【開発企業向け】LINEミニアプリのメリット、開発の流れ、相談窓口や開発企業の声
「LINEミニアプリ」は、企業の自社サービスを無料でコミュニケーションアプリ「LINE」上に公開できるWebアプリケーションプラットフォームです。LINEヤフー社では、このオープンプラットフォームを通じて、企業が自由にLINEミニアプリの開発を行える環境を提供しています。LINEミニアプリのメリットから開発の種類、開発の流れについて詳しく紹介します。
目次
1. LINEミニアプリの概要と利用状況
LINEミニアプリは、国内で月間9700万人(2024年3月末時点)が利用するLINE上で、サービスが展開できるWebアプリケーションプラットフォームです。
ユーザーは複数のアプリをダウンロードしなくてもLINEを開けばすぐにサービスを利用することができるため、利便性の向上に期待できます。
LINEミニアプリのリリース数は2024年10月時点で18,000件を超え、LINEミニアプリの月間利用者数も1000万人を記録するなど、企業とユーザーどちらの利用も増加しています。
2. LINEミニアプリの活用メリット
LINEミニアプリを活用するメリットについて、企業・店舗とユーザーそれぞれの視点から解説します。
2-1. 企業・店舗のメリット
幅広い顧客層へのアプローチが可能
国内の月間利用者数9700万人(2024年3月時点)のユーザーを擁するLINEは、幅広い年齢層が利用しているため、LINEミニアプリを用いることでこれまで接点がなかった顧客層にもアプローチできます。また、LINEミニアプリ経由でLINE公式アカウントの友だちも自然に集めることができ、継続的なコミュニケーションを通じた関係構築が可能になります。
開発コストの削減と効率化を実現
LINEミニアプリはWebアプリケーションとして提供されるため、アプリの開発や運用に比べて比較的コストが低く、短期間でリリースできます。また、OSの違いを気にせずに共通のプログラムで実現可能なので、保守やアップデートも簡単に行うことができます。
LINEを活用した顧客体験の最適化
LINE公式アカウントのメッセージ機能を活用した通知や、LINEミニアプリで得られたデータを活用したパーソナライズされたサービスの提供により、LINEならではの一貫した体験を提供できます。また、収集したデータはLINE公式アカウントやLINE広告にも応用でき、効率的な販促・広告活動を行うことができます。
2-2. ユーザーのメリット
利用ハードルが低く、アクセスも容易
LINEアプリ内で利用できるため、新規のアプリをダウンロードする手間がかかりません。さらにQRコードやスマートフォン画面上のショートカットアイコンから簡単にLINEミニアプリにアクセスすることができます。
シームレスな連携によるユーザー体験の向上
LINEミニアプリでは、ユーザーはLINEヤフーの共通プロフィールを活用して会員登録や予約時に必要なメールアドレスや住所などの情報を自動でクイック入力することができます。
※ LINEヤフーの共通プロフィールの活用には、ユーザーの許諾が必要になります。
LINE上で通知の受け取りや友だちへの共有が簡単に可能
LINEミニアプリ専用のメッセージ機能を用いることで、ユーザーはLINE上で通知を受け取ることができます。また、シェアメッセージ機能を実装することで、LINEミニアプリ上で友だちへの共有が行えます。
3. LINEミニアプリの仕組みと特長
LINEミニアプリは、コミュニケーションアプリ「LINE」内で動作するWebアプリケーションです。LIFF(LINE Front-end Framework)のフレームワークを活用して開発することができ、作成したサービスはLINE DevelpersコンソールのLINEミニアプリチャネルを通じて無料で公開できます。
LINEミニアプリを利用することで取得したLINEのユーザーID(※)を活用してLINE公式アカウントのメッセージで通知を送信するなど、LINE APIを活用したサービス設計も可能です。
なお、LINEミニアプリはあくまでLINEアプリ上で動作するWebアプリであるため、そのサービスやデータなどは事業者が所有し、開発も事業者が行います。
※ LINEアカウントのユーザーIDの取得には、ユーザーの許諾が必要になります。
LINEミニアプリと、Webアプリやネイティブアプリとの違いは以下の通りです。
カテゴリ | LINEミニアプリ | Webアプリ | ネイティブアプリ |
---|---|---|---|
