福岡県久留米市の美容室「Hair Salon HOME」は、2022年6月から理美容サロン専門POSシステム「SalonAnswer(以下、サロンアンサー)」と、デジタル会員証や予約機能を持つサロンアンサーのLINEミニアプリを導入。電話対応などの接客工数を削減しながら、予約数の増加を実現しています。数あるツールの中からサロンアンサーのLINEミニアプリを導入した理由や、LINE公式アカウントを併用した取り組みについて、同サロン代表の山田成人氏(以下、山田氏)に話を聞きました。
- ネイティブアプリやメールの反応の遅さに課題を感じ、アクション後に反応率の高いコミュニケーションツールを導入したい
- 2022年6月に予約管理やデジタル会員証の機能を持つ「サロンアンサー」のLINEミニアプリを導入
- 新規来店のユーザーにLINEミニアプリを案内し、以後のリピート予約の窓口をLINEミニアプリに集約
- LINE公式アカウントのメッセージ配信で空席情報を配信
- メッセージ配信後、1時間以内に5~6件、1日で10件以上の予約を獲得
- 電話予約の半数がLINEミニアプリ経由の予約に移行し、接客工数の削減に成功
- Web予約のうち、約7割をLINEミニアプリ経由で獲得
リーチ力やレスポンスの早さを期待し、「LINEミニアプリ」を導入
福岡県久留米市に店舗を構える「Hair Salon HOME」は、幅広い年齢層の女性から支持を集める地域密着型の美容室です。同サロンはオーナースタイリストの山田氏を含む4名のスタッフで、店舗を運営しています。
Hair Salon HOMEの外観および店内
Hair Salon HOMEでは、これまでユーザーからの予約を大手の美容室検索・予約サイトや各種SNS、電話などさまざまな方法で受け付けていました。さらにサロンのネイティブアプリも運用していましたが、2022年6月からエクシードシステム株式会社(以下、エクシードシステム)が提供する理美容サロン専門POSシステム「サロンアンサー」と、サロンアンサーのLINEミニアプリを導入。ユーザーが新たなアプリをダウンロードせずとも、LINE上で来店予約やデジタル会員証の提示を行えるようにしました。
「以前は他社の理美容専用POSシステムやそれに連動するネイティブアプリを用いて、顧客や予約などの情報管理を行っていました。予約日前のお知らせはメールで行っていましたが、近年、メールを見ないお客さまが増えるなどリーチやレスポンスの遅さを課題に感じていました。そこで、日常的に多くの方が利用するLINE上で情報発信から予約管理まで完結させたいと思い、サロンアンサーのLINEミニアプリを導入しました」
初回の起動時、デジタル会員証を表示する前に、LINEミニアプリでできることを3ステップで分かりやすく紹介
数あるPOSシステムの中からサロンアンサーを選んだ決め手は、「理美容専用であること」「シンプルで見やすい画面と、直感的で分かりやすい操作性を兼ね備えていること」「エクシードシステムの充実したサポート」の三点です。
「旧来のPOSシステムからサロンアンサーへの切り替える際、お客さまのカルテ情報などのデータ移行もスムーズに行えました。エクシードシステムの担当の方が操作方法や活用方法を丁寧に教えてくれて、すぐに使い始められたのも良かったです。やはり、どんなに機能的なシステムやツールを導入しても使いこなせなければ意味がないので、そうした点からもサポートの手厚いサロンアンサーを選んで正解だったと思っています」
ホーム画面には、電話や予約の導線、お知らせを掲載
メッセージ配信とLINEミニアプリの活用で工数削減&即時予約の効果
サロンアンサーのLINEミニアプリは、登録と同時にLINE公式アカウントが友だち追加されます。POSシステムと連携してLINE公式アカウントのメッセージ配信を行うことができ、「居住エリア」「来店頻度」「誕生日」などの条件でメッセージの配信対象を細かく絞り込みできます(※)。
※ ユーザー許諾の上、友だち追加されます。
※ LINEアカウントと紐づいた行動データの取得・活用にはユーザーの許諾が必須となります。
これにより、Hair Salon HOMEのLINE公式アカウントからはユーザー一人ひとりに合わせた絞り込み配信のほか、新メニューの紹介や定休日のお知らせなどの一斉配信も行っています。その中で特に効果が高いのが、空席情報の配信です。
「コロナ禍の影響で、ここ数年は体調不良による当日の予約キャンセルが増えています。そんな時に『本日の予約枠に空きが出ました』とメッセージ配信するとレスポンス率が高く、すぐに予約が入ります。朝8時に配信して、1時間以内に5~6件、1日で10件以上の予約が入ったこともありました。1日の予定を立てやすい朝の時間帯にメッセージを配信したことによる効果とも考えられますが、メールとは段違いの反応の良さです」
リッチメニューにもLINEミニアプリへの導線を設置しているため、ユーザーは空席情報を受信後にすぐに予約ができる
日常的に利用されるLINEならではの即時性を評価する山田氏は、二回目以降の来店予約をLINEに集約するため、ユーザーにLINEミニアプリを案内して登録を促しているといいます。
- 施術中や会計時にスタッフが直接声をかけて案内
- 施術中の席や待合室などの店頭に、LINEミニアプリの利用方法を記したPOPを設置
- WebサイトやInstagramにも「予約ボタン」を設置。ボタンを押すと、PCの場合は画面にLINEミニアプリへ遷移させるためのQRコードが表示され、スマートフォンの場合はLINEへ遷移される。
ユーザーはPOPに記載されたQRコードをスマホで読み込み、友だち追加の承認ボタンを押せば、数タップでLINEミニアプリの利用が可能になる
「導入当初は200名程度だったLINEミニアプリの利用者数も、現在では400名を超えています(2023年4月時点)。常連さんからも『すごく便利になった』『LINEで予約が完結できるから分かりやすい』と言っていただき、かなり好評です。
また、電話予約の件数もLINEミニアプリの導入後は半減し、LINEミニアプリ経由の予約に移行しているため、接客工数も削減されました。当店のように少ない人数で運営している店舗では、電話対応の工数削減がとても助かります。スタッフにも業務負担が減ったと喜ばれており、LINEミニアプリを導入して良かったと思っています」
Web予約の約7割をLINEミニアプリで獲得!リピーター育成を強化
一連の取り組みの結果、Hair Salon HOMEではWeb予約の約7割がLINEミニアプリ経由となっています(2023年4月時点)。今後はLINEミニアプリやLINE公式アカウントを利用して、ユーザーの利便性のさらなる向上やリピーター育成を目指していく予定です。
「LINE公式アカウントのメッセージ配信でクーポンを配布することでお得感を出し、顧客満足度アップと売り上げアップの両立を実現したいと思います。LINEミニアプリのデジタル会員証もうまく活用して、来店回数の増加にもつなげたいですね。来店回数に応じたインセンティブが良いのか、ポイント数に応じた割引が良いのか、現在模索中です。いずれにしても、ネイティブアプリのようにダウンロード不要で、数タップでデジタル会員証を発行できるLINEミニアプリを最大限に活用していきます。
また、今後はLINE公式アカウントでスタッフ紹介の動画を配信することも考えています。身振りや音声を届けられる動画を通じてスタッフの人柄が伝えて、サロンに親近感をもってもらえたら嬉しいです。LINEミニアプリの予約画面では、スタイリストの一覧から指名予約もできるので、そうした機能と紹介動画の配信をうまく連動させて、リピーター化につなげたいと思います」
(公開:2023年5月、文/相澤良晃)
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