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Web広告を自分で運用するには?PDCAの回し方やはじめる際のポイント、注意点を解説
集客率アップや売上向上のためには、効果的な広告運用が欠かせません。これからリスティング広告などのWeb広告を自分で始めてみようと考えている個人事業者や企業担当者の方も多いことでしょう。
本記事では、広告運用をはじめるまでの流れ、Web広告をはじめる際のポイント、注意点、初心者に向くWeb広告の種類などを解説します。基本知識を一通り知っておくと、スムーズに広告運用をスタートできるので参考にしてみてください。
広告運用を自分ではじめる前の準備
広告運用をスタートする前におこなっておきたい準備があります。ここでは5つのポイントをご紹介します。
製品・サービスの顧客を確認する
広告運用は、自社製品・サービスの顧客層の理解からはじめることが大切です。自社の顧客の性別、年齢層、地域、関心の高いカテゴリーなどを調べましょう。実店舗を経営しているなら、アンケートや会員情報を確認する手法があります。EC事業なら、自社サイトへのアクセス履歴の分析が可能です。
自社製品やサービスの顧客層について確認する時間がない場合には、日々の業務の中でお客様に自社商品についての感想や悩みなどを聞いてみてもいいでしょう。
また必要に応じて、自社の強みやオリジナリティは何かを見直しましょう。特に新規顧客獲得が目標の場合は、自社製品・サービスに関心を持ちそうな潜在層を推測する必要があります。
製品・サービスの市場を調べる
自社にとって効果的な広告を決定するためには、市場調査も必要です。とはいえ、リサーチ会社の統計調査やコンサルティングを受けることは、多くの事業者にとってハードルが高いと思います。
そのため、まずは「デスクリサーチ」と呼ばれる、インターネットを使った調査からスタートするのが一般的です。官公庁やシンクタンクが公開しているデータを収集し、そのうえで不足情報を補えば、費用を抑えて効率的に調査できます。
次に活用したいのが、検索エンジンやWeb広告のプラットフォームが提供しているデータです。例えば、Yahoo! JAPANでは、市場ポテンシャルや潜在ニーズなどの分析レポートを提供しています。また、後ほど説明するWeb広告のターゲティング機能を使えば、市場調査と広告運用を簡単に連携できます。
広告予算を決定する
広告予算を事前に決めておくことも重要です。広告予算に応じて、出稿できる広告手法が限られる場合があります。また、複数の出稿先がある場合は、広告費の配分も検討しなければなりません。
特にチラシやマスメディアへの広告掲載などの手段を使う場合は、初期費用が大きいので注意が必要です。その点、Web広告は1日あたりの上限予算やキャンペーンごとの広告予算を設定でき、数千円からはじめることができます。また、リアルタイムで発生した費用を観測でき、広告費をコントロールしやすいメリットもあります。
広告に割けるリソースを確認する
広告予算のほかに確認しておきたいのは、広告運用に関わる人的リソースです。会社や事業の規模によって、必要なリソースは異なってきます。
例えば個人経営の小規模事業であれば、広告運用を自分自身でおこなうことも可能でしょう。また、「月1万円程度の予算で運用したい」といったように少額運用を想定しているのであれば、一人で運用することも可能です。
自社でどれだけ広告にリソースを割けるのかをチェックしておきましょう。
実際に出稿する広告を決定する
顧客と市場の分析が終わり、広告費と社内リソースを確保したら、具体的な広告運用方法を決定します。オフラインの広告は初期費用が高く、手間もかかりやすいため、はじめて広告を作成する企業や個人事業者におすすめの手法はWeb広告です。
Web広告の一例を挙げると、以下のようにさまざまな種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
リスティング広告 | Yahoo! JAPANなどの検索エンジンの検索結果ページに表示される広告 |
ディスプレイ広告 | Webサイトの広告枠に表示される広告 |
SNS広告 | ソーシャルネットワーキングサービスに表示される広告 |
アフィリエイト広告 | Webサイトや個人ブログなどに自主的に掲載してもらう広告(成果に応じて報酬を支払う) |
このうち、導入しやすく成果を出しやすいのが、リスティング広告とディスプレイ広告です。これらはユーザー層に偏りがなく、業種や製品・サービスを選びません。
自分で広告をはじめる際のポイント
Web広告運用をはじめる際には、ターゲティング機能やレポート機能などの便利な使い方を理解することが大切です。使い方がわからない場合は、Web広告の運用会社のサポートサービスも活用しましょう。
効果的な機能を活用する
Web広告のプラットフォームは、ターゲティングや成果測定などの便利な機能を提供しています。
例えばYahoo!広告のディスプレイ広告では、年齢、地域、Webサイトのカテゴリーなどを絞り広告が掲載できます。さまざまな条件を組み合わせられるため、上手に活用すると顧客層に効率的に掲載でき、広告費も減らせます。
また、広告運用の結果も自動的に集計できます。例えば、キャンペーンや広告出稿先ごとに、広告掲載数やクリック数などを閲覧可能です。成果測定の機能を使用して広告運用のPDCAサイクルを早く回すことが、短期間で結果を出すためのポイントです。
サポートを活用する
Web広告の経験がない場合や広告運用のリスクを減らしたい場合は、運営会社のサポートサービスの利用も検討しましょう。
Yahoo!広告では専門用語や月額予算がわからない方などに対し、専門スタッフが無料でカウンセリングをおこない、掲載開始までの設定を代行しています。広告掲載後も効果を高めるためのアドバイスがもらえます。
Yahoo!広告のサポートについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「検索広告 初期設定サービス」について詳しく見る
自分で広告をはじめるなら、PDCAを回していくのが大切
自分でWeb広告を運用する際は、PDCAサイクルを回すことを意識するのが重要です。
ここでは、Web広告運用におけるPDCAの考え方を紹介します。
PDCAサイクルとは?
