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売り上げ130%アップに貢献!飲食店経営を劇的に変えたあっぷるアイビーのLINE活用術

株式会社あっぷるアイビー

2025.04.02

株式会社あっぷるアイビー 代表取締役 丸田 剛氏

1952年創業の株式会社あっぷるアイビー(以下、あっぷるアイビー)は、長野県内を中心に店舗を展開している飲食事業者です。同社は新聞折り込みチラシに代わる販促ツールとして、店舗ごとのLINE公式アカウントを2016年に開設。LINEで予約も導入し、LINE公式アカウントの機能をフル活用して売り上げアップを実現しています。「あっぷるぐりむ 栗田店」のLINE公式アカウントを例に、成果につなげている活用の工夫について聞きました。

目的
  • 折り込みチラシに代わる販促ツールを導入したい
  • リピーターを増やしたい
施策
  • メッセージ配信でお得な情報やクーポンを配信
  • リッチメニューにLINEで予約やクーポンリストへの動線を設置し、ユーザーの利便性を向上
  • リッチメニューと応答メッセージ機能を掛け合わせ、テイクアウトの利用も促進
効果
  • 店舗での声がけに注力し、1週間で200名以上の友だち追加に成功
  • クーポンリストをリッチメニューに設置後、設置前と比べてリッチメニューのクリック率が1.3倍に伸長。総クリック数のうち、約8割がクーポンリストと好評
  • 2024年12月~2025年1月における全店舗の総予約数のうち、LINEで予約経由の予約が約8割を占める
  • 全店舗の総予約数において、昨年比で月平均4,000人以上の増加を継続的に達成
  • コロナ禍以前の2019年と比較した1店舗あたりの売り上げ130%伸長に、LINE公式アカウントが貢献

折り込みチラシからLINEへ、デジタル化で若年層との接点づくりにも期待

長野県須坂市に本社を置くあっぷるアイビーは、長野県を中心にファミリーレストラン「あっぷるぐりむ」、やきとり居酒屋「きらび本店」、イタリアンレストラン「ピッツェリア」、ファミリー焼肉「焼肉のバーンズ」「カルビ牧場」などさまざまな業態の飲食店の運営を行っています。

地域住民に長らく愛されてきた、あっぷるアイビーの運営するレストラン

地域密着で店舗展開する同社は、これまで折り込みチラシや地域情報誌への広告出稿を中心に販促活動を行ってきました。しかし、新聞や雑誌の発行部数が減少の一途をたどる中で、「費用対効果が見合わないと感じるようになった」と丸田氏は振り返ります。代わりの販促手段として2016年11月にLINE公式アカウントを開設。2022年にはLINE上で予約が完結する「LINEで予約」も導入し、マーケティング施策のデジタル化に舵を切りました。

 

「当社のお客さまは40~60代の年齢層の方が中心です。幅広い年齢層が利用するLINEを活用することで、若年層のユーザーとの接点も得られるのではないかという期待がありました。現在、当社の運営する25店舗でLINE公式アカウントを開設し、本部で一括運用しています」

株式会社あっぷるアイビー 代表取締役 丸田 剛氏

友だちを大切に、リピーターを増加。LINEで予約経由の予約が約8割に

あっぷるアイビーではLINE公式アカウント運用におけるKPIを、友だち数とLINEで予約の利用者数に設定しています。

 

友だち数に関しては、Webサイト上での案内のほか、店舗スタッフによる声がけを中心に友だち集めを実施。各店舗の友だち追加状況や効果のあった声がけなどのノウハウを定期的に共有し、スタッフが成功事例を学んでモチベーションを高められるような工夫をしています。

 

「全店舗を平均すると、総来店者数に占めるリピーターの割合は35%程度です。このリピーターの割合を増やしていくことが安定した経営につながりますから、その土台づくりとしてLINE公式アカウントの友だち数は重要です。LINEを通じてお客さまと継続的につながることが、大事だと思っています。

 

そのため友だち集めにも注力し、店頭では『お得なクーポンをもらえますよ』『LINEから予約ができて便利ですよ』など、お客さまのメリットを分かりやすく説明して友だち追加を促しています。特に友だち集めに対するモチベーションが高い店舗では、1週間で200名以上の友だち追加がありました」

あっぷるぐりむのWebサイトでは、「お得情報・クーポン」のページでLINE公式アカウントのメリットを訴求して友だち追加を促す

一方のLINEで予約は店頭での声がけのほか、LINE公式アカウントのトークルーム下部に表示されるリッチメニューにも目立つ形で動線を設置。こうした工夫によってLINEで予約の利用率は伸長し続け、LINEで予約経由の予約数は、2024年12月~2025年1月における全店舗の総予約数のうち約8割を占めています。

 

