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セルフオーダーシステム|店舗の導入方法、活用メリット、事例
セルフオーダー(テーブルオーダー)システムとは、タブレットやスマートフォンから店内注文を行えるシステムです。新型コロナウイルスによる需要の高まりを受け、非接触注文が可能なセルフオーダーシステムに注目が集まっています。
セルフオーダーシステムを導入することで、各種コストの削減や注文の聞き間違いなどミスの減少、販促施策にも繋げられます。
この記事では、セルフオーダーシステムの仕組みやメリット、導入に失敗しないためのポイント、導入事例などについて解説します。
▼LINE上でセルフオーダーシステムを実装できるLINEミニアプリについてはこちら
目次
セルフオーダーシステムとは
セルフオーダーシステムとは、飲食店などでユーザーが自席からタブレットやスマホで注文を行うことができるサービスです。各席に設置したタブレットやユーザー自身のスマホからメニューを閲覧でき、ユーザー自身で注文できます。
ユーザーやスタッフがQRコードの読み取りや人数選択などの操作を行うことで、ディスプレイメニューから注文できるようになります。入力した注文データはサーバーを経由しキッチンへとすぐに届きます。
食事を終えたユーザーが「会計」ボタンをタップすることで支払い金額を表示したり、注文と同時に注文データをPOSレジに連動させ、会計処理を自動化させることも可能です。
セルフオーダーシステムと似たサービスに、スマホから注文できる「モバイルオーダーシステム」があります。モバイルオーダーシステムとは、スマホやタブレットを使い、店外から事前にテイクアウトやメニューを予約注文することができるサービスで、商品の受け取りを効率化できます。
店内で注文するセルフオーダーシステムとは違い、来店前に店外から事前注文できることが特徴です。
店内からテイクアウトや商品の予約注文を行うモバイルオーダーについて知りたい方は、「モバイルオーダーシステムとは?メリット・選び方・失敗しないポイントを解説」をご覧ください。
セルフオーダーシステムの種類と違い
セルフオーダーシステムの注文方法には、大きく以下の2種類があります。
・テーブルごとに設置したタブレットや専用端末から注文
・ユーザーのスマホからの注文(QRコードを読み込み・専用アプリ)
テーブルごとに設置したタブレットや専用端末から注文する場合、ユーザーは何も用意する必要がなく、設定された端末から簡単に注文ができます。ただ、店舗側は専用端末の導入費用や管理が必要です。
また、機械が苦手なユーザーや初めて利用するユーザーは誤った注文をしてしまう可能性があるので、フォローが必要です。
ユーザーのスマホから注文する方法では、QRコードを読み取るパターンと専用アプリをダウンロードしてもらい、アプリ上で注文をしてもらうパターンがあります。
店舗側は専用端末を用意する必要がなく、ユーザーも使い慣れたスマホからの注文なので、比較的簡単に注文ができます。ただし、自社で専用のアプリを開発・導入する場合は、開発費用やリードタイムが発生します。
国内の月間利用者数9,400万人以上(2022年12月末時点)を擁するLINEでは、セルフオーダー・モバイルオーダーの機能が利用できる「LINEミニアプリ」のパッケージを用意しています。
ユーザーは新しいアプリのダウンロードや個人情報を入力する手間なく、簡単に利用できます。
「LINEミニアプリ」については、以下のスタートガイドにてサービスの特徴や導入費用、事例を紹介していますので、ぜひご確認ください。
セルフオーダーシステムの導入メリット
オーダーシステムのメリットは、大きく分けて下記の5つです。
ホールスタッフの人件費・教育コスト削減
セルフオーダーシステムを導入すれば、スタッフがテーブルまで注文を取りに行く必要はありません。さらに、食べ放題・飲み放題メニューなど時間制限のあるメニューのお知らせや時間管理も可能になり、業務が効率化されます。
その結果、ホールに配置するスタッフ人数が減らせ、人件費を削減できます。また、ハンディや注文用紙の利用方法やルールなどをホールスタッフに教育する必要がなくなり、教育コストも削減できます。
オーダーミスの削減と満足度向上
セルフオーダーシステムを導入することで、聞き間違いや入力漏れによるオーダーミスを削減できます。ミスに伴うクレームが減少できるだけでなく、以下の点からもユーザーの満足度向上が期待できます。
<導入効果の例>
・ユーザーは注文を通すためにわざわざスタッフを呼ぶ必要がなくなり、待ち時間が減る
・ユーザーが注文状況や支払金額がリアルタイムで確認できるため、予算に合わせた飲食がしやすくなる
・外国語に対応可能なシステムであれば、海外客への多言語対応も可能になる
対人・対物接触の減少
