Web広告の費用はどのように決まる？

Web広告は大きく「純広告」と「運用型広告」の2種類に分けられます。

• 純広告
  広告枠を一定期間買い取る方式です。掲載金額や掲載期間などはあらかじめ決められています。広告枠ごとに費用設定が異なるので、どの広告枠を買い取るか次第で費用をコントロールできます。
• 運用型広告
  リスティング広告やSNS広告に代表される、広告を自分で運用していくタイプの広告です。 広告枠の選択や入札額の設定、ターゲティング、広告文などを広告主が自ら設定・変更し、配信を行います。広告費は、クリック課金、インプレッション課金、エンゲージメント課金、広告視聴課金など、課金方式ごとに規定がありますが、少額費用からスタートできます。広告主が費用を自由にコントロールできる点が特徴です。

ここからは、課金方式の特徴をそれぞれ紹介します。

クリック課金

広告を1回クリックするごとに広告費が発生する課金方式です。リスティング広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告、ネイティブ広告、SNS広告など多くのWeb広告がこの課金方式を採用しています。

「クリック数とは？　用語の使い方や広告運用に欠かせないクリックカウント＆改善方法を解説」を読む

インプレッション課金

広告が表示されるたびに課金される仕組みです。1,000回表示されるごとに課金が発生する「CPM課金」、動画再生されるたびに課金が発生する「CPV課金」など、いくつかの種類があります。多くのユーザーに見てもらえるように配信されるため、認知度の拡大に向いています。

「インプレッションとは？　重要な理由、関連指標や増やす方法を紹介」を読む

エンゲージメント課金

クリック、シェア、ダウンロードなど、広告主が事前に設定したユーザー行動が行われるたびに費用が発生する課金方式です。「ユーザーにしてほしいアクション」に指標を置くことができます。

インプレッション保証型

広告の表示回数ごとに料金を設定する課金方式です。主に、Yahoo! JAPANなどのポータルサイトやPV数の多いサイトで採用されています。例えば、100万インプレッション保証であれば、実際に100万回広告が表示されるまで掲載されます。

PV保証型

広告ページのPV数を保証する期間契約型の課金方式です。保証されたPV数が達成されると費用が発生します。記事広告の掲載によく見られます。

掲載保証型

情報サイトやビジネスサイト、ポータルサイトなど、Webサイトの特定ページへの掲載を保証する広告です。記事広告でよく見られる方式で、料金設定が高い傾向にあります。

期間保証型

広告の掲載が一定期間保証され、その期間に応じて費用が変動する課金方式です。

成果報酬

商品購入やユーザー登録、アプリダウンロードなど、コンバージョンごとに費用が発生する課金方式です。アフィリエイト広告は成果報酬型のWeb広告です。

2.各Web広告にかかる費用の目安

ここでは代表的なWeb広告の概要と、費用の目安を紹介します。

リスティング広告

リスティング広告とは、Yahoo! JAPANなどの検索エンジンの検索結果に表示されるテキスト広告です。検索しているユーザーに対してニーズに合った広告を表示できるため、比較的成果につながりやすい特徴があります。

リスティング広告の費用相場は以下のとおりです。

課金方式	クリック課金型
1クリックあたり	1円～数百円

リスティング広告の概要や費用は、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

 

「リスティング広告とは？仕組みやYahoo!広告 検索広告について」を読む
「リスティング広告の費用はどのくらい？相場や予算の決め方、手数料を解説」を読む

 

ディスプレイ広告（バナー広告）

ディスプレイ広告とは、Webサイト、SNS、アプリなどの広告枠に表示される広告で、テキストだけでなく画像や動画も表示できる点が特徴です。ユーザー属性や広告掲載先などで細かなターゲット設定もできます。

 

