Web広告(ネット広告)とは?種類や運用の流れ、CPA改善のコツ
Web広告とは、インターネット上のメディアに掲載される広告全般の総称です。
不特定多数の視聴者や読者に情報を発信できるテレビや新聞などのマスメディア広告(マス広告)に対し、Web広告は、年齢や性別などでターゲットの属性を絞り、特定のユーザーに向けて効率的に配信できる広告です。
Web広告を効果的に活用するためには、Web広告に関する基礎知識を押さえておくことが重要です。Web広告の配信効果を高めるために、この記事ではWeb広告の種類や特徴、運用する上で重要なCPAを改善するためのポイントを解説します。
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目次
1.Web広告(ネット広告)とは?概要や特徴
Web広告とは、インターネット上のメディアに掲載される広告全般を指します。例えば、コミュニケーションアプリのLINEに出稿できるLINE広告、Yahoo! JAPANやGoogleなどの検索エンジンで表示される広告、TwitterやInstagramなどのSNS内の広告などもWeb広告です。Web広告は、インターネット広告やデジタル広告とも表現されます。
Web広告の特徴は、ターゲットを絞って広告を掲載でき、目的に合わせて種類・課金方式などが選べることです。種類ごとの特徴を理解して適したWeb広告を選べば、高い広告効果が見込めます。
2021年にWeb広告費が、テレビや新聞などマスメディアの総広告費をはじめて追い抜いたこともあり、Web広告へコストをかける企業が増えています。
2.Web広告のメリット
テレビ広告や新聞などのマスメディア広告と比較して、Web広告には以下のようなメリットがあります。
2-1.マス広告より安価
Web広告の最大のメリットは、マス広告よりもコストを抑えられることです。Web広告では、安い種類なら数千円から広告運用を始めることも可能です。
マス広告と比較すると、雑誌では1ページ数十万円、テレビや新聞では高ければ数百万円以上のコストがかかるケースもあるため、Web広告では大幅にコストを抑えられることが分かります。
2-2.ターゲティングできる
マス広告に代表されるテレビ広告は、番組内容や放送時間帯をもとに、年齢・性別でターゲットを区分(例:20歳〜34歳の女性=F1層)するため、幅広い層をターゲットにした広告です。
対してWeb広告は、性別や年齢などの属性だけでなく、興味・関心のあるユーザーに絞った広告を配信できるという大きなメリットがあります。
例えば、「20代でネイルに興味がある女性」「30代でビジネス用の革靴を探している男性」など、年齢と性別、関心事などを細かく設定してターゲティングし、対象ユーザーへ的確に広告を配信できます。それにより、無駄な広告費を削減できるという点も魅力です。
2-3.効果計測が早くて正確
Web広告は、配信した広告にどれほどの効果があったのかを早期に分析できます。
広告の閲覧数やクリック数などが日単位で集計されるため、ほぼリアルタイムで広告の効果を分析でき、より効果を高めるための施策をスピーディーに実施できます。
2-4.効果を見ながらクリエイティブやタイトルを自由に変えられる
Web広告の効果を分析した結果をもとに、訴求したいメッセージやクリエイティブの修正、ターゲットの変更も柔軟に行えます。
チラシなどの印刷物の場合、一度印刷してしまうと内容を修正するには時間やコストがかかってしまいます。Web広告なら管理画面から簡単に変更することが可能です。
このようなメリットがあるWeb広告に関して、何かお悩みがあれば自社に適した広告運用について専門家に相談してみませんか?
