スキンケアブランド「肌ナチュール」を展開する株式会社Waqoo(以下、Waqoo)は、2018年9月からLINE広告の運用を開始し、動画配信で高い効果を出しています。クリエイティブの方針や取り組みについて、Waqoo 事業統括部の角田虎勇氏(以下、角田氏)と、LINE広告の運用と動画制作を担当している株式会社ブリーチ(以下、ブリーチ)のマーケティング事業部マネージャー 浅井啓紀氏(以下、浅井氏)に話を聞きました。
- スキンケアブランド「肌ナチュール」の新規ユーザーを獲得したい
- 2018年9月からLINE広告を活用し、30代以上の女性をターゲットに広告を配信
- 静止画と動画を使い分けてクリエイティブ効果を検証
- ターゲット層と合致した新規ユーザーの獲得に成功
- 動画広告からLPへの遷移率が、静止画と比べて2倍高い数値を記録
「月間1万人の新規ユーザー獲得」に向け、LINE広告の運用を開始
Waqooは美容・健康・子育て・医療・介護など幅広い分野で事業を展開しています。中でも、2014年に販売を開始したスキンケアブランド「肌ナチュール」は、炭酸クレンジングや炭酸美容液など、炭酸成分を配合した商品が特徴で、30~40代の女性を中心に人気を集めています。
同社では「月間1万人の新規ユーザー獲得」という目標を掲げ、これまでリーチできていないユーザーに出会うための広告配信先を模索していました。そこで活用したのが、LINE広告です。
「これまではディスプレー広告やネイティブ広告を中心に出稿していましたが、目標達成に向けてまだリーチできていないユーザーに出会うための新しい広告配信先を求めていました。LINEは現在、8,800万人(2021 年3月末時点)もの月間利用者数を抱えています。LINE広告を活用することで、そのLINEのユーザーへリーチできることに魅力を感じました」(角田氏)
株式会社Waqoo 事業統括部
Waqoo のLINE広告を運用しているブリーチの浅井氏も、「LINEは若年層だけでなく全年齢層で利用率が高いため、肌ナチュールがターゲットとしている30歳以上の女性の新規ユーザー獲得にも大いに期待できた」と語ります。
「ユーザー数はもちろんのこと、ほかの運用型広告プラットフォームと比べて、LINE広告は審査がしっかり行われている点も素晴らしいと思います。化粧品や健康食品などの広告クリエイティブは、広告の表現が薬事法に抵触しないか常に気を配らなければなりません。当社でも万全のチェック体制を敷いて、薬事法に注意して広告を入稿していますが、LINE側でさらに念入りな審査が行われるため、ユーザーが安心して見れるクリアな広告提供ができている点も心強く感じています」(浅井氏)
動画の活用で、LPへの遷移率が2倍に
Waqooでは現在、静止画と動画フォーマットを用いたクリエイティブを使い分けながら広告配信を行っています。
クリエイティブ制作にあたっては、Waqooとブリーチが毎週のようにミーティングを行い、内容を決定。「肌ナチュール」の広告では、CTR(クリック率)が良好でもCV(商品購入)につなげられなければ広告配信の意味がないと考え、商品の特徴や使用効果を分かりやすく訴求するなど、ユーザー目線を意識したクリエイティブを制作しています。実際の制作はブリーチが担当し、これまで制作したクリエイティブ数は静止画と動画を合わせて、1万点以上にのぼるそうです。
当初は主に静止画のフォーマットを用いた広告配信を行っていましたが、「肌ナチュール」の広告で動画を用いるようになった理由は、静止画と動画で異なるLINE広告の配信面にあります。
「LINE広告では、静止画と動画でフォーマットのサイズや配信面が異なります。以前は動画の配信面が限られていましたが、アップデートによって動画の配信面が拡張され、横長の長方形、正方形サイズに加え9:16のバーティカルサイズの動画フォーマットができるなど、活用の幅が広がっていきました。 そうした背景から、静止画のフォーマットを用いた広告でも着実に効果は上がっていたものの、動画を用いたほうがより高い効果が得られるのではないかと考え、動画活用にシフトしていきました。結果、動画広告からLPへの遷移率が、静止画の2倍を記録するようになりました。動画広告の方がユーザーの興味を引くことは、明らかだと感じています」(浅井氏)
