トヨタグループの総合力を生かし、全国展開している住宅・ハウスメーカーのトヨタホーム株式会社(以下、トヨタホーム)。同社は2022年1月〜3月の3カ月間、初めてYahoo!セールスプロモーション PayPayギフト ポイント発行型を活用したキャンペーンを実施。前年同時期の来場予約数と比較して、約10%増の予約数を実現しました。今回は、本キャンペーンを担当されたトヨタホームの山口高志氏と大河優氏に、キャンペーン実施の背景とその効果について話を伺いました。
顧客に寄り添う住まいづくりを目指して
「日本の住まいをよくしたい」というトヨタ自動車株式会社の創業者である豊田喜一郎氏の思いにより、トヨタ自動車に設立された住宅事業部。その部署が大きくなり、2003年に独立して設立されたのがトヨタホームです。以来、東海圏を中心に戸建事業、街づくり事業、賃貸事業など、お客様第一を掲げ、「人生をごいっしょに。」というブランドビジョンのもと、心を込めた商品づくりとサービスを提供しています。
国立社会保障・人口問題研究所(※1)によると、日本の世帯数は2023年をピークに減少に転じると推計されています。これに対して「ハウスメーカーとして、危機感を募らせています。メイン事業としての戸建販売棟数を落とすことなく維持していくために、顕在層だけでなく潜在層も含めて、現時点からいかに新規顧客を獲得していく手段を講じるかが重要だと考えています」と山口氏。数あるハウスメーカーの中で、お客様にファンになってもらい、購入いただけるような魅力ある住宅をお届けできるようにするにはどうすればよいか、常に頭を悩ませているとのこと。
現時点では売り上げのほとんどが戸建で占められているという同社。大河氏も、「新たな顧客を獲得していくためには戸建だけでなく、街づくりやマンション、分譲、リフォームなど、事業を多角的に拡大していく必要がある」と考えているそうです。「家を建ててくれた人がゆくゆくはリフォームのお客様となってくださり、その後その家を売却してマンションを購入されるかもしれない。お客様の人生の中の大きな変換点において、いかに継続して接点を持ち続けられるかが重要になってくる」(大河氏)
目標
ブランド認知のさらなる拡大とターゲット層における新規顧客の獲得
もともとキャンペーンを適切に活用することで、トヨタホームを知らなかった人にも認知してほしいという思いのあった同社は、2019年9月よりWEB予約キャンペーンを本格的に始めました。WEBでの集客力とその効果が可視化できることに対してメリットを感じていたそうです。
これまでにさまざまなキャンペーン施策を実施し、本キャンペーン実施前は、主に電化製品などの現物をプレゼントするというキャンペーンを実施していました。さらなる申込を獲得するために、何か新しい仕掛けが必要と目を付けたのがPayPayを活用したキャンペーンだったそうです。そこで本キャンペーンでの目標は、ブランドの認知拡大と今までアプローチできていなかった新規層の獲得としました。
キャンペーン実施時の実際のクリエイティブ。
※既にキャンペーンは終了しております。
※キャンペーン時は「PayPayボーナス」という名称でしたが、2022年4月より「PayPayポイント」に名称変更しております。
施策
初めての試み、デジタルポイント付与キャンペーン
「2019年当時、テレビCMなどでPayPayを目にする機会が増えました。また実際に自分自身もユーザーとして使っていて、もともと良いイメージがあったんです」と山口氏。大河氏も「これだけ認知が拡がっているなら、使っているユーザーも多いはず。うちのターゲット層である20代後半から30代半ばの方とも親和性がありそうだから、起爆剤としてキャンペーンに活用するのにいいタイミングかも」と思ったとのこと。同時期にヤフーの営業担当者からの提案もあり、今までのキャンペーンでは獲得できなかった顧客にリーチできるかもしれないという可能性を感じ、初めての試みとしてデジタルポイントを付与する本キャンペーンの実施に至ったといいます。
実施したキャンペーンは、Yahoo!広告を活用して周知。期間中に住宅展示場来場、分譲地来場、オンラインセミナーや相談予約などのWEB予約をいただくと、毎月抽選で100名様にPayPayポイント(※2)3,000円分が当たるというものでした。
