世界の人々のよりよい暮らしのために
1837年、米国オハイオ州で創業したP&Gは、世界70か国に拠点を持つ世界最大級の日用消費財メーカーです。サスティナビリティやダイバーシティにも積極的に取り組む先進的企業であり、日本では1973年から事業を開始。「暮らし感じる、変えていく」を掲げ、さまざまな製品を送り出しています。
目的
グローバルスタンダードを追求
P&Gは、マーケティング戦略がグローバル規模で共有される点が大きな強みであると同時に、日本市場にローカライズさせた戦略展開が可能な点が大きな強みです。また、日本は商品に対する消費者ニーズが世界と比較しても高く、日本で成功した戦略が、世界戦略に反映されるケースもあります。このような環境の中、メディア戦略として「リーチ」「効果」「効率」を三本柱に設定。まず幅広く認知を獲得し、十分なリーチを得た上で、効果の最大化、効率の合理化を図ります。リーチが最優先となるため、ユーザーに届いていない広告は価値が低く、発信していないのと同義ともいえます。
どのくらい広告が見られているかを知る必要があり、その際、重要になるのが世界共通の効果指標です。グローバルスケールを活かすため、採用されたのが世界で利用されているアドベリフィケーションツール「Moat」です(※)。
ソリューション
適正な広告効果の可視化
どこに配信されているか分かりづらいインターネット上の広告は、広告の透明性に課題があります。また、適正な広告効果を検証する場合、広告配信プラットフォームによる自社計測(1st Party)のみの場合、各媒体ごとに計測基準が異なるため指標が揃わず、効果に対して共通の判断が難しいという問題がありました。Yahoo! JAPANでは、2019年10月、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)(※)において、第三者計測(3rd Party)として「IAS」と「Moat」による計測ができる環境が整いました。媒体による計測だけではない共通指標を持つことで、媒体の価値の裏付けが可能になります。
結果
課題解決のためには
P&GではMoatを活用し、共通化を測っています。Moatによる計測を実施した結果、ブランドセーフティについての指標が低い結果となりました。現状、Moatは配信面のテキスト情報を元に検知する特徴があります。スコアとしては低くなりましたが、リスクワードの多い時事情報を扱う媒体に関しては、ブランドセーフティのスコアが低めになる傾向があります。また、ビューアビリティについても低スコアになりましたが、YDNは広告枠が多く、ページ下部などファーストビューに入らない枠も多いため、ビューアブルが低く出る傾向にあります。
今回、低いスコアとなりましたが、第三者計測ツールを利用して、広告効果をしっかり可視化してトラッキングしていくことが重要です。媒体側のみならず広告主も含めて、広告業界全体で考えていく必要があるでしょう。
これら難しい状況に対して、どのように取り組むべきか、広告業界全体で考えていかなければならない課題といえます。
導入企業のコメント
日高 由香子
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
ブランドオペレーションズ
シニアメディアマネージャー
導入企業のコメント
大槻 開
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
ブランドオペレーションズ
- 企業・団体名
- プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社(外部サイト)
- 関連リンク
- ブラウン(外部サイト)
- 所在地
- 兵庫県
- 従業員数
- 3,500名(2019年12月現在)
- 事業内容
- 1873年、日本での営業開始。洗剤、紙おむつ、ヘアケア製品、化粧品、小型家電製品など、暮らしと密接につながった製品とサービスを届ける日用品メーカー。
※アドベリフィケーション:DSPなどを使って配信した広告が、広告主のイメージ低下を招くようなサイトに配信されていないか、ユーザーが認識できる場所にしっかり掲載されているかなどを確認して配信をコントロールするために、ツールなどを使用して広告の配信をコントロールすること、また配信状況を検証すること。
※2019年11月、YDNは「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(YDN)」に名称を変更しました。
※当記事は2019年11月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。
※取材/撮影/文:池亀 久美子(ヤフー株式会社)