アパレル大手の株式会社アダストリア(以下、アダストリア)は、以前から自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」の集客施策の一環でLINE公式アカウントを活用しています。2023年からMicoworks株式会社(以下、Micoworks)が提供する「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by
- 売上をつくりやすく、「反応率」と「費用対効果」の高さを両立できる配信を行って、ユーザーにとってより有益な情報を届けたい
- 「反応率」が高いMAツールを使った自動配信と、売上をつくりやすく都度の配信設定を行うセグメント配信で各種情報を発信
- 従来の配信方法で得られるメリットを両立できる“第3の配信手法”として、「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by CRITEO」を導入
- 上記で月に1〜2回、ユーザーの興味・関心が最も高いと思われる商品(現在は5つ)を、カードタイプメッセージの形式で自動配信
- 「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by CRITEO」を使った配信1回あたりの収益効率(収益/配信通数 で算出される、メッセージ1通あたりの収益性を指す指標)は、セグメント配信の4倍
LINEの即効性を生かして自社ECの売上を構築
2023年に創業70年を迎えたアダストリアは、グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファームなど、
同社は、全国各地に約
「ドットエスティは、自社ブランドのアパレルや雑貨や家具のほかにも、最近では他社の食品も取り扱うなど、さまざまな角度からライフスタイルを提案するマルチカテゴリーの場へと成長してきました。2020年にデジタル会員証のLINEミニアプリを導入したあとは店舗起点でLINE公式アカウントの友だち数が急増し、同時にLINEのコミュニケーションを通じてドットエスティの新規登録ユーザーも増え続けています」(上田氏)
マーケティング本部 WEB事業部 アシスタントマネージャー 上田航大氏
ドットエスティのLINE公式アカウント活用では、ユーザーのLINEアカウントとドットエスティの会員情報とのID連携に注力してきました。これにより、1人ひとりの購買状況などに合わせてLINE公式アカウントで最適なメッセージ配信を行っています。
「LINEはいまや国内で最も発達したコミュニケーション手段の1つであり、マーケティングにおいてはその“即効性”が強みだと思います。そこに自社の保有データを組み合わせれば、たとえばクーポンの利用期限が迫ったユーザーにだけメッセージを配信し、使い忘れを防ぐこともできます。開封されるまでに時間を要するメールより、LINEはより効率的に購買行動を喚起できます」(上田氏)
ドットエスティでは、大きく2つの手法でLINE公式アカウントのメッセージ配信を行っています。ひとつは、MA(マーケティングオートメーション)ツールを使った「自動配信」。もうひとつは、任意のタイミングで実施する「セグメント配信」です。
「友だちの反応がより見込めるのは、MAツールによる『自動配信』です。ユーザーの行動データを基にした自動配信なので、よりパーソナライズした情報を届けられます。先ほど話したクーポンの使い忘れを防ぐメッセージ配信もこの手法に含まれます。
一方で、売上をつくりやすいのは『セグメント配信』です。配信対象となるユーザー規模が大きいため、その分売上を伸ばすことができます。しかしパーソナライズが十分でないため、メッセージ1通あたりの費用対効果はMA配信よりも劣ります。
そのため、売上をつくりながら『反応率』と『費用対効果』の高さを両立できる配信手法をずっと探していました」(上田氏)
そして、アダストリアが求めていた“第3の配信手法”として2023年9月から同社が導入したのが、Micoworks株式会社が提供する「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by
よりパーソナライズしながら売上につながるレコメンド配信が可能に
Micoworksは、LINE公式アカウントの機能を拡張できるマーケティングプラットフォーム「MicoCloud(ミコクラウド)」を提供し、その運用をサポートしています。一方、
「今回、当社と
わかりやすい具体例を1つ挙げると、『ユーザーが別のサイトで見た商品と類似する自社商品を、LINE公式アカウントで自動配信する』といった風に、柔軟なメッセージ配信が実現します」(中井氏)
セールス統括本部 エンタープライズセールス二部 senior manager 中井拓海氏
レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by
1 2023年12月現在の仕様で、今後変更される場合があります。
「通常、このようなレコメンド配信を自前で行うには、予算をかけて独自にシステムを開発するしかありませんでしたが、レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by
また、あらかじめCriteoのシステムが有する膨大なデータを利用できるので、機械学習に時間を費やす必要もありません(※2)。アダストリア様の場合は、導入決定から約1カ月で初回のレコメンド配信を行うことができました」(中井氏)
2 Criteoの広告エンジンを利用した広告運用をあらかじめ行っている場合に限ります。
ドットエスティのLINE公式アカウントでは現在、月に1~2回のペースでレコメンド配信を行っており、1回の配信あたりの収益効率(収益/配信通数で算出される、メッセージ1通あたりの収益性を指す指標)は、前述したセグメント配信の4倍という成果が出ています。
「たとえば5日間のセールを行う際に、最終日の前日にレコメンド配信を行うことで、“駆け込み購入”を強力に後押しできます。1度の配信でつくることができる売上は、やはり配信対象が多いセグメント配信が勝りますが、費用対効果では今回新たに実施したレコメンド配信のほうが断然優れています。
当初の期待通り、レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by
レコメンド配信のさらなる機能強化に期待
レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by
「従来、購入頻度が高いお客さまに対しては、購買履歴データを活用してパーソナライズされた精度の高い情報を届けられましたが、今回のサービスは購入頻度が少ないお客さまにもパーソナライズしたレコメンド配信ができるのが強みです。ライトユーザーに対して、たとえばセールの期間の終わりにピッタリの情報を届けることでCXを向上できるだけでなく、広告主の売上アップにつなげることができます」(中井氏)
また、アダストリアの上田氏は今後の展望について次のように語ります。
「大前提として、レコメンド配信を含めたLINE公式アカウントのメッセージ配信で高い成果を上げられているのは、スタッフの地道な声がけにより店舗で質の高い友だちを集められているからです。その上で、従来の自動配信とセグメント配信にもそれぞれメリットがあるので、今後も状況に応じてレコメンド配信と併用していく予定です。
サービスがアップデートされれば、たとえば「在庫切れ商品を何度も閲覧しているユーザーに対して、商品が入荷された際に自動でレコメンド配信する」など、MAツールに蓄積されたユーザーの行動データとCriteoとの組み合わせで配信できることも期待しています。今後もお客様にとってさらに有益な情報を届けてまいります」(上田氏)
(公開:2024年4月、取材・文/相澤良晃、写真/高橋枝里)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です
企業名 | 株式会社アダストリア |
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所在地 | 東京都渋谷区渋谷2丁目21番1号 渋谷ヒカリエ 27F
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事業内容 | 衣料品・雑貨等の企画・製造・販売
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