流通総額最大化に向けたtROAS活用イメージ
※tCPA_コンバージョン単価の目標値
課題と背景
流通額の最大化、ユーザーに着目した指標をKPIにしたい
楽天市場のマーケティングチームは、「楽天市場全体の流通額最大化」のため、出店店舗様の売り上げ最大化と楽天市場ユーザーの購買満足度向上を両軸で追いかけています。
広告運用においては、広告経由の流通額だけではなく、新規ユーザー獲得につながっているか、ライト層の利用を促せているか、ロイヤリティを高められているか、などユーザーに着目した指標もKPIとしています。事業環境も刻々と変わる中で、膨大な自社データの解析と経営判断により、その時々重視する指標を変化させています。
流通額の最大化、ユーザーに着目した指標をKPIとして考えた時に、コンバージョン価値を最大化する入札がベストであるという思いはありつつも、従来は精度などの問題から販売件数の最大化に頼らざる得ない状況でした。
施策と効果
高単価商材への配信が増加し、効率と規模の両軸で成果
tROAS利用時のポイント
1.コンバージョン規模が多いキャンペーンにフォーカス(Yahoo! JAPAN推奨)
2.直近の媒体実績を参考に乖離のない目標値を設定
3.比較対象となるキャンペーンの条件をそろえる
施策導入のタイミングでは、季節変動などの影響を最小限に抑えて施策の効果判断をするため、同一ジャンルでtCPAを継続するキャンペーンとtROASに挑戦するキャンペーンに分けて配信。実績推移を計測しつつ、tROASで期待している高額商品の実績が伸びているかを実際の配信クエリを確認しつつトラッキングしました。
配信の結果、家電カテゴリーにおいては、端末本体を探しているユーザーへの配信が大幅にアップし、携帯ケースを探しているユーザーへの配信が相対的に抑制されました。また、コスメ・美容系のジャンルでは、ネイルシールやコスメ雑貨などの商品から酸素濃縮器やポータブルクーラーなどにコンバージョンラインアップが遷移するなど、高単価商材への配信が増加することで、ROASが45%向上、広告経由の市場の流通総額も38%増加するなど、効率と規模の両軸で効果を出すことができました。
tROAS活用前後比較
計測期間:tROAS利用前_2021/07/26〜08/01、利用後2021/08/17〜08/23
ヤフー株式会社調べ
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導入企業のコメント
住谷 誠
マーケットプレイス事業 楽天市場マーケティング部 チャネルマーケティング課
サーチエンジンマーケティンググループ マネージャー
相良 彩
マーケットプレイス事業 楽天市場マーケティング部 チャネルマーケティング課
サーチエンジンマーケティンググループ リスティングチーム
アシスタントマネージャー
天満 太郎
マーケットプレイス事業 楽天市場マーケティング部 チャネルマーケティング課
サーチエンジンマーケティンググループ
- 企業名
- 楽天グループ株式会社
- 所在地
- 本社_東京都、世界30ヵ国の拠点
- 事業内容
- 70超のサービス、15億超のユーザーが利用するメンバーシップを基軸にした楽天エコシステムを展開
※当記事は2021年10月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。
文責:水谷 美由紀(ヤフー株式会社)