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サービス情報 公開日:2022.09.30 更新日:2025.04.14

LINEミニアプリを開発してできることとは? 開発メリットや導入の流れ、事例も合わせて紹介

LINEミニアプリ

LINEミニアプリ」は、企業の自社サービスを無料でコミュニケーションアプリ「LINE」上に公開できるWebアプリケーションプラットフォームです。LINEヤフー社では、このオープンプラットフォームを通じて、企業が自由にLINEミニアプリの開発を行える環境を提供しています。LINEミニアプリのメリットから開発の種類、開発の流れについて詳しく紹介します。

目次

1. LINEミニアプリとは

LINEミニアプリは、国内で月間9700万人(2024年12月末時点)が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」上で、企業や店舗の自社サービスを提供できるWebアプリプラットフォームです。
 

企業や店舗はモバイルオーダー(店内注文・店外注文)やデジタル会員証、順番待ちシステムなど、店舗や施設の運営ほか、さまざまな業種・業態で役立つ機能をLINE上で提供できます。

 

ユーザーは新たにアプリをダウンロードしなくてもLINEを開けばすぐにサービスを利用することができるため、利便性を高めることができます。

LINEミニアプリの利用シーン

LINEミニアプリのリリース数は2025年3月時点で21,000件を超え、LINEミニアプリの月間利用者数も1400万人を記録するなど、企業とユーザーどちらの利用も増加しています。

LINE公式アカウントとの違い

LINE公式アカウント は、企業や店舗がLINE上でアカウントを作成して、友だち追加してくれたユーザーに直接情報を届けられるサービスです。LINE公式アカウントを活用してユーザーと1対1でチャットをしたり、新商品の告知やクーポンを配信することで、集客・販促活動が手軽に行えます。

2. LINEミニアプリの活用メリット

LINEミニアプリを活用するメリットについて、企業・店舗とユーザーそれぞれの視点から解説します。

企業・店舗のメリット

幅広い顧客層へのアプローチが可能

国内の月間利用者数9700万人(2024年12月末時点)のユーザーを擁するLINEは、幅広い年齢層に利用されているため、LINEミニアプリを用いることにより、これまで接点がなかった顧客層にもアプローチできます。また、LINEミニアプリ経由でLINE公式アカウントの友だちも自然に集めることができ、継続的なコミュニケーションを通じた関係構築が可能になります。 

開発コストの削減と効率化を実現

LINEミニアプリはWebアプリケーションとして提供されるため、ネイティブアプリの開発や運用コストが比較的抑えられ、短期間でリリースできます。また、OSの違いを気にせずに共通のプログラムで実現可能なので、保守やアップデートも簡単に行うことができます。

LINEを活用した顧客体験の最適化

LINE公式アカウントのメッセージ機能を活用した通知や、LINEミニアプリで得られたデータを活用したパーソナライズされたサービスの提供により、LINEならではの一貫した体験を提供できます。また、収集したデータはLINE公式アカウントやLINE広告にも応用でき、効率的な集客・販促・広告活動を行うことができます。

ユーザーのメリット

利用ハードルが低く、アクセスも容易

LINEミニアプリはLINE上で利用できるため、新規のアプリをあらためてダウンロードする手間がかかりません。QRコードやスマートフォン画面上のショートカットアイコンから簡単にLINEミニアプリにアクセスできます。

シームレスな連携によるユーザー体験の向上

LINEミニアプリでは、ユーザーはLINEヤフーの共通プロフィールを活用し、会員登録や予約時に必要なメールアドレスや住所などの情報を自動でクイック入力することができます。
 

※ LINEヤフーの共通プロフィールの活用には、ユーザーの許諾が必要になります。

LINE上で通知の受け取りや友だちへの共有が簡単に可能

LINEミニアプリ専用のメッセージ機能を用いることで、ユーザーはLINE上で通知を受け取ることができます。また、シェアメッセージ機能を実装することで、LINEミニアプリ上で友だちへの共有が行えます。

3. LINEミニアプリとWebアプリ・ネイティブアプリとの違い

LINEミニアプリは、コミュニケーションアプリ「LINE」内で動作するWebアプリケーションです。LIFF(LINE Front-end Framework)を使用して開発し、作成したサービスはLINE DevelopersコンソールのLINEミニアプリチャネルを通じて無料で公開できます。

LINEミニアプリを利用することで取得したLINEのユーザーID(※)を活用してLINE公式アカウントのメッセージで通知を送信するなど、LINE APIを活用したサービス設計も可能です。


なお、LINEミニアプリはあくまでLINEアプリ上で動作するWebアプリであるため、そのサービスやデータなどは事業者が所有し、開発も事業者が行います。

 

