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LINE STAFF START LINE公式アカウント

実際にどう使う?店舗スタッフに聞いた、LINE STAFF START活用のコツ

株式会社TSI、田中興産株式会社、株式会社ライトオン

2024.05.30

(写真左から)株式会社TSI 関 由枝さん、田中興産株式会社 阪口萌絵乃さん、株式会社ライトオン 田中奈津美さん

店舗スタッフ専用のLINE公式アカウントで、コミュニケーションアプリ「LINE」上で店舗スタッフからユーザーに情報を直接届けることができるサービス「LINE STAFF START」。セールの案内や新商品の紹介、商品に関する相談の対応など、幅広い用途で活用できます。実際にアパレルブランドのスタッフがどのようにLINE STAFF STARTを活用しているのか、同サービスをユーザーとのコミュニケーションに活用して、再来店や売り上げにつなげているアパレルブランドの店舗スタッフ3名に話を聞きました。

目的

・電話対応の工数や負担を軽減したい

・継続的なコミュニケーションがとれる手段を見つけたい

施策

・LINE STAFF STARTを導入し、ユーザーとのコミュニケーションに活用
・メッセージ配信では新商品やコーディネートを配信
・チャットでユーザーからの取り置き依頼やコーディネートの相談などを対応

効果

・電話工数の削減に成功
・ユーザーとの関係構築を実現
・リピーターを獲得し、売り上げや再来店が増加

LINE STAFF STARTの導入で、コミュニケーション上の課題を解決

――まず皆さんの担当ブランドや勤務先の店舗についてお聞かせください。

 

田中さん:「Right-on(ライトオン)」はジーンズをはじめカジュアル系の商品を取り扱うアパレルブランドです。私が勤める店舗は地域密着型の小型店で、幅広い年齢の方にご利用いただいています。午前中は30〜40代の主婦層が中心で、お昼以降は50〜70代のお客さま、夕方以降は学生さんの来店が多いですね。

 

阪口さん:当社ブランドの「Luxe armoire caprice(リュクス アーモワール カプリス)」はインポートセレクトショップで、英国やイタリア、スペイン、デンマークなど欧州を中心に世界9カ国100ブランド以上を取り扱っています。中には日本国内ではまだ展開していない希少なブランドの洋服も提供しており、40〜50代の女性を中心にインポートの洋服選びを楽しむ方が多いです。

 

関さん:「NANO universe(ナノ・ユニバース)」はオリジナルブランドのほか、セレクトショップとしてもレディース・メンズアイテムを幅広く提供しているブランドです。百貨店にある店舗で勤務しているためファミリー層が多く、10代後半から80代と幅広い年齢層のお客さまが来店します。

 

――1日の業務の流れや、その中でLINE STAFF STARTをどのように活用しているか教えてください。

 

田中さん: LINE STAFF STARTのメッセージは開店前の時間を活用し、配信しています。開店後は、午前中に商品整理や売り場づくりをし、午後は今後の売り場づくりの企画やスタッフ育成を中心に行います。お客さまからのメッセージチェックは特に時間は決めず業務の合間に確認し、チャットが来たらなるべく早く返信するように心がけています。

阪口さん:私はLINE STAFF STARTを「お昼休憩の後に活用する」など時間帯を決め、業務にあたっています。開店後は納品チェックや売り場づくりのほか、オンラインストアに投稿するコーディネートの編集を行います。その後、お昼休憩の後にLINE STAFF STARTのメッセージ配信をしたり、チャットを返信しています。

関さん:私は時間帯を問わず、なるべくこまめにチャットが届いているか確認するようにしています。例えば開店後の納品確認や取り寄せ依頼を行いつつ、並行してチャットが来ているかどうか確認します。午後の接客対応や検品業務、店舗ディスプレイの組み換えが落ち着いたタイミングや、帰宅前にも返信などの対応をしていますね。

――LINE STAFF START導入前は、接客時にどのような課題がありましたか?

