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1ヵ月でスピード導入!マイナス2名体制で繁忙期を乗り越えた魚貝専門居酒屋の「モバイルオーダー」のLINEミニアプリ活用

株式会社エー・ピーホールディングス

2023.03.22

株式会社エー・ピーホールディングス 魚事業本部 エリアマネージャー 高畑智弘氏

首都圏で14店舗を展開する魚貝専門居酒屋「四十八漁場」(よんぱちぎょじょう)は、2021年12月からモバイルオーダー(店内注文)機能を持つ「ダイニー」のLINEミニアプリを利用しています。既存のPOSシステムはそのままに、LINEミニアプリの導入決定からわずか1ヵ月というスピーディーな運用開始を実現。同居酒屋の運営元である株式会社エー・ピーホールディングス(以下、エー・ピーホールディングス)魚事業本部 エリアマネージャー 高畑智弘氏に、LINEミニアプリの導入の経緯や具体的なオペレーション、得られた成果などについて話を聞きました。

目的
  • コロナ禍でスタッフの安定確保が難しくなったことから、業務効率化を実現したい
  • 今後の集客施策につなげられるようなサービスを導入したい
施策
  • モバイルオーダー(店内注文)機能を持つ「ダイニー」のLINEミニアプリを2021年12月に導入
  • 既存のPOSシステムとダイニーのモバイルオーダーを併用して業務を遂行
効果
  • 全体の7割ほどのお客さまがモバイルオーダーで店内注文。2022年12月の繁忙期には以前より1〜2人スタッフが少なくても店舗を運営できた
  • 以前は1時間ほどかかったハンディの日替わりメニュー作成が、ダイニーでは30分ほどで完了。軽微なメニュー修正もクイックに行えるようになった
  • ダイニーのLINEミニアプリ導入前、約2万3000人だった四十八漁場ブランドのLINE公式アカウントの友だち数が、約1年で10万人を突破

業務効率化からリピーター獲得まで、一気通貫のLINEミニアプリ

東京都豊島区に本社を置くエー・ピーホールディングスは、地鶏料理が人気の「塚田農場」、新鮮なホルモンが自慢の「芝浦食肉」など、複数ブランドの飲食店を全国に約200店舗展開しています。そのなかでも、鮮度抜群の魚介を提供しているのが魚貝専門居酒屋の「四十八漁場」です。

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四十八漁場 池袋東口店の内観

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四十八漁場で提供される、全国各地から届く新鮮な食材

現在、四十八漁場は、東京・埼玉・神奈川の3都県に14店舗あり、その約半数を統括しているのが同社エリアマネージャーの高畑氏です。

 

「福井県日向の『ひるが寒ぶり』、岩手県陸前高田の『雪解け牡蠣』、宮崎県の『一本釣り初ガツオ』などを各地の生産者から直接仕入れ、リーズナブルな価格で四季折々の鮮魚を提供しています。屋号の四十八漁場は、“天然の魚介類の壊滅が危惧されている2048年以降も美味しい魚が食べられるように”との願いを込めてつけられました」

インタビュイーの写真

株式会社エー・ピーホールディングス 魚事業本部 エリアマネージャー 高畑智弘氏

2018年、四十八漁場はブランドアカウントとしてLINE公式アカウントを開設後、新商品の情報やお得なクーポンなどを配信して集客を行なってきました。そして、新型コロナウイルスが猛威を振るっていた2021年12月に、モバイルオーダー(店内注文)機能を持つ「ダイニー」のLINEミニアプリを導入。導入の経緯について、高畑氏は次のように振り返ります。

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「四十八漁場はもともと対面接客を重視していて、その日に入荷した鮮魚を木製の丸桶に乗せ、お客さまにプレゼンする“岡持ち”を行なっています。そのため、コロナ禍で浸透し始めたタブレット型のオーダーシステムも、お客さまとのコミュニケーションが取りにくくなるという理由で、最初は導入に消極的でした。

 

しかし、次第にスタッフの安定確保が難しくなったことから、商品情報などの付加価値の提供を維持しながら業務効率化ができるモバイルオーダーの導入を決断しました」

 

数あるモバイルオーダーサービスのなかでダイニーのLINEミニアプリを選んだのは、「LINEを活用した集客施策につなげられるから」だと高畑氏は語ります。

 

「オペレーションの効率化だけが目的なら、タブレット型のオーダーシステムを導入するという選択肢もありました。しかし、ダイニーのLINEミニアプリは、利用時に取得するLINEアカウントのユーザーID(※)を基にして、誰が、いつ、何回目の来店で、何を注文したのかなどのデータが蓄積されていきます。

  • LINEアカウントと紐づいた行動データの取得・活用にはユーザーの許諾が必須となります。

また、自社のLINE公式アカウントにもスムーズに友だち追加できるので、後日、クーポンやお得な情報を配信してお客さまの再来店を促せます。業務効率化から顧客管理、リピーター獲得までひと続きになっているのが、LINEミニアプリのすごいところです」

