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LINE公式アカウント

1カ月で自社ECに最適化!CVR30倍超を達成したアルプロンのLINE公式アカウント利活用

株式会社アルプロン

2024.09.19

(写真左から)
株式会社アルプロン 営業本部マーケティング兼NB事業部 開発/選定 管理栄養士 杉本楓氏
株式会社DMM Boost カスタマーサクセス本部 ECCS部 的池誠矢氏

プロテインの製造・販売を行うアルプロン株式会社(以下、アルプロン)は、2018年にLINE公式アカウントを開設し、ナーチャリング(顧客育成)に取り組んでいます。2021年には、LINE公式アカウントの機能拡張サービスである「DMMチャットブースト」を導入。自社ECの販売促進に活用し、大きな成果を上げています。LINEを活用した取り組みや得られた成果について、アルプロンの杉本楓氏(以下、杉本氏)、株式会社DMM Boost(以下、DMM Boost社)の的池誠矢氏(以下、的池氏)の2名に話を聞きました。

目的
  • 自社ECの売り上げアップを図りながら、そこで取得したデータをLINE公式アカウントの施策に活用したい
施策
  • 2018年にLINE公式アカウントを開設し、2021年12月に『DMMチャットブーストforEC』を導入
  • 友だち追加時に自動配信されるアンケートの回答とECサイトでの購買データを掛け合わせたセグメント配信のほか、メッセージを開封したユーザーだけを対象にするオーディエンス配信を実施
  • 年に1度、大規模セールを実施する期間中はリッチメニュー全面をセール告知用のボタンに変更して、ECサイトへの流入を促進
効果
  • DMMチャットブーストを導入して1年半後、自社ECの売り上げの半分以上がLINE経由で上がるようになった
  • 月間売り上げはDMMチャットブースト導入前と比べて300万円以上、CVR率は0.3%から9.35%と30倍以上に増加

数ある媒体の中で、ナーチャリングに最も適しているのがLINE公式アカウント

2001年に島根県で創業したアルプロンは、プロテインを中心としたスポーツ栄養食品のメーカーです。2024年8月時点で自社商品の累計販売数は200万点を超え、島根県にある自社工場ではOEM(受託製造)も行っています。

 

「近年の“健康ブーム”を追い風として、プロテイン市場は急成長を遂げており、新規参入するメーカーも増えています。その中で自社工場を持っていることは大きなアドバンテージで、豊富な商品数と圧倒的なコストパフォーマンスを実現して、40代男性を中心に幅広い層のお客さまから支持されています」(杉本氏)

株式会社アルプロン 営業本部マーケティング兼NB事業部 開発/選定 管理栄養士 杉本楓氏

高品質×低価格×美味しいプロテインを提供するために、同社では品質管理を徹底。その裏付けとして、プロテイン専門工場としては日本初となる食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC((Food Safety System Certification))22000」を取得しました。

アルプロンのプロテインは、乳酸菌を配合したもの、フリーズドライのフルーツチップのものまで
豊富なバリエーションを揃え、筋トレ初心者からボディビルダーまで幅広い層の体づくりをサポート

アルプロンは2018年にLINE公式アカウントを開設しました。その狙いについて、杉本氏は次のように明かします。

 

「当社のマーケティング戦略は、各種SNSや動画投稿サイトなどで認知を獲得した後、ユーザーとのコミュニケーションを通じてナーチャリングを行い、全体の売り上げをアップさせるというのが主流です。

 

そして、数ある媒体の中で最もナーチャリングに適しているのが、ユーザーの多くが日常的に利用し、双方向のコミュニケーションが可能なLINEです。“LINE公式アカウントの友だちになるのが一番お得”というイメージを持ってもらうため、LINE限定の施策を積極的に実行しています」(杉本氏)

アルプロンのLINE公式アカウントでは、ID連携の有無によってリッチメニューを出し分け。
全体のアカウントのほかにも、ショッピングモールごとのアカウントを2つ開設・保有

現在、同社の売上構成比はドラッグストアなどの実店舗が約7割、残りの約3割がオンラインです。「オンラインは大手ショッピングモール経由の売り上げが大きいが、今後は利益率の高い自社ECの利用率を上げていきたい」と先を見据える杉本氏。その構想を実現するために導入したのが、DMM Boost社が提供するLINE公式アカウントの機能拡張サービス「DMMチャットブースト」です。

 

DMM Boost社の的池氏は、サービス導入の経緯について次のように振り返ります。

 

「アルプロンさまから『自社ECの売り上げアップを図りながら、そこで取得したデータをLINE公式アカウントの施策に活用したい』というご相談をいただき、約1カ月間の準備を経て2021年12月に当社サービスを導入いただきました。

 

アルプロンさまに導入いただいた『DMMチャットブーストforEC』はEC事業者向けのサービスで、ECサイト構築ツール『Shopify』の顧客情報とLINE のユーザーアカウントをID連携(※)できるのが最大の特長です。これにより顧客対応やマーケティングの自動化が可能になり、商品購入から決済、発送通知までをLINE上で完結できるほか、累計購入金額に応じたポイント制度や購入履歴によるセグメント配信などでリピート購入を効果的に促すことができます。

 

自社ECの売り上げアップを実現しつつ、顧客育成の基盤をつくれることがDMMチャットブーストの強みです」(的池氏)

