ディスプレイ広告(運用型)オンライン座談会を開催
2020年8月、ディスプレイ広告(運用型)をご利用の広告主様2社にご参加いただきヤフー株式会社(以下、ヤフー)のプロダクトエバンジェリストである酒向海(サコウ カイ)(以下、酒向)を交えた、オンラインでの座談会を開催しました。ディスプレイ広告(運用型)移行にあたっての工夫や移行後の成果などをご紹介いただき、新たに出てきた疑問やご要望に対しては、酒向がその場で回答する形式で進行しました。
▼当日ご参加いただいた広告主様
・ナイル株式会社(外部サイト)
酒井 順一様(サカイ ジュンイチ)
モビリティサービス事業部
・株式会社FiNC Technologies(外部サイト)
木全 佳梨様(キマタ カリン)
マーケティング本部マーケティング部 デジタルマーケティンググループ
事業内容と実際に携わっている業務についてお聞かせください。
酒井 順一様(以下、酒井氏): SEOコンサルティング事業とアプリに特化したポータルメディアコンテンツ事業、そして私が担当している自動車の定額カーリース事業であるモビリティサービス事業の3つを柱にしてサービス展開しています。
木全 佳梨様(以下、木全氏): 「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」を企業ビジョンに掲げ、世界中に健康を届けるサービスを展開しています。主力事業は予防ヘルスケア領域であり、私はAI(人工知能)を内蔵したヘルスケア/フィットネスアプリ「FiNC(フィンク)」のプロモーションを担当しています。
ディスプレイ広告(運用型)移行時の状況をお聞かせください。
木全氏:「FiNC」アプリのインストール広告を運用しており、広告の絵コンテ作成などのクリエイティブディレクションも担当しています。2019年9月頃にディスプレイ広告(YDN)をスタートして、その後、ディスプレイ広告(運用型)に移行しました。ディスプレイ広告(YDN)の動画広告では、課金ポイントが動画視聴ということもあり、動画は見られるもののKPIに設定していたインストール数にはダイレクトに繋がりにくいといった時期がありました。担当している「FiNC」アプリでは、広告運用でいくつかの媒体を利用していたので、1つの媒体にそこまで時間を割けない状況もあり、解決策を求めてディスプレイ広告(運用型)が利用できるタイミングですぐに移行しました。 キャンペーン目的をコンバージョンに設定、同時に自動入札も併せて導入しています。
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株式会社FiNC Technologies
マーケティング本部マーケティング部 デジタルマーケティンググループ
木全 佳梨様
酒向:ディスプレイ広告(運用型)の動画広告での大きな変更点は2つあります。 1)目的に応じた課金ポイントの変更により、コンバージョン目的であればクリック課金、動画再生目的であれば視聴再生課金など選択が可能になりました。
2)コンバージョン目的の場合、動画に自動入札の利用が可能になりました。
FiNC Technologies様では、課金ポイントの変更、さらには、移行のタイミングでスムーズに自動入札に切り替えられたのが、パフォーマンスを安定させつつ成果を最大化できた一番の要因になっています。
酒井氏:モビリティサービスでは、個人のお客様に自動車の定額カーリースを提供しています。広告運用にあたっては、サイトへの集客を最大化し、サービス申し込み(獲得)の効率化を目指しています。
2018年4月くらいからディスプレイ広告(YDN)の利用を開始し、2019年4月に自社運用の運用に切り替えました。ディスプレイ広告(運用型)へは、2020年5月に移行しました。その中で、動的ディスプレイ広告のキャンペーンのみ自動入札に切り替えて、2週間ごとに定点観測し、効果検証しています。動的ディスプレイ広告は、アカウントの中でもコンバージョンが出やすいキャンペーンであり、クリエイティブの状況などを確認するには最適だと思っています。その結果を踏まえて、他キャンペーンにも展開する作戦を考えています。
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ナイル 株式会社 モビリティサービス事業部 酒井 順一様
酒向:移行のパターンとして、新旧プラットフォーム(※1)を同時に走らせるパターンはお勧めしません。インプレッション分散が発生し、最適化が働きにくくなってしまう懸念があるためです。
