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Webマーケティング入門 公開日:2022.09.29 更新日:2024.12.10

順番待ちシステムとは|店舗の導入方法、失敗しないポイント、事例

LINEミニアプリ

「順番待ちシステム」とは、紙で行っていた順番待ちリストの作成や受付番号の発券をオンライン上で管理するシステムです。スタッフや来店客の負荷軽減や混雑緩和が期待できるほか、取得したユーザー情報を販促施策として活用できます。 


本記事では、順番待ちシステムを導入するメリットやスムーズな導入のポイントを紹介します。 


▼LINE上で順番待ちシステムを実装できるLINEミニアプリについてはこちら 

目次

順番待ちシステムで、混雑・行列対策が可能に

順番待ちシステムとは、飲食店やサロンなどの店舗で従来紙で行っていた順番待ちリストや受付番号の発券、呼び出しをオンライン上で管理できるシステムです。 


スタッフと来店客の接触機会を低減しながら店内の混雑・行列対策ができる手段として導入するお店が増えています。 


順番待ちシステムの主な機能やできること、予約システムとの違いについて解説します。
 

順番待ちシステムの種類

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順番待ちシステムには、店頭に専用の機器を設置し、来店されたユーザーが受付番号を発券するものや、専用のアプリやWebサイトから受付番号を取得し、アプリやWebサイト上で待ち状況を確認できるもの、両方の機能を備えたものなど、さまざまな順番待ちシステムがあります。それぞれ特徴が異なるため、予算や目的に応じた最適なシステム選びが大切です。

順番待ちシステムの主な機能・できること

順番待ちシステムの基本的な機能は以下の5つがあります。 


・事前予約
・受付管理
・受付番号の発行
・待機組数と待ち時間の表示
・呼び出し通知
 


上記の機能を活用すれば、店内の混雑や受付業務の効率化などができます。また、上記以外にも、会員管理の機能を備えているものもあり、システムによっては顧客管理を1つのアプリで完結させることもできます。 


順番待ちシステムを導入するには、以下の3つの方法があります。 


・自社開発
・ベンダーが提供する順番待ちシステム
・LINEなどの既存プラットフォームが提供する順番待ちシステム

 

イメージカット

国内の月間利用者数が9,400万人以上(2022年12月末時点)を擁するLINEでは、LINEアプリ内で順番待ちを受付・管理できる「LINEミニアプリ」を提供しています。 


LINEミニアプリの順番待ちシステムでは、店頭やWebサイトにあるQRコード読み取りスマホから発行し、自身の待ち状況を確認したりできます。 


LINEと連携できるため、新しいアプリをダウンロードしたり、個人情報を入力したりする手間もありません。 


「LINEミニアプリ」については、以下のスタートガイドにてサービスの特徴や導入費用、事例を紹介していますので、ぜひご確認ください。
 

順番待ちシステムと予約システムの違い

予約システムとは、アプリやWebサイトから事前に予約できるシステムです。事前に来店時間や希望メニューなどがわかっているので、来店からサービスを受けるまでの流れをスムーズにし、顧客体験の向上・リピートにつなげることができます。 


一方、順番待ちシステムは、来店時または来店前に受付番号を取得し、混雑緩和や行列の整理のための業務工数を削減、店舗運営の業務効率化ができるシステムです。待ち状況がリアルタイムで確認できるので、ユーザーは順番を待つ間に別の用事を済ませることもできます。 


待ち時間を効率的に使え、待ち時間への不満を最小限に抑えられるほか、事前予約ができる機能が搭載されたシステムもあるので、自社の目的にあったシステムを選びましょう。 

順番待ちシステムを導入するメリット

順番待ちシステムの導入により以下の4つのメリットが考えられます。

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混雑緩和でき、集客効率が上がる

紙の順番待ちリストの場合、ユーザーは来店するまで混雑状況がわからず、来店して混雑していても行列を作って並ばざるをえなかったり、諦めて空いている近隣店舗に流れたりと必ずしもお店のオペレーション状況に対して最適化されていませんでした。 


順番待ちシステムを導入することで、空いている時間と混んでいる時間を確認できるので、ユーザーの来店が分散されます。行列が解消され、混雑によるお客の取りこぼしも防ぎやすくなるでしょう。 


<導入効果の例>
・ユーザーが混雑時間帯を避け分散来店しやすくなり、売上がアップした
・順番待ちのためのスペースが不要になり、レイアウトの自由度が増した
・お店前での行列を解消でき、新型コロナウイルスなどの感染対策ができた
 

入店を待つ来店客の負担を軽減できる

順番待ちシステムでは、アプリやWebページを起動し、お店を選択、来店予定人数を入力するとシステム内で受付番号の発行が完了します。そのため、ユーザーは順番待ちリストに記入するために、わざわざ来店する必要がなくなります。 