※ LINEアカウントのユーザーIDの取得には、ユーザーの許諾が必要になります。

LINEミニアプリと、Webアプリやネイティブアプリとの違いは以下の通りです。

カテゴリLINEミニアプリWebアプリネイティブアプリ
プラットフォームLINEアプリWebブラウザ(Safari, Chromeなど)App Store, Google Play
ユーザーの利用ハードル

・インストール不要

・LINEアカウントで即ログイン

インストール不要アプリインストール必要
通知・LINEミニアプリの通知
・LINE公式アカウントのメッセージ配信
・メール通知
・ブラウザ通知
プッシュ通知
アクセス導線・LINEアプリ内の流入・検索導線あり
・スマートフォンホーム画面のアイコン表示
検索エンジンスマートフォンホーム画面のアイコン表示
開発工数・Web技術+LINEの提供するAPIとSDK
・審査なしで公開可能(一部機能の利用にはLINEヤフー社の審査が必要)
・Web技術(HTML, CSS, JavaScript)
・審査なしで公開可能
・iOSとAndroidそれぞれで開発
・アプリストアのリリース審査あり
UI/UX・ヘッダーなどの一部デザインのみ固定
・Web言語を用いた多様な技術が実装可
・LINE APIが実装可(メッセージ送信・QRコードスキャンなど)
・独自のデザインで自由に実装
・Web言語を用いた多様な技術が実装可能
・iOS・Androidのデザインガイドを遵守し自由に実装
・デバイス固有のAPIが利用可能(カメラ、GPS、センサーなど)

4. LINEミニアプリで活用できる特別機能

LINEミニアプリには、「認証済ミニアプリ」と「未認証ミニアプリ」の2種類があります(※)。

 

※ LINE公式アカウントの認証済アカウント/未認証アカウントとは異なります。

 

認証済ミニアプリにするには認証審査が必要ですが、未認証ミニアプリでは実現できないユーザー体験を向上させる多くの特別機能を提供しています。機能の違いは以下の表の通りです。

カテゴリ機能認証済ミニアプリ未認証ミニアプリ
ブランディング認証バッジ×
指定URL設定(Custom Path)×
通知メッセージの有償通知(Messaging API)
メッセージの無償通知(サービスメッセージ)×
アクセス導線オーガニック流入(LINEアプリ内検索)×
リテンション流入(LINEアプリ内履歴表示)×
ホーム画面流入(ショートカット作成)×
LINEマイカード掲載×
CRMLINE公式アカウント 友だち追加オプション
アシスト機能共通プロフィール情報のクイック入力機能×
チャネル同意のプロセスをスキップする機能×
審査リリース審査

共通プロフィールのクイック入力

LINEヤフーの共通プロフィールを活用し、メールアドレスや住所などの情報を自動でクイック入力させることができます。これにより、会員登録や購入手続きの入力作業が簡略化され、ユーザーはスムーズにサービスを利用できます。また、入力時間の短縮やミスの減少が期待でき、ユーザー体験やコンバージョン率の向上にも寄与します。

クイック入力の詳細はこちら

 

※ クイック入力は、弊社からご案内している特定の法人ユーザーのみがご利用いただける機能です。利用の際は、弊社から案内を受けた法人ユーザーが、クイック入力の利用申請を行う必要があります。

サービスメッセージ(LINEミニアプリ お知らせ)

サービスメッセージは、LINEミニアプリ上でユーザーの操作に対する確認や応答として必要な情報を通知する機能で、無料で利用できます。送信元のLINE公式アカウント(LINEミニアプリ お知らせ)はユーザーからブロックできない仕様のため、ユーザーに確実に情報を届けることができます。

サービスメッセージの詳細はこちら

シェアターゲットピッカー

シェアターゲットピッカーは、グループまたは友だち選択する画面を表示し、選択した相手に開発者が作成したメッセージを送信できる機能です。ユーザーはLINEミニアプリ上から自分の友だちにLINEミニアプリを共有し、直接メッセージを送ることができるため、クーポンの共有やイベントの招待などソーシャルな要素を持つサービスや機能において、ユーザー同士の相互作用やコミュニケーション促進に期待できます。

シェアターゲットピッカーの詳細はこちら

友だち追加オプション

LINEミニアプリでは、ユーザーがLINEミニアプリを初めて開いたときに、チャネル同意画面にLINE公式アカウントを友だち追加するオプションを表示するように設定できます。これにより、LINEミニアプリの利用と合わせて自然にLINE公式アカウントの友だち追加に自然に誘導できます。