「お客さまからの予約は、LINEで予約が圧倒的に強い状況です。総予約数に関しても“昨年比で月平均4,000人以上の増加”が継続的に続いており、LINEで予約の貢献度は非常に大きいと感じています。LINEから数タップで予約が完了するという手軽さもLINEで予約の利用率の高さの要因ではないでしょうか。相対的に店舗への電話予約の件数が減っているため、店舗オペレーションの効率化も実現しています」

LINE公式アカウントの機能をフル活用し、効果を最大化

集めた友だちに対して、あっぷるアイビーではメッセージ配信やリッチメニューを活用してお得な情報を配信しています。

 

メッセージ配信では毎週金曜日の9時10分に一斉配信を行っているほか、業態に合わせた告知も実施。例えば「あっぷるぐりむ」では5のつく日(5日・15日・25日)が「ぐりむの日」にクーポンを配信しています。また、店舗から「この商品をもっと売り出したい」といった要望が上がってきた際は、スポットでメッセージを配信するケースもあるそうです。

 

「配信メッセージのクリエイティブは、社内で作成しています。基本的に画像で簡潔に情報を伝えることを意識していて、クーポンなど実際にお客さまにご利用いただくものはリッチメッセージで情報を伝えきります。一方、新サービスの情報など、画像で情報を伝えきれないものはカードタイプメッセージを使って目を引くようにしてクリック率を高めています。ランディングページ(LP)などのリンク先に飛んでもらい、具体的な情報にアクセスしていただくのが狙いです」

あっぷるぐりむの「ぐりむの日」に毎回お得なクーポンを配信

また、リッチメニューに「クーポンリスト」を設けているのも同社ならでは工夫です。クーポンリストとは、ユーザーが利用できるクーポンが一覧表示される機能です。友だち追加日以前に配信された有効期限内のクーポンも表示されるため、利用数の増加が期待できます。

利用できるクーポンがクーポンリストからすぐに見つけられる

実際にクーポンリストをリッチメニューに設置したところ、設置前と比べてリッチメニューのクリック率が1.3倍に伸長。リッチメニューの総クリック数のうち、約8割がクーポンリストのクリックと、多くのユーザーにクーポンの存在を知ってもらうことができています。

 

さらにリッチメニューにはユーザーの利便性を高めるために、「ショップカード」や「テイクアウト」ボタンも設置。特にテイクアウトに関しては季節商材の販促に貢献したといいます。

 

「テイクアウトボタンを押すと、自動的にテキストとカードタイプメッセージが表示されるように応答メッセージ機能を活用しました。通常のテイクアウトメニューに加え、期間限定のおせちやすき焼き用の和牛肉をカードで視覚的に訴求したことで、販売数が伸びました。効果が実感できたので、今後、リッチメニュー×応答メッセージのさまざまな活用法を考えていきたいと思います」

通常時はテイクアウトボタンを押すと、テキストとカードタイプメッセージが表示され、利用できるテイクアウトサービスにすぐに遷移できる

インセンティブを強化して、クーポン利用者数が4倍に増加

クーポン配布から予約、テイクアウトの訴求まで、LINE公式アカウントをフル活用しているあっぷるアイビー。その効果は着実に大きくなってきているといいます。

 

「コロナ禍以前の2019年と比較して、現在1店舗あたりの売り上げは130%伸長しています。リピーターや予約数の増加という点で、LINE公式アカウントの貢献度はとても大きいと感じています。折り込みチラシは準備に手間も時間もかかりますが、LINE公式アカウントは柔軟な施策をタイムリーに実施できる。その運用のしやすさも大きな助けになっています」

 

2025年の年始には、あっぷるぐりむ看板メニューである「旨ハンバーグ」の半額クーポンを配布したところ、通常の割引クーポンと比べて4倍の利用があったそうです。「施策に対して確実にユーザーの反応があるのが、LINE公式アカウントのすごいところ」と丸田氏は評価します。

リッチメッセージをタップするとクーポンへ遷移。クリエイティブは一目で内容が分かるように工夫

今後はLINEミニアプリの順番待ちサービスの導入をはじめ、応答メッセージで選択できるテイクアウトメニューをより細分化するなど、「お客さまの利便性をさらに高めるためにLINEを活用していきたい」と丸田氏は展望を語ります。

 

「継続的なメッセージ配信を行うことで、LINE公式アカウントの販促成果は、店舗規模や業態に関わらず確実に表れると思います。私たちのように人口の少ない地域の飲食店でも効果がありますから、地方の飲食店の皆さんにも、ぜひ運用を検討していただきたいですね」

企業名 株式会社あっぷるアイビー
所在地
長野県須坂市
事業内容
飲食店店舗運営および企画、食品加工製造および販売
サービス あっぷるぐりむグループ(店舗一覧)

(公開:2025年4月、取材・文/相澤良晃)

 

※ 本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※ 本記事内の実績は取材先調べによる数値です

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