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データマーケティング ソリューション

「予測ファネル」〜オーディエンスの可視化とスコア別配信によるコンバージョン期待値の向上を実現

野村不動産ソリューションズ株式会社

2021.09.01

不動産情報サイトの「ノムコム(nomu.com)」を運営する野村不動産ソリューションズ株式会社(以下、野村不動産ソリューションズ)は、コンバージョンなどのアクション期待値をヤフー独自の予測スコアのもと、定量的にファネル化して可視化する「予測ファネル」を採用。今回はコンバージョン期待値の高いオーディエンスを可視化するとともに、予測ファネルの予測スコアに基づく配信によって、コンバージョン期待が高いオーディエンスのボリュームを向上させました。

「予測ファネル」とは


予測ファネルでは、「広告が見込み顧客の醸成にどれだけ寄与できているのかわからない」「広告配信対象となるオーディンエンスの中でも購買意欲が高い層を把握したい」といった広告主それぞれの目的や課題に対して、オーディエンスにおけるアクションの可能性を定量的にファネル化しています。
例えば、コンバージョンを目的とした場合、過去にコンバージョンしたオーディエンスのウェブ上での行動を参考に分析し、未来予測も踏まえたコンバージョン可能性に応じてポイント別(0.0〜0.9)にスコアリングして表現します。広告配信後の予測スコア変動を確認することで、「広告配信がコンバ—ジョン可能性の高い見込顧客を増やすことができたのか」を客観的に捉えることができ、予測スコア別配信などでコンバージョン数最大化に向けたプランニングにつなげることも可能です。


予測ファネルとは


背景・課題

リターゲティング偏重しないために、新たな広告効果指標を求める

野村不動産ソリューションズが運営する不動産情報サイト「ノムコム(nomu.com)」は、首都圏・関西圏を中心に不動産・住宅情報を数多く提供しています。地域や沿線、こだわり条件を指定した物件検索や、エリア別の特集や購入や住み替え、住宅売却に至るまで顧客ニーズに応じたさまざまな情報を提供しています。

これまで不動産売買に関心のある見込み顧客に向けては、検索広告やディスプレイ広告など、獲得系のプロモーションの中でも特にリターゲティングをメインに活用していました。しかし、昨今のクッキー規制の対応にあわせ、プロモーション施策の転換を求められるようになっていました。

認知系広告にも力を入れ始めたものの、広告効果として本当にコンバージョンに近しいオーディエンスにアプローチできているか定量的に把握することができずにいました。さらに、これまでは獲得単価(CPA)をKPI指標として実施していたため、認知系広告での新たな広告指標を定義することが求められていました。

施策・成果

1.コンバージョンの可能性を予測スコア別毎で定量的に把握

今回利用した予測ファネルは、オーディエンスをコンバージョンの可能性に応じてスコアリングすることができ、実施したプロモーションで「どれだけ見込客を増やすことができたのか(=よりコンバージョン可能性の高い予測スコアへ移動させられたのか)」を、定量的に捉えることができるソリューションです。

今回は、認知系広告であるディスプレイ広告(予約型)の「ブランドパネル トップインパクト PC」と「ブランドパネル SP」とディスプレイ広告(運用型)において、予測ファネルを活用しました。さらに、ディスプレイ広告(運用型)では、予測ファネルの予測スコアに基づいた配信(スコア配信)も実施しました。


予測ファネルを活用した「ブランドパネル トップインパクト PC」

ディスプレイ広告(予約型)では、各予測スコアにおけるスコア遷移を可視化し、ディスプレイ広告(運用型)のスコア配信では配信前後における広告接触と非接触のスコア遷移を検証しました。

まずプロモーション施策全体については、2021年3月と比較して4月のコンバージョン期待値の最も高いスコア「0.9」のオーディエンスは114%になっています。


高スコア値での増加率

※※期間:2020年3月〜2021年4月、各月1日時点の予測スコア(広告接触の有無問わず)



2.広告効果の可視化、広告接触による予測スコアアップを高く評価

ディスプレイ広告(予約型)では、PC/スマートフォンともに、広告接触したオーディエンスは予測ファネルでのスコアアップ率が高く、どちらも広告非接触に比べて1.8倍という結果でした。


広告接触有無のスコアアップ率(ディスプレイ広告(予約型))

※スコアアップ率:配信前スコアに対するスコア増加の割合
※スコア:3月12日時点と4月1日時点
※非接触者:プレミアム配信での非接触オーディエンスであり、その他ターゲティングにて接触している可能性あり



