代表的なブランドとして「カビキラー」「パイプユニッシュ」「スクラビングバブル」などを有する、ジョンソン株式会社。主な購買層である30代〜50代の女性向けのプロモーションとして、2021年8月にYahoo!セールスプロモーション PayPayギフト 決済連動型を活用した「夏の除菌キャンペーン」を実施しました。本キャンペーンを担当されたジョンソン株式会社の長野友紀氏に、実施までの背景とその効果について伺いました。
よりよい世界を目指すファミリーカンパニー
住居用洗剤・消臭芳香剤・殺虫剤・食品保存用品などのカテゴリーで世界トップクラスのシェアを誇る、S.C. Johnson and Son, Inc.の日本法人として1962年に創業したジョンソン株式会社(以下、ジョンソン)。2022年に創業60年を迎えたジョンソンは、「人々の生活を良くするための製品を作る」ことをモットーに、グローバル企業としての視点や強みを生かしながら、日本の消費者向けの革新的なモノづくりを積極的に進めています。
課題
テレビCMからデジタル広告へどの程度シフトしていくか
プロモーションにおいては、扱っている商品の特性もあり、全ブランドともに購買層である30代〜50代の女性に向けた施策がメインとなっています。主なプロモーション手法は、流通関係者に向けてもプロモーションを実施しているということが伝わりやすいテレビCMです。デジタル広告と比較しても、まだまだ高い比率となっています。一方で、テレビCMに投下した量に対して、想定しているユーザー層が実際に店舗で手に取っているのか、ブランドシェアの割合が増えているのか、というのがきちんと推し量れていないことが課題でした。
ジョンソン株式会社
マーケティング部 カスタマーマーケティング シニアアソシエイト 長野友紀氏
2020年春に、ファミリーガード™という除菌剤ブランドが新たに日本で発売されました。販売当初は当然ながら、カビキラーアルコールブランドと比べるとそこまで認知はありませんでしたが、コロナ禍という中、あらゆる除菌剤のニーズが高まっている環境でもあったため、多くの方にファミリーガード™を手に取っていただく機会があり、順調に売上を伸ばしました。
一方、商品が売れていく中で社内では、ファミリーガード™というブランドの商品だから購入されているのではなく、コロナ禍という特殊な環境下において、除菌剤が必要なアイテムであったから買われていたのではないかという声が上がるようになりました。ブランド自体に関心をもってもらうためには、メインターゲット層に向けて、テレビCMだけでなく、デジタル広告もさらに活用してブランドを訴求することが必要なのではないか。デジタル広告へも、さらにシフトする必要性を考えるようになりました。
限りあるプロモーション予算のなかで、どの程度デジタル広告に寄せていけばよいのか。デジタルに寄せていきたい一方で、まだその効果について、懐疑的な声も多くありました。社内に理解してもらうためには、実際にターゲット層をデジタル広告から店頭に誘導しているという実績を積み重ねていくことが大事だという考えに至り、その一歩としてPayPayを活用したキャンペーンの実施を決めました。そして本キャンペーンでの目標は、ブランド認知拡大とトライアル(新規商品購入)数の増加としました。
キャンペーン実施時の実際のクリエイティブ
※既にキャンペーンは終了しております。
※PayPayボーナスは2022年4月よりPayPayポイントに名称変更しております。
施策
認知拡大だけでなく、ウェブから店頭への誘導が可能
PayPayギフト 決済連動型を導入したのは、認知が取れるだけでなく、デジタル広告から店頭への誘導がどのくらいなのか、店頭販促では他ブランドにまだ勝てていない領域をデジタル広告でどのくらい補ってくれるのかなど、想定していたユーザーの購買までの一連のストーリーが検証できると、代理店である博報堂の担当者から提案されたのが決め手でした。また、PayPayが世の中に浸透している決済方式であり、ユーザーの皆様だけでなく、流通や小売関係者の皆様にも簡単に参加いただける仕組みであったことが大きかったです。
本キャンペーンでは、事前応募いただいたユーザーに対して、期間中に、対象店舗で対象商品をPayPay決済で購入いただいた方全員に、税込購入金額の最大10%相当のPayPayポイント※を付与するというものでした。
キャンペーン時は「PayPayボーナス」という名称でしたが、2022年4月より「PayPayポイント」に名称変更しております。
本キャンペーンを実施した2021年8月に関しても、あらゆる除菌剤が売れているという状況だったのですが、本キャンペーンを実施したことでカビキラーアルコール、ファミリーガード™、スクラビングバブルトイレアルコールという3ブランドトータルにおける、ユーザーの商品購入額がキャンペーン前月比約1.4倍となりました。
また、さらに良かった点としては、ファミリーガード™ブランドのユーザー商品購入数が前月比約2倍の結果となったことです。こちらは3ブランドの中で一番の伸長を見せており、キャンペーン未実施の流通先様と比較しても約1.3倍の結果を残しており、トライアルの獲得を実感する結果となりました。
導入企業のコメント
夏の除菌キャンペーンとほぼ同じタイミングでマーケティングに異動となり、カビキラー、カビキラーアルコール、ファミリーガード™、テンプルの4つのブランドを担当しておりました。慣れない中で本キャンペーンに携わったこともありましたが、この施策を機にいかに弊社のプロモーションをデジタルシフトしていくのかを考えるきっかけになったと思っております。
夏の除菌キャンペーンの目的は、ブランドの認知だけではなく、新規のお客様(トライアル)をどれだけ獲得できるかでした。PayPayギフトの活用で、それがある程度可視化できた気がしております。この経験を生かし、対象ブランドを広げて、2022年6月20日〜7月31日にもPayPayギフト決済連動型を活用したキャンペーンを実施しました。このキャンペーンでは、広告クリエイティブにおいて、このキャンペーンの際にメインで使われることが多い赤色とはあえて違う色である黄色を使用することで、他社との差別化するなど、新たな試みにも挑戦しました。その効果検証についてはこれからとなりますので、新たな気付きを得ることができるのではないかと楽しみにしています。
長野 友紀(ながの ともき)氏
ジョンソン株式会社
マーケティング部 カスタマーマーケティング シニアアソシエイト
キャンペーン時の営業担当者のコメント
今回、ジョンソン様にはPayPayギフト 決算連動型を活用したキャンペーンを実施していただきました。夏の除菌キャンペーンを通じてブランド認知を拡大したい、またどのようなユーザー層に商品を購買いただいているかを把握したい、という目的に合致した施策だったと思います。実際に、PayPay決済で購買いただいたユーザーがどのような層であるのか、ジョンソン様の想定している層であるのかなどをきちんとフィードバックできることが、本キャンペーンをおすすめしたポイントでした。
消費財に関しては、キャンペーンの効果を数カ月から半年スパンの長い目で見ていく必要があるため、実施いただいたキャンペーンの実施がその後のユーザーの購入継続につながっているかなど、さまざまな視点で分析をし、フィードバックさせていただければと思っています。また今後は、広告クリエイティブ面についても弊社内の関連部署と連携して、サポートできればと考えております。
小泉 真祥(こいずみ まさよし)
ヤフー株式会社
マーケティングソリューションズグループ セールスプロモーションUM室
企業・団体名
ジョンソン株式会社 (外部サイト)
所在地
神奈川県
事業内容
住居用クリーナー、カビ取り剤、風呂釜洗浄剤、廃油処理剤、消臭芳香剤、虫よけ剤、シューケア製品などの製造販売
※当記事は2022年7月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。
※担当代理店:博報堂
※文責:中井 美絵(ヤフー株式会社)