3.Web広告のデメリット
メリットの多いWeb広告ですが、一方で以下のようなデメリットもあります。
3-1.広告運用の知識が必要になる
Web広告の運用を社内で行うには、広告運用の知識が必要です。担当者になると「入札価格」「コンバージョン」などの専門用語を覚える他、Webマーケティングのトレンドを常におさえる必要があります。
社内にノウハウや人的リソースが不足している場合は、適切な広告運用ができない可能性があるため、Web広告の代理店に依頼するのも1つの手です。
3-2.広告掲載するサイトによってはネガティブイメージがつく
知名度の低い媒体や、ほぼ審査なしで広告掲載できるような媒体など、自社の広告を掲載する媒体によってはユーザーにネガティブなイメージを持たれるリスクがあります。
Web広告を掲載する媒体選びは、慎重に行うことが大切です。知名度のある媒体や、出稿審査がしっかりしている媒体を選ぶことをおすすめします。
4.Web広告(ネット広告)の種類・配信手法、主な媒体、課金形式
Web広告には、さまざまな配信媒体(プラットフォーム)や配信手法があります。配信目的や広告を届けたいターゲットによって、最適な配信方法や課金形式も異なります。
ここでは、代表的なWeb広告の特徴や配信イメージ、課金形式について解説します。
4-1.リスティング広告
リスティング広告は、Yahoo! JAPANやGoogleなどの検索エンジンの検索結果の上部や下部などの位置に、テキストベースで表記される広告のことです。
特徴 | ・顕在層へアプローチしやすい ・購買や申し込みにつながりやすい ・少額から開始できる |
主な媒体 | ・Yahoo!広告、Google広告 |
課金形式 | ・クリック課金 |
相場 | ・1クリックあたり数百円~1,000円(目安) |
ユーザーの検索行動は、何かを知りたい、買いたいという動機に基づいています。
例えば、「ネイル 人気 ランキング」と検索しているユーザーは、今人気のネイルはどんなデザインなのかを知りたいユーザー(顕在層)であることが想定できます。
リスティング広告は、検索キーワードに対して出稿するため、ユーザーが欲しい商品や知りたいサービスがある程度はっきりしており、商材の購買やサービスの申し込みにつながりやすい特徴があります。
4-2.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、アプリやWebサイトに設けられた広告枠に表示される広告を意味します。
特徴 | ・画像や動画によって視覚的に訴求できる ・潜在層への幅広いアプローチが可能 ・認知から獲得まで幅広い効果が見込める |
主な媒体 | ・Yahoo!広告、Google広告 |
課金形式 | ・クリック課金 ・インプレッション課金 |
相場 | ・1クリックあたり数十円〜数百円 ・1,000回表示あたり数百円(いずれも目安) |
ディスプレイ広告の最大のメリットは、写真や動画によって視覚的にイメージを伝えられることです。画像とテキスト、もしくは動画とテキストを組み合わせて広告が表示されるケースが多く、一瞬でユーザーの興味を引きやすいため、潜在層へのアプローチから獲得まで幅広い効果を見込めます。
4-3.リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、1度Webサイトを訪問したユーザーに対し、再訪問を促す広告を配信する手法です。
特徴 | ・自社サイトへ再訪してもらいやすい ・購買や申し込みにつながりやすい |
主な媒体 | ・Yahoo!広告、LINE広告、Google広告、 |
課金形式 | ・クリック課金 ・インプレッション課金 |
相場 | ・1クリックあたり数十円〜数百円 ・1,000回表示あたり数百円(いずれも目安) |
広告配信元のWebサイトを訪問したことがあるユーザー(顕在層)に対して、Webサイト訪問から一定期間後に広告が表示されるため、まだ商材を知らないユーザー(潜在層)に広告を配信するよりもコンバージョン率(購買や申し込みなどに至る割合)が高くなる傾向があります。
4-4.SNS広告
SNS広告は、Instagram、Twitter、TiKTok、LINEなどに配信する広告を指します。タイムラインやトークリストなどに自然に広告を織りまぜることで、違和感を抱かせずにユーザーに受け入れられやすいメリットがあります。