  • ID連携はユーザーによる認証が必要です。

株式会社DMM Boost カスタマーサクセス本部 ECCS部 的池誠矢氏

DMMチャットブーストの活用によって、例えばユーザー個人とやり取りをする際に、DMMチャットブースト内で収集している情報や連携しているECモールの情報と照合しながらの返答ができるようになります。

DMMチャットブーストの管理画面イメージ。情報を連携させながらチャットに返答できる

各種データをもとにセグメントを行い、One to Oneコミュニケーションを実現

アルプロンのLINE公式アカウントからは、ほぼ毎週末に実施するセール情報を含めて、月に10回前後のメッセージ配信を行っています。LINE公式アカウントの運用KPIは、友だち数、開封率、クリック率などの項目があり、中でも最も重視するのが売り上げです。

 

メッセージ配信の効果を高めるため、アルプロンではLINE公式アカウントの友だち追加時に、プロテインを飲む回数や商品価格に対する感想、誕生日などを尋ねるアンケートを自動配信しています。こうして得たパーソナル情報と、ECサイトでの購買データを掛け合わせて効果的なセグメント配信を実施。One to Oneコミュニケーションによって、クリック率やコンバージョン率の底上げに成功しました。

友だち追加時に自動配信されるアンケート

「セグメントの具体例を話すと、購入回数1回のライトユーザー限定でシェーカープレゼントキャンペーンを行ったり、1年以上購入が途絶えている休眠ユーザーに対して特別クーポンを配布しています。やはりリーズナブルさを求めているお客さまは多く、クーポン配信で売り上げが倍増することも珍しくありません。

 

また、過去にセールの告知メッセージを開封したユーザーだけをオーディエンス(配信対象)とする『メッセージインプレッション』も、配信の費用対効果を高める上で重要です。DMMチャットブーストのタグ付け機能を利用すれば、リッチメニューのボタンを押したユーザーを購入モチベーションの高いユーザーとして管理でき、そのオーディエンス配信も高いパフォーマンスを発揮しています」(杉本氏)

オーディエンス配信の一例

そのほか同社では年に一度、「大創業祭」という大規模セールを実施。その期間中はリッチメニュー全面を「大創業祭」を告知するボタンに変更して、ECサイトへの流入を促進しています。

大創業祭の開催時に表示したリッチメニュー

加えて、セール情報の配信ばかりだとブロックにつながりかねないので、ユーザーに楽しんでもらえるコンテンツを意識して、LINE公式アカウントのクーポン抽選機能を使ったインタラクティブなメッセージ配信も行っているそうです。

リッチメッセージをタップするとくじが引ける
などユーザーが楽しめるコンテンツを作成

自社ECの売り上げの半分以上がLINE公式アカウント経由で発生

DMMチャットブーストを導入して1年半が経過して、ユーザーのリピート購入を効果的に促せるようになった結果、自社ECの売り上げの半分以上がLINE公式アカウント経由になりました。月間売上はDMMチャットブースト導入前と比べて300万円以上増加し、CVR(コンバージョン)率は0.3%から9.35%と30倍以上を向上しています(2024年8月時点)。

 

また、アルプロンはLINE広告の「友だち追加」も活用しながら、着実にLINE公式アカウントの友だち数を増やし続けています。この顧客基盤を活かし、今後さらなるCRM強化に取り組む方針です。

 

「直近のアップデートで、DMMチャットブーストでは友だち追加していないユーザーに対してもプッシュ通知を行える『PnP通知』をリリースしました。この機能を活用すれば、アルプロン様のLINE公式アカウントの認知拡大に一層貢献できるかと思います。

 

また、商品ページごとに個別にタグを設定するなどして、各商品と購入ユーザーを紐づける取り組みも進めたい。それによりクロスセルやアップセルを増やし、LTVの最大化を図っていきたいと考えています」(的池氏)

 

最後に、杉本氏はLINE公式アカウント活用の今後の展望について次のように語ります。

 

「『どのプロテインを飲んだらいいのか分からない』というお客さまの声もよく聞きますので、自分にぴったりの商品が見つかる“プロテイン診断”の機能を充実させていきたいです。アルプロンには私も含めて管理栄養士が数名在籍しているので、プロによる栄養補給のアドバイスを切り口として、お客さまとのコミュニケーションをさらに深めていけたらと思います。

 

また、当社は意思決定が早く、担当者が持つ裁量も大きいので、施策をスピーディーに実行できるのが強みだと考えています。DMMチャットブーストはLINE公式アカウントとShopifyの顧客データの連携が簡単にでき、リッチメニューの自由度を向上できる点が大きなメリットだと感じています。あとはなんと言ってもサポートが手厚く、担当者の方から早く返答がいただける点ですね。困った時にすぐに相談できる点は非常に助かっています。今後も活用の幅を一層広げていきたいです。

 

例えば『プロテインの効果的な飲み方』など、お客さまからの問い合わせへの自動応答機能などを導入して、購入後の手厚いサポートやユーザービリティーの向上に取り組み、一人ひとりのお客さまとの関係性をより強めていきます」(杉本氏)

 

(公開:2024年9月、取材・文/相澤良晃、写真/高橋枝里)
 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です

企業名 株式会社アルプロン
所在地
東京都港区浜松町1丁目27−17
事業内容
・プロテインを中心としたサプリメントの製造、販売
・OEM(受託製造)
関連タグ:
#LINE公式アカウント