スタッフがユーザーのテーブルに注文を取りに行く機会もなくなるので、ユーザーとの接触頻度は減少します。実際、新型コロナウイルス感染対策として、ハンディやメニューに触る機会を減らし、ソーシャルディスタンスを保つ目的で導入する店舗も増えているようです。
セルフオーダーシステムによっては、オンライン決済機能と連携できるものもあり、対人・対物接触を最小限に抑えられます。
メニュー表のバリエーション・更新性
Web上でマスターデータを更新するだけで全席のメニューを変更できます。
紙のメニュー表の場合、印刷やラミネートを全席分行う必要があり、時間やコストを考えて頻繁にメニューを更新することは難しいものです。しかし、セルフオーダーシステムを導入することで、メニュー変更に必要なコストを削減でき、更新しやすくなります。
1日の営業時間中にメニューを頻繁に更新することもできます。例えば、ランチとディナーなどの時間帯によってメニューを切り替えたり、在庫管理と連動させて品切れに即座に対応したり、今日のおすすめメニューを目立たせたりといった更新も簡単です。
デジタルコンテンツによる販促
セルフオーダーシステムでは、写真や動画を掲載もできます。メニューの表示だけでなく、調理の工程や店舗の紹介動画、企業の取り組みなどを掲載することで、効果的なアピールができます。
また、ゲームを搭載してエンターテイメントの要素を加えているシステムもあります。子ども連れのユーザーに向けたコンテンツを入れることで、集客の一環としても活用ができます。
セルフオーダーシステムのデメリットと失敗しないためのポイント
セルフオーダーシステムは多くのメリットがある一方で、単に導入するだけではスタッフやユーザーに混乱を生んだり、思いもよらなかった影響を及ぼすことがあります。導入後の失敗を避けるためのポイントを3つ紹介します。
より良い接客のために時間を使う
セルフオーダーシステムを導入すると、スタッフは注文を聞きに席へ行く必要がなくなる反面、ユーザーとのコミュニケーション頻度は減少します。そのため、接客の機会があれば、料理の説明や、常連客とのコミュニケーションを積極的にとるなど、より良い接客になるように促しましょう。
「あのスタッフさんがいるから、あのお店に行きたい」「同じ系列店でも、あのお店の接客が好きだから通っている」など、スタッフや接客の魅力で来店客数が多かった店舗は特に注意が必要です。システム導入によって必要なくなったホールスタッフの人件費の一部を、ホール巡回や店内清掃、調理スタッフの増強に回すことも検討しましょう。
客単価への影響を考慮する
本来口頭で行っていた追加オーダーの提案の機会がなくなるため、客単価が下がる可能性があります。空きグラスを見かけたらおかわりの提案をするなど、対策となるオペレーションを決めておくと良いでしょう。
操作に慣れない利用客への案内方法を決めておく
タブレットやスマホによる注文方法は、デジタルに慣れていない世代には拒否反応を示す人がいるかもしれません。また、システムによって画面の見やすさや使いやすさが異なるため、ユーザーによって操作が分からなかったり間違えてしまったりすることも想定されます。
セルフオーダーへの移行時、従来の方法とセルフオーダーシステムの両方を使える期間を設け、操作方法がわからないユーザーには丁寧に操作方法を説明するなど、機会損失につながらない工夫が求められます。
セルフオーダーシステムの選び方
セルフオーダーシステムには、専用端末・タブレット・スマートフォンを利用するタイプなど、さまざまな種類があります。自社に合うセルフオーダーシステムを導入するためには、下記3つのポイントから検討することをおすすめします。
利用客やスタッフにとっての使いやすさ
ユーザーが直感的に操作しやすいか、また、現場で使用するスタッフが運用しやすいかは検討すべき項目の一つです。画面が複雑で見づらく、操作しにくい印象の端末やシステムだと、ユーザー、スタッフともに使いこなせず、結果、顧客満足度アップや業務効率化につながりません。
導入予算
システムによって多少の違いはありますが、一般的に導入時の初期費用と導入後の運用費用が発生します。費用の内訳は、以下の4つに大別されます。
・導入時の初期費用
・代金(Wi-Fiやプリンターなど)
・注文用端末の代金(タブレットなど)
・月額費用(システム利用料・メンテナンス)
費用感は店舗の規模や導入する端末、端末の設定の自由度に大きく左右されますが、ユーザーのスマホを利用するタイプであれば比較的安価に導入できます。
導入スペースに応じたシステム
店舗や席のスペースに応じたシステムの導入を行いましょう。セルフオーダーシステムで使える端末には、以下があります。
・専用のタブレット端末
・市販のタブレット端末
・ユーザーのスマートフォン
