【LINEリサーチ】フェイクニュースに関する調査(2017年7月実施)―第1回
◆Summary◆
いま、アメリカ大統領選やヨーロッパの選挙などでSNSを介したフェイクニュース(偽ニュース)が大きな関心を集めています。SNSを介したフェイクニュース事例は日本でも発生しており、2016年4月に発生した熊本地震の直後に「動物園からライオンが逃げた」というデマをSNSに投稿した会社員の男が逮捕されるなど社会問題化しています。
今やニセ情報は報道機関による誤報や虚偽報道だけでなく、身近な人たちからSNSやブログなどを通じてシェアされる形で目にする/耳にする可能性のあるものであり、SNSを使う以上誰もが無関係ではいられない問題となっていると考えられます。
そこで今回は、現在の日本におけるSNSユーザのニセ情報にまつわる接触実態や、SNS上でニセ情報が拡散する背景を探るべく全国の12~69歳の男女にアンケート調査を行いました。
①3人に1人が友人・知人のニセ情報のシェア目撃経験あり
SNSやブログなどネット上のオープンな場で友人や知人が「ニセ情報やウソのニュース(以降、ニセ情報)」を信じ込んで他人にシェアしていたのを見たことがあるかをたずねたところ、全体の34%、およそ3人に1人もの人が「ある」と答えました。また、その割合を年代別にみると、意外にも10代ではなく20代が最も高く、45%にものぼります。
②5人に1人が自分でニセ情報の書き込み/シェア経験あり。SNSのフォロワー数/友達数が多い人ほど増加
さらに、自分でニセ情報を書き込んだりシェアしたりしたことがあるかについてたずねてみると、全体の21%、およそ5人に1人が書き込み/シェアをした経験を持っていることがわかりました。年代別では10代が最も高いという結果でした。
しかも、この割合はTwitterのフォロワー数が多いほど高くなるということもわかりました。
Twitterアカウントを持っていると回答した人全体のフォロワー数(自分のことをフォローしている人の数)に着目すると、フォロワー数上位25%の人たちのフォロワー数(599)はそれ以外の人たち(46)の約13倍であり、単純計算でいえば「拡散力」が13倍あるということになります。
Facebookアカウントを持っている人の友達数についても同様に見てみると、友達数上位25%の人たちのほうがそうでない人たちと比べてニセ情報の書き込み/シェア経験率が高く、友達数(289)はそれ以外の人たち(39)の約7倍でした。
つまり、自分の書き込みやシェアしたことを読んでくれる人が多い=「拡散力の高い」人ほどニセ情報の書き込み/シェア経験が多いということになります。
より多くの人から注目されたい、影響力を及ぼしたいと思う心理は多かれ少なかれ誰にも生じうるものだとすると、SNSという「自分の声を聴いてもらえるツール」を目の前にしたとき、ニセ情報や極端な意見などを書き込み/シェアしてまで耳目を集めようとする人が生じるのは避けられないことなのかもしれません。
今回はここまでです。次回(第2回)記事もご覧ください!
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【調査について】
- LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
- 調査対象:日本全国 12~69歳男女
- 実施時期:2017年7月10日~11日
- 有効回収数:3,705サンプル
- 性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
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