LINE広告の効果を計測する「LINE Tag」の使い方
LINEは日本国内で月間利用者数 9,700万人(2024年3月末時点)を擁するコミュニケーションアプリで、LINEユーザーに向けて広告を配信できるサービスが「LINE広告」です。LINE広告の配信効果の改善を図る際などに必要な「LINE Tag」の概要と設定方法などを紹介します。
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目次
1.「LINE Tag」とは?
LINE広告の配信効果を把握するために必須となるのが、Webサイトへの「LINE Tag」の設置です。LINE Tagを設置することで、広告からどのくらいのユーザーが自社のWebサイトを訪問したのか、広告から商品・サービスの購入に結びついたのかなどを計測することができます。LINE広告の配信前に設置しましょう。
▼動画でわかるLINE Tag
2-1.運用型広告に不可欠な計測タグ
運用型広告において重要な「コンバージョンタグ(以下、タグ)」の役割について説明します。任意のページにタグを埋め込むことで、以下のような使い方ができます。
・配信効果の計測
商品の購入ページや資料の請求ページなどにタグを設置すると、広告経由でのアクセス数のほか、商品の購入数や資料ダウンロード数などを計測できます。CTR(クリック率)やCPA(顧客獲得単価)を確認しながら、クリエイティブの変更や入札価格の調整を行い、配信効果の改善を図ることが可能になります。
・リターゲティングに必要なオーディエンス作成
「リターゲティング」はオンライン広告の手法の一つで、特定のページにアクセスしたユーザーに向けて再訪を促す広告配信です。ページ内にタグを設置することでオーディエンス(広告の配信対象)が作成でき、リターゲティングの配信対象として活用することができます。
2-2.3つのLINE Tagと役割
LINE Tagには3種類のコードがあります。目的に応じて適切なページに設置することで、コンバージョンの計測、リターゲティングに必要なオーディエンス作成が可能になります。
ユーザー行動を計測したいすべてのページに設置が必要なコードです。このコードが設置されていないと、「LINE Tag」が機能しません。
コンバージョンを計測するページに設置するコードです。基本的には、商品購入や資料請求などが完了したあとのサンクスページにベースコードとセットで設置します。
特定のページにアクセスしたユーザーについて、イベントベースでの効果測定やオーディエンスの作成ができます。これもベースコードとセットで設置します。
2-3.LINE Tagの取得方法
LINE Tagは、広告アカウント作成完了後に取得と設置が可能になります。
LINE広告の管理画面から、LINE Tagを設置したい広告アカウントをクリックし、画面左上の [≡] > [レポートと計測] の [トラッキング(LINE Tag)] をクリックすると、「ベースコード」、「カスタムイベントコード」、「コンバージョンコード」の3種類が取得できます。
LINE Tagを設置したい広告アカウント名をクリック
広告マネージャーの[≡]をクリック
トラッキング(LINE Tag)をクリック
ベースコード、コンバージョンコードをコピーしてください。カスタムイベントコードは、「カスタムイベントコード」をクリックするとタブが切り替わり、下のフィールドにカスタムイベントコードが表示されます。
2-4. LINE Tagの設置方法
LINE Tagは、それぞれのコードによって設置する場所、順番などにルールがあります。
・ベースコードの設置
ベースコードは、LINE Tagで計測するすべてのWebサイトの<head>内に設置してください。なお、タグマネージャーを利用して設置することもできます。
・コンバージョンコードの設置
コンバージョンコードは、コンバージョンポイントにするページにベースコードとセットで設置してください。ベースコード直下での設置を推奨していますが、ベースコードが先に呼び出されるような順番になっていれば、計測に影響はありません。
・カスタムイベントコードの設置
「カスタムイベントコード」は、特定のページの訪問者について、イベントベースでオーディエンスの作成や効果計測を行いたい場合に利用します。コンバージョンコードと同様、ベースコードとセットでの設置してください。ベースコード直下に設置することを推奨していますが、離れていても、ベースコードが先に呼び出されるような順番になっていれば計測に影響はありません。