例えば、小規模な飲食店に導入する場合、客席の一つひとつにタブレットを用意すると、スペースが狭くなってしまう可能性もあります。そうした場合、ユーザーのスマートフォンでアプリをダウンロードしてもらう、特定のページにアクセスしてもらうなどの対応が可能なシステムが便利でしょう。
LINEミニアプリを使ったセルフオーダーシステムの構築
LINEミニアプリを活用すれば、LINE上でセルフオーダー機能を提供できます。
LINEミニアプリとは、店舗で利用できる便利な機能をLINE上で実装・提供できるサービスで、セルフオーダー以外にも会員証、テイクアウト、順番待ちなど、さまざまな用途で活用できます。ユーザーは新しいアプリをダウンロードすることなく、また、氏名やメールアドレスの登録といった煩雑な手続きも行わずにサービスを利用できます。
LINEミニアプリは、初期費用と月額利用料を支払うことで実装でき、開発不要なパッケージや委託開発にも対応しているため、各店舗に適したアプリを導入することが可能です。
なお、LINEミニアプリにおいてセルフオーダーシステムは、テイクアウトなども含め、「モバイルオーダー」と表記されています。
LINEミニアプリの概要について詳しくは「LINEミニアプリ完全ガイド|導入・開発方法、費用、導入事例まで」をご覧ください。
LINEミニアプリを使ったセルフオーダーシステムの仕組み
LINEミニアプリで提供する店舗サービスは、LINE上でサービスが完結します。利用にあたって新しいアプリのダウンロードや煩雑な会員登録が不要なため、ユーザーの負担を軽減できます。
また、LINEミニアプリの起動時、自社でLINE公式アカウントを開設している場合はスムーズな友だち追加を促すことができ、ユーザー情報を取得することができます。
オンライン、オフラインを交えたユーザー情報を分析することで、個々の属性に合わせた販促施策を展開できるようになります。LINE公式アカウントやLINE広告でもデータが活用(※)できるため、新規集客から既存ユーザーへのコミュニケーションなど、幅広い集客施策が実行可能です。
LINEミニアプリでのユーザーのID・利用データ取得はユーザーの許諾が必須となります。
LINEミニアプリの導入方法とコスト
LINEミニアプリの導入には、開発会社が提供する「パッケージ」を利用する方法、より高度な機能を提供するために「委託開発」、自社で行う「自社開発」という方法があります。どれを選ぶかによって費用は大きく異なります(※)。
「パッケージ」と「委託開発」を組み合わせる方法や、開発会社を介さず自社で開発する方法もあります。
「パッケージ」の導入方法と費用
「パッケージ」は、セルフオーダーに関連する開発済みの機能一式を導入する方法です。
自社でのプログラミング設計や開発が不要で、数万円の初期費用から比較的安価に導入できる点や、導入までのリードタイムを短くできる点がメリットです。
パッケージは機能やフォーマットが決まっているため、一般的には運用・オペレーションを統一したい店舗の導入に向いています。小規模店舗から大規模チェーンまで、幅広く導入されています。
パッケージの内容や費用、スケジュールは、開発会社によって異なります。詳しくは「LINEミニアプリ認定パッケージ一覧」からご覧ください。
「委託開発」の導入方法と費用
「委託開発」は、自店舗の課題やブランド、ニーズに合わせて、オーダーメイドでセルフオーダーシステムを設計し開発する方法です。
パッケージよりも開発時間や費用がかかりますが、その分自店舗のブランドや既存のシステムに合うサービスを制作できます。例えば、自社のブランディングが確立している企業や、自社アプリが開発済みで追加でLINEミニアプリを導入したい場合や、顧客管理基盤(CRM)を使う企業に適しています。
委託開発は内容により費用やスケジュールが変動します。詳しくは「LINEミニアプリ認定委託開発企業一覧」より各開発会社へお問い合わせください。
LINEミニアプリでは、各種開発に対応している企業へ相談することで、セルフオーダーシステム以外にも会員証やテイクアウト予約など、さまざまな要素を取り入れたオリジナルのLINEミニアプリを開発できます。
LINEミニアプリの主なセルフオーダーシステム
LINEミニアプリで導入できるセルフオーダーシステムのサービスを紹介します。
POSレジと連携可能「dinii|ダイニー」
ダイニーは、 ユーザーが各卓に設置されたQR コードを読みこむことで、自分のスマホのLINEから注文できるセルフオーダーサービスです。
直感的に操作できるシンプルな管理画面で、掲載するメニューもすぐ・簡単に変更できます。大手POS機能と同等の機能を標準搭載しており、店内のオペレーションに大きな変更なく利用可能です。
また、ダイニーの利用と同時にスムーズに友だち追加された店舗のLINE公式アカウントから、ユーザーの来店・注文履歴に併せてメッセージを配信し、再来店を促すこともできます。
提供会社:株式会社dinii