また、従来の紙の順番待ちリストでは、順番待ちの状況が可視化されておらず、呼び出しを逃さないため来店客はお店の前での待機を余儀なくされていました。しかし、システムを導入することで、お店からの呼び出しがスマホで確認でき、来店客は順番が近くなるまで自由に過ごせるようになります。このため、お店の前に来店客が滞留することも防げるでしょう。 


さらに、紙の順番待ちリストに個人情報を書く必要もないため、これまでの管理方法と比較して来店客のさまざまな負担を大きく減らすことができます。 


<導入効果の例>
・来店客がスマホ上から順番待ちをキャンセルでき、オペレーションが効率化された
・夏場の行列による熱中症リスクを減らすことができた
 

受付業務を効率化できる

順番待ちシステムは、順番待ち管理や呼び出しなど、従来ならスタッフが実施していた業務を機械化し、オペレーションにゆとりを生みます。 


紙の順番待ちリストでは、行列に並ぶ来店客の管理をしたり、空席状況に応じてときには柔軟に呼び出したりなどといった受付業務をすべて現場にいるスタッフが担わざるを得ず、大きな負担となっていました。 


客数が増えれば増えるほど、待ち時間は長くなります。それに伴い、来店客のストレスも増えクレームも発生しやすくなるという問題も生じていました。 


順番待ちシステムの導入で受付に関する業務が削減されることで、スタッフが本来の接客に集中できるようになり、間接的に来店客の満足度向上も期待できるでしょう。 


<導入効果の例>
・順番待ちシステムと空席状況を連携することで、機会損失を減らせた
・スタッフによる受付業務対応のムラを解消できた
 

ユーザー情報を収集して販促施策に生かせる

順番待ちシステムの導入により、ユーザー情報を効率的に収集・管理し、戦略策定に生かすことができます。 


紙で順番待ちリストを管理する場合、ユーザー情報として収集できるのは名前と来店人数のみに限られていました。せっかく収集できたデータも、紙からパソコンに起こす手間から、データとしては活用されにくいものでした。 


システムの導入により、来店客の属性情報や人数、来店時間をデータログとして残せるようになります。集計すればお店の混雑時間やメインターゲットとなる来店客層が客観的に可視化でき、戦略策定や販促施策、商品開発に活用できるようになります。 


例えば、これまで「ランチタイムには女性の来店客が多い」と感じていたことが、「平日ランチタイムの来客は、女性かつ30代以上が60%を占める」といったように客観的なデータとして把握できるようになり、新メニューの開発のヒントとして活用できます。 


<導入効果の例>
・子ども連れ来店客の人数データをもとに、子ども用いすの数を最適化した
・ランチタイムに多い来店客層に向けて新メニューを開発した
 

順番待ちシステムをスムーズに導入するポイント

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実際に順番待ちシステムをお店に導入・運用するときに検討しておくべきポイントについて2つ紹介します。

オペレーションの想定

順番待ちシステムを導入した後、しばらくは操作方法に戸惑うユーザーへの対応業務も発生します。スムーズなサポートができるように、店内スタッフに関しても教育が必要になるかもしれません。あらかじめ導入後のオペレーションを想定しておくなど、準備期間を十分に用意してください。 


導入当日にスムーズに動けるように、スタッフ向けの研修ではロールプレイングを行い、想定されるQ&Aを周知しておきましょう。
 

システムの精度の把握

順番や待ち時間の表示は、システムによって精度が異なります。システムを運用する前に、何度かテストを行い、システムのクセを把握しておきましょう。 


例えば、不規則な順番消化や通常のオペレーション外でも問題なく使えるかどうかチェックしたり、使えないのであれば代替となるアナログでのオペレーションを準備したりすることが必要です。また、どのようなスタッフでも対応できるように、マニュアル化しておくとさらに安心です。
 

順番待ちシステムの活用シーン

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順番待ちシステムを飲食店などの接客サービス業や病院に導入することで、どのような活用ができるのか具体的に紹介します。

予約管理

順番待ちシステムは、営業中の予約管理としても役割を果たします。待ち時間や待機人数を確認でき、席数に合わせて新規来店・予約の受付停止も可能です。 


別途、予約管理システムを導入しなくても、順番待ちシステム単体で予約管理まで担えます。
 

無断キャンセル対策

来店客が呼び出しに間に合わずに結果的にキャンセルになってしまうことを防ぎやすくなります。 


順番待ちシステムでは、順番待ち状況が「○名」「○番」などの数値であらわされます。来店客はスマホから呼び出し状況を把握できるため、自分の番号が近づいたら来店できるように予定をコントロールできます。来店のキャンセルもシステム上からできるため、無断でのキャンセルが減り、案内業務が効率化されます。
 

クーポン配信

クーポンの配信もできる順番待ちシステムもあります。クーポンは来店の動機付けになり、再来店を促します。「雨の日限定クーポン」や「モーニングで使えるクーポン」などを売上の少ない特定日に配信すると集客効果を見込める上、順番待ちシステムでスムーズな案内ができれば来店客の満足度もアップするでしょう。
 

