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サービス情報 公開日:2021.05.14

Cookieレス時代にLINEが実現する、企業のフルファネルマーケティング

LINE広告

広告プラットフォームとしてのLINEは、月間利用者数9,700万人(2024年3月末時点)という圧倒的なボリュームのユーザーにリーチできる点が魅力だ。特にCookieレス化が加速するいま、サービスを通じて取得したデータを横断的に広告配信へと活用することができる機能「ビジネスマネージャー」を活用する企業が増加傾向にある。そこで、LINEの法人向けサービスの認定講師「LINE Frontliner」である若菜 良平氏(以下、若菜氏)と野嶋 友博氏(以下、野嶋氏)に、LINE広告が生み出す価値やLINEを起点としたフルファネルマーケティングについて話を聞いた。

若菜 良平氏
株式会社ワンスター 第一メディア本部 第二トレーディングデスク局 局長


新卒入社でオフラインメディアを用いたダイレクトマーケティング支援を経験後、2016年ワンスターに入社。運用型広告のコンサルタントとして、ダイレクトレスポンス領域のクライアントを中心にマーケティング支援に取り組む。翌年LINE広告運用を開始し、提案・運用・ノウハウ構築などを進め、2019年よりLINE公式アカウントの設計・運用も担当開始。2020年より運用責任者(現職)として、LINE広告を中心に各種広告サービスによる支援拡大に従事。

野嶋 友博氏
株式会社オプト 第3アカウントプランニング3部 部長


2015年新卒で株式会社オプトに入社。SNSを中心とした広告運用コンサルタントとして活動。 2017年にLINE広告のローンチに伴い、本サービスのみの販売・運用コンサルティングを行う新設組織に異動。広告プラットフォームのロジック解明から、あるべきアカウントの姿や広告クリエイティブの最適解を生み出すことに注力し、2019年より本組織の責任者を担当。2021年現在はEC・教育業界のお客様へ広告サービスを展開する第3アカウントプランニング3部に部長に従事しつつ、個人ではウエディング業界のDXを推進するサービス「MarryWall」を立ち上げ・運営。

企業にとってLINE広告の強みはどこにあるのか

――お二人の業務内容とLINEとの関わりについて聞かせてください。

 

若菜 私が所属している株式会社ワンスターは2008年の設立以来、健康食品や化粧品といった通販の広告代理店事業に特化してきました。近年はサブスクリプションのビジネスモデルに重きを置き、弊社ならではの運用やクリエイティブの強みを生かしながら対象とする業種を拡大しているところです。LINE広告の運用を始めたのは2017年で、私自身も2020年からはLINEに特化して、LINE広告を中心にLINE公式アカウントTalk Head Viewの提案、拡販に取り組んでいます。

 

野嶋 株式会社オプトがLINEと関わるようになったのは、2015年からです。LINE公式アカウントから始まって、2016年にLINE広告のベータ版がリリースされて以後、提案に注力してきました。私自身もLINE広告を専門とする部署に所属し、現在はLINEの他にもさまざまなメディアを扱いながらECや人材系、教育系の企業の支援を行っています。

 

――運用型広告の中ではLINE広告は後発に当たります。企業が抱いている印象とはどのようなものでしょうか?

 

野嶋 9,700万人(2024年3月末時点)という月間利用者数と、圧倒的なリーチ力を誇るという点に着目する企業がほとんどです。さらに、近年はアップデートも重ねて成長し続けているメディアですから、「まだまだ進化するだろう」という期待を抱いている企業が多い印象です。他のメディアによっては、業種によってターゲットが狭く広告展開が難しい場合もありますが、LINEは幅広いユーザー層がいるため、業種・業態を問わず新規顧客の獲得に期待できます。