PDCAサイクルは計画から改善までを一つのサイクルとして取り組む手法で、マネジメントや業務の管理、品質管理など幅広い分野で活用されています。PDCAは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとったもので、この4つのプロセスを何度も繰り返すと、業務効率や成果を高める効果が期待できます。
広告におけるPDCAの考え方
PDCAの考え方は、Web広告の成果を高めるためにも役立ちます。Web広告は一度掲載して終わりではなく、常に改善を重ねていかなければなりません。
競合他社の行動や消費者を取り巻く環境などは、常に変化しています。これらの変化に対応するためには、広告の成果をこまめにチェックして、広告の見直しや更新をおこなう必要があります。
広告の改善を図るには、PDCAの考え方を取り入れて計画を立てるところから取り組みましょう。改善の目的やターゲットをあらためて考えてみると、より効果的な改善策を実施できる可能性が高くなります。同じ失敗を繰り返さないように、計画から改善までのサイクルを丁寧に繰り返すことが重要です。
【4STEP】PDCAで考える広告の運用方法
ここでは、実際にWeb広告運用でPDCAを取り入れる方法をみていきましょう。
①Plan:計画ステップ
計画ステップでは、現状の問題点を洗い出し、目標とする成果を明確にします。目標は「売上を伸ばす」「自社サイトのアクセス数を増やす」といった漠然としたものではなく、「1ヵ月で100件の資料ダンロード件数」「3ヵ月で広告経由の売上100万円以上」など、具体的な数値を設定しましょう。
目標を決めたら、具体的な施策内容を検討します。スムーズに次のステップに進めるように、実施内容や効果測定のタイミングなどは細かく決めておきましょう。
②Do:実行ステップ
実行ステップでは、計画ステップで決めた施策に実際に取り組みます。どれだけ念入りに計画を立てても、いざ実行に移すと予期せぬトラブルが発生するケースが少なくありません。測定・評価ステップに進めないような重大な問題が出てきた場合は、計画ステップに戻って施策内容の見直しを実施してください。
③Check:測定・評価ステップ
施策を実行し、計画ステップで設定した実施期間を終えたら、広告の効果を測定して評価します。測定・評価ステップは、広告運用を進めるうえで最も重要なステップです。クリック数やコンバージョン数など詳細なデータを取得し、目標としていた成果が出ているかを確認してください。
④Action:対策・改善ステップ
測定・評価ステップで得られた結果に応じて、対策や改善をおこないます。対策・改善はPDCAサイクルの最終段階で、広告運用を成功させるためのキーとなるステップです。目標を達成できていたなら、さらに成果を高める施策を検討しましょう。一方、目標とする成果が得られなかった場合は、考えられる原因を洗い出して改善策を検討してください。
対策・改善ステップで分析と検討が完了したら、計画ステップに戻ってPDCAサイクルを繰り返します。
広告運用にPDCAサイクルを取り入れる際のポイント
ここでは、広告運用にPDCAサイクルを取り入れるときに意識しておきたいポイントを紹介します。
広告出稿前に目的を整理しておく
Web広告を出稿する前に、なぜ広告を出すのか目的を明確にしておきましょう。一口に「Web広告」といってもその種類はさまざまで、目的ごとに適した広告が異なります。例えば検索結果ページに掲載するリスティング広告は、潜在層よりも顕在層へのアプローチに効果的です。
目的が明確になっていないと、広告の種類や広告文が適切に設定できず、思うように効果が得られない可能性があるため、注意してください。
ターゲット層を決めておく
Web広告は、広告を掲載するターゲットを細かく指定できるのが特徴です。自社の商品やサービスのターゲット層を明確に決めておくと、ターゲット層に合致するユーザーにピンポイントで広告を届けられます。
ターゲット層があいまいなまま広告を掲載すると、本来のターゲット層以外のユーザーにも広告が掲載され、無駄な広告費がかかってしまう可能性があります。広告の費用対効果を高めるためには、ターゲット層の明確化が必要です。
自社だけの強みや特徴を出しておく
競合他社との差別化を図るために、自社だけの強みや特徴を洗い出しておきましょう。広告でアピールすべきポイントが明確になり、魅力的な広告クリエイティブの作成に役立ちます。
自社の強みや特徴を分析する手法として、SWOT分析があります。SWOT分析とは、外部環境と内部環境のそれぞれについて、プラス面とマイナス面を分析する手法です。
SWOT分析について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
継続してPDCAを回す