プラットフォーム | LINEアプリ | Webブラウザ(Safari, Chromeなど) | App Store, Google Play |
ユーザーの利用ハードル | ・インストール不要 ・LINEアカウントで即ログイン | インストール不要 | アプリインストール必要 |
通知 | ・LINEミニアプリの通知 ・LINE公式アカウントのメッセージ配信 | ・メール通知 ・ブラウザ通知 | プッシュ通知 |
アクセス導線 | ・LINEアプリ内の流入・検索導線あり ・スマートフォンホーム画面のアイコン表示 | 検索エンジン | スマートフォンホーム画面のアイコン表示 |
開発工数 | ・Web技術+LINEの提供するAPIとSDK ・審査なしで公開可能(一部機能の利用にはLINEヤフー社の審査が必要) | ・Web技術(HTML, CSS, JavaScript) ・審査なしで公開可能 | ・iOSとAndroidそれぞれで開発 ・アプリストアのリリース審査あり |
UI/UX | ・ヘッダーなどの一部デザインのみ固定 ・Web言語を用いた多様な技術が実装可 ・LINE APIが実装可(メッセージ送信・QRコードスキャンなど) | ・独自のデザインで自由に実装 ・Web言語を用いた多様な技術が実装可能 | ・iOS・Androidのデザインガイドを遵守し自由に実装 ・デバイス固有のAPIが利用可能(カメラ、GPS、センサーなど) |
4. LINEミニアプリで活用できる特別機能
LINEミニアプリには、認証済と未認証の2種類があります(※)。認証済ミニアプリにするには審査が必要ですが、未認証ミニアプリでは実現できないユーザー体験を向上させる多くの特別機能を提供しています。
※ LINE公式アカウントの認証済アカウント/未認証アカウントとは異なります。
カテゴリ | 機能 | 認証済ミニアプリ | 未認証ミニアプリ |
---|---|---|---|
ブランディング | 認証バッジ | ○ | × |
指定URL設定(Custom Path) | ○ | × | |
通知 | メッセージの有償通知(Messaging API) | ○ | ○ |
メッセージの無償通知(サービスメッセージ) | ○ | × | |
アクセス動線 | オーガニック流入(LINEアプリ内検索) | ○ | × |
リテンション流入(LINEアプリ内履歴表示) | ○ | × | |
ホーム画面流入(ショートカット作成) | ○ | × | |
LINEマイカード掲載 | ○ | × | |
CRM | LINE公式アカウント 友だち追加オプション | ○ | △ |
アシスト機能 | 共通プロフィール情報のクイック入力機能 | ○ | × |
LINE未使用ユーザーのWebブラウザ誘導 | ○ | ○ | |
審査 | リリース審査 | 有 | 無 |
アップデート | 今後の機能拡充/LINEアプリ内導線拡充 | ○ | × |
4-1. 共通プロフィールのクイック入力
LINEヤフーの共通プロフィールを活用してメールアドレスや住所などの情報を自動でクイック入力させることができます。これにより、会員登録や購入手続きの入力作業が簡略化され、ユーザーはスムーズにサービスを利用できるようになります。また、入力時間の短縮やミスの減少が期待でき、ユーザー体験の向上やコンバージョン率の向上にも寄与します。
クイック入力の詳細はこちら
※ クイック入力は、弊社からご案内している特定の法人ユーザーのみがご利用いただける機能です。利用の際は、弊社から案内を受けた法人ユーザーが、クイック入力の利用申請を行う必要があります。
4-2. サービスメッセージ(LINEミニアプリ お知らせ)
サービスメッセージは、LINEミニアプリ上でユーザーの操作に対する確認や応答として必要な情報を通知する機能で、無料で利用できます。送信元のLINE公式アカウント(LINEミニアプリ お知らせ)はユーザーからブロックできない仕様のため、確実にユーザーに情報を届けることができます。
サービスメッセージの詳細はこちら
4-3. シェアターゲットピッカー
シェアターゲットピッカーは、グループまたは友だち選択する画面を表示し、選択した相手に開発者が作成したメッセージを送信できる機能です。ユーザーはLINEミニアプリ上から自分の友だちにLINEミニアプリを共有し、直接メッセージを送ることができるため、クーポンの共有やイベントの招待などソーシャルな要素を持つサービスや機能において、ユーザー同士の相互作用やコミュニケーションが促進されます。
