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ワンツーワンマーケティングとは? 4つの実践方法と成功のポイント、活用メリットや課題点を解説
多くの情報が簡単に手に入るようになった現代社会では、一人ひとりのユーザーに合わせたマーケティング活動が求められています。ユーザーごとに最適なアプローチをするマーケティング手法を「ワンツーワンマーケティング」といい、すでに取り入れている企業も少なくありません。
本記事では、ワンツーワンマーケティングについて詳しく解説します。ワンツーワンマーケティングの概要や重要性、具体的な実践方法や成功のポイントを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
ワンツーワンマーケティングとは?
ワンツーワンマーケティングとはユーザー一人ひとりのニーズに合わせたマーケティングをおこなうことで、「One to Oneマーケティング」や「1to1マーケティング」と表記されることもあります。ターゲット層のユーザー全員に同じアプローチをするのではなく、ユーザーの行動履歴などのデータを活用して個別にコミュニケーションをとるのが特徴です。
インターネットが広く普及する前は新聞やテレビなどのマスメディアが主流で、すべてのユーザーに対して同じ方法でアプローチしていました。しかし近年では、インターネットやスマートフォンの普及によって企業と消費者のコミュニケーション方法が多様化し、ユーザーの消費行動や行動履歴のデータが取得できるようになっています。そのため、ユーザーごとにアプローチを変えるワンツーワンマーケティングが取り入れられるようになりました。
インターネット活用によって変化した一般消費者の情報収集の手法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ワンツーワンマーケティングの重要性
ワンツーワンマーケティングは、自社の優位性やブランド力を高めるために重要なマーケティング手法です。インターネットやスマートフォンの普及でユーザーが多くの情報を簡単に取得できるようになり、自分に必要な情報を取捨選択しなければならないシーンが増えています。このような状況でユーザー一人ひとりに合わせてこまやかなアプローチをおこなえば、ユーザーから選ばれる企業になれるでしょう。
一人ひとりに合わせたアプローチは、顧客と長期的に良好な関係を築くためにも有効です。必要な情報を適切なタイミングで届けることで顧客満足度の向上が期待でき、リピーターの獲得や顧客単価の向上も期待できます。
CXとの関係性とは?
CXは「Customer Experience」の頭文字をとったもので、「顧客体験」と訳します。商品やサービスの購入から利用、アフターサービスなど、企業が顧客に提供するすべての体験のことで、「商品そのものだけでなくさまざまな体験も価値として提供する」という考え方です。
ワンツーワンマーケティングはユーザー一人ひとりに対してよりよい顧客体験を提供するのが目的のため、CXとは切っても切れない関係といえます。ワンツーワンマーケティングを進めるうえで、CXは無視できません。
ワンツーワンマーケティングの実践方法5つ
ここでは、ワンツーワンマーケティングの具体的な実践方法を紹介します。
リターゲティング広告
リターゲティング広告は、特定のWebサイトやWebページを訪れたユーザーに対して掲載するWeb広告です。自社サイトを訪れてから一度離脱したユーザーに向けて、再度訪問を促すために活用します。
「特定のWebサイトを閲覧したら、関連する商品の広告が表示されるようになった」などの経験がある人も多いでしょう。これは、訪問したWebサイトを運営する企業がリターゲティング広告を利用しているためです。
自社サイトを一度訪問したユーザーは自社製品に興味を持っている可能性が高く、ユーザーの嗜好に合わせた広告を掲載できます。
レコメンデーション
レコメンデーションはECサイトなどで活用されている方法で、商品の閲覧履歴や購入履歴のデータからおすすめ商品を表示させます。ネットショッピング中に「あなたへのおすすめ」や「この商品を買った人はこちらの商品も購入しています」などの表示を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
おすすめ商品を選定する方法は、次の4つのタイプがあります。
協調フィルタリング | 行動履歴が似ている別のユーザーのデータをもとにレコメンドする商品を選定する |
コンテンツベース | コンテンツや商品と類似性の高い商品をレコメンドする |
ルールベース | 行動履歴や属性から、あらかじめ決めておいたルールに基づいて商品をレコメンドする |
ベイジアンネットワーク | 行動履歴から次の行動を予測してレコメンドする商品を選定する |
メール配信