PDCAはサイクルを繰り返すことが重要で、広告を出稿して終わりではありません。はじめから計画どおりの成果が得られるケースは多くありません。多くの場合は計画から改善までを繰り返して少しずつ成果が出てくるため、PDCAは継続して回しましょう。
抽出した課題や改善策を記録しておく
PDCAを回すなかで明らかになった課題や、実施した改善策とその結果などは、すべて記録しておきましょう。別の広告で同じような課題が出てきたときに参考にしたり、変更を繰り返すなかでどの施策が一番効果があったのかを確かめたりできます。
課題や改善策を記録しておくと、異動や退職による担当者の変更があったときに広告運用のノウハウを引き継ぐためにも役立ちます。
自分で広告をはじめる際の注意点
Web広告は個人でも手軽にはじめられますが、広告表示規制と入稿規定に注意が必要です。違反すると広告を出稿できなかったり、正しく表示されなかったりと問題が起きることがあります。
広告表示規制
広告表示規制は、商品・サービスの価格や品質に関する情報について、消費者に誤認を与える恐れのある表示を規制するものです。
Yahoo!広告では、「広告表現規制」を設け、広告掲載の基準を明文化しています。テキスト、静止画、動画、アニメーションなどすべての形式で広告表示規制を満たしていないと、出稿できません。
規制内容には、広告主の明記、ユーザーに不快感や誤解を与える表現の禁止、競合他社との不公平な比較表現の禁止などがあります。また、人種や性別、宗教などに関する人権に配慮していない表現も禁じられています。
そのほか「サイトを訪問したあなたへ」「20代の方へ」など、ターゲティングを意識させる表現の規制など、Web広告特有の内容も含まれています。景表法や薬機法を遵守するだけでなく、広告表示規制の内容も、公式サイトでチェックしておきましょう。
「広告表現規制」について詳しく見る
入稿規定
入稿規定とは、タイトルの文字数や画像のピクセル数、縦横比などのルールを定めたものです。入稿規定に従わないと、正しく広告掲載されない可能性があります。
入稿規定はディスプレイ広告やリスティング広告など、広告の種類によって異なります。また、同じディスプレイ広告でも、バナー広告、レスポンシブ広告、動的ディスプレイ広告などのフォーマットによっても変わります。
「【広告】入稿規定」について詳しく見る
初心者でも簡単に始められるYahoo!広告
Yahoo!広告なら、初心者でも簡単にWeb広告をスタートして、成果につなげられます。ここでは、Yahoo!広告のリスティング広告とディスプレイ広告の概要と特徴を紹介します。
リスティング広告
リスティング広告は、Yahoo! JAPANで検索したキーワードに連動して検索結果ページに表示される広告です。検索結果ページに「広告」と表示されているサイトがリスティング広告です。
リスティング広告は大企業だけでなく、中小企業や個人事業者も多く活用しています。例えば、「渋谷 ラーメン店」などの検索キーワードを登録すると、渋谷でラーメン店を探していると思われる検索ユーザーに、自分のお店の広告を表示できます。
このようにリスティング広告は、今ニーズが高まっている人に広告掲載できるのが特徴です。また、キーワード選定によって他社との競合を避け、自社の強みをアピールできます。
リスティング広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Yahoo! JAPANのトップページやYahoo!広告が提携している他のWebサイトの広告枠に表示する広告です。画像や動画付きで掲載できるため、訴求力の高い広告を表示できます。
ディスプレイ広告の特徴は、多彩なターゲティング機能を使えることです。性別や年齢、興味や関心、Webサイトなどの条件を組み合わせることで、広告効果を高められます。
また、目的に応じた課金方式を選べるのもメリットです。例えば、認知向上なら広告掲載数に応じて課金される「インプレッション課金」、行動喚起なら広告クリックに応じて課金される「クリック課金」が向いています。
ディスプレイ広告や課金方法の種類について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
自分で運用する際にはPDCAの意識を
Web広告は大企業だけでなく中小企業や個人事業者も有効活用できます。ターゲットとなる顧客や市場を調査したうえ、目的に合った出稿媒体と広告種類を選びましょう。
初心者でも取り組みやすいのは、Yahoo!広告のリスティング広告(検索広告)とディスプレイ広告です。どちらも効率的に自社の顧客層に広告掲載できます。お困りごとがあれば、Yahoo!広告の専門スタッフによる個別カウンセリングや設定代行をご利用ください。
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