特徴 | ・違和感を抱かせずにユーザーに受け入れられやすい ・新規顧客・潜在顧客の発掘ができる ・ターゲティングの精度が高い ・少額から開始できる |
主な媒体 | ・Instagram広告、TiKTok広告、Facebook広告、Twitter広告、LINE広告 |
課金形式 | ・クリック課金 ・インプレッション課金 ・友だち追加ごとに課金(LINEのみ) |
相場 | ・1クリックあたり数十円〜数百円 ・1,000回表示あたり数百円 ・友だち追加1人あたり数十円~数百円(いずれも目安) |
年齢や性別など特定のユーザー属性にあわせて配信したり、「いいね」など特定のアクションを起こしたユーザーに配信するなど、ユーザーの属性や行動にあわせた高精度なターゲティングが可能です。
なお、LINE広告は「友だち」を軸にした独自のマーケティングにつなげることができます。
自社のLINE公式アカウントの友だちを基にした広告配信(友だちオーディエンス配信)や、月間9,700万人(2024年3月末時点)のLINEユーザーの中から、自社のLINE公式アカウントを追加した友だちに似ているユーザーへの広告配信(類似配信)などが可能です。LINE広告は新規・既存ユーザーともに効果的な広告サービスとなっています。
4-5.動画広告
動画広告とは、映像と音声による動画を活用した広告を配信する方法です。テキストや静止画の広告に比べ、短時間で多くの情報量を伝えることができるのが特徴です。
ただし、動画の制作には一般的には時間とコストがかかる点は注意しましょう。
特徴 | ・伝えられる情報量が多い ・インパクトを与えやすく記憶に残りやすい ・潜在層へのアプローチに有効 |
主な媒体 | ・YouTube広告、Facebook広告、Instagram広告、Twitter広告、TiKTok広告、LINE広告 |
課金形式 | ・CPV(Cost Per View)課金 ・CPM(Cost Per Mille)課金 ・CPC(Cost Per Click)課金 |
相場 | ・1再生あたり数十円~数百円(目安) |
最近は認知だけでなく、Webサイトへの誘導やリード獲得など、コンバージョン獲得に活用されるケースも増えており、ディスプレイ広告の枠にも動画広告の配信が可能となりました。
伝えられる情報量が多くユーザーの記憶に残りやすいのはメリットですが、ユーザーが視聴したい動画やタイムラインに割り込むような形で配信するため、過剰な演出の広告はマイナスイメージを与えてしまうリスクがある点には注意が必要です。
4-6.アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、Webサイト(主にアフィリエイターが運営するブログ)やSNSアカウントなどに広告を設置してもらい、購買や資料請求などに至った際に報酬を支払う手法の広告です。
特徴 | ・成果報酬型のため費用対効果が高い ・成果を得るためには時間がかかる |
主な媒体 | ・A8net、バリューコマース、もしもアフィリエイト |
課金形式 | ・成果報酬型 |
相場 | ・1コンバージョンあたり数百円~数万円(目安) |
アフィリエイト広告は、成果型報酬で、購買・資料請求など特定の成果がなければ費用は発生しないため、費用対効果が高いのが特徴です。
4-7.記事広告(タイアップ広告)
記事広告とは、Webメディアとタイアップした記事型の広告を配信する方法です。「タイアップ広告」や「PR記事」とも呼ばれます。広告ではない編集記事と区別するため、広告であることを表す「PR」「AD」「広告」などを表記します。
特徴 | ・提携先メディアの信用力を得られる ・記事として読んでもらいやすい |
主な媒体 | ・MarkeZine、マイナビウーマン など |
課金形式 | ・インプレッション課金(PV保証、掲載期間による契約) |
相場 | ・数十万〜数百万円(目安) |
直接購買行動を促すよりも、役立つ情報や体験談など読み物としての側面が強く、提携先メディアのユーザーに内容を読んでもらいやすいため、自然な流れで商材を紹介できるメリットがあります。
一方で、タイアップする際の費用は高額となるため、ある程度の予算は考慮する必要があります。
4-8.ネイティブ広告(インフィード広告)