野嶋 友博氏
株式会社オプト 第3アカウントプランニング3部 部長

若菜 野嶋さんのおっしゃるように、とにかくLINEのポテンシャルに魅力を感じている企業が多い印象です。たとえ効果がすぐに出なかったとしても、そこで運用を諦める声は聞こえず、「何かもっといい活用法はないか」とご相談をいただくケースがほとんどです。提案する我々からすると嬉しくもあり、プレッシャーを感じてもいます。弊社のビジネスでいうと、最近はLINEを活用してこなかったSMB企業に対する提案を強化しているところです。SMB企業が最も期待しているのは、LINE広告を使ってどこまでダイレクトレスポンスが得られるか、という部分です。期待値の大きさでは他メディアに比べて群を抜いていますね。

 

――LINE広告は近年アップデートを重ねていますが、以前と比べた進化についてどのような印象をお持ちですか?

 

若菜 アップデートのたびに、LINE広告によって企業の事業が拡大しているように感じます。この3~4年、健康食品を中心にさまざまな業種の企業に提案をしてきましたが、LINE広告の活用を始めたことで新規顧客が急激に増えて事業が拡大したという事例を見てきました。もちろん、シンプルに使い勝手という面でも年々改良が進んでいます。初期のLINE広告から比べると、CPA改善を自動で行う自動入札の機能が活用できるようになったタイミングが、弊社としても運用工数を大幅に削減しつつ、支援規模を大きく拡げられたタイミングだったと振り返っています。

若菜 良平氏
株式会社ワンスター 第一メディア本部 第二トレーディングデスク局 局長

野嶋 ベータ版から携わっている身からすると、現在のLINE広告は第三形態といった印象です。 リリース時を第一形態として、次にLINE NEWSやLINEマンガへと配信面が拡大し、なおかつクリエイティブフォーマットの拡充や自動入札ができるようになったのが第二形態。第三形態である現在は、LINEの一丁目一番地ともいえるトークリストに広告を出せるようになり、クロスターゲティングでLINE公式アカウントなど他のLINEの法人向けサービスともデータ連携ができるようになりました。これはすごい進化です。個人的には次の第四形態がどのようなものになるのか、新しい世界が展開していくことに期待しています。

トークリストの上部に広告が表示される

若菜 ユーザーの使用頻度が非常に高いトークリストに広告を配信できることは大きかったですね。シンプルにその広告のインプレッション機会が増えるということですから。

 

野嶋 そうですね。LINE広告を導入することで、たとえLINE公式アカウントを運用していて、ユーザーにメッセージを開封してもらえなかったとしても、広告でリーチできます。ここが他のSNSにないLINEの優位性だと言えます。

Cookieレスの時代にクロスターゲティングを活用するメリットとは

――Cookieレス化が進んでいる現在、クロスターゲティングの活用で期待できることを教えてください。

 

若菜 LINE公式アカウントのデータをLINE広告の配信に活用するクロスターゲティングは、すでに多くの企業が取り組んでいます。また、クロスターゲティングによって、これまでLINE公式アカウントを持っていながらLINE広告の運用には至らなかった企業も、LINE広告を活用しやすくなったと感じています。

 

野嶋 LINE公式アカウントに登録したものの、過度なメッセージ配信によって一部のユーザーはブロックをしてしまうこともあると思います。ただ、ブロックしたLINE公式アカウントであっても、タイミングやキャンペーンの内容によってはそのユーザーにとってほしい情報であるケースも十分考えられます。ユーザーから許諾を得たデータ情報を分析し、LINE広告のクロスターゲティングを活用することで、LINE公式アカウントをブロックしていても、ユーザーはLINE広告で自分の趣味趣向に沿った情報を得ることができます。

 

若菜 ブロックされたユーザーに対してもリーチできるのは、これからのマーケティングとして新しい可能性ですよね。企業の保有するデータを用いてLINE公式アカウントを運用し、LINE広告の類似配信に活用することもクロスターゲティングで行えます。私自身も適切な活用方法について模索している段階です。

――クロスターゲティングやLINEのサービスを横断的に活用して効果を出した事例はありますか。

 