友だち追加オプションの詳細はこちら

ホーム画面へのショートカット追加

LINEミニアプリでは、ユーザー端末のホーム画面にLINEミニアプリへのショートカットを追加できます。これにより、LINEミニアプリを探す手間が省け、より迅速なサービスへのアクセスが可能になります。また、端末のホーム画面に表示されることで、LINEミニアプリの定期的な利用が促進され、利用頻度の向上が見込めます。

ホーム画面へのショートカット追加の詳細はこちら

Custom Path

LINEミニアプリのURLの末尾を自社のブランドや店舗の名前に設定することができます。信用度の高いURL文字列を設定することにより、ブランディングの強化やアプリからの離脱防止につながります。

Custom Pathの詳細はこちら

LINE未使用ユーザーへのWebブラウザ誘導

LINEミニアプリを利用するためには、LINEアプリのインストールが必要です。しかし、訪日外国人などLINEアプリをインストールしていないユーザーでもサービスを利用できるよう、LINEミニアプリの起動時に自動でランディングページを表示し、Webブラウザでの利用を促すことができます(※)。

 

※ Webブラウザでの表示は、ユーザーのWebブラウザの言語設定が日本語、タイ語、繁體中文のいずれでもない場合にのみ有効になります。

LINE未使用ユーザーをWebブラウザへ誘導する方法はこちら

5. LINEミニアプリの作り方(開発方法)

LINEミニアプリは、日本の法人番号、または台湾やタイ(※)の納税番号がある組織または日本の個人事業主であれば、「LINE Developers」のアカウントを作成することで、誰でも開発することができます。
 

※ サービスを提供する地域が台湾およびタイの場合は、LINEヤフー社より承認を受けた方のみLINEミニアプリを開発できます。


LINEミニアプリの開発・提供方法には以下の3つがあります。

パッケージ開発

短期間で導入可能な特定の機能やフォーマットを持つLINEミニアプリのパッケージを開発・提供する方法です。

 

パッケージ化されているためすぐに導入が可能であることに加え、初期費用+月額費用のみで安価に利用できます。ただし、パッケージ化されているもの以外の機能は追加開発(別料金)が必要です。

委託開発

企業・店舗の課題やニーズに合わせて一からオリジナルのLINEミニアプリを開発・提供する方法です。

 

パッケージ利用に比べて開発費用や時間がかかる場合がありますが、自社用に最適なサービス設計が可能で、既存システムとの連携にもスムーズに対応します。

自社開発

自社でLINEミニアプリを開発・提供する方法です。自社の事情に詳しい担当者による設計が可能で、自社内で完結できるため、費用や工数が抑えられます。パッケージ利用に比べると開発の内製が必要になるため、開発工数が膨らむ可能性があります。

6. LINEミニアプリ開発の流れ

LINE Developersコンソール画面では、LINEミニアプリチャネルを作成でき、そのチャネル上で各種設定や審査申請が可能です。「クイックスタートガイド」および「LINEミニアプリポリシー」をお読みいただいた上で、開発、審査申請をしてください。

開発までの流れは大きく以下のステップがあります。

ステップ1. 開発環境の準備

LINE DevelopersコンソールでプロバイダーとLINEミニアプリチャネルを開設します。

ステップ2. 各種設定

LINE Developersコンソールでサービス提供に必要な各種情報を入力します。

ステップ3. 開発/検証

LIFF SDKを組み込んだWebアプリを開発/検証します。

STEP4. 未認証ミニアプリとしてリリース

LINEミニアプリチャネルの設定が完了した時点で、未認証ミニアプリとして公開できます(※)。

 

※ 認証済ミニアプリにすることも可能です。

ステップ5. 認証審査

LINE Developersコンソールで必要な情報を入力し、認証審査を申請します。

ステップ6. 認証済ミニアプリとしてリリース

認証審査に通過後、認証済ミニアプリとして公開できます。

 

※ 認証済ミニアプリ限定の機能を提供可能です。

  • LINEミニアプリの開発に関する参考情報はこちら
  • 運用中のWebアプリをLINEミニアプリ化する場合はこちら

開発時の疑問や相談、パートナープログラムによる支援

開発ドキュメントおよびLINEミニアプリポリシーを確認した上で、検討中のサービスがLINEミニアプリとして公開できるものかどうか相談したい場合は、「LINEミニアプリ開発事前相談窓口」よりお問い合わせください。

開発に関するご相談

LINEミニアプリの企画や審査、開発などについて、よくお問い合わせいただく内容については、LINEヤフー for Business内「LINEミニアプリよくあるご質問」を参照してください。なお、同ページは日本においてLINEミニアプリを公開する方のみを対象としています。

