株式会社Flavorが展開するインテリアブランド「Re:CENO(リセノ)」は、ECサイトやECモールのほか、京都・東京・福岡の3拠点で実店舗を運営しています。「Re:CENO」は2022年10月に新たなオンライン相談ツールとして「LINE STAFF START」を導入し、LINEを使ったインテリア相談を開始しました。オンライン相談対応チームのスタッフが自身のLINE公式アカウント上で購入までのサポートを行うことで、インテリア相談の質が徐々に変わり、売り上げの増加に寄与しています。LINE STAFF STARTを活用してのメリットや強みについて、株式会社Flavor(以下、Flavor)の中島千恵氏(以下、中島氏)に話を聞きました。
- ユーザーとスタッフの関係性を深め、購入までのハードルを下げたい
- LINE STAFF STARTを導入し、購入前のオンライン相談や問い合わせに対応
- LINE STAFF STARTの相談イメージが分かるLPを制作
- クーポンやキャンペーンの案内、インテリアに関する読み物コンテンツを1~2カ月に1回ほどの頻度で配信
- LINE STAFF STARTの導入後、売り上げが昨年比140%と伸長
- LINE STAFF STARTでつながっているユーザーのメッセージ開封率は平均70%、クリック率は約10%を記録
- LINE STAFF STARTでつながっているユーザーの約5割がリピーターに
購入前のフォローを充実させ、他社との差別化を図る
「インテリアの楽しさを、もっとたくさんの人に。」という理念の下、2008年にEC事業からスタートしたインテリアブランド「Re:CENO(リセノ)」。商品に込められた作り手のこだわりや、暮らしにもたらす変化など、商品が持つストーリーを伝えながらインテリアの楽しさを訴求し、多くのファンから支持を集めてきました。
Flavor は自社運営のオフィシャルECサイトのほか、楽天市場やヤフーショッピングなどのECモールにも「Re:CENO」の公式店舗を出店しています。また2013年には京都・烏丸に実店舗を構え、続く2015年に東京・二子玉川、2022年には福岡・赤坂と実店舗も出店しています。
「もともとECサイトから展開したこともあり、『Re:CENO』の現在の売り上げは、オフィシャルECサイト経由が約7割を占めています。にもかかわらず楽天やYahoo!ショッピングなどのECモールにも出店しているのは、より多くの方に認知を広げ、アプローチするためです」
「Re:CENO」の提案するインテリアイメージ。実店舗は、ECサイトで家具を見て来店するユーザーが多く、オンライン(ECサイト)とオフライン(店舗)の相乗効果で売り上げを伸ばしている
EC事業を軸としているFlavor は、電話やメール以外にもデジタルチャネルを活用し、ユーザーのインテリアの相談や問い合わせに対応してきました。LINE STAFF STARTを導入する前は、「Re:CENO」ブランドとして運用していたLINE公式アカウントを2017年10月に導入し、相談を受け付けていたといいます。
「家具は大きな買い物なので、その分購入のハードルも高くなります。しかし事前にプロのスタッフにインテリアの悩みや不安を相談することで、購入の失敗を防ぐことができます。インテリア業界はオンラインでプロに相談するサービスがそれほど発展していないので、そこに注力すれば競合他社との差別化にもつながりますし、多くのお客さまの手助けができると考えました」
当初は「Re:CENO」のLINE公式アカウントとは別のチャットサービスも導入していましたが、広く普及し、ユーザーも使い慣れているLINE上でやり取りするほうが、利便性が高く、新たに操作を覚えなくても良いという利点もありました。
ユーザーとスタッフの結び付きを深めるために、LINE STAFF STARTを導入
Flavorは2022年10月にLINE STAFF STARTを導入し、「Re:CENO」のLINE公式アカウントで受け付けていたオンライン相談をLINE STAFF STARTに切り替えました。その理由の一つが、スタッフ一人ひとりが自分のLINE公式アカウントを開設できるというLINE STAFF STARTの強みにあります。
※お使いのバージョンによっては画面のデザインが異なります
「インテリア相談の対応にLINEを活用することのメリットは、すでにLINE STAFF START導入前から運用していたLINE公式アカウントで実感し、手応えもありました。次の段階として個々のスタッフがLINE公式アカウントを通じて、お客さま一人ひとりと結び付きを深める設計ができないか――そう模索していた時に知ったのがLINE STAFF STARTです。スタッフごとにLINE公式アカウントを開設できることに魅力を感じ、導入を決めました」
その後、同社はLINE STAFF STARTへの誘導施策を開始しました。その一つが、インテリアや家具選びに悩むユーザーに向けたランディングページ(LP)の制作です。
「オンラインのインテリア相談はまだ一般的に普及していないので、それがいかに便利で有用であるかをできるだけわかりやすく表現することを意識してLPを制作しました。ただし、お客さまによって最適な相談方法は千差万別なので、LINE STAFF STARTのほかにも電話やチャット、メールなどの手段も併用しています」
現在は主に5つの方法でインテリアの相談ができる。中島氏はLINE STAFF STARTを使ったインテリア相談のほか、3Dシミュレーターを使ったコーディネート提案などを実施している
