北海道北見市に本社を置く株式会社アクティブカンパニーは、地域に密着した飲食店・居酒屋を展開しています。地方の人口減少が進む中、同社は2022年よりLINEと連携するモバイルオーダーシステム「funfo (ファンフォ)」のLINEミニアプリをパッケージで導入し、リピーター集客と業務効率化を実現しました。同社の専務取締役である伊藤正樹氏(以下、伊藤氏)とファンフォ株式会社 CBOの西岡拓真氏(以下、西岡氏)に話を聞きました。
- 地域密着型の飲食店として、人口減少に対応しリピーター集客を強化するためのCRM施策を実施したい
- LINE活用で顧客と接点を増やしつつ業務効率化と売上向上を同時に目指したい
- モバイルオーダーシステム「funfo」のLINEミニアプリを導入し、注文時にLINE公式アカウントの友だち追加を促進
- funfoのLINEミニアプリ活用で注文・会計のオペレーションを効率化
- LINE公式アカウントの友だちが来店した翌日にアンケートとクーポンを配信し、再来店を促進
- モバイルオーダー利用率は90%に達し、ホールスタッフ1名分のコスト削減を実現
- たんじろうパルウォーク店の友だち数は10000人を突破し、リピーター率は40%超を達成
- 客単価は100~200円増加し、クーポン利用による関連売上が月120万円超を実現
- funfoのLINEミニアプリを導入したことで、従来のシステムよりもメニュー変更が簡単になり、業務効率化を実現
顧客管理も簡単に!LINEで広がるfunfoのモバイルオーダー
1996年創業のアクティブカンパニーは、北海道北見市と網走市を拠点に飲食事業を展開。現在、8店舗中6店舗でLINEミニアプリを活用したモバイルオーダーシステムを導入しています。その背景について、同社のマーケティングを統括する伊藤氏は次のように語ります。
「地域の人口減少が進む中で、リピーターの確保は店舗運営において重要な課題となっています。このような背景から、当初はCRM(顧客管理マネジメント)を強化するために独自の店舗アプリを導入しました。しかし、アプリのダウンロードがユーザーにとって負担となり、思うように利用者数が増えないという課題に直面しました。そこで、追加のアプリを必要とせず、多くの方が日常的に利用しているLINEを活用できるfunfoのLINEミニアプリを導入しました。これにより、顧客との関係をよりスムーズに構築できました」

モバイルオーダーシステム、funfoのLINEミニアプリの特長はLINE公式アカウントとの連携です。ユーザーが注文時に、自店のLINE公式アカウントを自然な流れで友だち追加することで、店舗はユーザーとスムーズにつながることが可能です。(※)また、funfoの管理画面ではユーザーの注文データ、リピート率、顧客単価などを把握でき、それを基にユーザーに最適なメッセージを配信できます。
友だち追加には、ユーザーの同意が必要です
加えてファンフォの西岡氏は、「導入のしやすさもfunfoの大きな魅力」と説明します。
「funfoのLINEミニアプリは、パッケージ化されたモバイルオーダーシステムとして提供しているため、専用アプリを開発・運用する手間がなく短期間で導入可能です。また、POSレジ機能も備えているため、スタッフがメニューや金額を打ち込む手間なく、ユーザーが入力した注文履歴をもとに会計を行えます」(西岡氏)


ホールスタッフの省人化も実現!
funfoのLINEミニアプリの導入によって、特に収益性がアップしているのが「たんじろう パルウォーク店」(北見市)です。主にファミリー層をターゲットとした低価格の食べ放題焼肉店で、席数65の中規模店舗です。
「お客さまは、各テーブルに設置されたQRコードをスマホで読み込めば、すぐにLINEから注文ができます。これまでは紙のメニュー表を使い、ホールスタッフがお客さまの席まで伺ってハンディ端末に注文を打ち込むというオペレーションでした。現在でも紙のメニュー表を希望されるお客さまもいらっしゃいますが、来店客の9割はモバイルオーダーを利用してくれます。オペレーションの効率化により、ホールスタッフを1名減らすこともできました」(伊藤氏)