詳細:https://www.lycbiz.com/jp/service/line-mini-app/package/dinii/
月額無料で利用できる「funfo|ファンフォ」
funfoは、QRコードを読み取るだけでLINEから店内注文できる、月額無料のセルフオーダーサービスです。
ユーザーは自分のスマホから注文できるため、共用する紙のメニューやタッチパネルに触れることなく、感染リスクも軽減できます。また、注文ページからスムーズに店舗LINE公式アカウントの友だち登録も促せるため、友だち追加の効果も見込めます。
高価な専門設備の購入は不要で、iPadとインターネット環境のみで導入可能。コストを最低限に抑えてセルフオーダーを導入できます。
提供会社:フォンフォ株式会社
詳細:https://www.lycbiz.com/jp/service/line-mini-app/package/funfo/
funfo店内モバイルオーダーは、初期・月額費用無料で利用可能で、契約・解約手数料などもかかりません。ただし、テイクアウトやデリバリーにて事前決済を利用の場合のみ、6.95%の使用手数料(決済手数料込み)が発生します。
モバイル上で注文から決済まで対応可能「CX ORDER」
CX ORDERは、「5秒で会員登録、20秒で注文完了」をコンセプトに店舗オリジナルのモバイルオーダーを作成できるサービスです。モバイル上で注文から決済まで可能で、スムーズな注文が可能です。
店舗にタブレット1台を用意するだけで、シンプルかつ直感的な管理画面でスムーズに運用できます。ボタンをタップし注文開始や提供準備完了が管理できるため、教育コストもかからず、ミスもほとんどありません。店内のセルフオーダーだけでなく、テイクアウトやデリバリー注文にも対応しています。
また、注文データを基にユーザー情報リストを抽出することができます。これにより、LINE公式アカウントからユーザーごとにセグメントメッセージを送信できるので、CRM(顧客管理)に活用できるのも特徴の1つです。
提供会社:クラスメソッド株式会社
詳細:https://www.lycbiz.com/jp/service/line-mini-app/package/cxorder/
セルフオーダーシステムの導入事例
実際にLINEミニアプリのセルフオーダーシステムを導入した例を見てみましょう。
ユーザーの8割がLINEから注文。業務効率化だけでなくオーダーミスの減少や教育時間の短縮まで実現|ワイエスフード
福岡県香春町に本社を置くワイエスフード株式会社は、九州地方を中心にラーメン店「九州筑豊ラーメン山小屋」をチェーン展開しています。食べ放題サービスの開始タイミングに合わせ、業務効率化のためLINEミニアプリのセルフオーダーシステム(モバイルオーダーシステム)を導入しました。
システムを導入したことで、スタッフが注文を取りに行く必要がなくなり、業務効率化に繋がりました。同社ではユーザーの8割がLINEから注文すると言います。
また、複雑なトッピングをユーザー自身で入力できるため、オーダーミスや会計ミスも減少。レジ打ちを練習したり、会計金額に間違いがないか確認したりする時間が減り、新人スタッフへの教育時間も短縮されました。
LINE公式アカウントとの連携で、月1,000人以上の新規友だち追加|スパイスワークス
飲食店の企画・運営、店舗開発などを手掛ける株式会社スパイスワークスは、飲食店ユーザーと密にコミュニケーションをとり、ファンづくりやリピートを促進するため、LINE公式アカウントとLINEミニアプリ、「LINEで予約」を導入しました。
注文の約7割がセルフオーダーで入るようになり、スタッフが注文を取る工数を削減することに成功しました。オペレーションの業務効率が向上し、店舗スタッフは空いたお皿をすぐ下げたり、追加の飲み物を勧めたりと、より細やかな気配りができるようになりました。
また、LINEミニアプリを立ち上げる際、店舗のLINE公式アカウントをスムーズに友だち追加できる仕組みを整えたことで月1,000人以上の新規友だち追加を獲得(※)することに成功しました。
友だち追加はユーザーの任意選択
セルフオーダーシステムで非接触接客とコスト削減を実現
セルフオーダーシステムを導入することで、非接触接客だけでなく、コスト削減や顧客満足度向上、販促施策まで実現できます。ただし、スムーズな導入のためには、失敗しないためのポイントをおさえ、自社にとって最適なシステムを選ぶことが重要です。いかにユーザー、スタッフに負担をかけずに導入できるかがポイントとなります。
LINEミニアプリでは、さまざまな特徴を有したセルフオーダーのパッケージが用意されているので、予算や機能を踏まえて導入をご検討ください。
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