ディスプレイ広告には4つの種類があります。それぞれの概要と費用目安は以下のとおりです。

純広告	特定のWebメディアの指定枠に表示される広告 ・期間保証型 ・1週間あたり数十万～数百万円
アドネットワーク広告	複数のメディア（WebサイトやSNSなど）を横断するオンライン広告ネットワーク（アドネットワーク）を通じて掲載される広告 ・インプレッション課金またはクリック課金 ・インプレッション1,000回あたり数十円〜数百円 ・1クリックあたり数十円〜数百円
DSP広告	複数のアドネットワークを通じて掲載される広告 DSP：Demand Side Platformの略 ・インプレッション課金 ・インプレッション1,000回あたり数十円～数百円
リターゲティング広告	自社サイトを訪れたことがあるユーザーに対して、再訪を促すことができる広告 ・インプレッション課金またはクリック課金   ・インプレッション1,000回あたり数十円〜数百円  ・1クリックあたり数十円～数百円

ディスプレイ広告の概要と費用に関しては、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

 

「ディスプレイ広告とは？　リスティング広告との違いやメリットを解説」を読む
「ディスプレイ広告の費用相場は？　課金方法や単価を抑えるコツを紹介」を読む
 

動画広告

動画広告は、主に動画配信サービスで動画の再生前、途中、再生後に流れる広告です。

 

動画広告の  費用相場は以下のとおりです。

課金方式	クリック課金 インプレッション課金 視聴課金
1クリックあたり	10円～数百円
インプレッション1,000回あたり	数百円
1再生あたり	数円～10円

商材のジャンルや掲載先動画などによって単価に幅があるため、出稿前によく確認しておきましょう。

動画広告に関しては、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

「動画広告とは？ メリットや種類、作り方のポイントやコツを解説」を読む
「効果的な動画広告の作り方は？　方法や改善ポイントを解説」を読む
 

SNS広告

各SNSのタイムラインや広告枠などに表示される広告です。掲載場所やフォーマット（テキストや画像、動画など）のバリエーションが豊富で、目的にあった配信方法を選べます。

コンテンツ閲覧の合間に広告を見てもらえるため、自然なかたちでブランディングしたい場合に効果的です。また、情報拡散効果や、双方向コミュニケーションによる交流などを図れるのもSNS広告の特徴です。

SNS広告の費用相場は以下のとおりです。

SNS広告に関しては、こちらのページでも詳しく解説しています。併せてご覧ください。

「SNS広告とは？ 費用やメリット、効果的な運用のポイント」を読む
「リスティング広告とSNS広告の違いとは？　組み合わせた使い方も紹介」を読む
 

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告では、アフィリエイトブログなどのWebサイトやSNSに広告掲載を依頼し、各メディアが集客やPRを担う方式です。

購買や会員登録などのコンバージョンに至った場合に報酬を支払う、成果報酬型の広告です。

アフィリエイト広告の費用相場は以下のとおりです。

記事広告（タイアップ広告）

記事広告は、メディアに掲載される記事と同じような形で商材紹介やレビューなどを行う広告です。読み物としてユーザーから閲覧されやすいメリットがあり、商材の認知拡大や販売促進などに役立ちます。

他の記事と区別するため、アイキャッチやタイトルなどに「PR」や「広告」の文言が表示されているのが特徴です。

記事広告に関しては、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

「記事広告とは？　効果・メリットや料金相場などを解説」を読む

メール広告

主に大手メディアのメールマガジンに広告を掲載します。

顧客リストを保有していなくても、一定数の購読者に向けて情報を発信することが可能です。

運営元がメールの開封率やクリック率などの効果測定を行うほか、改善案を提案してくれることも多いというメリットがあります。

Web広告の運用に必要な予算は？

Web広告は、どのような広告を出稿するかによって予算が異なります。それぞれの広告の特徴を知り、商品やサービス、ビジネスに適した広告方法を選択しましょう。

また、予算を考える際には継続的な運用を視野に入れる必要があります。

多くの場合、リスティング広告やSNS広告、記事広告、バナー広告など、それぞれの広告種類ごとに最低出稿価格が決められています。

広告は出稿が目的ではなく、リードやコンバージョンの獲得が目的です。成果を出すためには、広告を出稿したあとに1ヵ月から2ヵ月程度、場合によってはそれ以上の期間運用し、成果や課題を分析して改善していく必要があります。

