三重県内で、個人邸の庭園管理から樹木の伐採などを行う「剪定屋空」は、ユーザーとのコミュニケーションをより活発にするため、2018年にLINE公式アカウントを導入しました。ユーザーとのやりとりを重ねる中で見えてきた剪定屋の付加価値や、コロナ禍における取り組みについて、代表の飯島一郎さんに話を聞きました。
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アナログな業界だからこそ、LINEで他社と差別化
樹木に関する専門知識や道具を携えて一般家庭の庭で仕事を行う「庭師」は、技術はもちろんユーザーと信頼関係の構築が求められます。
「庭は手入れは多くて年に2、3回。またお声がけいただくためにも、アフターケアこそ大切」と力説する剪定屋空の飯島さんは、個人のLINEアプリでユーザーと連絡を取っていましたが、情報発信や顧客管理により力を入れていきたいと考え、2018年にLINE公式アカウントを開設しました。
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「造園業はまだまだアナログな業界で、SNSを活用していない同業者も多い」と語る飯島さん。そんな中、LINEは電話を嫌がるユーザーやメールアドレスを取得していないユーザーにもアプローチしやすい上、メッセージ配信やタイムライン投稿を活用した情報発信が行いやすいなど、さまざまなメリットがありました。
さらに、LINEチャットを活用してユーザーから寄せられる庭木や花に関する質問にも随時対応しています。
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ユーザー宅に訪問しない時期でも、LINE公式アカウントでアフターケアを行うなど、本来の業務以外の付加価値を生み出し、剪定屋空は“樹木コンサルタント”として活動しています。こうした取り組みを2年間続けた結果、現在、全ての依頼のおよそ2割がLINE経由で寄せられるようになりました。
ユーザーとの接触を最大限減らして感染対策を実践
そんな中、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大。2020年4月中旬の緊急事態宣言が発令される以前から、「仕事のキャンセルが出始めた」と飯島さんは振り返ります。
仕事の性質上、完全に対面をなくすのは難しいにしろ、LINEを活用してユーザーとの接触を最大限減らすように心がけました。
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従来、紙で渡すことが多かった提案書や見積書はLINEを使ってユーザーに送付。「書類をお渡しする際などの感染リスクを減らすのはもちろん、結果的に業務の効率化にもつながっている」と飯島さんは話します。実際に印刷する紙の経費などを約20%削減できたということです(剪定屋空調べ)。
LINE公式アカウントを活用した取り組みについて、剪定屋空の飯島さんは次のように総括します。
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「LINE公式アカウントは、LINEの審査を経て信頼性が担保された上で運用できるだけでなく、One to Oneでお客さまとつながることができ、情報をきちんと届けられるのが嬉しいですね。
LINEを活用する余地はまだまだあると考えていますが、最近、当社のSNS活用を見て『アドバイスをくれないか』という同業者が増えてきました。年配のお客さまもご家族にLINEの使い方を聞いて連絡をくださいますからね(笑)。私たちももっと勉強していかなければと考えています」
LINE公式アカウント
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(公開:2020年8月)
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