 

阪口さん:LINE STAFF STARTを導入するまではお客さまとスタッフとの接点は店頭が中心で、商品取り置きのご案内などは電話を使っていました。しかし、1時間かけてお客さまに電話をしてもつながらないことが多く、日によっては数件しか電話がつながらなかったこともあります。

また、担当しているお客さまが商品を受け取りに来店されてもタイミングが合わずにお会いできないこともありました。実を言うと、個人的には「LINEやメールなどほかの手段がたくさんあるのに、なぜ電話なのだろう」と思っていたんです。だからLINE STAFF STARTを導入すると聞いた時、「やっと電話以外のコミュニケーション手段ができた!」と嬉しくなりました。

田中興産株式会社 絵里奈事業部 Luxe armoire caprice 池袋東武店スタッフ 阪口萌絵乃さん

関さん:電話の課題は私も分かります……。接客の合間を見て電話をかけるので、お客さまがお求めの商品が入荷してすぐに連絡できなかったり、電話がつながらなかったりというケースもありました。そのため私もLINE STAFF STARTを導入することになった時、「これでお客さまと連絡が取りやすくなるな」と思いました。また、チャットの既読機能でお客さまがメッセージを読んだかどうか確認できるため、コミュニケーションに安心感が生まれましたね。

 

田中さん:私が感じていた接客時の課題は、「せっかく購入いただいても、そこでコミュニケーションが終わってしまう」ということでした。つまり、購入いただいたお客さまに「ありがとう」と伝える手段も、その後のコミュニケーションも図れず、お客さまの再来店を待つしかできませんでした。LINE STAFF STARTの導入で、お客さまに感謝の気持ちを直接伝える手段ができ、嬉しかったです。

 

また、「こういうアイテムがほしい」や「オンラインストアで見た商品を取り寄せたい」など気軽に連絡をもらえる手段にもなると考え、サービスへの期待感が高まりました。

三社三様のサービス活用から見えた「共通点」

――LINE STAFF STARTはどのように活用していますか? また、ほかのSNSとの使い分けについても教えてください。

 

田中さん:店舗では情報の発信手段としてLINE STAFF STARTとInstagramを活用しています。Instagramは主に季節に合った日常のママ向けコーディネートを載せていますね。ストーリーでは写真投稿のタイミングで同じ写真を流したり、エリアのイベント情報や店舗館内の情報を流しています。

 

LINE STAFF STARTも同じママコーデの投稿が中心ですが、Instagramとつながっているお客さまの層の年齢層が異なるので、お客さまに合わせて使い分けしています。これまでの実績から、金曜日の夜から土曜日の午前10時までにメッセージを配信すると開封率が高くなることが分かりました。配信後の土日にお子さま連れでの再来店につながる可能性も高くなるので、その時間帯を中心に配信しています。

親しみやすいテキストと合わせてコーディネートをメッセージで配信

また、個別のお客さまとのコミュニケーションにもLINE STAFF STARTを活用しています。例えば「今日購入したアイテムを自宅にあるこのアイテムとコーディネートしたい」といった相談や、「オンライン商品のこれが欲しいけれど店舗で試着や予約はできますか」と写真付きで送られてきた質問に対応したり、やりとりの内容はさまざまです。また店舗では裾上げ時に出た不要なハギレを活用したワークショップも定期的に開催しているのですが、その時にお客さまが作成したリースや写真立てなど、実際にお家で使っている様子を写真で送っていただいたこともあります。

 

関さん:私もLINE STAFF STARTとInstagramを使っています。Instagramでは、自社アプリに載せているスタイリング例の抜粋と、シーズンごとに入荷したおすすめアイテムの画像、ショップが入居するビルの営業時間やセール案内のほかにも、趣味の購入品やプライベートでのお出かけなど少し親近感を持ってもらえるような内容を載せています。Instagramの投稿は22時前後にアップすることが多いですね。

 

一方、LINE STAFF STARTはチャットで寄せられる問い合わせの対応や、アイテム入荷の連絡、また自分の出勤日の更新などを案内しています。

メッセージでは商品紹介と合わせて友だち限定クーポンも配信

阪口さん:私はLINE STAFF STARTのみ活用しています。主に在庫の確認連絡や取り置きの連絡、次回来店のアポイントなどにチャットを使ったり、毎週木曜日に新作アイテムが入るので、メッセージの一斉配信で紹介をしています。これまでの電話を使ったコミュニケーションではすれ違いやつながらないなどの課題がありましたが、LINE STAFF STARTだと連絡がスムーズに完結します。そうして余裕ができた分、取り置きの連絡の際などに「こちらの商品もいかがですか」などプラスアルファの提案をできるようになりました。