ネイティブ広告(インフィード広告)は、Webメディアの通常コンテンツに自然に溶けこむように表示する広告です。明確な定義はなく、キュレーションメディアやSNS、ニュースアプリのタイムラインにも表示されます。
特徴 | ・メディアのコンテンツになじむように表示される ・メディアの閲覧体験を損なわずにクリックを誘導できる |
主な媒体 | ・Webメディア、アプリなど |
課金形式 | ・クリック課金、インプレッション課金、期間契約など |
相場 | ・出稿媒体に応じて大きく変動 |
Webメディアのコンテンツと同じ体裁で表示されるため、広告が表示されたという違和感を与えずにユーザーへ情報を配信できるのが特徴です。サイト上に大きく表示されるディスプレイ広告などに比べて、広告感を感じない見た目で、サイトのデザイン性を損ねずに違和感なく溶けこませることができます。
4-9.メール広告
メール広告は、メールで配信する広告です。テキスト形式とHTML形式の2種類があり、テキスト形式は文章だけで装飾のないメール、HTML形式は画像の挿入やテキストの装飾などが可能なメールを指します。
特徴 | ・メール配信で特定のユーザーにアプローチする ・顧客リストがある場合におすすめ |
主な媒体 | ・マイナビニュース、OZmall、ITmediaなど |
課金形式 | ・クリック課金、配信課金、一斉配信契約など |
相場 | ・1クリックあたり数百円 ・1配信あたり数十円〜100円(いずれも目安) |
運用中のメールマガジンや広告の配信を許可している顧客リストがある場合は、メール広告の活用を検討してみましょう。メール広告のメリットは、すぐに広告を配信できる即時性です。ただし、配信したとしても開封されるかはユーザー次第になる点に注意が必要です。
4-10.純広告
純広告は、Webサイトなどの広告枠を買い取って掲載する広告です。期間を指定して広告枠を予約購入するため、「予約型広告」とも呼ばれています。
リスティング広告やディスプレイ広告は、掲載のためにオークションが行われ、上位に入れなければ広告が掲載できません。一方、純広告の場合は、契約期間中は必ず広告を掲載できるのがメリットです。そのため、確実に広告を配信したいときに適しています。
特徴 | ・確実に広告を配信できる ・広告の効果に関わらず広告費がかかる |
主な媒体 | ・Webメディア、アプリなど |
課金形式 | ・インプレッション課金、掲載期間保証型課金など |
相場 | ・出稿媒体に応じて大きく変動 |
純広告のデメリットは、広告の効果に関わらず広告費がかかり、費用対効果の改善が図りにくいことです。純広告を運用する際は、クリック単価やコンバージョン率などの目標値を設定し、掲載期間中にしっかり成果を出せるよう効果測定と改善のPDCAサイクルを回しましょう。
各種Web広告に関して、何か疑問がある場合は専門家に相談してみませんか?
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5.【ターゲット層別】効果的なWeb広告(ネット広告)の種類
Web広告(ネット広告)は、それぞれ適したターゲット層があります。ターゲット層に合わせて広告の種類を選ぶことで広告効果を高められるため、どの層にどの広告が適しているのか把握しておきましょう。ターゲット層ごとに適したWeb広告を、以下にまとめました。
ターゲット層 |
適したWeb広告 |
---|---|
潜在層 | ・ディスプレイ広告 ・動画広告 |
準顕在層 | ・リスティング広告 ・ディスプレイ広告 |
顕在層 |
・リスティング広告 |
明確層 | ・リターゲティング広告 |
5-1.潜在層
潜在層は、自社の商品やサービスに対して明確なニーズを持っていない層のことです。
「取り扱いジャンルに興味はあるが、具体的な行動やに商品購入は検討していない」などのユーザーが当てはまります。例えばヨガ教室なら、「ヨガに興味があるものの、教室に通いたいとまでは思っていないユーザー」が潜在層になります。
潜在層はアプローチ次第で顧客になる可能性が高いため、興味を持ってもらいやすく認知度を高められる広告が適しています。潜在層に効果的なWeb広告(ネット広告)は、以下の広告です。
- ディスプレイ広告
- 動画広告
5-2.準顕在層
準顕在層は、ニーズを持っているが購入は検討していない層のことをいいます。
