化粧品や美容サプリメントなどの製造・販売を手がけている株式会社FRACORA(以下、FRACORA)は、商品の売上拡大を目的にYahoo!広告 検索広告を活用してきました。長年運用を続ける中、活用を始めたのが、2024年4月にリリースした「画像アセット」機能です。活用によってCPA(顧客獲得単価)が22%改善したという成果やその他のメリットについて、同社で運用とクリエイティブを担当する森一彦氏(以下、森氏)と土橋桃子氏(以下、土橋氏)に話を聞きました。
・新規顧客にアプローチして売り上げを伸ばしたい
・Yahoo!広告 検索広告の機能「画像アセット」を活用して広告を配信
・キーワードのトレンドに応じて入札単価や関連情報を追加するなど、キャンペーンを最適化しながら運用
・画像アセットの導入によりCV(コンバージョン)数は35%、CVR(コンバージョン率)は51%増加し、CPAは22%改善
・Yahoo!広告 検索広告は他媒体よりもCPC(クリック単価)2倍以上、CPA3倍以上の抑制に成功
新規顧客獲得数やCPA改善のために広告運用をインハウス化
FRACORAは、自社メディアやSNSなどを用いてブランドや商品への認知を高め、最終的にWeb広告を通じて商品の購入に結びつけるデジタルマーケティング戦略を展開しています。その一つとして長年にわたり活用してきたのが、Yahoo!広告 検索広告です。
「Yahoo!広告 検索広告は売り上げに対する貢献度が高く、以前から出稿を続けています。特に他媒体に比べて中高年層の方たちにもリーチがしやすいと考えています。以前は代理店さんに運用を委託していましたが、社内で直接戦略を練り、新規顧客獲得数やCPAのさらなる向上を目指すために広告運用のインハウス化を行うべく、私と土橋が入社しました」(森氏)
現在は複数の広告キャンペーンを運用し、検索キーワードにはブランド名でもある「FRACORA」に加え、商品名と成分名の組み合わせを設定。新規ユーザーへのプロモーションだけでなく、既存ユーザーにも新情報や割引情報を伝えるなど、幅広いユーザー層に向けて広告を配信しています。
さらに、ヒト幹細胞培養液のシリーズ「HITOKAN」をはじめとする主力のエイジングケアシリーズは50~60代、セルライトケアの新商品「Non Celula」は30代と商品によってターゲットとする年齢層が異なるため、広告の目的や配信内容を調整しながら運用しているといいます。
広告キャンペーンを最適化するための機動的な運用
複数のキャンペーンを管理するうえで、より重要になったのが配信設定や内容の最適化でした。
「例えば、テレビ番組などでFRACORAの商品に含まれている美容成分が紹介されると、インターネット上でもそのキーワードの検索ボリュームや、関連キーワードのクリック数が増加する傾向があります。そのタイミングで、キーワードの入札単価を高く設定して広告が表示されやすくしたり、トレンドの関連情報を追加したりすることでキャンペーンを最適化するようにしています。運用をインハウス化したことで、リアルタイムかつスピーディーに細かな調整が可能な体制になり、その時に届けたいメッセージや情報をダイレクトかつ機動的に配信できるようになったと思います」(土橋氏)
さらに、CTR(クリック率)、CVRなどのデータをもとに広告のパフォーマンスを分析し、より効率的なキーワードに変更するという調整も行っています。
細かな調整による運用を続ける中、FRACORAは2024年4月に提供が開始されたYahoo!広告 検索広告の機能「画像アセット」の活用も始めました。
「画像アセットが提供されてすぐの段階で、活用に向けて動き出しました。新機能は可能な限り活用し、成果を確認するようにしています。これも、担当者が幅広い裁量権を持つインハウス運用の強みかもしれません」(森氏)
画像アセットは、広告のタイトルや広告文などのテキスト情報だけでなく、検索結果に追加で画像を表示できる機能です。視覚的にユーザーに訴求できるため、クリック率の向上に期待できます。
「クリエイティブの工夫として、画像にはテキストを入れず視認性を確保しながら、一目でどんな商品なのかが伝わるようなデザインを意識しています。例えば、果実のザクロ由来のウロリチンという成分をアピールする場合には、思い切ってザクロの画像のみを大きく掲載するなどの方法も試しています」(土橋氏)
画像アセット導入でCV数35%増加、CPAは22%改善
画像アセットの効果は、数値にも表れました。導入前後の7日間を同条件で比較した結果、CV数は35%、CVRは51%増加し、CPAは22%改善。他媒体との比較では、出稿量などの差分もありCV数は劣るものの、CPC(クリック単価)はYahoo!広告 検索広告が2倍以上、CPAは3倍以上安いという結果が得られました。
また、画像アセットの効果に対する評価だけでなくYahoo!広告 検索広告全体の評価を見ても、インハウス運用におけるCPAは現在、他媒体と比較して30%も低くなっています。
こうした成果について、森氏はYahoo!広告 検索広告と並行して活用しているYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)との相乗効果も得られていると推察しています。
「誰も知らない商品は検索しないし、購入しません。その理論で考えれば、ディスプレイ広告によってブランドや商品の認知度を高めて検索母数を増やし、そのユーザーに対して検索広告を表示させてコンバージョンを促すといったイメージで双方のサービスを活用しています」(森氏)
長期的な出稿、画像アセットの活用、ディスプレイ広告との相乗効果など、Yahoo!広告の運用に関して大きな手応えを感じていると語る両氏は、今後の期待を以下のように語ります。
「Yahoo!広告 検索広告は、コストを抑えつつ効率的に成果を上げられる点が長所です。顧客獲得件数についてはまだまだ改善の余地があるので、効率化による余剰予算で新たな施策にチャレンジしていきたいです」(土橋氏)
「画像アセットの効果は素晴らしく、引き続き利用し、配信ボリュームを増やしていきたいと考えています。私たちにとってCV1件というのは単なる数値ではなく、1人のお客さまに選ばれたことの証明にもなります。その重みを真摯(しんし)に受け止め、購入時のお客さまの不安や迷いを解消するための情報など、今後も価値のある情報を届けていきたいです」(森氏)
(公開:2024年8月、取材・文/杉原由花、写真/川嶌 順)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です
企業名 | 株式会社FRACORA |
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所在地 | 東京都(本社)
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事業内容 | 化粧品や美容・健康食品の製造および販売、他
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