LINEミニアプリを使った順番待ちシステムの導入

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LINEミニアプリを活用すれば、LINE上で順番待ちシステムを導入することができます。 


LINEミニアプリとは、店舗で利用できる便利な機能がLINE上で実装・提供できるサービスで、順番待ち以外にも会員証、予約受付、モバイルオーダーなど、さまざまな用途で活用することができます。ユーザーは新しいアプリのダウンロードをダウンロードすることなく、また氏名やメールアドレスの登録といった煩雑な手続きも行わずにサービスを利用できます。 


一般的な順番待ちシステムでは、順番が来た時の連絡手段は来店客に入力してもらうアドレスへのメール通知が主流です。しかし、メールの見落としやドメインによっては届かないというケースもある一方、LINEミニアプリの順番待ちではLINEのメッセージで無料リマインドを行うことができ、通知が見逃される心配もありません。 


また、LINEミニアプリとLINE公式アカウントを連携することでさまざまな情報を収集できます(※)。ユーザー情報の分析により、年齢層や性別といった個々の属性に合わせて、クーポンの配信やメッセージの送信などの販促活動を行えます。 

  • LINEミニアプリでのユーザーのID・利用データ取得はユーザーの許諾が必須となります。

LINEミニアプリの概要について詳しくは「LINEミニアプリ完全ガイド|導入・開発方法、費用、導入事例まで」をご覧ください。

LINEミニアプリの導入方法

LINEミニアプリの導入には、開発会社が提供する「パッケージ」を利用する方法と、より高度な機能を提供するために「委託開発」、自社での「自社開発」という方法があります。どれを選ぶかによって費用は大きく異なります(※)。

  • 「パッケージ」と「委託開発」を組み合わせる方法や、開発会社を介さず「自社開発」する方法もあります。

     

「パッケージ」の導入方法と費用

「パッケージ」は、モバイルオーダーに関連する開発済みの機能一式を導入する方法です。 


自社でのプログラミング設計や開発が不要で、数万円の初期費用から比較的安価に導入できる点や、導入までのリードタイムを短くできる点がメリットです。 


パッケージは機能やフォーマットが決まっているため、一般的には運用・オペレーションを統一したい店舗の導入に向いています。小規模店舗から大規模チェーンまで、幅広く導入されています。 


パッケージの内容や費用、スケジュールは、開発会社によって異なります。詳しくは「LINEミニアプリ認定パッケージ一覧」からご覧ください。 


次に、主なLINEミニアプリの順番待ちシステムを1つ紹介します。
 

スマホ・店頭で簡単に受付番号を発券「matoca(マトカ)」

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matocaは、LINE上で順番待ちから呼び出しまで完結するLINEミニアプリのパッケージです。 


店頭でも受付可能で、QRコードによる受付番号の発行や電話呼び出しにも対応しています。iPadとプリンターを連携すれば、紙で受付番号を発券もできます。予約管理アプリとしても利用できるほか、一括呼び出し機能もあるため、大人数の来店客を個別に呼び出す必要もありません。 


また、オンラインでの受付番号発行に際しては、エリアを制限することができます。距離が離れた場所にいるユーザーからの発行を制限できるため、来店遅れによるキャンセルや直前の時間変更を事前に防ぐことができます。 


提供会社:株式会社ブレイブテクノロジー
詳細:https://www.lycbiz.com/jp/service/line-mini-app/package/matoca/
 

「委託開発」の導入方法と費用

「委託開発」は、自店舗の課題やブランド、ニーズに合わせて、オーダーメイドでモバイルオーダーシステムを設計し開発する方法です。 


パッケージよりも開発時間や費用がかかりますが、その分自店舗のブランドや既存のシステムに合うサービスを制作できます。例えば、自社のブランディングが確立している企業や、自社アプリが開発済みで追加でLINEミニアプリを導入したい場合や、自社システムを使う企業に適しています。 


委託開発は内容により費用やスケジュールが変動します。詳しくは「LINEミニアプリ認定委託開発企業一覧」より各開発会社へお問い合わせください。
 

LINEミニアプリの順番待ちシステムを導入した事例を紹介します。

順番待ちシステムはお店の混雑緩和、集客効率の向上に有効

順番待ちシステムを導入することで、お店の混雑緩和が実現され、集客効率が向上します。予約管理・無断キャンセル対策・クーポン配信と多様な活用方法により、お店に大きなメリットをもたらします。 


LINEミニアプリによる順番待ちシステムは、来店客がダウンロード不要で手軽に使いやすく、LINE公式アカウントとの連携によりリピート率の向上も期待できます。お店、ユーザーに合わせてパッケージ・委託開発・自社開発を選べるため、お店の規模を問わずに導入していただきやすいでしょう。 


ぜひ、活用をご検討ください。 

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