もちろん最初から成果が出れば問題ありませんが、さらに効果を上げるための改善は必要です。そうした検証と改善にかかる費用も組み込んだ予算を設定しましょう。
 

Web広告とマス広告で予算はどのくらい違う？

Web広告とマス広告では、一般的にマス広告の方が多額の予算が必要です。

例えば、新聞の場合、  新聞社によって金額は異なりますが、一面広告では数千万と多額の費用がかかります。隔週発売で30万部以上発行されている雑誌の場合、カラー1ページの広告費は約250万円です。

テレビCMは放送局や提供番組で異なりますが、制作費と放映費の二種類の費用がかかります。制作費に関しては、静止画を利用したものであれば100万円程度、有名タレントを起用した場合は1,000万円以上かかるケースもあります。放映費は、関東エリアの地上波で15秒CMを流した場合、30万円〜100万円ほどの費用が発生します。

参考：
オレンジページ「オレンジページ本誌　広告表」
　　　　　　　　　　　

一方、Web広告はクリックされた数や動画が視聴された回数によって費用が発生するため、広告の対象となるビジネスによって費用は大きく異なります。

最適な広告費は「コンバージョンを1件獲得するのに必要な単価」（＝CPA）×「獲得したい件数」で決まります。

例えば、商品の購入1件あたり1,000円まで広告費が許容できて、月に100件販売したいというケースでは、

1,000円×100件＝100,000円が予算の目安です。

「CPAとは？　設定方法や活用するメリット・注意点を解説」を読む

広告代理店に依頼するとどのくらい予算が必要？

広告代理店に運用を依頼する場合、一般的には出稿金額におおよそ20％程度の手数料が上乗せされます。

例えば、15万円を広告費とする場合、代理店の手数料として3万円程度を見込むため、広告費として使用できるのは12万円となります。

代理店に依頼すると、プロに運用やレポート、改善などを任せることができます。これまでに蓄積したナレッジや経験のもと運用してもらえるので、より確実に効果を上げたい場合には大きなメリットです。しかし、広告費用が限られて広告代理店に依頼できない場合は、自社で少額から始めてみましょう。

広告費用

広告出稿時に各媒体に支払う費用です。広告代理店を利用する場合には、代理店経由で支払ってもらいます。

広告代理店によっては、広告費用の最低額を設定している場合があります。例えば「月20万円以上の広告費から依頼可能」などです。

また、広告費によって先の運用手数料（代行料）が変わることもあります。具体的には、広告費月30万円未満は広告費の20%、月30万円以上は5万円／月などです。

クリエイティブ制作費用

広告の画像や動画、広告文、ランディングページ（LP）などのクリエイティブ制作にかかる費用です。制作物によるので一概にはいえませんが、数万円〜数十万円程度かかるのが一般的です。

クリエイティブ制作は広告代理店に任せられるケースもあれば、別の業者に発注する場合もあります。

コミュニケーションコストを減らしたい場合は、広告代理店に一括で任せたほうがよいでしょう。おおまかなイメージを担当者に伝えるだけで、クリエイティブ制作や制作ディレクションを代行してくれます。

広告画像の制作に費用をかけたくない場合は、自社で制作しましょう。Yahoo!広告とLINE広告は、デザイナーの経験がなくても簡単に広告画像を制作できるツール「LINE Creative Lab」が無料で利用できます。豊富なテンプレートが使えるので、プロが作ったような広告画像を自社で制作できます。
 

広告代理店にWeb広告の見積もりを出してもらうには？

広告代理店を決める前に、費用感や、相見積もりを取って比較したい場合があります。ここでは見積もり作成に必要な項目を解説します。

見積もり作成に必要な項目

見積もり作成の際には、共有できる情報が多いほど正確な見積書を受け取れます。最低限の内容は伝えておきましょう。

見積もりを出してもらい運用を任せる広告代理店の選び方は、こちらのページで詳しく解説しています。併せてご覧ください。

「失敗しないリスティング広告代理店の選び方は？検討・依頼のポイントまとめ」を読む

Web広告の費用を抑えるためのポイント

Web広告の費用を抑えるには、いかに無駄を省けるかが重要です。リスティング広告であれば、ターゲットを明確にして広告を見てほしい人だけに広告を表示させるなど、商材に関係のない不要なキーワードでのクリックを避けるだけでもコストカットができます。