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繁忙月にスタッフ1~2人分の業務効率化を実現

四十八漁場では、既存のPOSシステムと連携することなくダイニーのLINEミニアプリを利用しています。

 

「利便性を追求するなら、POSもダイニー社のものに入れ替えて、モバイルオーダーと連携させるのが理想です。しかし、社内の全ブランドで統一されたPOSシステムを使い、売上や財務情報などを一元管理している都合上、四十八漁場だけがPOSを入れ替えるのは現実的ではありませんでした。そこで、既存のPOSシステムとダイニーのモバイルオーダーを併用して業務を行なっています」

 

現在のオペレーションでは、会計時にテーブルごとの支払い金額、人数、客層などの情報を既存のPOSレジに転記する作業が発生しますが、「トータルで見れば、業務効率は格段に上がった」と高畑氏は断言します。

 

「以前はPOSと連携したハンディ端末に、スタッフが注文内容を入力していました。お客さまからお声がかかると、スタッフはテーブルに向かわねばなりません。しかし、混雑時などすぐに対応できない時は、お客さまにも少なからずストレスを与えてしまっていたように思います。

 

今は“岡持ち”を行なった後、モバイルオーダーについてご案内すれば、お客さまが自身のスマホで注文してくれます。念のため紙のメニュー表も用意していますが、全体の7割ほどのお客さまがモバイルオーダーを利用してくださっています。お客さまのテーブルへの移動時間とハンディの入力回数が、単純計算でも7割減です。

 

おかげで2022年12月の繁忙期には、以前より1〜2人スタッフが少なくてもお店を回わせるようになりました」(数値は四十八漁場調べ)

 

導入当初、会計時に行うPOSレジへの転記作業で、スタッフがミスをすることも度々あったそうです。しかし、今ではお客さまを待たせずスムーズに会計作業ができているといいます。

 

「これでまではハンディの日替わりメニュー作成に1時間もかかっていましたが、ダイニーは操作性も優れているので、今は30分ほどあれば完了します。また、開店後にメニュー名や金額に間違いが見つかっても、2~3分で修正可能です。既存のPOSシステムと連携させていませんが、その分1ヵ月でスピード導入して業務効率を改善できたので、結果として満足しています」

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地方の生産者を応援するために「投げ銭」機能の利用も検討中

LINE公式アカウントの友だち集客でも、上々の成果をあげています。ダイニーのLINEミニアプリ導入前、約2万3000人だった友だち数が、約1年で10万人を突破しました(2023年1月時点)。

 

「集客した友だちに再来店を促すため、現在検討しているのが『ポイントシステム』の活用です。ダイニーには、来店回数に応じてポイントを付与できるサービスがあります。ポイント数に応じて会員グレードを上げてインセンティブを手厚くするなどして、ロイヤルカスタマー化に取り組んでいきたいと考えています。

 

また、ダイニーのアンケート機能はすでに活用していて、お客さまが来店した翌日の12:00にLINE公式アカウントにメッセージ配信しています。アンケートの大項目は、「来店意欲」「接客」「料理」「提供スピード」「清潔感」の5つです。『単品刺し盛り』の無料クーポンをインセンティブにすることで回答率は9%前後で推移しており、メニューの考案やサービスの改善に役立てています」(数値は四十八漁場調べ)

 

さらに、ダイニーの「推しエール」という機能も利用を検討しているといいます。これは接客が良いスタッフ、応援したいスタッフに対してLINEミニアプリ上からギフトを贈れる投げ銭機能です。ギフトの金額は店舗の売上として集計され、その後給与として従業員に分配することも可能です。

 

「この機能を使えば、たとえば注文画面のメニューに生産者の情報を添えて、おいしいと思った食材の生産者に対して、ギフトのような形でお客さまから生産者に投げ銭し、溜まったもので漁具や大漁旗を贈れるような仕組みもつくれるのではないかと考えています。これが実現できれば、地方にいる生産者の方々の応援にもなるし、生産現場とお客さまのつなぎ役になるという私たちのミッションの具現化にもなります。ほかの店舗ではできない飲食体験になると思います」

インタビュイーの写真

最後に、LINEの法人向けサービス活用の展望について高畑氏は次のように話します。

 

「モバイルオーダーは“冷たい接客”などと思われがちですが、対面のコミュニケーションとうまく組み合わせたり、ダイニーの機能をうまく使ったりすれば、従来よりもお客さまとのつながりを強くすることができると確信しています。

また、リピーター獲得の強化を目指して来店回数に応じたクーポンを配信するなど、LINE公式アカウントの活用にも取り組んでいきます。今年度中に、店舗ごとにLINEミニアプリとLINE公式アカウントを準備して店舗限定クーポンを企画するなど、各店の裁量でそれぞれの特色が出せるよう運用体制を整える予定です。四十八漁場の強みを生かしながら、これからもLINEを積極的に活用していきます」

 

(公開:2023年3月、取材・文/相澤良晃、写真/高橋枝里)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です