この高いモバイルオーダーの利用率により、たんじろうのLINE公式アカウントの友だち数は順調に増加。導入から約2年がたった現在(2025年1月時点)では、10000人 を突破しています。「店舗のある北見市の人口が約11万人であることを考えると、かなり評価できる数字」と伊藤氏は分析します。
「LINE公式アカウントを友だち追加したお客さまには、来店翌日の11時にLINE公式アカウントからアンケートとクーポンを自動で配信するように設定しています。このアンケート結果は、店舗設計や割引クーポン内容の改善に活用しています。また、LINE公式アカウントのメッセージ配信は、基本的に週1回、北海道在住のお客さまには特別にアルコールドリンクの半額クーポンを配信しています。これは、出張者ではなく、地元のリピーターになりそうな方に送ることで、継続的な来店を促進したいという狙いによるものです」(伊藤氏)
2024年11月の1カ月間においては、LINE公式アカウントからのメッセージ配信に関連して228名の方に再来店いただき、関連売上は120万円を超えています。

「店舗の印象が強く残っているうちに再来店を促すという意味で、アンケートと同時にクーポンを配布するのは非常に有効です。クーポンをきっかけに来店したリピーターが、同僚や知人を連れてきてくれる。その新規顧客が注文時にLINE公式アカウントの友だちとなって、後日、クーポンを受け取り、また新規顧客を連れて来てくれる――このような、とても良いサイクルが回っています」(西岡氏)
実際、たんじろうのリピーター率は2024年1月の19.4%に対して、現在40%以上です(2025年1月時点)。
「今後、この数字をさらに伸ばしていけば、より収益性を高められるのではないかと思います。funfoのLINEミニアプリは月額無料から始められ、ランニングコストを抑えられるだけでなく、自動アンケート回収や、チェーン店管理、QSC管理など店舗運営をより強化する機能も充実しておりますので、ぜひご利用いただきたいと思います」(西岡氏)

顧客単価は100~200円程度アップ!
funfoのLINEミニアプリ導入から2年。あらためて、その効果について伊藤氏に次のように教えてくれました。
「導入店舗では、客単価が100~200円ほど上がっています。これは手を挙げてスタッフを呼ぶ必要がなく、自分の好きなタイミングで気軽に注文ができるようになったことが大きいと思います。加えて、料理や飲み物の提供スピードが上がったことで、実質的なお客さまの店舗滞在時間が延びたことも寄与していると考えられます。
また、メニューの切り替えが非常に楽になりました。紙のメニューを作るには、デザインを組み、内容をチェックして、間違いを修正して印刷する……と時間もコストもかかります。以前、タブレット端末のテーブルオーダーシステムを導入した際は、タブレットのページごとにデザインを組む必要があり、それにも膨大な時間がかかっていました。しかし今は、スマートフォンで料理の写真を撮って即座に差し換えることができます。仕入れ状況に合わせて柔軟にメニューを変更できるのは、大きなメリットです」
さらに、同店ではお客さまとの接点を重視する接客の強化を進めています。具体的には、混雑していない時間帯にスタッフがテーブルにあえて注文を伺う取り組みです。
「常連のお客さまの中には、スタッフとのコミュニケーションを楽しみに来店される方もいらっしゃいますので、その点は大事にしています。こうした柔軟なオペレーションができるのがfunfoのLINEミニアプリ(モバイルオーダー)ならではの良さです」(伊藤氏)


企業名 | 株式会社アクティブカンパニー |
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所在地 | 北海道北見市
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事業内容 | 飲食店経営
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サービス | 焼肉食べ放題 たんじろうパルウォーク店 |
(公開:2025年3月、取材・文/相澤良晃)
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