菓子や牛乳、乳製品などを製造販売する株式会社 明治(以下、明治)は、「ヨーグルトドルチェ」という新カテゴリの商品「明治ヨーグルトドルチェとろけると」の発売に先立ち、2019年4月1日より「LINE NEWS DIGEST Spot」への広告出稿を行いました。
「LINE NEWS」は、月間利用者数6,500万人(2019年4月時点)を誇る、国内最大級のスマートフォンニュースサービスです。LINE NEWSアプリやLINE公式アカウントを活用したダイジェスト配信、LINEアプリ内の「ニュースタブ」など、さまざまな方法でユーザーのニーズにあったニュース配信を行っています。2014年からは、イメージ画像とシンプルな記事タイトルによるダイジェスト形式でニュースの配信を行う「LINE NEWS DIGEST」を提供開始。今回明治が活用した「LINE NEWS DIGEST Spot」は、ダイジェスト記事に掲載される記事型広告です。
「明治ヨーグルトドルチェとろけると」のプロモーション施策や今後のLINE活用アイデアについて、明治 宣伝部の青山 成輝氏(以下、青山氏)に話を伺いました。
- ユーザーに違和感なく広告を配信し、幅広い世代からの認知を獲得したい
- ダイジェスト記事に掲載される記事型広告「LINE NEWS DIGEST Spot」および、ニュースタブ面掲載の広告枠「LINE NEWS HEADLINE」への出稿
- 商品名称の認知度が1.8倍に向上
- 購買意向が1.2倍に向上
- SNS上で商品に関する好意的なコミュニケーションが発生
幅広い世代の生活に溶け込むことで自然に認知を獲得
明治は以前から、「明治プロビオヨーグルトR-1」などの商品で話題化を意図した施策を展開するときに「LINE NEWS DIGEST Spot」を活用してきました。認知獲得を重視した今回の施策においても「LINE NEWS DIGEST Spot」の活用を決めた理由について、青山氏は次のように話します。
「食品のプロモーション施策では、“食べてもらえたら、美味しさがわかってもらえる”とよく言われますが、そのためにもまずは商品認知を獲得しなければなりません。その点において、LINEは他のメディアやSNSと比較しても幅広い世代、さらに他のSNSを使っていない消費者にもリーチできる媒体だと思います。予算面を考慮するとテレビCMを打てる数には限りがあるので、それを補足するための施策として、『LINE DIGEST Spot』は有効な手段だと考えています」
2019年4月1日に明治が出稿を行った「LINE NEWS DIGEST Spot」の記事面
今回の広告出稿後に行ったLINEリサーチによる調査結果によると、記事に接触することで商品認知が1.8倍に高まっていただけでなく、「新商品であること」「CM出演タレント」「商品の種類」の3方向から調査した特徴認知は総合して1.7倍、購買意向も1.2倍に高まったことも明らかになり、確かなブランドリフト効果が確認されました。調査結果について、青山氏は以下のように語ります。
「“明治ヨーグルトドルチェとろけると”は、これまでにないヨーグルトとして話題になる可能性を秘めた商品だと販売当初から期待していました。そのため、商品の世界観に共感してくれる層に絞って情報を発信するのではなく、LINEを通じて幅広い世代に対する認知獲得を狙ったことが成功の要因だと考えています。特に、“生活に溶け込む”というヨーグルトの商品特性と、日常的に使うコミュニケーションアプリというLINEの特性がマッチしたことが功を奏したのではないかと思います」
さらに、「LINE NEWS DIGEST Spot」への出稿により、認知獲得以外にも期待していた効果があったといいます。
「認知獲得以外にもKPIは設定していました。例えば、商品への理解度です。“明治ヨーグルトドルチェとろけると”は、独自の世界観と新たなベネフィットを強みにした商品のため効果検証には時間がかかってしまうのですが、SNSでの反響を見ていても商品理解を得られているなと手応えを感じています。CMキャラクターの池田エライザさんを起点に、“食べてみたい”という流れができているようです」
「LINE NEWS HEADLINE」でリーチできる層がさらに広がった
「明治ヨーグルトドルチェとろけると」の施策では、「LINE NEWS HEADLINE」への広告掲載も試験的に行われました。「LINE NEWS HEADLINE」とは、LINEのニュースタブで配信される広告枠のことで、LINE NEWSのLINE公式アカウントと友だちになっていない新規ユーザーにもアプローチすることができます。
「LINE NEWS HEADLINE」では、LINEのメインメニューにある「ニュースタブ」上部の画像枠から、「LINE NEWS DIGEST Spot」への誘導を行い、ニュース面全体で露出することで、サービスのブランド認知を一気に向上することが可能。
「LINE NEWS HEADLINE」の効果について、青山氏は「『LINE NEWS HEADLINE』の活用によりユーザーと接触する場が増え、リーチできるユーザーの幅がさらに広がることに可能性を感じています」と話し、あらためてLINE NEWSのメディアとしての価値を高評価します。
「LINE NEWS HEADLINEは配信までのスピードが早く、リーチが広いため認知獲得に対して着実に寄与してくれるメニューです。また、LINE NEWSのユーザー層の広さから察するに、他のSNSをあまり活用していないユーザーも存在していると思われるので、そうしたユーザーにアプローチできるという点でも貴重だと感じています」
LINEには「嫌がられない広告メディア」のままであってほしい
今後も「LINE NEWS HEADLINE」を含め、「LINE NEWS DIGEST Spot」を活用し続けていく上での考えを、青山氏はこう語ります。
「“この商品は美味しいよ”という企業からの一方的なアプローチでは消費者には見向きもされませんし、商品の画像を前面に出すと嫌がられる広告になってしまう。そうならないためにも記事型広告のようなユーザーに忌避されない形式の広告を制作し、ニュースなどのコンテンツとして自走させることで商品を“世の中ごと化”していけたらと考えています」
さらに、「LINE NEWS DIGEST Spot」の活用に留まらない、LINEをより活用したサンプリング施策についても言及します。
「次々と新商品が生まれる業界のため、商品の入れ替えが早く、特にコンビニなどではその傾向が顕著です。そこで、店頭に商品をつなぎとめる施策として、LINEを活用した販促施策についても検討したいと思っています。ただ、単なるばらまきで終わってしまわないように、動画を1回見たら応募できるなど、商品に一度触れてもらう方法を考えていきたいと思います。その他にも、テレビCMの素材と組み合わせるなど、テレビのようなマスメディアと有機的な連携ができたら、より一層世の中ごと化できるのではないでしょうか」
最後に青山氏は次のようにLINEへの期待を語ってくれました。
「LINEはユーザーに忌避されない魅力的なコンテンツを多く持っています。ぜひとも、LINEには広告色の強くない、ユーザーの生活に馴染むサービスを今後も維持していただく一方で、嫌がられない形で伝えたいメッセージを届けるためのより良い方法を考えていただきたいです」
(公開:2019年5月/取材・文:長尾和也、写真:飯本貴子)
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