パートナープログラム

LINEヤフー社では、一定のLINEミニアプリの開発実績がある企業を「Technology Partner (LINEミニアプリ部門)」に認定しています。


認定パートナーには、開発サポート、マーケティング支援、補助金支援、営業支援等のサポートを提供し、クライアントの成功をともに実現していくための支援を積極的に行っています。

  • Technology Partnerの企業一覧はこちら
     
  • 認定パッケージ一覧はこちら
     
  • 認定委託開発企業の一覧はこちら
     
  • Technology Partnerに関するお問い合わせはこちら

7. LINEミニアプリ開発企業の事例

実際にLINEミニアプリを開発して企業・店舗の事例を解決している開発企業の事例を紹介します。

モバイルオーダーシステム「CX ORDER」で利便性を向上(クラスメソッド株式会社)

クラスメソッド株式会社は、LINEミニアプリを活用したモバイルオーダーシステム「CX ORDER」を開発。専用アプリのダウンロードは不要、わずか数十秒以内で会員登録と注文が完了する仕組みを提供し、利用者の利便性を向上しています。

 

詳細は以下のURLよりご覧ください。

LINEで通知が受け取れる順番待ち対策サービス「matoca」、呼出通知サービス「yoboca」(株式会社ブレイブテクノロジー)

株式会社ブレイブテクノロジーは、「待つストレスを軽減する」をミッションに、LINEミニアプリを採用した順番待ち対策サービス「matoca(マトカ)」と呼出通知サービス「yoboca(ヨボカ)」を提供しています。ユーザーは行列に並ぶことなく順番待ちができ、案内準備が整ったら、LINEで通知を受け取ることが可能です。

 

詳細は以下のURLよりご覧ください。

AIオンデマンドバスサービス「のるーと」で予約・配車の利用しやすさ向上を実現(株式会社ルートコミュニケーションズ)

株式会社ルートコミュニケーションズは、ネクスト・モビリティ株式会社のAIオンデマンドバスサービス「のるーと」のLINEミニアプリによるサービス提供を開始。従来はネイティブアプリと電話で予約を受け付けていましたが、LINEミニアプリの導入により、LINE上での迅速な予約・配車が可能になりました。新たなアプリのダウンロードや初期登録の手間が削減され、ユーザーの利便性が向上した事例です。

 

詳細は以下のURLよりご覧ください。

LINEミニアプリを活用してシェアサイクル利用を革新する「HELLO CYCLING」(OpenStreet株式会社)

OpenStreet株式会社は、シェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を、LINEミニアプリ「HELLO CYCLING for LINE」として提供し、ユーザーが専用アプリを使わずに自転車の予約や決済、返却をLINE上で簡単に行える仕組みを構築しました。この取り組みにより、リリースから2週間で新規会員の約70%がLINEミニアプリ経由で利用を開始し、1回の利用単価も既存会員より高い成果を上げています。

 

詳細は以下のURLよりご覧ください。

ミッションクリア型サービス「マイグル」顧客との関係性を強化(株式会社ギックス)

株式会社ギックスは、ユーザーの行動変容を促し、顧客との関係性を強化するミッションクリア型のLINEミニアプリ「マイグル」を開発。ユーザーに特定のミッションを提示し、クリアすることで報酬を提供する仕組みです。LINEミニアプリを活用することで、ユーザーの行動変容を促して顧客との関係性を強化し、データを活用した高度な施策実行を支援しています。

 

詳細は以下のURLよりご覧ください。

紙のカードのコストを削減すると同時に新規顧客の獲得につながるデジタル会員証「みせめぐMini」(株式会社ビジコム)

株式会社ビジコムが提供する無料店舗集客アプリ「みせめぐMini」をLINEミニアプリで提供。LINEミニアプリを活用することでアプリダウンロードのハードルをなくし、簡単に会員証を発行できるようにしています。ユーザーの利便性を向上しながら、紙の会員証に伴うコスト削減や新規顧客の獲得に期待できます。

 

詳細は以下のURLよりご覧ください。

8. LINEミニアプリであらゆるニーズに応えるサービスを開発しよう

ここまで、LINEミニアプリの基本的な知識や開発の流れ、事例について紹介してきました。

 

LINEミニアプリを導入することで、開発コストを削減しつつ、企業や店舗におけるユーザー体験を向上できます。アプリ開発を検討している方は、LINEミニアプリの特徴やできることを確認し、導入を検討してみましょう。

 

LINEミニアプリの特徴や導入方法、利用者の声などをまとめた資料は、以下より無料でダウンロードできます。

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