みどりと子どもを育むまち、箕面市
大阪府北部、北摂豊能地域に位置する箕面市は「みどりと子どもを育むまち」をキャッチコピーとする、住みやすさに定評のある街です。「子育てしやすさ日本一」を掲げる当市では、子育てと仕事を両立しつつ、すぐそばに里山がある暮らしが実現できると、特にファミリー層から人気を集めています。
目標
大規模ニュータウン「箕面森町」を知ってもらうために
1995年(平成7年)、大規模郊外型ニュータウン造成計画が発足。計画戸数を1,800戸、人口では約6,000万人を目標とする新しい街は「箕面森町(みのおしんまち)」と名付けられ、2007年(平成19年)から新規分譲地の販売プロモーションが始まりました。
主なターゲットを「30代ファミリー層」に定め、年間単位で販売目標を設定、2021年(令和3年)度 までの完売を目指しました 。規模の大きい開発のため、販売目標の達成には積極的な販促活動が必要であり、箕面整備事務所では当初からさまざまな手法を活用していました。
ソリューション
従来型手法からデジタル広告への転換
販売開始当初は、テレビやラジオをはじめ、新聞の折り込みチラシや駅の掲示ポスター、小学校見学会やモデルハウス来場イベントなど、デジタル以外のプロモーションを中心に実施していました。しかし、年間販売目標に届かない時期が続き、これまでとは異なるアプローチが必要と考え、2016年12月、広告代理店の提案によりYahoo!広告の導入を決めました。
主に用いた広告は、「Yahoo!プレミアム広告」「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(YDN)」「Yahoo!広告 検索広告」の3種類です。
Yahoo!プレミアム広告においては、Yahoo! JAPANのトップページ以外に掲載される「Yahoo! JAPANターゲティング プライムディスプレイ」を活用。露出を増やし、認知拡大を促進することが主な目的です。箕面市のシンボルカラーである緑をベースにしたクリエイティブを制作、訴求したい内容や時期に応じて出し分けを実施しました。加えて、アピールポイントである「建築条件なし」という一文を盛り込んだり、CTA(Call To Action:行動喚起)として「申込受付中」などの文言を強調するようにしました。
ユーザーの検索したキーワードに連動して表示される検索広告では、初期のころは「箕面」「関西 土地」など、ビッグキーワードと呼ばれるキーワードを中心に出稿しました。その後、ユーザーの潜在ニーズに響きそうなフレーズを取り入れるなどのカスタマイズを重ね、検索広告ではかなり高い効果を得られました。
さらに、検索広告で検索したユーザーに広告を配信するディスプレイ広告(YDN)サーチターゲティング機能や、リターゲティング機能なども組み合わせて活用。プレミアム広告で認知を広げた上で、ディスプレイ広告(YDN)でバナーを配信、「箕面森町で土地を売っている」と改めて想起させることが狙いでした。不動産は検討期間が比較的長い商材です。過去に興味を持った顕在顧客に再度アプローチできるサーチターゲティングやリターゲティング機能は、効果的な方法だったといえます。
遷移先となる専用サイトは"スマートフォンで見やすいサイト"を心掛け、ターゲットとなる30代ファミリー層がストレスなく情報に辿り着けるよう、工夫した点も見逃せません。
成果
販売目標を1年以上早く達成
箕面市は大阪府でありながら隣県の兵庫県との結びつきが強く、特に、同じ阪急沿線の都市である川西市や宝塚市、西宮市などから見た場合、箕面市は住まい探しの際の選択肢に入る街でした。実際に、広告配信をする以前と以後とで比較した場合、川西市、西宮市のユーザーからの問い合わせが増えたケースもありました。
約5年間、コンスタントにプレミアム広告、ディスプレイ広告(YDN)、検索広告の出稿を重ねることで、目標としていた2021年(令和3年)度より早い2020年3月1日、最後の画地の契約を達成。1,373世帯、4,472人が住む街となりました(2020年2月末現在)。
導入自治体のコメント
喜多 崚介
大阪府 都市整備部 箕面整備事務所
工務課 企画・事業グループ
技師
- 企業・団体名
- 大阪府(外部サイト)
- 所在地
- 大阪府
- 職員数
- 68,921人(2020年4月1日現在)
- 事業内容
- 大阪府民の安全・安心な暮らしを支えるとともに、これからの大阪・関西の成長につながるよう、戦略的なインフラマネジメントを推進。
※事業期間:1996年(平成8年)度〜2023年(令和5年)度(換地処分は令和2年)、計画人口6,000人/1,800世帯(平成15年度 都市計画、事業計画の変更)
※大阪府箕面整備事務所は2020年(令和2年)3月31日をもって廃止されましたが、関連する業務は大阪府都市整備部都市計画室に継承されました。
※2019年11月から2020年度にかけて、Yahoo!プロモーション広告(スポンサードサーチ、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)、およびYahoo!プレミアム広告の名称を「Yahoo!広告」へ順次変更します。Yahoo!プロモーション広告は「Yahoo!広告 検索広告」、Yahoo!ディスプレイアドネットワークは「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(YDN)」に変更しました。
※当記事は2020年3月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。
※取材/撮影/文:池亀 久美子(ヤフー株式会社)