例えば、「悩みはあるが、それを解決できる商品・サービスがあることを知らない」などのユーザーが準顕在層です。ヨガ教室を例にすると、「ヨガ教室を探しているけど、自宅や職場に近いヨガ教室を知らないユーザー」が該当します。
自社の商品やサービスを認知してもらえれば、購入の検討につながる可能性があります。準顕在層には、次のWeb広告(ネット広告)が適しています。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
5-3.顕在層
顕在層は、商品やサービスのニーズが明確になっていて、具体的に購入を検討している層です。
「商品を購入するために比較検討している」などのユーザーを指す言葉で、「見込み層」とも呼ばれています。例えばヨガ教室なら、「ヨガ教室に通うために複数の教室を比較しているユーザー」があてはまります。
顕在層は検討のために検索エンジンで検索したり、Webサイトで情報収集したりする可能性が高いので、以下のWeb広告(ネット広告)が効果的です。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
5-4.明確層
明確層は、ニーズがあって自社の商品やサービスのことも知っている層のことです。
自社商品の購入を検討してくれている可能性があり、効果的にアプローチすれば売上につながる可能性が高まります。ヨガ教室の場合は、「自社のヨガ教室に興味があり、レッスン内容や料金を調べているユーザー」が該当します。
明確層は自社サイトに訪問履歴があるユーザーも多いので、以下の広告が適しています。
- リターゲティング広告
6.Web広告(ネット広告)の課金方式の種類と仕組み
Web広告(ネット広告)には、複数の課金方式があります。広告の費用対効果を高めるために、それぞれの課金方式について理解しておくことが大切です。
ここでは、Web広告(ネット広告)の課金方式の種類と仕組みを紹介します。
6-1.クリック課金(CPC)
クリック課金は、ユーザーが広告をクリックした回数に応じて費用が発生する課金方式です。
「あらかじめ設定されたクリック単価×ユーザーが広告をクリックした回数」で広告費が決まります。課金されるのは広告がクリックされた場合のみで、広告の掲載だけでは費用が発生しないのが特徴です。
広告に興味を持った購買意欲の高いユーザーが訪れた際に広告費をかけられます。クリック課金が採用されているWeb広告(ネット広告)は以下のとおりです。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
6-2.インプレッション課金(CPM)
インプレッション課金は、広告が掲載された回数で広告費が決まる課金方式です。
広告が1,000回掲載されるごとに費用が発生する方式が一般的です。広告の表示回数が最大になるように掲載されるため、認知拡大を目指したい場合に適しています。
ただし、広告が表示された後にクリックや購入などのアクションがなければ、広告の費用対効果が悪くなる点に注意が必要です。インプレッション課金が採用されているWeb広告(ネット広告)は以下のとおりです。
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
6-3.エンゲージメント課金(CPE)
エンゲージメント課金は、広告掲載媒体に応じたエンゲージメントが発生したときに課金される方式です。
広告にマウスポインタを重ねたオンマウスやアプリ内課金など、エンゲージメントとされる行動をユーザーが起こした場合にのみ広告費が発生します。エンゲージメント課金が採用されているWeb広告(ネット広告)は以下のとおりです。
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
6-4.広告視聴課金(CPV)
広告視聴課金は、ユーザーが動画広告を視聴した際に課金されます。
課金の基準は広告掲載媒体によって異なり、広告が一定の秒数以上視聴されると費用が発生するケースもあれば、最後まで視聴されなければ課金されないケースもあります。広告視聴課金が採用されているWeb広告(ネット広告)は以下のとおりです。
-
動画広告
6-5.掲載期間保証型課金(CPD)
掲載期間保証型課金は、広告を掲載する場所と期間をあらかじめ指定して買い取る方式です。
