのPDCAを回し、認知拡大に努めています。

アドミン&マーケティング・アシスタント・マネージャー 鈴木柚子氏

一方で、排水圧送ポンプの認知度を高めることは簡単ではなく、同社の大きな課題でした。

 

「介護用のトイレ設置や洗面所の拡充など、生活の中で水まわりの改修が必要になるシーンは多々あります。しかし、ほとんどの方は水まわりに関する知識を持っていないため、どういう選択肢があるのか、そもそもどう調べたら最適な手段を見つけられるかも分かりません。そこで、幅広い方々に対し当社の排水圧送ポンプを訴求し、水まわりで困ったときに想起していただけるような施策を展開したいと考えました」(荻野氏)

 

認知度を高める施策として同社が選んだのが、LINE広告です。その理由について、過去にLINE広告を利用したことがあるというタカブット氏は、「BtoC商材では、認知度向上とコンバージョン獲得に効果的だったため、BtoB商材でも応用できると思いました」(同)といいます。

自社運用に向け、LINE広告初期設定代行サービスを利用

同社はLINE広告を開始するにあたり、初期設定代行サービスを利用しました。同サービスは、広告配信に必要な初期設定とクリエイティブ2点の制作を、LINEヤフーが代行するサービスです。同社では、キャンペーン設定、広告グループの作成、クリエイティブの制作を依頼しました。

「LINE広告の経験があり、慣れている方であればそれほど難しくはないでしょうが、初心者は設定方法そのものが分からない方が大半だと思います。初めてLINE広告に出稿する企業、代理店に頼まず自社で運用したいという企業は、このサービスを使うとすぐに配信ができるため、活用したほうがいいと思います」(タカブット氏)

マイクロコンバージョンの活用で最適化

BtoB商材は、日用品などのBtoC商材に比べて、ユーザーの検討期間が長いのが特徴です。そのため、配信精度を高める自動最適化に必要な「購入」「問い合わせ」「資料請求」といったコンバージョンデータの蓄積に時間を要します。そこで同社は、マイクロコンバージョンとして「サイト内遷移」を設定し、自動最適化をかける運用を行っています。

「最大の目的は認知拡大ですが、その先の検討行動につなげることを意識しています。そのためには、広告をクリックしてサイトを訪問したユーザーに、何らかの行動を起こしてもらうことが重要です。そこで、LPを見たユーザーが次のページに遷移する行動をマイクロコンバージョンと設定しました。すぐに問い合わせや購入に至らなくても、LPからカタログページ、製品ページ、施工事例などの情報を閲覧するということは、排水圧送ポンプに興味を持っていると考えられるからです」(タカブット氏)

ターゲティングは、「20代以上の男女」かつ「過去コンバージョンしたユーザーを除外」と幅広く設定しています。これは、初期設定代行サービスで「まずはターゲットを絞りすぎず、できるだけ広めにアプローチすること」というアドバイスを受けて設定したものです。実際に、ほかのターゲット設定も試してみましたが、幅広く配信する方が高い効果が得られたといいます。

 

「配信の結果、40代以上男女のユーザーのクリックが多いことが分かりました。より効率的な配信を目指し、その年代のユーザーに絞って配信してみましたが、絞りすぎない『20代以上の男女』の方がいい成果が出ました。また、まずは多くの方に製品を知ってもらうことを優先し、リターゲティングは行っていません」(タカブット氏)

 

クリエイティブは「製品を知らない人」を想定しつつ、説明的な「文字を入れすぎないこと」を基本ルールとしています。静止画、動画、アニメーションと、すべてのフォーマットを制作して配信し、パフォーマンスが高いものを選別します。同社では、静止画のカルーセルが最もコンバージョン率が高く、CPCが最も低いのは動画フォーマットでした。制作を担当する鈴木氏は、ほかのSNSで反応が良かったクリエイティブや営業チームからのフィードバックなど、さまざまな観点で改善を行い、PDCAを回しています。

CPC4円以下で集客、CPA50円以下でのユーザー行動に成功

同社はリードタイムが長いBtoB商材でありながら、マイクロコンバージョンの設定、クリエイティブ運用のPDCAなどにより、高い成果を上げています。特にCPCは、パフォーマンスの良い月で4円以下と、低コストでのWebサイト集客を実現しています。また、サイト内アクションのCVRは15%以上、そのCPAは50円以下と、集客後のユーザー行動を促すことにも成功しています。

各種指標で高い成果が出ていることについて、タカブット氏は「LINE広告のアルゴリズムに制約をかけず、自動最適化することがポイント」と分析します。また、1つの指標や数字にこだわらず、バランスを見て成果を判断することが重要だといいます。

 

今後はさらなる認知度拡大と、「申し込み」や「購入」といったコンバージョン獲得を目指します。そのために、「より深いコンバージョン計測と最適化に向けてさらなる運用実績を重ねていきたい」とタカブット氏は話します。

 

最後に荻野氏は、「LINE広告を活用したより高度な戦略を展開し、排水圧送ポンプの認知度をさらに高めていく」という強い意志を示しました。ニッチな製品を広く世に知らしめるためのSFA Japanの挑戦は続きます。

(公開:2024年10月、取材・文/岩﨑史絵、写真/慎芝賢)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです

企業名 SFA Japan 株式会社
所在地
東京都中央区
事業内容
住居及び商業施設における給排水・バス・トイレ関連装置、設備、機器、製品、部品、アクセサリー等の輸出入、販売及び代理店業務
関連タグ:
#LINE広告