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広告グループの分け方にコツはある? おさえるべきポイントと事例を紹介
広告グループを適切な分け方で作成すると、広告の品質インデックスを高めて、掲載順位を上げられます。しかし、広告グループは自由に作成できるため、どうすれば効果的な広告運用につながるのかがわからない方も多いと思います。
本記事では広告グループについて、重要性や分け方、設定方法などを解説します。自社の広告運用にお役立てください。
広告グループとは?
広告グループとは、類似したターゲットに向けて、キーワードや広告を1つ以上登録できるグループを指します。
リスティング広告の場合は、「アカウント>キャンペーン>広告グループ>キーワード・広告」の階層のなかに位置付けられています。なお、ディスプレイ広告でもこの階層構造は同じですが、キーワードはありません。
広告グループを分けたほうがいい理由
広告グループを適切に分けると、広告の品質インデックスが高まります。品質インデックスとは、クリック数や検索ニーズとの関連度から、媒体側が総合的に評価している広告の品質のことです。
品質インデックスが高まると、広告の掲載順位が上がり、広告が表示されやすくなります。また、安い入札単価でも広告枠を落札しやすくなります。広告グループを適切に分けてユーザーニーズを満たせると、「品質インデックスが上がる→広告表示されやすくなる→クリックされやすくなる→品質インデックスが上がる......」という好循環が期待できます。
広告グループの分け方のポイント
ここでは、ユーザーニーズを満たせる広告グループの3つの方法を解説します。
類似キーワードごとに分ける
類似キーワードとは、主要なキーワードと同じではないものの、似た検索ニーズを持った語句のことです。例えば、「自動車」と「車」や、「お得」と「割安」などは、似た検索ニーズを持っている可能性が高いキーワードと考えられます。
類似キーワードごとに広告グループを分けることは、ユーザーニーズとマッチさせるために重要な作業です。同じ検索ニーズと考えられる類似キーワードを複数登録しておくことで、キーワードに関係のないユーザーへの広告文の表示が防げます。また、似たような検索語句に引っかかることで、関連度が高いユーザーへの広告表示回数を増やせます。
例えば、ホテルを経営している場合、「ホテル 安い」と「ホテル 格安」は似た検索ニーズと考えられるため、同じ広告グループ内に登録するべきです。一方、「ホテル 安い」と「ホテル 駅近」などは類似キーワードとはいえないため、別の広告グループに分けたほうがよいでしょう。
ユーザーの属性ごとに分ける
広告に興味を持ちそうなユーザー層ごとに広告グループを分けるのも、効果的な方法です。一般的には、広告の商品やサービスが決まった段階で、ある程度ユーザー層が絞られます。同じ商品でも広告の訴求ポイントを変えて、違うユーザー層に届けたい場合もあるでしょう。
Web広告では、広告グループごとにターゲティングやキーワード選定があるため、ユーザー層が複数あると効果的な設定ができません。広告を表示するユーザー像が定まっていなければ、広告文やランディングページの訴求もぼけてしまうでしょう。
その結果、ユーザーニーズを満たせずにクリック数が下がり、品質インデックスも落ちてしまいます。ユーザーの属性ごとに広告グループを設定し、同じ検索意図を持ったユーザーに同じ広告を表示すると、品質インデックスを上げやすくなります。
リンク先のURLごとに分ける
広告から遷移させたいリンク先のURLごとに分けるのも、シンプルで効果的な方法です。リンク先の自社サイトの内容と一致した広告文を設定すれば、コンバージョン(商品購入や資料請求などの目的達成)を高められます。
キーワードと広告のリンク先はセットで考えないと整合性が取れません。例えば、「ワイン 通販」のキーワードに出稿するリスティング広告の遷移先がビールの商品ページなら、多くのユーザーは離脱するでしょう。
【事例】広告グループの分け方
広告グループを分ける際の事例を紹介します。下記は、冷蔵庫販売の広告グループを分けた例です。
<よい事例>
上記の例は検索ユーザーやターゲットに合わせて、正しくグループ分けができています。検索ニーズが類似キーワードでまとめられているため、ユーザー層が明確です。そのため、以下のように広告文やリンク先URLも適切に設定できます。