結果
来場予約数の平均が前年比約10%増。成約数にも影響あり
前年の2021年1月〜3月は来場予約をして、展示場に来場した方の中から抽選でスピーカーをプレゼントというキャンペーンを実施していたそうですが、本キャンペーン同時期の来場予約数を比較すると、本キャンペーンでの予約数が約10%増になったそうです。これは、PayPayを活用したキャンペーンを実施したことにより、以前までのキャンペーン時には訴求できなかった層の見込み顧客にリーチできたことが一つの要因ではないかと考えているとのこと。
また、嬉しいことに現物プレゼントの場合は必要であった発送費がかからなかったことで、キャンペーン自体のコスト削減もできたそうです。
一方成約面では、前年同時期における成約数と比較すると、本キャンペーンでの成約数はなんと約1.8倍に。PayPayを活用したキャンペーンに手ごたえを感じたそうです。
さらに本キャンペーンの副次的な効果として、「同じ時期に実施していた別のキャンペーンは今までで一番申込数が多かったので、もしかすると本キャンペーンの影響があったかもしれない」と大河氏。
また、山口氏からは「今までのキャンペーン時にはなかったことなのですが、本キャンペーン時には複数の販売店から広告素材を使わせてほしいという問い合わせがありました」というお話も。関係者からも好意的にみられて関心が高かったことが伺えました。
本キャンペーンを担当されたトヨタホーム株式会社
営業統括部 宣伝企画室 デジタル・メディア課の皆さん
(左から)小澤結愛氏、山口高志氏、大河優氏、石岡国彦氏(室長)
導入企業のコメント(1)
近年、当社はメインの戸建事業だけでなく、賃貸やリフォーム事業などにも尽力しています。今まで以上にCRM(顧客関係管理)を活用し、お客様それぞれのLTVに合わせた適切なアプローチをしていくことができればと考えています。
また、多角化を進めるにあたり、もっとたくさんの方にトヨタホームを想起いただけるような施策を考えていきたいですね。WEBだけにとどまらず、さまざまな手法に挑戦して、認知を拡大していきたいです。
ヤフーはLINEと経営統合したことでさらに多くの可能性を秘めており、そのチャネル力を生かしたさまざまなプロモーションの実現が可能だと感じています。先手必勝だと思っていますので、ヤフーのご担当者にも協力いただきながら、今後も継続して新たな挑戦をしていきたいです。
山口 高志(やまぐち たかし)氏
トヨタホーム株式会社
営業統括部 宣伝企画室 デジタル・メディア課 主任
導入企業のコメント(2)
今後の事業拡大のためには、お客様との息の長い関係性を構築するのが不可欠だと思っています。そのために今担当している顧客データベースの管理にしっかり取り組んでいきたいです。
プロモーションの面では、世の中の流行が日々激しく変化していく中で、常に情報のキャッチアップを怠らないようにしたいです。ただ、なかなか一般のお客様がどういう動きをされているのか分からないことも多いのも事実です。その点についてはぜひ、ヤフーのご担当者にヤフーのデータをもとにした知見等を伺いながら、今後のプロモーションに生かしていければ考えています。
もちろん、PayPayキャンペーンについても、引き続き、試行錯誤しながら実施できればと思っています。
大河 優(おおかわ すぐる)氏
トヨタホーム株式会社
営業統括部 宣伝企画室 デジタル・メディア課
- 企業名
- トヨタホーム株式会社(外部サイト)
- 所在地
- 愛知県
- 事業内容
- 住宅の技術開発、生産、販売、建設、アフターサービス
※1「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」2018年1月12日公表(外部サイト)
※2 キャンペーン時は「PayPayボーナス」という名称でしたが、2022年4月より「PayPayポイント」に名称変更しております。
※当記事は2022年9月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。
※文責:中井 美絵(ヤフー株式会社)
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