クーポンを配信しつつ、新作アイテムをメッセージで紹介

実際にお客さまからもLINE STAFF STARTの導入後は「店舗に連絡しやすくなった」と評価をいただいています。「何月何日にお店に行くので、同窓会用のコーディネートをお願いします」など事前にお伝えいただけるとしっかり準備できますし、あらかじめ他店から商品を取り寄せるなどの対応も可能になりました。

 

――友だちとのコミュニケーションで意識していることはありますか?

 

関さん:できれば来店してほしいという思いもあるのですが、“押し売り”のような圧を感じさせないように気を付けています。またメッセージの一斉配信はあえてせず、基本的にお客さまに合った内容を居住地や属性に合わせて個別に送るようにしています。

 

例えば、当店には帰省のタイミングで来店するお客さまもいるのですが、普段は居住地に近い店舗でのキャンペーン情報を案内しています。また、男性のお客さまにレディースアイテムを案内するとミスマッチになってしまうので、配信する情報は精査していますね。

株式会社TSI NANO universe 遠鉄百貨店店 ショップマネージャー 関 由枝さん

田中さん:私もなるべく圧にならないようなメッセージ配信を意識しています。メッセージ全体がだらだらとした印象になるのは避けたいので、必要とされる情報を簡潔に伝えるようにしていたり……テキストの1行目はじっくり考えますね。チャットでは「コーディネートを一緒に考えてほしい」「おしゃれに関するアドバイスがほしい」などのお客さまのニーズに的確に応え、かつその方の個性を踏まえて対応しています。

 

阪口さん:私は丁寧さを意識してやりとりしていますが、親しくなったお客さまには絵文字やスタンプを使うこともあります。コミュニケーションの振り幅があるという点でLINEはとても使いやすいと思います。

 

関さん:確かに、絵文字がないとかしこまった文章になってしまいますよね。それだとLINE特有の距離の近さが出にくいので、失礼にならない範囲で私も絵文字やスタンプを使うようにしています。

 

――友だちを増やすために工夫していることはありますか?

 

関さん:私は店頭や電話で問い合わせがあった際に、「LINE で写真を送っていただければお調べします。何でもお気軽におっしゃってください」「気になった商品が入荷したらご連絡します」と、接客内容を踏まえたご案内内容をお伝えして、さりげなく友だち追加を提案しています。

 

田中さん:私もお客さまからコーディネートの相談を受けた時に案内しています。案内するのは接客中が多いですね。レジカウンターに行くとお客さまが“お買い物完了モード”になるので、接客中に「もしよかったら参考にしてください」と私のLINE公式アカウントのプロフィールをお見せして、どのような情報がLINEで受け取れるか伝えるようにしています。中には「メッセージが頻繁に届くのでは?」と心配する方もいるので、「2週間に1度くらいです」と配信の頻度も説明しています。

 

友だち追加いただいた後は、最初にフルネームをチャット送信いただくように案内したり、LINE STAFF STARTのチャットのメモ機能でお客さまの特徴や購入アイテムを記載して、接客に生かしています。

株式会社ライトオン 店舗統括部 関西ブロック ライトオン八尾リノアス店 社員 田中奈津美さん

関さん:私も田中さんと同じ理由でレジカウンターでの案内は避けたり、フルネームの送信やメモ機能も活用しています。

 

阪口さん:当社のブランドは柄物や個性的なデザインのアイテムが多いので、店頭でコーディネートの相談が多く寄せられます。そのタイミングでLINEを案内して、どのような情報が受け取れるかなどを説明した上で、友だち追加いただくことが多いですね。お二人のように、フルネームの送信依頼も必ず行っています。

ユーザーとの関係性を構築しながら、購入や来店へのきっかけに

――LINE STAFF STARTを活用してどのような成果がありましたか?

