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LINE公式アカウント LINEプロモーションスタンプ

チャットコマースとスタンプ施策で前年比120%のコンバージョン獲得!明光義塾のLINE活用

株式会社明光ネットワークジャパン

2024.04.05

(左から)
株式会社明光ネットワークジャパン 明光義塾事業本部 カスタマーリレーション部 部長 木村佐千恵氏
同社 明光義塾事業本部 デジタルマーケティング部 福島実咲氏
株式会社Zeals チャットコマース事業本部 第三事業部 コミュニケーションデザイナーリーダー 巽善弘氏
同社 第三事業部教育局 局長 山﨑哲朗氏

個別指導塾のパイオニアとして全国47都道府県すべてに教室を展開する「明光義塾」を運営する株式会社明光ネットワークジャパン(以下、明光ネットワークジャパン)は、2020年春にLINE公式アカウントを開設し、チャットコマースの「ジールス」を導入しました。また、2023年3〜7月にかけて、同塾の人気キャラクター「サボロー」を起用したLINEプロモーションスタンプで友だち集客と各種データ収集を実現し、より効果的にLINEを活用していくための基盤を強化。一連の施策を担当した明光ネットワークジャパンの木村佐千恵氏(以下、木村氏)と福島実咲氏(以下、福島氏)、「ジールス」の開発やLINEの運用支援を行う株式会社Zeals(以下、Zeals)の山﨑哲朗氏(以下、山﨑氏)と巽善弘氏(以下、巽氏)の4氏に、LINEを活用した取り組みや得られた成果などについて話を聞きました。

目的
  • Webサイトからの離脱を防ぎ、中長期で「明光義塾」の良さを伝えることでコンバージョン数を増やしたい
  • ユーザーの各種データを適切に収集し、今後の施策に活かしたい
施策
  • 2020年春にLINE公式アカウントを開設し、チャットコマースの「ジールス」を導入
  • ジールスの機能を使い、Webサイトに掲出するポップアップからLINE公式アカウントを友だち追加してもらう
  • LINE上で学習塾に関するアンケートに回答すると、明光義塾オリジナルキャラクター「サボロー」のLINEのスタンプをダウンロードできる施策を2023年3〜7月に実施
  • スタンプの二次拡散でLINE公式アカウントに集客したユーザーに、クイズ形式のクリエイティブとともにアンケート回答を促した
効果
  • LINEプロモーションスタンプを実施した約5カ月間で約20万人の友だちを集めた(うち約15万人はスタンプの二次拡散で集客)
  • スタンプの二次拡散で集めたユーザーからもインサイトデータを取得。明光義塾への期待や他塾と比較検討した際の決定要因などをヒアリング

離脱ユーザーの取りこぼしを防ぐために「ジールス」を導入

明光ネットワークジャパンが運営する「明光義塾」は、全国に1,700以上の教室を構える個別指導塾です。小学生から高校生までの一貫指導が強みで、個別指導塾として生徒数は国内最大級の約9万5千人に上ります(2023年9月時点)。

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2022年からは、「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」を経営コンセプトに掲げて、持続的な企業価値の向上と成長を目指しています。具体的には、従来のマスメディアを中心とした広告戦略から、WebやSNSといったデジタルメディアを入り口としてナーチャリング(顧客育成)を行なってLTV(生涯顧客価値)の最大化を図るファンベース戦略に舵を切りつつあります。その理由について、明光ネットワークジャパンの木村氏は「やはり少子化の影響が大きい」と明かします。

 

「特に地方では定員割れの高校も増えるなど、子どもの数が減少の一途をたどる時代にあって、学習塾もテレビCMや新聞広告による認知拡大だけでは新規獲得が難しくなっています。そこで国内で多くの人々の生活に浸透したLINEを活用して、Webサイトに訪問してくれたユーザーが明光義塾により興味を持ってもらえるようにコミュニケーションを強化してきました」(木村氏)

