クレジットカードをはじめ、さまざまな決済手段を提供する国際的なブランド「Visa」では、非接触決済サービス『Visaのタッチ決済』(以下、Visaのタッチ決済)の認知度向上のため、「LINE Expand AD」を活用した広告施策を実施しました。
「LINE Expand AD」は、LINEユーザーの多くが日常的に訪れるLINEアプリの「ウォレット」タブにおいて、オンマウス時やクリック時、スクロール時にバナーが拡大表示され、1週間で約3,000万インプレッションが期待できるリーチ力と合わせて、ブランディングや大規模な認知獲得を実現する動画広告メニューです。
「LINE Expand AD」への広告出稿の狙いや実際の効果などについて、ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社の西谷麻耶氏(以下、西谷氏)と、担当営業として本施策の提案を行ったLINE株式会社の田縁正明(以下、田縁)に話を聞きました。
- 「Visaのタッチ決済」の認知度を向上したい
- 「LINE Expand AD」への2回連続での広告出稿
- 1回目の施策の結果を踏まえ、2回目の施策では動画の冒頭にキーメッセージを配置するクリエイティブを改善
- 「LINE Expand AD」への2回連続での広告出稿を通して「Visaのタッチ決済」の認知度が向上
- クリエイティブの改善により認知度におけるリフト効果が約2倍に
本記事の内容は2019年4月時点のものです。現在、LINE Expand ADは販売を終了しています。
「Visaのタッチ決済」の認知獲得にLINE Expand ADを活用
1958年の誕生以来、「世界中どこでもいつでも、誰からも選ばれ受け入れられる決済手段となること」というビジョンのもと、安全かつシームレスな決済体験を提供し続けるVisa。Visaのタッチ決済は、世界約200の国と地域で利用可能で、レジにあるリーダーに対応のVisaカード(クレジット・デビット・プリペイド)をタッチするだけで、スピーディーかつ安全に支払いが完了します*。
一定金額を超えるお支払いは、カードを挿し暗証番号を入力するか、サインが必要となります。
今回「Visaのタッチ決済」の認知度向上のためにLINEを活用した理由について、西谷氏は「テレビCMと連動して、日本国内でアクティブユーザーを数多く擁するLINEで動画広告を展開することが最適だと考えた」と言います。また、「LINE Expand AD」を採用した決め手として、西谷氏は2つのポイントを挙げます。
「1つ目のポイントは、『ウォレット』タブに動画広告が掲載できる点です。LINEにおける金融サービスの玄関口となるウォレットタブは、決済に関心のあるユーザーが集まりやすいのではないかと考えました。
2つ目のポイントは、『エキスパンド』という形式です。自分でスクロールするというユーザーの能動的なアクションによって視聴されるエキスパンド型の広告は、ユーザーの印象にも残りやすく、私たちのメッセージが伝わりやすいと考えました」
LINE Expand ADの画面遷移イメージ。ユーザーがスクロールする前は1/2サイズの静止画バナーが表示され、ユーザーがスクロールするとエキスパンドし、動画が自動再生されます。
クリエイティブに凝らすひと工夫でブランドリフト効果が約2倍に
1回目はテレビCMと同じ動画素材を使用して実施し、KPIとして設定していたVisaのタッチ決済の認知度において、動画広告を視聴完了かつ認知している人は、広告に触れていない人の1.4倍の認知度を記録し、高いブランドリフト効果があったことが調査の結果からわかりました。
その後、2回目はより高いブランドリフト効果を目指してクリエイティブの修正を行ったところ、同じ条件で認知度は1.9倍にまで上昇しました。
広告非接触者に対する動画視聴完了かつ認知しているユーザーのVisaのタッチ決済への認知度は、1回目の実施で1.4倍、2回目の実施においては1.9倍という結果に。(ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社様 LINE Expand AD広告効果測定調査結果より)
2回目を実施した際に行ったクリエイティブの修正について、西谷氏は次のように説明します。
「LINEからの提案を受け、動画再生開始直後に2秒ほどキーメッセージを挟む改善を加えました。これだけシンプルな改善でブランドリフトが約2倍に高まったことには驚いています。配信面の特性に合わせたクリエイティブ最適化の重要性、そしてLINE Expand ADはクリエイティブの細かな改善が生きてくる広告メニューであることを実感しました」(西谷氏)
冒頭で2秒ほど静止画を挟むことでキーメッセージを最初から印象付けるとともに、動画の上下にも帯を付し、メッセージを固定で表示させた
また、クリエイティブの改善提案を行ったLINEの営業の田縁は次のように話します。
LINE株式会社 マーケティングソリューションチーム 広告事業本部 次世代営業開発部 クライアントソリューションチーム 田縁正明
「テレビとスマホでは、コンテンツに対するユーザーの接し方が異なります。パーソナルなデバイスであるスマホの動画広告では、自分の興味・関心に合わない情報だと感じるとすぐに離脱してしまうユーザーが多いため、冒頭の数秒間でメッセージをいかに訴求できるかが勝負です。今回は冒頭にキーメッセージを配置することで広告効果を改善できた事例といえます。媒体特性を一番理解しているメディア側の知見を生かしながら、これからも変化していくテクノロジーやユーザーに対応するため、さらなる改善にお客様と一緒に取り組んでいきたいです」(田縁)
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守りに入らず、今後もLINEを活用して新たなチャレンジを
Visaは2回にわたるLINE Expand ADへの広告出稿の後も、LINE Expand ADやLINE広告の「リーチ&フリークエンシー」などへの出稿を続けています。継続して同じ施策を実施する理由について、西谷氏はこう説明します。
「施策を継続することは、ノウハウや知見の蓄積だけでなく、アップデートという点でも意義があると考えています。デジタル分野はテクノロジーやトレンドの変化も早く、新しい取り組みに追随していくためには、小さな施策でもよいので、繰り返し積み重ねることが不可欠です。テレビCMとは異なる、デジタル動画広告ならではの最適解をアップデートしていきたいです」(西谷氏)
これを受け、田縁は「現在、LINE Expand ADだけでなく、タイムラインに表示される『リーチ&フリークエンシー』広告も利用していただいており、今後もさまざまな配信面、サービスを組み合わせ、知見を蓄積しながら、テレビに続く第2のマスメディアとしてさらなる施策の最適化、改善を行いたい」と話します。
最後に、西谷氏は今後、新たに取り組んでいきたい施策や背景について、以下のように語りました。
「商材やタイミングによってキャンペーンの目的も変わるので、メディアプランや手法を含めてアップデートしていきたいです。デジタルの良さは、クイックに施策を実施し、改善できる点です。たとえ想定どおりにならなくても、それも一つの学び。施策の目的さえ見失わなければ次の施策に生かすことが可能なので、守りに入らず、新しいことにどんどんチャレンジしたいです。たとえば、『LINE Beacon』を活用し、屋外広告と連動して特定のエリアのユーザーにさらなる情報提供を行うなど、リーチの拡大だけでなく、コミュニケーションを重層化していく取り組みにも可能性を感じています」(西谷氏)
(公開:2019年4月/取材・文:阿部欽一、写真:小田駿一)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
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