他の課金方式が広告の運用をはじめてから費用が決まるのに対し、掲載期間保証型課金は事前に広告費が決まっているのが特徴です。掲載期間保証型課金が採用されているWeb広告(ネット広告)は以下のとおりです。
- ディスプレイ広告
7.成果をあげるWeb広告(ネット広告)運用の流れ
Web広告で成果を出すためには、広告を出稿して終わりではなく、効果検証を繰り返して広告を改善し続ける必要があります。
運用型でない純広告などは、掲載期間や掲載場所が固定されており、出稿した広告のタイトルやクリエイティブの修正は基本的にできません。一方、運用型であるWeb広告は、期間や掲載する場所、ターゲティングするユーザー層の変更、タイトルやクリエイティブの修正などを柔軟にコントロールできます。
ここでは、Web広告で成果を上げるための運用の流れについて解説します。
7-1.運用目的を定義する
効果的な広告運用を行うためには、明確な目的を設定することが重要です。例えば、以下のような目的を設定し、広告の運用を始めていくとよいでしょう。
- Webサイトに集客して自社商材の認知を拡大したい
- 自社商材の購買や新規会員登録に繋げたい
- 自社商材のターゲット層にアプローチして新規顧客を獲得したい
- リード獲得にあたり、ユーザーからの問い合わせを増やしたい
7-2.広告にかけられる予算を明確にする
続いて、広告にかけられる予算を明確にしましょう。予算によって配信できる広告の種類が変わってくるため、運営目的の明確化と同じくらい大切なポイントです。
参考までに、各種Web広告の必要最低予算は次の通りです。
コスト | 広告の種類と必要最低予算 |
---|---|
ローコスト | ・リスティング広告:10万円 ・SNS広告:10万円 |
ミドルコスト | ・ディスプレイ広告:20万円 ・メール広告:30万円 ・動画広告50万円 |
ハイコスト | ・アフィリエイト広告:100万円 ・記事広告:120万円 |
7-3.ターゲットにあった媒体を選定する
広告の配信媒体を選定するためには、ターゲットを明確にしてユーザー像を具体化していきます。性別、年齢、地域、などの基本的なユーザー属性だけでなく、さらに掘り下げて趣味や関心事、悩み事を考察していきます。
媒体選定では、広告のターゲットとなるユーザー像と配信媒体のユーザー層が一致しているかがポイントです。例えば、40〜50代の女性を新規顧客として獲得したい場合、幅広い性別・年齢層のユーザーが利用するLINEと、10〜20代のユーザーが多いTikTokでは、ターゲットとなるユーザーの母数が大きく異なります。
ターゲットとなるユーザーがよく利用している媒体で、訴求したいサービスや商品のアピールに適した場所を考えることが重要です。
7-4.訴求軸にあわせたクリエイティブを用意する
広告業界でいう「クリエイティブ」とは、制作された広告の素材を指します。Web広告では、画像、動画などの素材をクリエイティブといいます。ユーザーは、知りたいことや悩み解決など、目的があってSNSやWebサイトを閲覧しています。ターゲットとなるユーザーが抱えている悩みや課題は何なのか、どういったメリットを訴求すれば悩みや課題が解決するのかという仮説を立てていきます。
仮説をもとに、クリエイティブを訴求軸ごとに複数パターン制作します。効果検証を繰り返して修正を重ねて、効果的なクリエイティブの「勝ちパターン」を見つけることが成果を上げるポイントです。
7-5.数値データを見て改善を繰り返す
Web広告の数値データから、細かく効果測定をおこないましょう。主にCTR(Click Through Rate=クリック率)、CPC(Click Per Cost=クリック単価)、CVR(Conversion Rate=コンバージョン率)などの指標を見て、クリエイティブやタイトルの改善を重ねていきます。
「効果を測定し、より効果を伸ばすための改善点を洗い出し、改善策の効果をまた測定する」のように、効果測定と改善を繰り返すのが活用のコツです。
また、Web広告の効果を高めるさまざまなツールが提供されているので、必要に応じてツールを活用するのもおすすめです。例えば、効果測定用のツールやLPを最適化するLPOツール、エントリーフォームを改善するEFOツールなどがあります。
8.Yahoo!広告とLINE広告のおすすめポイント
