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年間500万円の費用削減効果も!すしの美登利「順番待ち」のLINE ミニアプリ活用

株式会社梅丘寿司の美登利総本店

2024.01.25

お話を伺った方:
株式会社梅丘寿司の美登利総本店 営業本部 営業推進部 部長 保坂泰亮氏

“行列の絶えない寿司店”として知られる「すしの美登利(みどり)」は、2023年3月にLINE上で順番待ちの発券と呼び出しの通知ができる「matoca|マトカ(以下、matoca)」のLINEミニアプリを導入しました。すしの美登利を運営する株式会社梅丘寿司の美登利総本店(以下、梅丘寿司の美登利総本店) 営業本部 営業推進部 部長 保坂泰亮氏に、LINEヤフーの法人向けサービスを活用した取り組みや、得られた成果について話を聞きました。

目的
  • 誰でも使える順番待ちサービスを導入して、費用対効果を高く維持しながら業務効率化を進めたい
施策
  • 2023年3月に「matoca」のLINEミニアプリを導入
  • 順番が近づいたお客様の呼び出しには「LINEミニアプリ お知らせ」というLINEミニアプリ専用のトークルームからメッセージを無料で配信(すしの美登利では、最大3回のメッセージ配信)
  • 各店舗のLINE公式アカウントで、季節メニューであるおせちの販促など売上アップを意識したメッセージを配信
効果
  • ユーザーは待ち時間を有効活用でき、店舗側は行列緩和で周辺施設からのクレームを防げるなど、双方にメリットがある
  • LINEミニアプリの活用がもっとも進む、すしの美登利 アトレ吉祥寺店では、サービス導入後3カ月で店舗のLINE公式アカウントの友だちを約4,000人集めた
  • 販促メッセージの配信後、例年は1〜2カ月で完売するおせちが2022年は30分、2023年は15分で完売

無料で呼び出しメッセージを送信でき、コスト削減を実現

「すしの美登利」は、リーズナブルな価格で本格的な寿司を味わえるお店として、幅広い年代の顧客から支持されています。現在、寿司の美登利グループでは国内、首都圏を中心にイートイン9店舗、テイクアウト16店舗、計25店舗を展開。連日、店舗には多くの顧客が詰めかけ、大盛況だといいます。

店舗のイメージ

LINEミニアプリの導入を最初に行なった、すしの美登利 アトレ吉祥寺店

すしの美登利では、2023年2月に「matoca|マトカ」のLINEミニアプリを導入しました。

 

「matocaを導入する前は、店頭に設置した端末かWebブラウザから順番予約ができる別のシステムを導入していました。しかし、予約受付の窓口が複数あることで入店案内のオペレーションが複雑になってしまい、呼び出し順に不公平感を覚えるお客様もいました。そこで、Webブラウザからの受付を一時的に停止して店頭端末だけで順番予約を受け付けていたのですが、それではサービスの機能を十分に生かしきれておらず、費用対効果が見合わないという課題感がありました」

 

そうして新たに導入された株式会社ブレイブテクノロジー(以下、ブレイブテクノロジー)が提供するmatocaは、「誰でもカンタンに5秒で発券」をコンセプトに掲げる整理券システムです。受付専用のタブレットとプリンターを用意するだけで運用開始できる手軽さが魅力で、飲食店を中心に350 社1,900店舗が導入しています(2024年1月時点)。

 

「以前の順番待ちシステムでは順番が近づいたお客様の呼び出しに電話・SMSを利用しており、1通あたり数円~10円程度のコストがかかっていました。一方、matocaは『LINEミニアプリ お知らせ』というLINEミニアプリ専用のトークルームから無料で呼び出しメッセージを配信できます。さらに、基本料金も以前のサービスよりmatocaは割安だったため、乗り換えによるコスト削減効果は様々な要因が重なってではありますが、年間約500万円になると試算しています」

図版

LINEミニアプリ経由の友だちにメッセージ配信して、おせちが15分で完売

すしの美登利のイートイン形態の店舗におけるmatoca運用は、誰にでもわかるシンプルなものとなっています。

 

「まず来店されたお客様に、店頭のタブレットに表示される“発券ボタン”を押してもらいます。するとタブレット下に設置したプリンターから、受付番号とQRコードが印刷された整理券が発券されます。そのQRコードをお客様のスマホで読み込んでいただくと、認証画面を経てmatocaのLINEミニアプリ上でデジタル整理券が発行され、同時に当該店舗のLINE公式アカウントをスムーズに友だち追加できる仕組みです。

 

その後、順番待ちが残り5番目になるとLINE上で呼び出しメッセージが届くので、入り口付近に移動いただき、順番になったら店舗スタッフがお声がけして席に案内するという流れです」