ユーザーがLINEを使ったインテリア相談を希望する場合は、プロサポートのスタッフ紹介欄にある「LINE相談」ボタンをクリックすると、LINEに遷移してすぐに相談ができる仕組みです。
友だち追加すると、トーク画面から選択したスタッフに相談できる
Flavorでは各スタッフのLINE公式アカウントの友だち追加を促すため、もともと開設していた「Re:CENO」のLINE公式アカウントでもあいさつメッセージ内で案内したり、ほかのSNSアカウントからもLINEを使ったインテリア相談を促したりしてきました。プロサポートチームのスタッフが店頭に立つ時には、来店ユーザーに直接お声がけするように心がけているそうです。
「Re:CENO」のLINE公式アカウントでもあいさつメッセージ内で案内
LINE上でのコミュニケーションを通じて、態度変容や意識変容に気付けるように
LINE STAFF STARTでインテリア相談を行うにあたり、個々のスタッフがコミュニケーションで心掛けていることが三つあります。
一つ目が、「スピード感をもった対応」です。LINEでのやり取りはスピード感が求められるため、営業時間内であればなるべく早く返信をするように心掛けているといいます。また、公休日や営業時間外、時間がかかる対応が求められる相談内容に関しては、できるだけ迅速に「少しお時間をいただきます」と返信するなど細やかな対応を意識しています。
二つ目が、「親しみのあるコミュニケーション」です。LINEの特徴である「気軽なコミュニケーション」の雰囲気を壊さないよう、丁寧さと気軽さのバランスを考えた言葉を選んでいるといいます。また、親しみやすさを出すことで「こんな相談をしてもいいのかな」というユーザーの心理的なハードルの軽減にもつながります。
最後は、「視覚的に分かりやすい情報伝達」です。LINEはメールと比較して視覚的に分かりやすいコミュニケーションが行えます。画像も簡単に送れるため、できるだけ画像を用いて視覚的に伝えることで、ユーザーの困りごとや疑問の解消につながるように工夫しています。
LINE STAFF STARTの相談イメージをLP上でサンプルとして紹介している
LINE STAFF STARTを導入し、こうした工夫を行った結果、ユーザーとのコミュニケーションの質が変化したといいます。
「まず挙げられるのは、一対一で同じ担当者が対応するため、距離感が以前よりも縮まった点です。お客さまからも『気軽に相談できる』『友だち同士の会話みたい』などの声が寄せられていますし、実際に何度も相談くださる方もいます」
商品情報を伝える時も、メールだと各商品のURLを複数送る必要がありましたが、LINE公式アカウントからはカードタイプメッセージを用いて複数の情報を視覚的に送信できます。それによりユーザー側も商品についてイメージを持ちやすく、見返す時にも便利というメリットがあります。
メッセージ配信でも、カードタイプメッセージを活用。1~2カ月に1回ほどの頻度でクーポンやキャンペーンの案内、インテリアに関する読み物コンテンツを届けている
問い合わせに対するユーザーの利便性が増しただけでなく、対応をするスタッフにとっても大きなメリットがあると中島氏は話します。
「まず、メールと異なりユーザーがメッセージを見たかどうか、LINEではすぐに確認できます。また、やり取り中にお客さまからの返事が途切れてしまった場合は、一度時間を置いて検討状況をお伺いすることができるというメリットもあります。このように購入前のフォローを厚く行うことで、購買プロセスにおいてユーザーがどこでつまずきやすいのか、購入を決めたポイントはどこにあったのか、など態度変容や意識変容に気付けるようになりました」
細やかなコミュニケーションが実を結び、売り上げは昨年比140%を記録
LINE STAFF STARTを導入して1年弱で、事業にも良い影響が出てきました。
「インテリア相談を『Re:CENO』のLINE公式アカウントからLINE STAFF STARTに切り替えた当初の1〜2カ月間は、まだお客さまの認知度が低かったため、売り上げも少し減少してしまいました。しかし、LPなどで周知を進めるうちにLINE STAFF STARTでの相談件数も増え、現在では購入前に寄せられた相談件数全体のうち約5割がLINE STAFF START経由となっています。また、一度は減少してしまったLINE STAFF START経由の売り上げも相談件数の増加に伴って回復し、現在は昨年比(※)140%になっています」
※ 2022年12月~2023年7月と、2021年12月~2022年7月を比較
LINE STAFF STARTから配信するメッセージの開封率は約70%、クリック率は10%を記録しています。また、LINE STAFF STARTでつながっているユーザーのほうが、メールや電話で寄せられる問い合わせと比較してECサイトへの遷移や購入などのアクションを起こしやすく、次回購入などのリピート率は約5割に上ります。
中島氏はこうした成果を踏まえ、LINE STAFF STARTを次のように評価します。
「LINE上で継続的につながりを持てることで、ユーザーとスタッフとの関係性を強くすることができました。少しずつサービスの認知度も高まり、ご利用いただいた方からは、多くのご好評のお声もいただけています。お一人あたりのご相談回数も確実に増えている現状に、手応えを感じています。今後も引き続きLINE STAFF STARTを活用し、たくさんのお客さまにインテリアの楽しさをお伝えしていきたいと思います」
(公開:2023年10月、取材・文/岩崎史絵)
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