酒井様の場合、移行は一括で行ったものの、キャンペーン単位で動的ディスプレイ広告のみを切り出して効果検証を実施、それ以外のキャンペーンは旧プラットフォームで運用されているパターンです。新旧プラットフォームで併走されていますが、ターゲティング内容が異なるため悪影響が少ないことが考えられます。 動的ディスプレイ広告は、一般的にクリック率(以下、CTR)が高い傾向にあるため、結果、クリック単価(CPC)が安くなりやすく、露出が高まり新プラットフォームの恩恵を受けやすくなっていると考えられます。
ディスプレイ広告(運用型)の使い勝手、活用している機能などをお聞かせください。
酒井氏:実際に広告管理ツールを使ってみると、非常に使いやすく、操作性は向上したように感じます。
木全氏:「動画で自動入札が使える!」というのは本当に嬉しい情報でした。出稿媒体が多いため、 広告運用の工数削減は必須課題です。さらに、キャンペーン目的をコンバージョン目的に設定することで、動画課金ポイントをクリック課金にし、同時に自動入札も導入しています。目標コンバージョン単価(tCPA)を設定することで、ある程度の予測が可能になりCPAが移行前と比較65%と大きく改善しました。
自動入札の導入など、運用に関する情報はwebサイトなどで収集しており、そのほとんどは"職人技"だと思っています。プラットフォームが変わることで、これまでの職人技がリセットされるので、新しい情報を収集するのが次の課題ですね。
酒向:例えば各広告グループのターゲティングに応じて、初期の入札価格を30円にするのか、25円にするのかなどといった適正価格を判断すること自体が職人技かと思います。リターゲティングのリーセンシーも、オーディエンスカテゴリも自動入札のシグナルとして加味されますので、十分なコンバージョンボリュームを満たした配信設計であれば、自動入札により適切に調整されやすくなっています。
一方、大事になってくるのが、クリエイティブです。ランディングページに誘導させるための静止画や動画クリエイティブの差異が、パフォーマンスに大きく影響してくると考えられます。 ヤフーとしても、クリエイティブに関する施策は強化していく予定です。クリックされやすい動画、スキップされにくい動画などノウハウも貯まってきているので、早いタイミングで情報公開をしていきたいと思っています。
ディスプレイ広告(運用型)の運用含め、今後のプロモーションで注力したい領域はありますか?
酒井氏:ディスプレイ広告(運用型)への移行をきっかけに、動画広告の出稿を始めました。効果指標を選定するところからのスタートですが、本日のお話をお聞きして、今後はより積極的に活用したいと考えています。
木全氏:全般的なプロモーションとしては、ダイエットアプリの訴求から健康管理をすることで健康寿命を延ばす予防ヘルスケアアプリへとブランドイメージを変えていきたいです。ブランドイメージの変更に合わせ、ディスプレイ広告(運用型)への移行タイミングで、広告配信のターゲットを20代から40代の層まで広げてみました。新しいメッセージとターゲットの相性が良かったため、CPAを含めた広告効果でも良い結果が出ているので、今後も適切なターゲティングを見極めながら新しいブランドイメージを浸透させたいです。
プロダクトエバンジェリストへの質問・ご要望があればお願いします。
Q:ディスプレイ広告(運用型)に関しては、ヤフーの営業担当者からの説明や概要資料などからも、自動入札を導入させようとする"意図"が感じられるのですが、合っていますでしょうか?
A:手動入札ではどうしても運用工数がかかりやすくなってしまいます。自動入札の運用比率を上げ、工数を減らすことで、担当者がより負担なく広告効果を十分に発揮できる世界を目指しています。 ヤフーとしては、多くの運用媒体を抱えている担当者が、工数をかけることなく適切なパフォーマンスを出せる状態を作るべきだと考えています。
Q:今後のプロダクトリリース予定を聞かせてください。
A: 8月に広告管理ツールへ最適化提案機能が実装され、自動入札や1日の予算設定の提案ができるようになりました。ぜひご利用ください。
最後に、移行を検討されている広告主様へのメッセージをお願いします。
酒井氏:アカウント構造をシンプルに構築し直すことが推奨ではありますが、弊社の場合はアカウント構造を変えなくても、移行前後比較でCPAは2割ほど下がりました。まずは移行してみましょう。
木全氏:自動入札などの導入でパフォーマンス向上はもちろん、特にインハウスで実施されているアカウントは運用工数が激減します。機械学習のデータも移行した順番で蓄積していくので、早めの移行がオススメです。
ディスプレイ広告(YDN)は2021年春に終了予定です。ぜひ早めの移行をお願いいたします。また、2020年8月26日より広告管理ツールの初期表示画面もディスプレイ広告(運用型)に変更(※2)しております。移行時のキャンペーン変換方法などは、下記ダウンロード資料 よりご確認ください。
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