グループ | ユーザー属性 | 広告文の訴求例 | リンク先URL |
---|---|---|---|
広告グループ1 | 冷蔵庫を購入したい店舗や飲食店関係者 | メーカー保証のラインナップ、新品・中古の品揃えなど | 業務用冷蔵庫を扱う企業の公式サイトや通販サイト |
広告グループ2 | 冷蔵庫を購入したい店舗や飲食店関係者 | メーカー保証のラインナップ、新品・中古の品揃えなど | 業務用冷蔵庫を扱う企業の公式サイトや通販サイト |
広告グループ3 | 一人暮らし向けの冷蔵庫を探している一般客 | コンパクト冷蔵庫、冷蔵庫(一人暮らし)の選び方、比較など | 通販サイトの一人暮らし応援特集ページ |
<悪い事例>
一方、こちらは多様なニーズのキーワードが混在しています。これでは広告文で何をアピールしてよいのかわかりません。また、リンク先のURLもトップページに設定するしかないでしょう。結果としてユーザーニーズを満たせず、品質インデックスも下がります。また、コンバージョン率も低くなるでしょう。
広告グループの分け方の注意点
1つのキャンペーンに多くの広告グループを作ると、広告を掲載する機会が制限されてしまいます。例えば、数十個の広告グループを登録し、日予算(1日あたりの予算上限)を配分すると、検索数が多いキーワードとそうでないキーワードの差が大きくなってしまいます。
予算が割り当てられなかった広告グループは表示されません。そのため、例えば検索数は少ないものの、利益率が高い商材の広告が表示されないといったことが起きてしまうかもしれません。
広告グループを分けすぎた場合は、キャンペーンを追加して広告グループを分類しましょう。日予算はキャンペーンごとに設定できます。キャンペーン傘下の広告グループが少なくなれば予算の差が少なくなり、比較的均等に広告が表示されます。
複数のニーズやユーザー向けのキーワードを設定しない
一つの広告グループに適切なキーワード数は決まっていませんが、複数のニーズやユーザーに向けたキーワードが含まれていないかを検証してみましょう。仮に含まれていた場合、検索ニーズやユーザー像が絞り込まれていないといえます。
特に検索数の多いビッグワードを含めると予算が集中してしまうので、表示されないキーワードが出てしまいかねません。一般的には、ビッグワードは別のキャンペーンを設けたほうが、日予算が分けられて運用しやすくなります。また、企業名や商品名など「指名系」と呼ばれるキーワードも、別キャンペーンにすることで広告を確実に表示しやすくなります。
複数の広告文を入稿してABテストをする
広告グループには複数の広告パターンを登録できるので、ABテストで成果を比較しましょう。ABテストを実施する際は、なるべく変更箇所を少なくするのがポイントです。例えば、「キャンペーン開催!全品20%オフ」と「キャンペーン開催!年に一度の大感謝祭」といったように、それぞれ広告文の一部を変えます。
クリック率やコンバージョン数を比較すれば、どの訴求方法が効果的だったのか推測できます。成果が出たほうのパターンを採用してABテストを繰り返し、広告やランディングページを最適化しましょう。
ABテストは定期的に実施することが重要です。季節のサイクルや競合他社の新製品発売など、外的な要因によって広告効果は変化します。一度実施したら終わりではなく、定期的にABテストをおこなってPDCAサイクルを回していきましょう。
Yahoo!広告の広告グループ設定方法
Yahoo!広告のリスティング広告(検索広告)では、以下の記事に記載されている方法で広告グループを設定できます。ただし、キャンペーンタイプによって手順が異なる箇所もあるので、詳しくは以下の記事でご確認ください。また、広告効果の高いアカウント構成についての記事も、ぜひ併せてご覧ください。
「広告グループの作成」について詳しく見る
広告グループを分けて効果的な広告運用を目指そう
広告グループの設定は広告の品質インデックスを高めて、広告の掲載順位を上げるために重要です。検索ニーズやユーザー層に応じて適切に広告グループを分けて作成し、効果的な広告運用を目指しましょう。
Yahoo!広告では、管理ツールから広告グループを作成・設定できます。広告グループに設定した複数の広告の表示を自動最適化する機能や、成果測定しやすいABテストも利用できるので、ぜひご活用ください。
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