若菜 コスメ系のEC企業で動画広告のTalk Head Viewを配信した際に動画視聴開始・動画視聴完了・クリックの3パターンのユーザーへクロスターゲティング配信を行いました。当時は同業種のクロスターゲティング事例をLINEさんも持っていなかったので、「Talk Head View」の想定レスポンスから配信規模やコンバージョン・CPAを想定しました。あくまで当初想定に対してですが、予想の1.5倍以上の新規顧客コンバージョンにつながりました。その中でも特に動画の視聴完了・クリックユーザーからの反応率が非常に良くて、通常のLINE広告の配信と比較してもCTRが20%アップし、CPAが10%ほど改善しました。

 

野嶋 コスメやファッション通販でいうと、企業にとっての重要課題はユーザーの継続率です。初回は購入をしていただけても、なかなか2回目、3回目の購入につながらない。そこにLINEのユーザーID連携を組み込んで、LTVが高いユーザーを抽出して類似配信し、打開していくという方法があります。まずはデータ連携によって、2回目の購入をしてくれたLINE公式アカウントの友だちを見つけて、似た属性のユーザーをLINEの中で探して類似配信をする。結果、2回目の購入率が1.1倍から2倍に上がった企業もありました。

LINEで実現するフルファネルマーケティングの可能性

――LINE広告を起点としたフルファネルマーケティングには、どのような可能性がありますか?

 

若菜 Cookieレスによってリターゲティング広告がどんどん配信しづらくなってきているいま、LINEの運用で蓄積したデータを活用できるという意味で、LINE広告とLINE公式アカウントの運用に期待が集まっているように感じています。LINE公式アカウントは友だちとの双方向のコミュニケーションが行えることはもちろん、継続的につながりを持てるためリターゲティング広告の代替となります。友だちを優良顧客へと育てることができれば継続購入率が上がり、さらにLINE広告の配信に活用できるデータを増やすこともできます。それが結果として、ユーザーの新たな獲得や購入につながります。

 

野嶋 これまで、いま一歩アプローチが足りなかった商品やサービスの未認知ユーザーに対して、トークリストに広告を出すことやTalk Head Viewを活用することで一気に認知を広めることができるようになったことは大きな変化だと思います。また、LINE広告の友だち追加によって、LINE広告とLINE公式アカウントの運用がひとつの線でつながった印象がありますね。ユーザーデータという1IDを軸にマーケティング施策が行えるため、企業にしてみればフルファネルマーケティングの実現がLINE上で行えるようになります。これは広告を出稿する広告主にとってのメリットだけでなく、ユーザーとしても過剰な頻度での広告や、自身の趣味趣向・ニーズにとかけ離れたサービスの広告を受け取ることが少なくなるという両社にとっての価値があると考えています。

――お二人はLINE Frontlinerの二期生に就任されました。LINE Frontlinerとして、今後どういった活動をしていきたいかを教えてください。

 

若菜 LINEは弊社としても、最も注力しているメディアであり、同時に自分たちの強みでもあると認識しています。ただ、業界全体と比べると温度感に多少のギャップがあります。それを私はひとつのチャンスと見ていて、もっと多くの企業にLINEを活用してもらえるようにしたいと願っています。LINE Frontlinerとして、LINEのサービスをよりわかりやすく、より深く伝えていきたい。LINE広告をより質の高いプロダクトにしていきたい。そのために貢献していけたらと考えています。

 

野嶋 私は2020年に1年間、LINE Frontlinerの候補生として活動し、一期生の方々とも接点を持たせていただきました。そこで感じたのは、皆さんの「自分のいる業界を変えたい」という強い思いです。それがLINE広告を含めたLINEの活用に対するこだわりにつながっていました。私も同じような形で多くの企業にLINEの使い方や可能性を幅広く伝えていきたいと思っています。個人的にはLINE Frontlinerとなったことで同じ仲間ができたという点もすごく楽しみでわくわくしています。お互いに刺激しあってLINEの可能性を広げていきたいです。

 

 

(取材・文:中野渡淳一、写真:川嶌順)

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