インタビューカット
株式会社明光ネットワークジャパン 明光義塾事業本部 カスタマーリレーション部
部長 木村佐千恵氏

同社はこれまで、主にWebサイトを訪れたユーザーに広告を配信するリターゲティングで新規獲得を行なってきました。しかし、ここ数年はサードパーティークッキーへの規制を受けて、ブラウザ上での行動履歴を基にしたリターゲティング以外の手法を模索していたといいます。そんななか、同社が着目したのがチャットコマースの「ジールス」です。

 

ジールスは、LINE上でチャットボットが展開する会話体験を通じてユーザーのニーズを聞き出し、そのユーザーにとって最適な商品やサービスを提案するチャットコマース®︎を展開しています。初めて接触するユーザーからもチャットを通じてインサイトを引き出すことができるので、その後のCVR(コンバージョン率)の向上が見込めます。

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自動返信するのはテキストだけではなく、クリックボタンなど柔軟に設定可能

ジールスはブラウザではなくLINEを通じてユーザーと対話するため、会話データの収集やそれを分析する際、先述したサードパーティークッキーへの規制の影響を受けないというメリットもあります。

 

「学習塾は他塾と念入りに比較検討されるお客さまが多く、Webサイトを訪れてすぐに資料請求や体験授業の申し込みなどのCV(コンバージョン)につながるケースはそこまで多くありません。

 

そこで、Webサイトの初回訪問時や、離脱時にジールスの機能で掲出するポップアップからLINE公式アカウントを友だち追加いただき、Zealsが提供する接客シナリオ、メッセージ配信によって、明光義塾の良さや他塾との違いをじっくり理解していただく。こうした流れでCVを少しずつ底上げしてきました。

 

今だから言えますが、最初のうちは『LINEで新規獲得できるのか』と懐疑的な空気が社内にあったことも事実です。しかし、ジールスは初期費用無料で成功報酬型のサービスなので導入ハードルが低く、徐々に成果を出すことで新たな施策実施に向けた社内の同意をスムーズに得ることができました」(福島氏)

インタビューカット
株式会社明光ネットワークジャパン 明光義塾事業本部 カスタマーリレーション部
福島実咲氏

新規友だちの約7〜8割を広告費のかからない二次拡散で集客

LINEの運用効果をさらに高めるため、明光ネットワークジャパンは2023年3〜7月にかけてLINEプロモーションスタンプの「ダイレクトスタンプ」を配布し、友だち数の増加を図りました。友だち追加をしたユーザーがLINE上で学習塾に関するアンケートに回答すると、明光義塾オリジナルキャラクター「サボロー」のLINEのスタンプを無料でダウンロードできるという施策です。

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「アンケートでは『保護者か、学生か』『明光義塾の生徒か、他塾の生徒か』といった属性に関する設問や、よく使うSNSや塾を選ぶポイントなど今後の施策の参考になるような設問も加えました。回答はタップ式にすることで、簡単に回答できるUIを目指しました」(福島氏)

 

LINEプロモーションスタンプを配布したときは、各種SNSやWebサイトにジールスの機能で掲出するポップアップのほか、全国にある教室にポスターを貼るなどリアルな場でも告知を行いました。複数の流入経路を設けることで、さまざまな属性のユーザーの友だち追加を狙ったそうです。

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なかでも、大きな効果を残したのがLINE広告の「友だち追加」です。

 

「LINE広告の友だち追加では、『サボロー』のスタンプ訴求を行なったクリエイティブを配信することで、友だち獲得単価を3分の1ほどに抑えることができました。

 

しかし、興味深かったのは友人・知人から送られてきた『サボロー』のスタンプを見た後でスタンプをダウンロードするユーザーが大変多く、そうした“二次拡散”からの友だち追加数が多かったことです。LINEプロモーションスタンプを実施した約5カ月間で友だち数は約20万人増加し、うち約15万人を二次拡散で集客しました。

