株式会社ティンパンアレイは、ラグジュアリーからアウトドア・スポーツまで、さまざまなファッションブランドのリユース事業を展開しています。同社はLINE公式アカウント とユーザーの呼び出しに特化したLINEミニアプリ 「yoboca(ヨボカ)」を導入し、査定プロセスの効率化と月間の友だち追加数を約2倍に増やしました。結果、実施した買取キャンペーンの効果も、130%から180%へと向上。この取り組みについて、ティンパンアレイ 商品グループゼネラルマネージャー兼ECグループゼネラルマネージャー 桜庭邦洋氏に話を聞きました。
- 買取ユーザーの会員登録比率を増やして、コミュニケーションを強化したい
- 買取査定工数を削減したい
- 呼び出し通知に特化したLINEミニアプリ「yoboca」の導入
- 買取査定プロセスの工数を大幅削減
- LINE公式アカウントの友だち追加数が月間約2倍に増加
- 買取キャンペーンの効果が130%から180%にアップ
店舗買取査定の課題は「電話連絡」、買取ユーザーとのコミュニケーションづくりも急務
ティンパンアレイは、ブランド古着やバッグを取り扱う「RAGTAG(ラグタグ)」などのショップを運営するファッションブランドリユースのパイオニアです。1985年に原宿で創業し、現在は首都圏や大都市を中心に全国23店舗を展開しています。近年では、オンラインショップの商品をユーザーの希望店舗に取り寄せ、実物を見たり、試着してから購入できる「お取り寄せ」サービスも提供。「誰もが憧れのブランドアイテムを買えるようにしたい」という思いから、リピート促進と販売点数を増やす努力を続けてきました。
同社は、リピート来店を促進するべく入荷案内やコーディネート情報、お得情報を発信する独自アプリを展開し、ユーザーとの接点づくりに取り組んでいます。しかし、購入ユーザーに比べると、ブランド品の買取に訪れるユーザーは会員登録比率が低く、なかなか接点が持てないという課題がありました。
また、買取査定のプロセスにも課題がありました。店舗での買取査定では、品物を預かる際にユーザーの電話番号を記入してもらい、番号札を渡して査定後に電話で呼び出しをするプロセスを採用していました。しかし、電話をしてもユーザーにつながらなかったり、折り返しの連絡があった時にスタッフが出られなかったりと連絡がつきにくいこともあり、何度も電話するという工数が発生していました。
「番号札の管理やアルコール消毒の手間もかかり、この工数を削減したいと考えていました」(桜庭氏)
番号呼び出しに特化したLINEミニアプリ「yoboca」でプロセス刷新と友だち数の向上を目指す
2022年7月、最適なソリューションを探した結果、呼び出し通知に特化したLINEミニアプリ「yoboca」に出合い、買取ユーザーに向けて活用することにしました。
呼び出し通知に特化したLINEミニアプリ。主に商品の準備が整ってからユーザーを呼び出す必要がある業種に最適なシステムで、自然な導線で該当企業(店舗)のLINE公式アカウントと友だちになりやすい点も特徴
「yobocaはQRコードを読み込むだけで使えるためユーザーにも分かりやすく、案内も容易なのが魅力でした。査定終了後はLINEにメッセージが届くので、電話と違って何度もやりとりする必要がありません」(桜庭氏)
LINE公式アカウントの友だち追加にはユーザーの許可が必要です
電話連絡の工数削減で利便性アップと買取点数も180%に
「yoboca」導入の成果はすぐに現れました。まず、買取ユーザーへの連絡にかかる工数が大幅に削減されました。電話での折り返しが不要になったことに加え、手書きの電話番号が判読できず顧客管理システムで調べていた手間もなくなりました。買取ユーザーからも「電話よりもLINEからの連絡の方が便利」という声が寄せられました。
また、LINE公式アカウントの友だち数も「yoboca」の導入前は月500名前後の増加でしたが、導入後は月1,000名前後に急増しました。
※2021年1月〜2024年3月までのLINE公式アカウントの友だち追加数の推移 株式会社ティンパンアレイ調べ
友だちの数が2倍になり、買取ユーザーが把握できるようになったことで、買取キャンペーンの効果も向上しました。
「例えば、『このブランドの買取額をアップします』などのキャンペーンを案内するとします。通常時の買取点数を100%とした場合、以前までは130%の上昇にとどまっていたのが、アクティブな買取ユーザーとつながったLINE公式アカウントからメッセージを配信したところ、180%まで上昇しました。ブランドによっては200%、300%になったものもあります。改めて、友だち数を増やす意味、ターゲットに合った配信の重要性を認識しました」(桜庭氏)
今後、同社はLINE公式アカウントの活用対象を購入ユーザーにも拡大する予定です。また、LINEの会員証連携、販売での活用も視野に入れているということです。
「セグメントをきちんと行い、効果的にメッセージを配信すること、LINE公式アカウントのさらなる活用でより成果を目指していきます」(桜庭氏)
(公開:2024年7月、取材・文/岩﨑史絵、写真/山﨑美津留)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です
企業名 | 株式会社ティンパンアレイ |
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所在地 | 東京都品川区
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事業内容 | 国内・国外デザイナーズブランド衣料(婦人・紳士・子供)、バッグ、時計、宝飾品の買い取りおよび販売
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サービス | RAGTAG |