低価格・短納期・小ロット対応などのサービス革新が競争力の源に
段ボール・梱包資材に特化し、Webマーケティングによる集客、注文しやすいシステムの開発、多品種小ロット生産対応など、インターネット通販への最適化を行い、業界のリーダーとなったダンボールワン。ITをフル活用したサービス革新により、さらなる価値を顧客に提供するべく躍進を続けています。
目的
Webマーケティングの活用で国内シェアトップに
ダンボールワンの事業形態は、10万社を超える法人向けビジネス(BtoB)と、引っ越しや個人間取引での発送ニーズがある個人向けビジネス(BtoC)です。単体では差別化しにくい商材ながら、2005年にインターネット通販を始めた当初から、検索広告を中心とするWebマーケティングを活用することで、国内シェアトップまで成長しました。
さらに現在では、その集客力を軸に、全国のダンボール工場と連携し、工場の空き時間に生産・出荷する「シェアリングプラットフォーム」を構築、最大で90%オフという価格破壊を実現しています。
背景
Web広告運用で得られる情報は顧客ニーズを探る経営資源
ダンボールワンにはマーケティング部門もありますが、辻氏は自ら広告運用を手がけています。広告のクリック率やコンバージョン率、デバイス別・地域別の動向など、常に確認してチューニングをするとともに、業界のトレンドや新たな商品の需要や経営の手がかりを探っているのです。
インターネット通販を開始した当初は、法人向けの需要しかないと思っていた辻氏ですが、検索の候補に「ダンボール+引っ越し」というキーワードが挙がってきたことをきっかけに、個人向けの「引っ越しセット」を商品化し定番化させます。このようにWebマーケティング活動で得られる情報・知見から、オーダーメイド注文や、オークション・フリーマーケット用などさまざまなニーズに応える商品、簡単見積ツールなどのサービスを開発してきました。
これまでダンボールワンのWeb広告は、ニーズを持った人に対して「検索広告」を見せ、サイトにアクセスしたけれど注文していない人には「リターゲティング広告」を展開して、購買意欲を高めていく運用が中心でした。そして、全国の提携工場の空き時間を活用して生産するシェアリング事業を展開する現在では、『ダンボールワン』ブランドの認知向上による指名注文の増加を目指しています。
活用方法
Webマーケティング担当者同士が直接交流できる場は貴重
辻氏がWeb広告運用を始めた当初、ツールの使い方は広告プラットフォーム事業者が教えてくれるものの、業態・事業規模にあわせた運用テクニックや予算の組み方などを相談する相手はいませんでした。そこで、関連するセミナーや勉強会の情報を都度探しては、運用に成功している人たちと交流しノウハウを得てきたといいます。しかし、石川県では東京ほど交流の機会を得ることができません。そこで定常的な交流の場についてYahoo! JAPANの担当者にも相談していたところ、「広告運用コミュニティ」の発足を聞き、参加しました。
広告運用コミュニティのFacebookグループでは、改善提案や効率よい運用方法の共有など、参加者がオンラインで発信・共有しやすい場所になっていると辻氏は評価しています。また、東京で開催される広告運用コミュニティの勉強会にもほぼ毎回参加し、Yahoo! JAPANの専門部門の担当者と直接話をし、同じ悩みを持つWebマーケティング担当者と交流を深めています。
活用企業のコメント
辻 俊宏
株式会社ダンボールワン
代表取締役
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- 企業・団体名
- 株式会社ダンボールワン(外部サイト)
- 関連リンク
- ダンボール通販サイト(外部サイト)
- 所在地
- 石川県
- 従業員数
- 50名(2020年2月現在)
- 事業内容
- 段ボール・梱包資材の製造と販売事業ならびに 全国の協力工場を結ぶシェアリングプラットフォーム運用。
※当記事は2020年1月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。
※取材/撮影/文:池亀 久美子(ヤフー株式会社)
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