 

ブロック率は施策実施前からほぼ変わらないので、明光義塾に関心を持つエンゲージメントの高い友だちを集められたと考えています」(山﨑氏)

 

インタビューカット
株式会社Zeals 第三事業部教育局
局長 山﨑哲朗氏

二次拡散で集めたユーザーは先述の学習塾に関するアンケートに回答しなくても『サボロー』のスタンプを入手できる仕様だったため、それらのアンケート未回答ユーザーを対象に、後日、メッセージを配信。その際、クイズ形式のコンテンツを用意してアンケート回答を促すように工夫を加えました。

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「既に『サボロー』のスタンプを入手しているユーザーが配信対象となるため、何かしらのフックが必要になると考え、クイズ形式のクリエイティブ配信を明光ネットワークジャパン様に提案しました。

 

これにより対象ユーザーの興味・関心を喚起でき、通常であれば友だち追加とスタンプを入手しただけでそれ以降アカウントと接触しない可能性が高い二次拡散で集めたユーザーからも、貴重な回答データを取得することができました。

 

スタンプからの2次拡散という、本来アプローチできていなかったユーザーへの配信ですので開封率はかなり低くなる可能性もあると想定していましたが、結果的に配信したユーザーのうち55%がアクションしてくれました。

 

やはり、『面白そうだから、やってみたい』と印象付けられると、アクションしてもらいやすいのだと思います。また、そうした“親しみあるアプローチ”を行うのに、年代を問わず利用されているLINEは最適なサービスだと改めて認識できました」(巽氏)

 

インタビューカット
株式会社Zeals チャットコマース事業本部 第三事業部
コミュニケーションデザイナーリーダー 巽善弘氏

アンケート結果をナーチャリングに生かしたい

LINEプロモーションスタンプを実施した2023年3〜7月のうち、後半2カ月間は「資料請求」と「体験授業の申し込み」のコンバージョン数の増加が見られました。

 

「例年、夏休み期間前の6~7月は資料請求が増える時期ですが、今年は『サボロー』のスタンプも影響したのか、前年比120%ほどの資料請求がありました。また、アンケート結果をふまえ、まだ塾に通っていないお子様や保護者の皆様にターゲットを絞ってLINE公式アカウントのメッセージ配信を行なったことも、コンバージョン数の増加につながったと思います」(福島氏)

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今後はアンケートで収集した各種データを活用して、さらに効果的なメッセージ配信や広告施策に取り組んでいく予定です。

 

「先述した学習塾に関するアンケートで、他塾に通っているお子様を持つ保護者の皆様に『明光義塾を選ばなかった理由』を聞くと、『近くにない』が群を抜いて多いことに注目しています。弊社は個別指導塾として国内最大級の教室数が強みですが、自宅近くに教室があることを知らない方も多いのではないかと思いました。

 

その対策として、教室数の多さをさらに押し出した広告訴求や、Webサイトにおける教室検索のUIを改善するなど、今後に生かしていきたいと思います」(木村氏)

 

「塾に通っていないお子様や保護者の皆様を対象にオンラインセミナーの参加を促したり、弊社が学習情報を提供している『明光プラス』のサイトに誘導したりと、LINE公式アカウントを活用したナーチャリングに挑戦していきたいです」(福島氏)

インタビューカット

また、ジールスの今後のサービス展望についてZealsの山﨑氏は次のように教えてくれました。


「現在、生成AIを用いた新しいチャットコマース®︎の機能開発を図っています。LINEを活用したCV獲得により一層貢献できるようになるはずなので、明光義塾様とともにより多くのお子様や保護者様に合う学習のお役立ち情報を届けてまいります」(山﨑氏)


(公開:2024年4月、取材・文/相澤良晃、写真/山﨑美津留)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点(2023年9月)のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です

本事例で使用されたLINE API「Messaging API」

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