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LINEマイレージで継続購買を促し「WONDA」の売上108%UP

アサヒ飲料株式会社

2019.06.28

アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 マーケティング一部 コーヒーグループ 副課長 栃原 健作氏
同社 マーケティング本部 宣伝部 メディアグループ 副課長 松丸 りか氏

テレビCMなどでお馴染みの缶コーヒーブランド「WONDA」の販売元であるアサヒ飲料株式会社(以下、アサヒ飲料)は、2019年3月18日〜5月31日に「WONDAを飲んでチャレンジ! 上位500名様が必ずもらえるキャンペーン」を実施しました。

 

同キャンペーンではLINEで応募(旧LINEセールスプロモーション)の「LINEマイレージ」をベースにしたランキングマイレージ™を活用し、キャンペーンが終了した5月末日までに、87万8,768回のシリアル読み込み回数、5万4,306人の参加者を記録するなど好評を博しました。今回のキャンペーンを実施した背景やその成果について、アサヒ飲料の栃原健作氏と松丸りか氏の二人に話を伺いました。

目的
  • WONDAブランドの商品を愛飲しているユーザーの継続購買を促進しながら、まだ飲んだことのない人にも商品を手に取ってもらいたい
施策
  • キャンペーンへの応募が簡単にでき、情報拡散が可能な「LINEマイレージ」を販促施策として採用
  • キャンペーンはゲーム性のあるランキング形式で実施
効果
  • キャンペーンにおける応募総数は87万8,768回、参加者は5万4,306人を記録
  • キャンペーン開始後の「『ワンダ』モーニングショット」185gと「『ワンダ』金の微糖」185gの商品回転率アップに貢献
  • キャンペーンを通じて顧客ロイヤリティーが向上し、アサヒ飲料のLINE公式アカウントのブロック率が軽減

ゲーム性のあるキャンペーンを打ち出した、WONDAの狙い

飲料メーカーが取り扱うSOT缶(アルミ蓋)やボトル缶のコーヒー市場は、チェーン店やコンビニコーヒーなどが参入してきた影響で売上の減少が続いており、メーカー各社は商品の販売促進のためにさまざまな策を講じています。

 

「ダウントレンドが発生しているコーヒー市場で、何の策も打たずに“前年比売上増”を実現するのは難しいのが現状です。『WONDA』ブランドのメインターゲットは40〜50代の男性ですが、その中でも売れ筋の「『ワンダ』モーニングショット」185gおよび「『ワンダ』金の微糖」185gは全体の0.8%ほどのヘビーユーザーで売上の半分ほどを占めています。LINEでしたらその年代のユーザー層にもリーチできますし、愛飲者様の継続購買を促進しつつ、まだ飲んだことがない人にも商品を手に取ってもらいたいと考え、『LINEマイレージ』を使ったランキング形式のキャンペーンを採用しました」(栃原氏)

アサヒ飲料栃原氏の写真

アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 マーケティング一部 コーヒーグループ 副課長 栃原 健作氏

LINEマイレージは、店頭で購入した対象商品に添付されたQRコードをLINEアプリで読み取って、誰でも簡単にキャンペーンに参加できる複数購買や継続購買の訴求に適したキャンペーンプラットフォームです。それを用いたアサヒ飲料の「WONDAを飲んでチャレンジ! 上位500名様が必ずもらえるキャンペーン」は、 参加ハードルの低さはもちろん、シール獲得枚数に応じて個人で応募する一般的なマイレージキャンペーンと異なり、 “ランキング形式”で応募者の獲得枚数を全員へ公開し、順位別に景品を用意するというゲーム性のある企画内容が大きな特徴です。

キャンペーンスキームの概要図

本キャンペーンスキームは、通常のLINEマイレージにランキング機能を加えたランキングマイレージ™を利用した事例です。
詳細は記事末にある「お問合わせ」よりLINEまでお問合わせください