予測ファネルで提供されるレポートでは、広告配信によりどのようなオーディエンス変容が生じたかを、予測スコア毎に可視化して見ることができます。野村不動産ソリューションズでは、これまで実施してきた施策の一部が、実はコンバージョン可能性が高いオーディエンスに訴求できていなかったことが判明するなど、過去の施策を検証するきっかけにもなりました。

ディスプレイ広告(運用型)のスコア配信はターゲティングを、①予測スコア0.8以上〜0.85未満、②予測スコア0.85以上〜0.9未満、③予測スコア0.9以上〜0.95未満に分けて、配信前後の各予測スコアにおける変動率も検証しています。

結果、広告接触した場合はスコアアップ率が高く、いずれの予測スコアにおいても非接触に比べて1.7倍高いことが判明しました。


スコア別広告接触有無のスコアアップ率(ディスプレイ広告(運用型))

※スコアアップ率:配信スコアに対する、スコア0.5以上の増加の割合 (例:0.8配信の場合、0.85以上に増加した割合)
※非接触者:スコア配信での非接触オーディエンスであり、その他ターゲティングにて接触している可能性あり



ディスプレイ広告(予約型)、ディスプレイ広告(運用型)ともに、具体的な予測スコアの上昇が見られました。野村不動産ソリューションズでは、広告接触によりコンバージョンしたオーディエンスの遷移が確認できたこと、認知系広告での予測スコア上昇率を新たな広告効果指標のきっかけにできたことを高く評価しています。

今後の展望

オーディエンスの特徴にあわせて伝えるべきメッセージを検証したい

野村不動産ソリューションズでは、今回の結果を踏まえて "どのオーディエンス"に対し、"何"を伝えることが、ファネルでの予測スコアのアップにつながりやすいのか、徹底的に検証していくといいます。

さらに、今回の施策対象となった不動産売却だけではなく、不動産購入を検討している、事業用不動産や投資用不動産の売買を求めるオーディエンスなど、ターゲットを広げて予測ファネルを活用することも検討しています。

ヤフーでは、予測ファネルを含め、消費者理解のためのデータの活用(消費者理解)とデータに基づく実行計画と広告効果の分析(広告効果分析)を目的としたソリューションを提供しています。詳細はこちらのページをご覧ください。

消費者理解・広告効果分析



本記事の事例も掲載された活用事例をまとめたCASEBOOK(PDF)のダウンロードはこちら

■企業ご担当者からのメッセージ

不動産・住宅業界は潜在層が多い一方で顕在層は少なく、またニーズ顕在化の兆候が見えにくいため、コンバージョンの可能性が高いオーディエンスを見極めることが難しいと感じています。今回の予測ファネルを活用すれば、コンバージョンが期待できるオーディエンスの変動がわかるので、プロモーションを実施する上でとても有益な指標になります。
また今回の結果で、認知系の広告もコンバージョンにしっかりと寄与していることが客観的な数値として分かり、社内で認知系の広告を強化することの正当性が高まりました。これからもYahoo! JAPANならではのデータを使って提案していただけるのを期待しています。

井口 智司氏

野村不動産ソリューションズ株式会社
デジタルマーケティング推進部長


ITP対応によって、リターゲティングも機能しなくなっていくなか、予測ファネルのような見込客に対する広告効果を数値として可視化してくれるサービスは価値を感じています。次の段階では、オーディエンスの特性に合わせたメッセージの検証や新たなオーディエンスの検証を行い、予測ファネルのスコアを効果的に向上・さらなる活用を進めることで、新たなアプローチ手法を構築しよう考えています。
今回の予測ファネルのような、プロモーションの可能性を広げる新しいプロダクトに取り組めたのはとても有意義でした。これからもヤフーのプロダクトを有効活用して、新たなプロモーション手法を探っていきたいと思います。

鳴島 茜氏

野村不動産ソリューションズ株式会社
デジタルマーケティング推進部

企業名
野村不動産ソリューションズ株式会社
関連リンク
ノムコム(外部リンク)
本社所在地
東京都
事業内容
個人向け不動産仲介事業・法人向け不動産仲介事業・新築受託販売事業・保険代理店事業・不動産情報サイト運営事業

※今回のプロモーション施策は、ノムコムでの不動産売却サービスを対象として実施しています。

文責:水谷美由紀(ヤフー株式会社)

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