メールアドレスがわかっている顧客には、ユーザーの購入履歴や情報などに合わせた内容のメールを配信するのも有効です。お得なキャンペーンや誕生日クーポンなどをメールで送付して、来店や購入につなげます。MAツールを使えば、ユーザーの属性やニーズに合わせたメールを自動で配信できます。
DM送付
既存会員や購入履歴のあるユーザーの住所がわかっている場合は、興味関心がありそうな情報をDMで送付する方法もあります。送料や制作費が必要ですが、紙の質感などにこだわるとデジタル媒体にはない特別感を演出できます。
LPO
LPOは「Landing Page Optimization」の頭文字をとったもので、意味は「ランディングページ最適化」です。ランディングページの構成やデザインを最適化し、会員登録や購入率のアップを目指します。最適化の方法はさまざまですが、例えばユーザーが訪問する時間帯ごとに訴求ポイントやデザインを変えるといった方法が挙げられます。
LPOの詳細はこちらの記事で解説しています。
テレマーケティング
テレマーケティングは、電話を使って顧客とコミュニケーションをとる手法です。顧客に直接電話をして、資料請求を受け付けたり商品を提案したりします。商品について口頭で詳しく説明でき、ユーザーの疑問や意見を直接聞けるのがメリットです。
ワンツーワンマーケティングのメリット
ここでは、ワンツーワンマーケティングのメリットを紹介します。
費用対効果が高い
既存顧客に対してワンツーワンマーケティングをおこなう場合、アプローチするのはすでに興味関心や購入履歴があるユーザーです。そのため、比較的効率よくアプローチできます。また、ユーザーが商品やサービスに興味を持っていることが前提になるため、例えばターゲティング広告によるアプローチを継続したとしても、新規顧客と比べてしつこく感じられることは少ないかもしれません。
従来の手法よりは手間がかからない
ワンツーワンマーケティングはMAツールなどを使えばある程度自動化できるため、従来の手法よりは手間をかけずに施策実行できることもメリットです。なお、例えば一人ひとりに電話をかける必要があるテレマーケティングのように、完全には自動化できない手法も存在します。
ユーザーとの信頼関係を築ける
ユーザー一人ひとりに合わせた情報を届けられるため、顧客との信頼関係を築けるのもメリットです。自分が欲しい情報を提供してくれる企業には、よいイメージを抱く人が多いでしょう。顧客との信頼関係が築ければ、顧客単価やリピート率の向上が目指せ、売上アップにもつながります。
自分に合っていない情報や求めていない広告などに対しては、「しつこい」「不快」などのネガティブな感情を抱かれる可能性があるため、ワンツーワンマーケティングはユーザーとの信頼関係を築くうえで非常に重要です。
ワンツーワンマーケティングの課題点
ここでは、ワンツーワンマーケティングの課題点について解説します。
データ量が増えた際の分析が煩雑
ワンツーワンマーケティングは顧客データの分析や活用が必須ですが、データ量や取得項目が膨大になるほど人の手を介した分析や活用は困難になります。そのため、分析基盤を整えるための投資を進める必要が出てきます。
テレビCMなどのマスマーケティングと比較すると、Web広告などのデジタル施策はユーザーごとの行動履歴データが取得できるため分析や活用はしやすいといえますが、顧客に関するデータが多いほど分析や活用が複雑になる点に注意してください。
MAツールを導入しても人の手が必要
MAツールを導入すればマーケティング活動を自動化できますが、最初のシナリオ設定やチューニングなどは人の手でおこなわなければなりません。ツールを導入すればすぐに自動化できるわけではないことは、頭に入れておく必要があります。
的確な情報収集と分析をおこなう
ユーザー一人ひとりに合った情報を届けるためには、的確な情報収集と分析が必要です。情報の量や内容が不十分であったり、分析方法が適切でなかったりすると、ユーザーに最適なアプローチができません。必要に応じて分析ツールなども活用しながら、効率的に運用する必要があります。
ユーザーの選択肢を減らす
インターネットが普及してユーザーが情報を手に入れやすくなってからは、選択肢が増えれば増えるほどニーズにマッチするもの以外は売れない時代になってきました。そのため、ユーザーのニーズを細かく理解して、ニーズに合わない選択肢を削っていくことは、企業として取り組むべき施策の一つといえます。
ワンツーワンマーケティングで顧客ごとに最適なアプローチをしよう
ワンツーワンマーケティングは、情報があふれる現代でユーザーに最適なアプローチをするために欠かせないマーケティング手法です。すでにワンツーワンマーケティングに取り組んでいる企業は多いため、競争力の強化のためにもユーザー一人ひとりに合わせた対応を実施しましょう。Web広告やMAツールなどアプローチを自動化できるツールも活用しながら、ワンツーワンマーケティングに取り組んでみてください。
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