南は九州・鹿児島県鹿屋市で2店舗を展開する居酒屋「いけのめだか」の西原店では、新型コロナウイルス(COVID-19)の全国的な感染拡大を受けて客足が遠のき、2020年3月以降、店舗売上が減少しました。その打開策としてLINE公式アカウントで展開したデリバリーサービスについて、同店オーナーの益成貴久さんに話を聞きました。
1カ月で進めた、LINEを使ったデリバリー準備の裏側
居酒屋にとっての3月は、年度末に向けて学生のイベントやサラリーマンの歓送迎会で予約数が増える時期です。しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛などが影響し、「店舗売上は前年比で約60%ダウン、例年とはまったく異なっていた」と益成さんは振り返ります。
2020年4月17日、緊急事態宣言の発令を契機に、いけのめだか西原店ではLINE公式アカウントを開設しました。プッシュ通知によって閲覧率が高いLINEのメッセージ配信を活用してデリバリーサービスを訴求すれば、売り上げを補填すると同時にユーザーの自宅に温かい食事を届けることができると考えたためです。
準備は急ピッチで進められ、店舗の半径2km圏内でLINE公式アカウントを活用したデリバリーサービスを訴求するポスティングを開始しました。
2020年4月末までに合計600枚のチラシを配布し、そこから約70名超の友だちを獲得。「多くの方が友だち追加してくれたことに驚いた。また、注文をLINEに一本化すればお客さまとのやりとりをテキストで残せるため、ミスなく対応できると思った」と益成さんは語ります。
基本機能の活用が、デリバリーの満足度に直結
いけのめだか西原店のデリバリーサービスは、基本的に「LINEチャット」を活用します。初回の注文時にはテンプレートに沿って氏名・住所・電話番号・希望するメニューと配達時間を記入してもらい(※)、受注ミスの発生を防ぎます。また、ユーザーに送信してもらう「位置情報」が配達時に大変役立っているそうです。
2回目以降は、希望するメニューと配達時間のみで注文可
急ピッチで準備を進めたデリバリーサービスですが、受注時や配達時における人的ミスをなくす取り組みを行った結果、現在までにトラブルは発生していないといいます。中には、リピート注文のユーザーがいるほど好評で、2020年5月は平均して1日8件の注文がありました。
LINE公式アカウントを活用した取り組みについて、いけのめだか西原店の益成さんは次のように総括します。
「LINEのメッセージ配信は即応性があるだけでなく、お客さまとのやりとりをアカウントを管理するスタッフ間で共有できるため、デリバリーサービスを始める際はとても心強かったですね。
新型コロナウイルスの感染拡大を契機に始めたLINE公式アカウントですが、ユーザーに対してダイレクトにメッセージが送れるのは大きなメリットになると感じています。今後、新メニューやキャンペーンを企画した際は、ぜひLINEを活用して情報発信していきたいと思います」
LINE公式アカウント
(公開:2020年8月)
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