大阪府で2店舗を展開するA'z hairは、ヘアメニューに加えてまつ毛パーマや着付けも行うトータルビューティーサロンです。2020年4月上旬に、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されて以降、ユーザーへの連絡手段の1つとしてLINE公式アカウントを開設しました。他のSNSとの使い分け、今後の展望などについて同サロン代表の香西武志さんに話を聞きました。
コロナ禍で認識した、「伝わる」連絡ツールの重要性
サロンを構える地域の女性やファミリー層を中心に支持されるA'z hairは、これまで電話や予約サイトのメッセージ機能を使って、ユーザーとの連絡を行っていました。
「サロンで多彩なメニューや店販商品を提供しているため、発信手段も各種SNS、動画投稿サイト、オンラインショップなどさまざま。多くのチャネルを通じて、お客さまとの接点を増やしてきた」と語る香西さんですが、状況が一変したのは2020年4月上旬のこと。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による緊急事態宣言が大阪にも発令され、A'z hairは営業時間の変更や感染対策の徹底など、さまざまな対応を行いました。
中でも、4月中旬に2週間の休業に踏み切った際は、予約振替などの連絡に苦労したといいます。「原則、スタッフからは日中にお電話させていただきましたが、出ていただけないケース、そもそもカルテの電話番号が古くて通じないケースもあった」と、香西さんはユーザーへの緊急連絡における不便さを振り返ります。
活用イメージは、教育現場における「緊急連絡網」
そこで導入を検討したのが、LINE公式アカウントでした。4月中旬のサロン休業前に開設の申し込みを行い、営業再開後、来店したユーザーに向けて友だち追加を促しました。その際、「お客さまとそのご家族を守るため、万一の事態(新型コロナウイルスへの感染)がサロンで発生した際などの緊急連絡に使わせていただきたい」と、1人ひとりに丁寧に説明を行いました。
「高齢のお客さまの中にはLINEをインストールされていない方もいるので、その場合は従来通り電話連絡などを行う予定でいる」と話す香西さん。最近は、リッチメニューにオンラインショップへの導線を設置。販売しているスタッフ制作のハンドメイドアクセサリーについて、「新作を見たよ」と声をかけてもらえたなど、サロンが発信した情報がユーザーに伝わっていることを実感する機会が増えてきました。
今後はリピーター向けのクーポンや自動応答の充実など、ユーザーメリットのある機能拡充を検討しているといいます。LINE公式アカウント活用の今後の展望について、A'a hairの香西さんは次のように総括します。
「現在は、万一の事態に備えるということでLINE公式アカウントの活用も最小限に留めていますが、お客さまにもLINEで連絡できる安心感を持っていただけたと思います。
徐々に認知度も上がっているのか、最近では『トークで予約できるようにしてほしい』などのリクエストをお客さまからいただいています。アカウントを開設してまだ4カ月と間もないですが、今後はリピーター向けのクーポン施策や、地域サロンの課題の1つでもある人材確保に向け、学生向けの求人情報も発信したいですね」
LINE公式アカウント