株式会社ブリーチ マーケティング事業部マネージャー
現在、LINE広告では動画配信の割合が徐々に増加し、全体のうち動画フォーマットを用いた配信が約4割を占めています。最大120秒の動画が配信できますが、ブリーチが制作するクリエイティブは、ほぼ全ての動画が10秒以内に収められています。
「ひと昔前は、動画広告といえば30秒以上の尺が主流でした。しかし、アプリ内で表示される動画広告は、ユーザーの指を止めて視聴してもらう必要があるため、瞬間的にユーザーに興味が湧く内容を動画で表現することでCTRが高くなります。そのため、クリエイティブを制作するうえでは、最初のワンカットでインパクトを与えることが重要です。肌ナチュールの場合、例えば再生前の静止画の段階から美しいモデルを出すのではなく、メイクをしていない女性をはじめに表示することでクレンジングであることを瞬間的に認識させるなど、女性ユーザーの興味や関心を引くようなクリエイティブを意識しています」(浅井氏)
ただし、商材や年齢層によっては、動画よりも静止画のほうが効果的なこともあるため、うまく使い分けることが大切だといいます。
「クレンジング系の商品の場合、動画のほうが肌の質感や使用後の爽快感が伝わりやすいため、効果が高い傾向にあります。肌ナチュールの広告配信では、静止画と動画の両方を配信しながら、効果が良かったクリエイティブを蓄積し、アレンジをしながら効果検証を重ねています」(浅井氏)
新規ユーザー獲得に期待して活用を開始したLINE広告ですが、角田氏はLINE広告に対して手ごたえを覗かせます。
「LINEは幅広いユーザー層がいることが魅力の一つですが、肌ナチュールのターゲットである30~40代の女性も多く利用しているため、まさに狙った層の新規ユーザーの獲得ができていると感じています」(角田氏)
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新規ユーザーの獲得へ向け、より動画の活用に注力したい
今後、WaqooはLINE広告のさまざまな配信機能やサービスをより活用し、動画を用いた広告配信に注力していく予定です。
「現在、提携アプリに広告が配信できるLINE広告ネットワークの『動画リワード広告』に注目し、どんな商材やクリエイティブが適切なのかを検証しているところです。動画リワード広告を活用することで、新たなユーザー獲得の機会につながるのではないかと期待しています」(浅井氏)
「動画広告を活用することによって、よりお客さまに商品に関する情報を詳細にお伝えすることができます。商品のファンになっていただけるお客様を増やすためにも、動画広告には注力をしていきたいです」(角田氏)
Waqooの今後の展望を受けて、LINEの営業担当の井上と杉谷は次のように語ります。
「LINE広告は企業の保有するオーディエンスデータと、ユーザーのLINEアカウントを連携して配信に活用できます。LINE広告は、それらのオーディエンスデータをソースとした類似拡張配信機能もあるため、顕在層のユーザーの獲得だけでなく、潜在層のユーザーへのリーチでも有用だと思います」(LINE 井上)
「ユーザーとの距離が近いというのもLINEならではの特徴です。新規顧客の獲得に留まらず、コミュニケーションツールとしてLINE公式アカウントをご活用いただき、ファンやロイヤルカスタマーの育成やLTVの伸長につなげていただけたらと思います。LINEとしても、獲得からCRMまで一気通貫したサポートが行える体制を整えていきます」(LINE杉谷)
杉谷美穂子
LINE Fukuoka株式会社 Ad Sales Consultingパート
井上真友子
LINE Fukuoka株式会社 Ad Sales Consultingパート
(公開:2021年5月/取材・文:相澤良晃、写真:小田光二)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
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