なお、「ベースコード+コンバージョンコード+カスタムイベントコード」と、3つのコードを設置することも可能ですが、その場合でも、ベースコードの設置数は1ページあたり1つになります。
2-5. アプリ計測を行うSDK
アプリ案件の計測を行う際は、SDK(Software Development Kit、ソフトウェア開発キット)を利用することで、インストールや起動など11イベントの効果計測が可能です。
現在、LINE広告で利用できるSDKは、「adjust」「AppsFlyer」「Kochava」です。Singular社のSDKもインストールイベントのみ、計測が可能です。(2021年5月現在)。管理画面で自社のアプリを登録し、そこで発行されるIDと広告アカウントIDをSDKの管理画面に設定することで、利用できるようになります。
2.目的別LINE Tagの組み合わせ活用法
LINE Tagは、コードの組み合わせ、どのようなオーディエンスを作成するかによって、さまざまな活用方法があります。ここでは入学者数アップを目指してLINE広告を活用する、ある専門学校をモデルケースにしたLINE Tagの活用例を紹介します。
2-1. コンバージョンコードでコンバージョン計測
コンバージョン地点が1つの場合や、ボタンクリック(※)などアクションの発生を計測する場合に利用します。
※LINE広告単体ではボタンクリック時にコンバージョンをカウントするような設定ができないため、タグマネージャーを使って「ボタンクリック時にタグを発火」というような条件を設定してください
ユーザーに自校の資料請求を促すため、資料請求ページへ誘導する複数の広告クリエイティブを用意。資料請求ページにLINE Tagを埋め込み、どのクリエイティブの配信時にコンバージョン率が高くなるかを計測し、配信効果の改善を行っています。
■LINE Tagの設置方法
ベースコードとコンバージョンコードをセットで設置(上記、「コンバージョンコードの設置」を参照)
2-2. URL指定でコンバージョンを計測
全ページにベースコードを設置し、コンバージョン地点を複数に分割する場合などに利用します。
広告を出稿する際、資料請求・申し込みフォーム・サンクスページの3ページにカスタムコンバージョンを設置し、LINE広告経由のユーザーがサンクスページにたどり着くまでにどこで離脱しているかなどを計測。その結果をもとに、LPや申し込みフォームの改修を行っています。
■LINE Tagの設置方法
ベースコードの設置と、カスタムコンバージョン作成(下記)。
広告マネージャーの「カスタムコンバージョン」をクリック
カスタムコンバージョン一覧から「カスタムコンバージョンを作成」をクリック
コンバージョン条件で「URL」を選択
コンバージョンポイントにしたいページのURLを入力
2-3. リターゲティングを配信するためのオーディエンスを作成
特定のページにアクセスしてきたユーザーを対象に、リターゲティング広告を配信するためのオーディエンスを作成する際に利用します。
資料請求数を増やすため、「資料請求ページに来たものの、請求を完了しなかった人」向けに、リターゲティング配信を行います。請求完了ページにLINE Tagを埋め込むとともにURL条件を指定。作成したオーディエンスを逆条件(つまり、資料請求を完了した人は「除外」する)にして、広告を配信する仕組みです。
■LINE Tagの設置方法
ベースコードと、オーディエンス作成(下記)。
広告マネージャーの[≡]をクリックし、「オーディエンス」をクリック
オーディエンス一覧画面で「オーディエンス作成」をクリックし、ウェブトラフィックオーディエンスを選択
URLの条件を指定し、ページのURLを入力
【補足】
ページに「LINE Tag」を設置したタイミングから、オーディエンス情報は蓄積されていきます(オーディエンスデータは、過去180日分に遡って蓄積が可能)。なお作成したオーディエンスを対象とする配信の他に、LINE内に存在する類似したユーザーも追加して広告を配信できる「類似配信」という機能もあります。
LINE広告をはじめとするオンライン広告のメリットは、タグによって配信効果を可視化し、運用改善につなげられる点です。「LINE Tag」を活用しながらPDCAを早く回すことで、より効率的な広告施策が実現できます。
LINE広告の配信をご希望の方は、以下よりお申し込みください。
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