図版

なお、matocaは店頭に設置タブレットを利用するほかにも、LINEミニアプリで自宅や出先など遠隔でデジタル整理券を発券することも可能です。しかし、予約受付の窓口が複数あることで入店案内のオペレーションが複雑化するというかつての課題感を踏まえ、すしの美登利では店頭でのみ順番待ちを受け付けています。

 

順番待ちの受付を済ませたユーザーはその場に居続ける必要はなく、買い物に行ったりカフェで休憩したりと、自由に行動ができます。このようにユーザー側は待ち時間を有効活用でき、店舗側は行列緩和につながり、周辺施設からのクレームを防げるなど、双方にとってメリットがあります。

 

「順番待ちが残り5番目になった際の呼び出しに反応しないお客様には、再度呼び出しメッセージが。さらに、30分経過しても店頭にいらっしゃらない場合は受付キャンセルのメッセージが配信されます。

 

数回に分けて丁寧にメッセージをお送りしているため、matocaのLINEミニアプリ導入後、順番待ちに関する大きなクレームはありません。店舗にあるアンケートハガキでも、LINE上で呼び出しメッセージが届くのにはおおむね肯定的な意見が集まっています」

 

また、「LINEミニアプリの利用時にスムーズに友だち追加できるのも大いに助かっている」と梅丘寿司の美登利総本店の保坂氏は評価します。

 

「創業以来、弊社は広告費用をほとんど使わずお客様の口コミやリピートなどで利用者数を増やしてきました。そのため、各店舗で開設しているLINE公式アカウントでも積極的なメッセージ配信を行なっていませんでした。

 

しかし、先のコロナ禍でイートイン店舗のお客様の流れが大きく変わったことから、集客や業務効率の改善にデジタルサービスを活用していく方針に変わり、DXを進めているところです」

図版

梅丘寿司の美登利総本店ではLINEを「デジタルマーケティングの要」として位置付け、LINE公式アカウントのKPIを「友だち数」に設定しました。現在は、来店促進や売上アップを意識してメッセージを配信しており、そのなかでも大きな成果を上げたのが季節メニューであるおせちの販促です。

 

「例年、9月頃から店頭や電話でおせちの予約受付をしているのですが、その対応が店舗スタッフにとって大きな負担になっていました。そこで、2022年からオンライン予約も受け付け、各店舗のLINE公式アカウントでおせちの予約開始についてメッセージ配信したところ、1セット27,500円のおせちが、わずか約30分で2000セットを完売しました。さらに、オンライン予約のみに切り替えた2023年は記録を更新して約15分で完売。それまでは完売まで1~2カ月を要していたので、そのスピード感には正直なところ驚いています。

 

売上アップだけではなく、対面で予約を受け付けた際の住所や電話番号の聞き間違いや、電話で予約を受け付けた際のお届け希望日の聞き間違いなどの人的ミスも減らせるので、業務効率化に大きく貢献してくれました」

今後はLINEミニアプリの利用データを基に、ユーザーごとの個別配信も

現在、梅丘寿司の美登利総本店では9店舗でmatocaのLINEミニアプリを導入し、友だち追加の約9割をLINEミニアプリ経由で集めています。なかでも、もっとも活用が進むすしの美登利 アトレ吉祥寺店ではサービス導入後3カ月で約4,000人の友だちを集客。以前の友だち追加数が数百だったことから、一層追加ペースが上がっています。

 

「友だちの多くが実際に来店して飲食を楽しんでいただけた方のため、LINE公式アカウントのブロック率やメッセージの開封率も良好です。

 

こうした成果を踏まえて、いまは紙ベースで行なっている利用アンケートもLINEに移行したいと思っています。たとえば、motocaの利用データを基に、“直近○日以内に来店したお客様”に限定してアンケートを送れば、回答率をより高められるはずです。

 

また、来店履歴の浅いお客様に対して常連化を促すメッセージを配信したり、受付キャンセルになった“見込み客”に対して来店を促すメッセージなど、さまざまな絞り込み配信のアイデアを考えています」

 

最後に、matocaのLINEミニアプリについての総評と今後の展望について、梅丘寿司の美登利総本店の保坂氏は次のように話します。

 

「開発パートナーであるブレイブテクノロジーにサービスの勉強会や店舗スタッフへの操作説明などを適宜サポートいただいたおかげで、以前の順番待ちシステムからの切り替えもスムーズに移行しました。

 

今後、matocaのLINEミニアプリ経由で集めた友だちに積極的にアプローチして、売り上げづくりを強化したい。将来的にECサイトをオープンした際など、LINEが大きく事業貢献してくれるはずなので、新たな施策を考え、チャレンジしていきたいと思います」


(公開:2023年1月、取材・文/相澤良晃)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です