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来店客数が増加!メッセージ配信がカギを握る「LINEで予約」活用

株式会社FOOD & LIFE INNOVATIONS

2023.05.08

株式会社FOOD & LIFE INNOVATIONS 執行役員 奥本哲士 氏

全国73店舗を展開する大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」では、「LINE公式アカウント」と「LINEで予約」を導入しています。来店を促すメッセージ配信に注力した結果、店舗全体の予約数も増加しているという同店の取り組みについて、「鮨 酒 肴 杉玉」を運営する株式会社FOOD & LIFE INNOVATIONSの奥本哲士氏(以下、奥本氏)に話を聞きました。

目的
  • 折り込みチラシに代わる集客ツールを導入したい
  • 予約手数料や集客に発生するコスト、運用負荷を削減したい
施策
  • 店舗ごとに「LINE公式アカウント」を開設し、本社で一括運用
  • 閑散期や繫忙期など店舗の状況に応じてメッセージを配信し、「LINEで予約」の利用を促進
効果
  • 「LINEで予約」を導入した結果、幅広い年齢層のユーザーが来店するようになり、来店客数が増加
  • 1年で「LINEで予約」の導入店舗数が約3倍、「LINEで予約」経由の予約数が約6倍増加

LINE公式アカウントは本社で一括運用し、店舗への連携を強化

大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」は2017年に兵庫県・西宮市に1号店をオープンして以来、全国73店舗(2023年3月時点)を展開しています。グループ企業のブランドには回転すしの「スシロー」があり、同グループ企業の有する食材調達力を生かした新鮮でリーズナブルなメニューが好評です。

 

大衆居酒屋でありながら、カウンターから子ども連れでもゆったり食事ができる座敷まで用意されていることも人気の理由の一つです(※)。あらゆる利用シーンに対応できるように、空間や内装作りにとてもこだわっているといいます。

 

※店舗によって座席の種類や内装は異なります。

「鮨 酒 肴 杉玉」店舗の外観および内観

「鮨 酒 肴 杉玉」はこれまで折り込みチラシを主な手段として店舗への集客や商品の告知を行っていましたが、制作コストが課題となっていました。コストや運用負荷を削減した集客手段を模索し、2020年3月に導入したのがLINE公式アカウントです。

 

2023年3月時点で64店舗がLINE公式アカウントを開設している「鮨 酒 肴 杉玉」では、メッセージの内容や配信スケジュールを本社側で一括管理し、運用しています。

 

「本社で運用する分、店舗とは細やかに連携するよう意識しています。例えば、メッセージを見たお客さまから店舗に問い合わせが来てもスムーズに対応ができるよう、配信内容やスケジュールは月末から月初にかけて1カ月間の内容を作成し、事前に店舗に案内しています。また、クリエイティブも店舗ごとに届ける情報に差が出ないように本社の専属部署で制作しています」

 

クリエイティブはグループの調達力を生かしたメニューの魅力が一目で分かるよう、商品の写真を大きく見せるなど見栄えにこだわっています。直近で最も効果が高かったのは、2022年のクリスマスに配信した数量限定メニューの「贅沢うにくら軍艦」の紹介です。ウニとイクラをローストビーフで巻いた贅沢で高品質な食材と、「映え」という「鮨 酒 肴 杉玉」の強みをクリエイティブで表現しました。

メニューの写真を主に打ち出しつつ、季節感や限定感を訴求

コスト効率良く来店を促せる「LINEで予約」

「鮨 酒 肴 杉玉」は2021年10月にLINE上で飲食店の来店予約ができる「LINEで予約」を導入しました。2022年9月からは「PayPayグルメ」と新規契約を結び、「LINEで予約」経由の予約数を増やしています。

 

「これまで利用していた他社の飲食店予約サービスは、予約が入るたびに手数料が発生することが課題となっていました。当社の戦略上、良質な食材やメニュー開発に注力するために集客面のコストは削減したいと考えています。『LINEで予約』はPayPayグルメの予約管理ツール『Yahoo! リザベーションマネージャー』と連携することで、予約手数料が発生しない点に魅力を感じました」

PayPayグルメの予約管理ツール「Yahoo! リザベーションマネージャー」との在庫連携かつLINE公式アカウント経由での予約の場合の、「LINEで予約」の活用メリットを表した図。予約数が増加し、送客手数料が非課金になるためコストカットにつながる

さらに「PayPayグルメ」は新規のユーザー向けにキャンペーンなども実施しているため(2023年3月時点)、店舗にメリットがあるだけではなく、ユーザーにとっても「LINEで予約」を利用する機会につながっているといいます。

「PayPayグルメ」のキャンペーンを訴求したメッセージをLINE公式アカウントで配信

メッセージ配信などの工夫を重ね、「LINEで予約」経由の予約数が1年で約6倍増加

「LINEで予約」の利用をユーザーに促すため、「鮨 酒 肴 杉玉」ではプロフィールやリッチメニューに導線を設けて案内したり、定期的にメッセージを配信しています。

予約できることが一目で分かるように、プロフィールやリッチメニューに案内を設置

中でもメッセージやクーポンは閑散期や繁忙期などの集客状況に応じて配信頻度を調整し、閑散期は予約数を増やすために週2回ほど配信しています。

 

「例えば月曜日と木曜日にメッセージを配信する場合、月曜日の配信では来店客数が少なくなりがちな月・火・水の3日間限定で使える割引率の高いクーポンを配信し、お得感を高めています。一方、木曜日から日曜日は来店客数が増える傾向にあるため割引率や内容を調整して、毎日利用したくなるような工夫をしています」

 

さらに、毎月14日の「杉玉の日」では日本酒半合プレゼントのクーポンを、雨天時には「雨の日クーポン」を配信して予約を促しています。雨の日クーポンは店舗からの提案を受けて配信を開始しましたが、ユーザーからの反応も非常に良いそうです。

 

こうした運用の工夫を重ねた結果、2021年12月と2022年12月を比較すると、1年で「LINEで予約」の導入店舗数は約3倍、「LINEで予約」経由の予約数は約6倍増加しました。「LINEで予約」を利用するユーザー層も若年層から中高年層と、幅広い年齢層の来店促進に寄与しているといいます。

 

「折り込みチラシのコストを削減しつつ、閑散期や繁忙期などの店舗の状況に応じて配信頻度を調整できる点がLINE公式アカウントの強みです。メッセージでおすすめの商品を紹介したり、『杉玉の日』クーポンを配信するとメッセージ配信後に予約数がやはり増加するので、予約をコントロールしやすくなったのも魅力に感じています」

 

今後は各店のLINE公式アカウントの友だち数をさらに増やし、より来店したくなるようなメッセージを配信することで店舗へ足を運んでもらうきっかけを作っていく予定です。

 

 


(公開:2023年5月、取材・文/岩崎史絵)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です

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