シェアターゲットピッカーの詳細はこちら
4-4. 友だち追加オプション
LINEミニアプリでは、ユーザーがLINEミニアプリを初めて開いたときに、チャネル同意画面にLINE公式アカウントを友だち追加するオプションを表示するように設定できます。これにより、LINEミニアプリの利用と合わせて自然にLINE公式アカウントの友だち追加に誘導できます。
友だち追加オプションの詳細はこちら
4-5. ホーム画面へのショートカット追加
LINEミニアプリでは、ユーザー端末のホーム画面にLINEミニアプリへのショートカットを追加できます。これにより、LINEミニアプリを探す手間が省け、より迅速なサービスアクセスが可能になります。また、端末のホーム画面に表示されることで、LINEミニアプリの定期的な利用が促進され、利用頻度の向上が見込めます。
ホーム画面へのショートカット追加の詳細はこちら
4-6. Custom Path
LINEミニアプリのURLの末尾を自社のブランドや店舗の名前に設定することができます。これにより、ブランディングの強化や信用度の高いURL文字列による離脱防止につながります。
Custom Pathの詳細はこちら
4-7. LINE未使用ユーザーへのWebブラウザ誘導
LINEミニアプリを利用するためには、LINEアプリのインストールが必要です。しかし、訪日外国人などLINEアプリをインストールしていないユーザーでもサービスを利用できるよう、LINEミニアプリの起動時に自動でランディングページを表示し、Webブラウザでの利用を促すことができます(※)。
※ Webブラウザでの表示は、ユーザーのWebブラウザの言語設定が日本語、タイ語、繁體中文のいずれでもない場合にのみ有効になります。
LINE未使用ユーザーをWebブラウザへ誘導する方法はこちら
5. LINEミニアプリ開発企業の事例
LINEミニアプリを開発し、企業・店舗の事例を解決している開発企業の事例を紹介します。
6. LINEミニアプリを開発する場合
LINEミニアプリは、日本の法人番号、または台湾やタイ(※)の納税番号がある組織または日本の個人事業主であれば、「LINE Developers」のアカウントを作成することで、どなたでも開発することができます。
※ サービスを提供する地域が台湾およびタイの場合は、LINE社より承認を受けた方のみLINEミニアプリを開発できます。
LINEミニアプリの開発・提供方法には以下の3つがあります。
6-1. パッケージ開発
短期間で導入可能な特定の機能やフォーマットを持つLINEミニアプリのパッケージを開発・提供する方法です。
6-2. 委託開発
企業・店舗の課題やニーズに合わせて一からオリジナルのLINEミニアプリを開発・提供する方法です。
6-3. 自社開発
自社でLINEミニアプリを開発・提供する方法です。
7. LINEミニアプリ開発の流れ
LINE Developersのコンソール画面では、LINEミニアプリチャネルを作成することができ、そのチャネル上で各種設定や審査申請が可能です。「クイックスタートガイド」および「LINEミニアプリポリシー」をお読みいただいた上で、開発、審査申請をしてください。
8. LINEミニアプリの開発相談窓口やパートナープログラム
開発ドキュメントおよびLINEミニアプリポリシーをご確認いただいた上で、検討中のサービスがLINEミニアプリとして公開できるものかどうかの相談したい場合は、「LINEミニアプリ開発事前相談窓口」よりお問い合わせください。
8-1. 開発に関するご相談
LINEミニアプリの企画や審査、開発などについて、よくお問い合わせいただく内容については、LINEヤフー for Business内「LINEミニアプリよくあるご質問」を参照してください。なお、同ページは日本においてLINEミニアプリを公開する方のみを対象としています。
8-2. パートナープログラム
LINEヤフー社では、一定のLINEミニアプリの開発実績がある企業を「Technology Partner (LINEミニアプリ部門)」に認定しています。
認定パートナーには、開発サポート、マーケティング支援、補助金支援、営業支援等のサポートを提供し、クライアントの成功をともに実現していくための支援を積極的に行なっています。
ぜひ貴社のサービスをLINEミニアプリとして開発・提供し、クライアント企業のビジネス成長やユーザー体験の向上を実現してください。
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