また、商材にあった広告媒体や配信方法の選択が重要です。店舗への集客が目的であれば、施設がある地域に広告配信を限定するなど効果的な運用を心掛けましょう。

費用を抑える5つのポイントを紹介します。

除外キーワードを設定する

リスティング広告の場合、出稿するキーワードを厳選して関係性の薄いキーワードを除外します。一時的にクリック数は落ちますが、見込みのないユーザーのクリックを抑えることができます。

例えば、さまざまなブランドを取り扱っているアパレルショップのリスティング広告を出す場合、一般的には「ブランド名＋アイテム名」「ブランド名＋商品名」などでキーワードを設定しますが、自社で取り扱っていないブランドの商品を探しているユーザーにまで広告が表示される可能性があります。

しかし、取り扱いのないブランド名をあらかじめ除外しておくと、そのブランドの商品を探しているユーザーへの表示を防ぎ、クリックを避けることができます。

誰に広告を表示させたいか、ターゲットを明確にする

Web広告では地域や性別、年齢層などの属性で配信するユーザーを限定できます。（※広告の種類によって異なります）

もし商材が特定の年齢層や趣味嗜好に偏っている場合は、商品のターゲット層だけに絞って広告配信しましょう。明らかに自社の商品やサービスのターゲットではないユーザー層に配信してしまうと広告費がかさんでしまいます。

「ターゲットとは？　重要性やSTP戦略との関係性、設定の方法やWeb広告に活用するポイント」を読む

ターゲットに合ったメディアを選ぶ

ターゲットを明確に設定したら、効率よく広告を表示させるため、ターゲット層が多く集まるメディアを選びましょう。

例えば、若年層の女性をターゲットにするなら、画像や動画中心のSNSを選ぶのがおすすめです。老若男女にアピールしたいなら、ユーザーの偏りがないディスプレイ広告やリスティング広告が向いています。

まずはメディアを選択し、次にWebサイトやアプリなど、ターゲットの興味や関心に合わせて掲載先を絞り込みましょう。見込みが高い顧客に広告表示できれば、CPA（顧客獲得単価）を下げられます。

目的や商材に合った広告フォーマットを選ぶ

広告の目的は、商品販売だけとは限りません。例えば、商品やブランドをより広く知ってもらう「認知目的」で広告を出す場合もあります。認知を増やすためには露出を増やす必要があります。その場合、バナー広告やディスプレイ広告、動画広告が向いています。

また、検討段階のユーザーにアプローチしたい場合はリスティング広告、まだニーズが潜在的なユーザーにアプローチして、ニーズを喚起したい場合は記事広告などが向いています。

広告配信の目的を明らかにしたうえで、効果が出そうな広告フォーマットを選びましょう。

成果を確認し継続的に改善を行う

どのようなWeb広告でも、広告のクリック率とコンバージョン率は定期的にチェックし、改善を繰り返していくことが大切です。クリック率が悪ければ、広告画像やタイトルテキストを変更したり、ターゲットの設定を調整する必要があります。

検索ユーザーにとってクリックしたくなる広告であれば、リスティング広告に関わる広告の品質の指標が良くなります。キーワードと商材、ランディングページのコンテンツとキーワードの親和性、表示速度にも気をつけ、読み込みが遅いのであれば画像を圧縮する、スマホ対応していないのであればスマホ対応にするなどの対応にも気を配りましょう。これらは品質スコアの上昇に関連するため、改善のポイントとして重要です。

自社に適した広告運用で費用対効果を高めよう

ここまでWeb広告の掲載にかかる費用、課金方式、広告費を抑えるための工夫などを紹介してきました。

広告の種類とそれぞれの特徴を踏まえながら、広告掲載の目的を明確にしたうえで広告媒体を選びましょう。Web広告を初めて運用する方は、Yahoo!広告・LINE広告がおすすめです。

Yahoo!広告は、Yahoo! JAPANの各サービス上で検索広告とディスプレイ広告を掲載でき、顕在層から潜在層まで幅広く訴求できます。

LINE広告は、国内月間9,700万人（2024年3月末時点）のLINEユーザーに広告を配信できるため、あらゆる年齢層のユーザーにアプローチが可能です。

Yahoo!広告・LINE広告を活用して、ビジネスをさらに成長させましょう。