媒体選定において、重要なポイントは「狙うターゲットと媒体のユーザー層が一致しているか」「細かいターゲティングが可能か」です。また、広告効果を左右するクリエイティブは、効果検証を重ねることで効果が高いクリエイティブの勝ちパターンが分かってくるため、多くのクリエイティブを用意する必要があります。
8-1.Yahoo!広告のおすすめポイント
8-1-1.ターゲットを狙いうちして配信できる
Yahoo!広告では「地域」「興味・関心」「属性(性別・年齢など)」など多様なターゲティングが可能で、狙ったターゲットへ的確に広告を配信します。
購買や資料請求などのコンバージョンに至りやすいターゲットにのみ広告が表示されるため、高い費用対効果が期待できます。
8-1-2.利用開始前から運用開始後までトータルサポート
Yahoo!広告では、お申し込み状況・ご利用状況などに応じてお客様をサポートするさまざまなサービスをご用意しております。
例えば初期設定の際、キーワード選定や文章作成などを広告運用のプロが代行することも可能です。
ご利用前から運用開始後まで、お困りごとやアドバイスが欲しい場合など、いつでも無料でご相談いただけます。
8-1-3.基本料金無料のクリック課金型で、上限設定も可能
Yahoo!広告は初期費用や月額利用料金といった基本料金が一切かかりません。クリック課金型のため、クリックされた数に応じて費用が発生します。
また、1日分の予算上限を設定でき、使い過ぎを防ぐことができます。繁忙期のみ予算上限を上げるなど、自分で予算をコントロールできるため安心です。
8-2.LINE広告のおすすめポイント
8-2-1.ユーザー数の圧倒的な多さ
LINE広告は、国内月間9,700万人(2024年3月末時点)のLINEユーザーに広告を配信できるため、新規顧客獲得などが目的の場合に適しています。他のSNSではリーチできないユーザーにリーチできるほか、LINEの持つ膨大な行動データをもとに、年齢・性別、地域、興味関心などの「みなし属性」によるターゲティングで広告を配信できます。(※)
(※)LINE広告のターゲティングで利用するオーディエンスデータは、LINEファミリーサービスにおいて、LINEユーザーが登録した性別、年代、エリア情報とそれらのユーザーの行動履歴、 LINE内コンテンツの閲覧傾向やLINE内の広告接触情報をもとに分類した「みなし属性」および、実購買の発生した購買場所を「購買経験」として個人を特定しない形で参考としているものです(「みなし属性」にはOSは含まない)。「みなし属性」とは、LINEファミリーサービスにおいて、LINEユーザーが登録した性別、年代、エリア情報とそれらのユーザーの行動履歴、 LINE内コンテンツの閲覧傾向やLINE内の広告接触情報をもとに分類したものです。(分類の元となる情報に電話番号、メールアドレス、アドレス帳、トーク内容等の機微情報は含まれません)なお、属性情報の推定は統計的に実施され、特定の個人の識別は行っておりません。また、特定の個人を識別可能な情報の第三者(広告主等)の提供は実施しておりません。
8-2-2.クオリティーの高いクリエイティブが簡単に制作できる
Web広告で効果を上げるためには、クリエイティブの効果検証を重ねて勝ちパターンを見つけることが重要ですが、Web広告を初めて運用する場合、複数のクリエイティブを制作することは簡単ではありません。
LINE広告は、クリエイティブを無料で制作できる「LINE Creative Lab」で、初心者でも簡単に高品質なクリエイティブを制作することができます。プロがデザインしたテンプレートが多数あるため、デザイン経験がなくてもハイクオリティーなクリエイティブを制作することが可能です。
9.Web広告(ネット広告)運用のまとめ
Web広告を効果的に運用するためには、広告運用の目的を明確にし、ターゲットとなるユーザー像を具体的にイメージして、それらにあった配信媒体を選定することが重要です。
また、運用を開始した後の効果検証と改善のサイクルが、成果を上げるために必要不可欠です。どのように訴求することがユーザーの課題解決につながるか仮説を立て、広告に対するユーザーの反応をデータから読み取り、改善を重ねて効果ある広告運用をめざしましょう。
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