 

田中さん:LINEの友だちになったお客さまの再来店頻度が増えました。リピーターのお客さまが増えると店舗スタッフもお客さまの顔を覚えやすくなりますし、お客さまもスタッフを覚えてくれるので会話も弾みます。メモ機能などを基にお客さまの好みも把握できているので、私が店舗にいなくても他のスタッフがお客さまをしっかりと対応できるようになりました。その結果、来店時の滞在時間自体も増えているんです。かなり大きな成果だと思います。

 

また、メッセージ配信でコーディネートを紹介すると、当日もしくは翌日には来店くださる方が増えたので、確実にLINE STAFF STARTによる効果があると考えています。中には「メッセージを見て来ました」と声をかけてくれる方もいるので、さらなるLINE活用への励みになりますね。LINE STAFF START導入後、店舗で掲げる売上目標も2カ月連続で達成できました。

 

阪口さん:LINE STAFF START導入後、ECサイトと店舗両方の売り上げに効果が見らました。実際、導入後3カ月で同サービス経由のECサイト売上比率が15%伸び、売上額も月平均で約350万円を記録しています。

 

また、店舗ではなくECサイトからLINEでつながったお客さまもいます。その方から「いつかお店に行ってお会いしたい」と連絡をいただくこともあり、お客さまとのつながりを実感できました。何よりも、電話でのコミュニケーションから解放され、その分時間を有効に使えるようになりました。

 

関さん:本当に、電話から解放されたのは大きいですよね。私も、お客さまとの距離が近くなり、より接客しやすくなったと感じています。LINE STAFF START導入前から仲が良かったあるお客さまが友人と一緒に来店した際、LINEチャットで事前に連絡をくださってその日はおしゃべりを楽しみながらの試着会のようになりました(笑)。そうした接客を経て、一層お客さまとの距離が近づいたと思います。

 

また、セールの時の売り上げを見ると、自分の売り上げの約半分はLINE STAFF STARTの友だちのものであることが分かりました。レディースアイテムを購入したお客さまの購入金額が、レディース顧客単価平均と比べて150〜200%を記録していた(2023年時点)ので、LINEを通じてお客さまと親密になると数字もこれだけ違ってくると実感しました。

――LINE STAFF STARTの活用について、今後の展望をお聞かせください。

 

田中さん:当面は今行っている活用を継続していこうと考えています。また、この LINE STAFF STARTを活用することで、お客さまとより関係性を築くことができたので、この魅力を社内に発信し、一人でも多くのお客さまが頼れるスタッフに巡り会えるようになればと思います。

 

阪口さん:LINE STAFF STARTを活用したオンライン接客にさらに力を入れたいですね。ECサイト経由で友だち追加が増えているので、LINE上で接客をして、そのままECサイトでご都合良いタイミングで購入いただくお客さまがより増えたらいいなと思っています。

 

関さん:本格運用を始めて1年になりますが、まだLINE STAFF STARTに不慣れなスタッフや、お客さまとうまくコミュニケーションが取れないスタッフもいます。そうしたスタッフに対し、自分も含めて他の方のさまざまな成功体験を共有して、LINE STAFF STARTを最大限活用できる仕組みをつくっていきたいです。

 

――ありがとうございました。


 

(公開:2024年5月、取材・文/岩﨑史絵、写真/川嶌 順)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です

企業名 株式会社TSI
所在地
東京都港区赤坂8-5-27 住友不動産青山ビル
事業内容
衣料品全般の企画・製造・小売り・卸及び輸出入
サービス NANO universe(ナノ・ユニバース)オフィシャルブランドサイト
企業名 田中興産株式会社
所在地
東京都目黒区東山3-5-2
事業内容
婦人服専門店
サービス Luxe armoire caprice(リュクス アーモワール カプリス)オフィシャルブランドサイト
企業名 株式会社ライトオン
所在地
東京都渋谷区神宮前6-27-8 京セラ原宿ビル 6F
事業内容
年齢・性別を超えた幅広い客層に、ジーンズを中核アイテムとしたカジュアルウェアを販売する専門店
サービス Right-on(ライトオン)オフィシャルブランドサイト
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