キャンペーンが促した継続購買の効果で、商品売上108%UP

アサヒ飲料の松丸氏は「WONDA」における過去に実施した、幅広いユーザーに試飲を勧めるキャンペーン施策と比較した上で、LINEマイレージを使った今回のキャンペーンの意義を次のように説明します。

 

「過去のキャンペーンでは幅広い層にリーチをして、『試しに一度、新商品を飲んでみよう』とユーザーに初回の購買体験をご提供できましたが、今回のキャンペーンの主な目的は、商品の継続購買を促すことでした。過去の施策で多くのユーザーと商品との“接点”を作ることができたと考えるなら、LINEマイレージでは多くのユーザーと商品との“関係性の深さ”を作ることができるのではないかと考え、今回のキャンペーン実施を決めました」(松丸氏)

アサヒ飲料松丸氏の写真

アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 宣伝部 メディアグループ 副課長 松丸 りか氏

LINEがあれば応募の際に会員登録などを行う必要もない上、ランキングの上位500名は順位に応じた豪華景品を獲得できるという話題性もあり、本キャンペーンは「WONDA」のファンのみならず多くのユーザーにインパクトを与えました。

キャンペーン終了時のランキング

キャンペーン終了時のランキング

約2カ月半にわたって実施されたキャンペーンの終了時点で、ランキングの1〜3位だったユーザーはいずれも3,000枚以上のシールを獲得し、景品を獲得できるユーザーのうち最下位となる500位でも209枚に上りました。また、最終的な応募総数は87万8,768回、参加者は5万4,306人に達するなど、好評を博しました。

 

本キャンペーンの成果について、栃原氏は次のように振り返ります。

 

「過去に同様の立て付けで実施したキャンペーン事例がないため、明確なKPIを設定できなかったのは今後の課題ですが、社内からは『今回のようなゲーム性のあるデジタル販促施策には、まだまだ伸びしろがある』と前向きな意見が出ています。また、実売数への影響としては、4月半ばから徐々に商品回転率が向上し、対象商品だった「『ワンダ』モーニングショット」185gと「『ワンダ』金の微糖」185gの売上が、前年比で108%アップしました*。これはダウントレンドが続く市場にあって、大きな成果だと考えています」(栃原氏)

  • 商品売上108%アップは、量販チャネル・キャンペーン対象商品のキャンペーン対象期間出荷実績に基づいています

LINEを使ったキャンペーンを通じて、顧客ロイヤリティーが向上

さらに、今回のキャンペーンによってユーザーが誘引された結果、「WONDAブランドだけでなく、アサヒ飲料に対するロイヤリティーの高い友だち増加につながったのはないか」と松丸氏は分析します。

 

「アサヒ飲料のLINE公式アカウントの友だち数は、今回のキャンペーン終了後に約1,750万人になりました。以前までブロック率は7割ほどでしたが、LINEマイレージをはじめとするキャンペーンを行った結果、現在は6割ほどに軽減しています。キャンペーンマニアだけを狙うのではなく、自社商品のファン獲得につながるような施策を通じて実際の商品を手に取っていただいたことで、お客様のロイヤリティーが高まったからではないでしょうか」(松丸氏)

アサヒ飲料の栃原氏と松丸氏の写真

また、松丸氏は、LINEマイレージを使った今回のキャンペーンで得られた顧客データを活用することで、「WONDA」ファンとブランドとのさらなる接点づくりを行う新たな施策を検討しているといいます。


栃原氏も今後の展望について、次のように語ります。


「今回は全国のスーパーマーケット・量販店にある対象商品に限ったキャンペーンとなりましたが、流通関連の企業様からも『ゲーム性があって面白い取り組みだった』と好意的な意見が寄せられました。一方で缶コーヒーの売上の半分は自販機での購入で占められるというデータもあるため、今後はコンビニや自販機を含めてチャネルの枠を広げて、添付シールをレシート応募やその他のデジタル手段に変えるなどしてコストの最適化を図りながら、同様のキャンペーンを展開できればと思います」(栃原氏)


(公開:2019年6月/取材・文:安田博勇、写真:山﨑美津留)


※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです