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LINE公式アカウント

“つながるメリット”を訴求して昨対比130%の友だちを集客!ZoffのLINE公式アカウント使い倒し術

株式会社インターメスティック

2023.12.22

株式会社インターメスティック
マーケティング戦略本部 デジタルマーケティング部 兼EC事業部 部長 井戸喜貴氏

株式会社インターメスティック(以下、インターメスティック)が運営するメガネブランド「Zoff(ゾフ)」は、セットレンズ付きで5,500円(税込)からメガネを購入でき、老若男女問わず人気を集めています。インターメスティックは2020年2月にLINE公式アカウントを開設し、2023年2月にLINEミニアプリを導入。店舗オペレーションの強化から顧客とのコミュニケーション構築まで、幅広くLINEを活用しています。同社の井戸喜貴氏(以下、井戸氏)に、LINEを活用した取り組みや得られた成果について話を聞きました。

目的
  • 「マーケティングの効率化」と「顧客体験の向上」を図って、売上をアップさせたい
施策
  • 2020年2月にZoffのLINE公式アカウントを開設し、より多くのユーザーにお得な情報を届けたり、各種コンテンツを集約した
  • 2023年2月にLINEミニアプリを導入。お客様が店舗で商品を購入する際に、視力測定や会計待ちなどの各種通知をLINE上でメッセージ配信
  • ID連携したユーザーにお得なクーポン配信や、購入したメガネの保証内容を「マイページ(LINEミニアプリ)」内で確認できるようにした
効果
  • LINEミニアプリの導入後、直近1年でLINE公式アカウントの友だちが昨対比130%増加し、2023年11月時点で530万人超の友だちを集めた
  • LINE公式アカウントで配信するメッセージの開封率はメールの約1.5倍程度

購入にかかる各種通知のメッセージをLINEに送り、業務効率化を実現

インターメスティックは「Zoff」を展開し、メガネの企画から製造、販売までを一貫して行う製造小売業です。2001年の創業以降、大手メガネチェーンが「1本3~4万円」でメガネを販売していた時代に、同社は「セットレンズ付きで1万円以下」という価格設定で市場を開拓して急成長を遂げました。現在、ショッピングモールやファッションビルを中心に国内に約290店舗、海外に約30店舗を展開し、幅広いユーザーから支持を集めています。

 

インターメスティックは、2020年2月にZoffのLINE公式アカウントを開設しました。同社でデジタルマーケティングを担当する井戸氏は「LINEは『マーケティングの効率化』と『顧客体験の向上』を行う上で、最適なツールである」と話します。

インタビューカット

株式会社インターメスティック
マーケティング戦略本部 デジタルマーケティング部 兼 EC事業部 部長 井戸喜貴氏

「LINE公式アカウントの開設以前から、セール情報や誕生月クーポンなどをメールで配信していましたが、利用者の年齢によってはリーチが不十分だと感じていました。LINEは若年層の利用者も多いため、メッセージ配信によってこれまでリーチできなかった層にも情報を届けることができます。

 

また、さまざまなコンテンツをLINE公式アカウントに集約することで、顧客体験の向上を図れます。例えば、『商品検索』や『バーチャル試着』など買い物がより便利になるコンテンツや、各種SNSやキャンペーンサイトなどユーザーにいま知ってほしいコンテンツを切り替え式のリッチメニューでまとめることで、アクセスを促す仕組みです」

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さらに、同社は2023年2月にLINE上でさまざまなサービスを提供できるLINEミニアプリを導入しました。

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これにより、お客様が店舗で商品を購入する際の視力測定や会計待ちなどの各種通知をLINE上で簡単にメッセージ配信できるようになり、店舗側の業務効率が向上するとともに、ユーザーにとってはストレスのない購買体験を提供しています。

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「メガネの購入時には視力測定やフィッティングが欠かせないため、店舗の混雑状況によってはお客様に順番待ちをしていただくことがあります。待ち時間が長い場合は、一旦店舗を離れるお客様も多く、『視力測定の準備ができました』『お会計の準備ができました』といった通知を『LINEミニアプリ お知らせ』というLINE公式アカウントからお送りしています。

 

LINEミニアプリの導入前は、(商品の)完成通知のみZoffのLINE公式アカウントからお客様1人ひとりにメッセージ配信していました。しかし、配信にかかるコストや手間がかさんできたため、現在のLINEミニアプリを使った運用へと切り替えました」

 

現在、店舗でLINEを活用するにあたって、下記のうち視力測定、会計待ち、商品の完成通知が、先述した「LINEミニアプリ お知らせ」のLINE公式アカウントから配信されます。

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「LINEを導入する以前は、各ステップの順番待ちで一旦店舗を離れたお客様に連絡する際、主に電話を使っていました。しかし、通じないときは数回かけ直さなければならず、それが大きな業務負担となっていたのです。

 

いまではLINEミニアプリの管理用タブレットを数回タッチするだけで各種通知をクイックにメッセージ配信することができ、店舗のスタッフからも『負担が減った』と好評です」

店頭起点でつながり、着実に売上をつくれるのがLINEの強み

店頭でLINEのサービスを自然に訴求するオペレーションが根付き、「直近1年でLINE公式アカウントの友だちが昨対比130%に増加し、その大半を店頭で集めている」と井戸氏は手応えを語ります。

 

「特殊なレンズを取り寄せる場合は、商品の完成まで1週間ほどお時間をいただくケースもあります。そこで『完成通知も後日LINEで行います』と伝えれば、お客様にもLINE公式アカウントを友だち追加する必要性を感じていただけます。

 

また、友だち追加いただいた後にID連携すれば、限定クーポンの受け取りや、購入したメガネの保証内容をLINE上で簡単に確認できるなど、LINEでつながるメリットがさらに大きくなることをお伝えするようにしています」

また、ZoffのLINE公式アカウントからは月に1~2回程度、各種セールやキャンペーン情報のほか、LINEミニアプリの利用にあたって提供する情報に基づき(※)、誕生月クーポンを配信しています。

  • LINEミニアプリ上での各種データの取得やその利用はユーザーの許諾を得た上で行われます。

「メガネは購入頻度がそう高くない商品ですが、普段からLINEでお客様との関係性を構築しておけば、いざ必要になったときに「Zoffに行ってみよう」とブランドを想起してもらえます。実際、メッセージ配信をすると友だち追加したユーザーのアクションを喚起できるので、来店しない間もお客様と接点を持ち続け、着実に売上をつくれるのがLINEの強みだと実感しています」

図版

井戸氏の言葉通り、LINE公式アカウントで配信するメッセージの開封率はメールの約1.5倍程度になり、「ほかの媒体と比べても、費用対効果はかなり優秀」とLINEヤフーの法人向けサービスの有用性を評価します。

 

「仮に配信内容にさほど興味を持たれなかったとしても、トーク画面下部分にあるリッチメニューからオンラインストアに遷移し、後日売上につながる可能性もあります。そうしたインパクトも加味すると、かつては社内で『ネイティブアプリの開発を』という話もありましたが、マーケティングと顧客体験を強化する上でLINE公式アカウントはもちろん、アプリのダウンロードという最初のハードルをクリアできるLINEミニアプリを選択して正解だったと考えています」

インタビューカット

「LINE施策関連の売上は全社的にも注目を集めている」と語る井戸氏

顧客体験のさらなる向上を目指して

LINE公式アカウントの運用から約3年半が経過して、530万人を超える幅広い年代のユーザーを友だちとして集客し、そのブロック率は15%と高い効果を上げています(2023年11月現在)。井戸氏は、「今後も店頭中心に新規の友だち集客を目指す」と意気込みます。

インタビューカット

「よりシームレスな購買体験を提供できるよう、店舗システムの改良を試験的に行なっていきます。

 

例えば、商品購入の受付は店舗スタッフがお客様のLINEミニアプリ上で表示されるデジタル会員証のQRコードを読み込んでいるのですが、それにより順番待ち状況をすぐに把握できるようにすれば、お客様により丁寧なご案内ができるようになります。

 

これが実現すれば、お客様は待ち時間をもっと有効活用できるようになりますし、店舗側としても業務の効率化が期待できます」

 

さらに、マーケティングの効率化には「さらなるID連携への注力を考えている」といいます。

 

「ID連携率が高い店舗ほどリピート購入率が高いというデータがはっきり出ているので、 今後もID連携を一層推し進めて、顧客データを有効活用していきたいです。いまは年齢や性別といった属性データの活用にとどまっているので、今後は1人ひとりの購買履歴に基づくレコメンドや、Zoffオンラインストアのカゴ落ち防止など、メッセージ配信を自動化できるように整備を進めます。

 

店舗のスタッフと連携しながら顧客体験とマーケティングをどちらも強化して、高品質・適正価格のメガネをより多くのお客様に届けていきます」


(公開:2023年12月、取材・文/相澤良晃、写真/中村宗徳)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です