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整骨院の集客 を成功させるにはWeb広告が効果的! 手法やポイントを紹介
整骨院が広告を出す際には、柔道整復師法の理解が欠かせません。広告に記載できる項目は法律で厳格に定められており、違反すると30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
本記事では、法律を順守しながらWeb広告で集客する方法やポイントを解説します。集客に悩んでいる整骨院の経営者は、ぜひ役立ててください。
従来の整骨院の集客・広告は?
従来、整骨院の集客には、ポスティングや新聞折り込みチラシなどのオフライン広告が使われてきました。他にも、地域住民とコミュニケーションが取れる行事に参加して、整骨院の存在やスタッフの人柄を知ってもらう方法も効果的です。オフライン広告を活用する際は、2016年の柔道整復師法改正以降、広告に記載できる内容が下記の項目に限定されています。
- 柔道整復師の氏名、住所
- 施設の名称、電話番号、住所
- 施術日または施術時間
- ほねつぎ(または接骨)
- 予約や出張による施術の実施、休日や夜間施術の実施 など
京都市情報館「施術所の広告に関する規制について(柔道整復師法)」
オフライン広告のみではなく、Web広告も法律の対象です。ただし、現時点ではホームページは対象外なので、Web広告で集客した顧客を自社のホームページに遷移させることが重要です。そのため、整骨院で集客を成功させるためには、ホームページ作成とホームページに誘導するためのWeb広告が不可欠といえます。
整骨院の集客パターンは3つ
整骨院で集客するためには、新規顧客、リピーター、再来してほしい顧客の3パターンに分類してアプローチを変えるのが効果的です。それぞれの顧客の特徴とアプローチ方法を解説します。
新規顧客の集客
新規顧客は整骨院の名前や場所を知らないため、まずは自院を認知してもらい、「行ってみようかな」と思ってもらうことが必要です。そこで重要となるのが、どの媒体の広告なら新規顧客の目に留まるのかという点です。
例えば、学校の部活動の帰りや商店街への買い物のついでなどに来院する地元の顧客層が多い場合、街頭看板やチラシ配りなどのオフライン施策が効果的な集客方法となるでしょう。一方、オフィス街の会社員の来院が多い場合は、インターネットを利用して整骨院を探すケースが多いため、リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告が有効になります。
このように、新規顧客の集客方法は幅が広いため、手法を絞り込むことが大切です。
リピーターの獲得
リピーター(2回目以降の購入者)を獲得するには、ほかの整骨院と差別化するためのアフターフォローがポイントです。施術に対する満足度はもちろん大切ですが、もう一度行ってみようと思ってもらうきっかけを与えることで、リピーター獲得率が高まります。
代表的な方法は、クーポン券やサービス券の配布です。この方法を用いるときは、効果を測定できるように識別記号などを付けておくとよいでしょう。またクーポン券やサービス券と引き換えに、体験談を書いてもらったりSNSへ投稿してもらったりすれば、口コミ効果による集客も兼ねられます。
再来してほしい顧客や休眠顧客の集客
再来してほしい顧客や休眠顧客に対しては、もう一度自分の整骨院を思い出してもらうことが目的です。休眠顧客の場合は、来院と施術の履歴があるため、これらを有効活用しましょう。
また、休眠顧客はSNSのフォローや、ホームページをお気に入り登録しているなど、つながりが残っている場合も少なくありません。その場合、休眠顧客を意識したコンテンツ制作も実施していきます。
具体的な施策は後述します。
整骨院の集客にWeb広告が向いている理由
インターネットを利用している人に広く整骨院の存在を知ってもらうなら、Web広告が有利です。Web広告からホームページに誘導できれば、自社の強みをアピールできます。ホームページには施術内容や自院の写真、柔道整復師の経歴なども掲載できるため、利用しない手はありません。
ニーズの高いユーザーへアプローチできる
Web広告の強みは、ニーズの高いユーザーに絞ったアプローチができることです。チラシなどのオフライン広告は不特定多数を対象にしています。興味がない人には読んでもらえない可能性が高く、無駄を避けられません。
一方、Web広告なら閲覧履歴や検索履歴、性別、年齢など特定の条件を満たす人に広告を表示できます。来院の可能性がある人に絞った訴求が可能で、コストも抑えやすい点がメリットです。
ただし、整骨院の広告に記載できる内容には注意しましょう。柔道整復師法 第二十四条 (広告の制限)では、2 前項第一号及び第二号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたってはならない。
と記載されており、具体的な施術内容は広告に記述できません。「知らなかった」では済まされないため、十分注意しましょう。
低価格から広告出稿ができる
低価格で広告を出稿できる点は、Web広告のメリットです。Web広告の費用は、一般的にクリックされなければ発生しません。ホームページに誘導できた場合のみコストが発生するため効率的です。来院の可能性がある人に絞って広告を表示すれば、無駄なクリックも防げます。
また、Web広告では予算の上限を自分で設定でき、上限に達すると出稿が止まります。想定外の費用が発生するおそれがないため、はじめて利用する人でも安心です。少額から利用をはじめ、慣れてきたら予算を増やす方法もおすすめです。
PDCAを回すことで効果を最大化できる
Web広告の強みとして、広告の成果を数字で把握できる点が挙げられます。「どのような人がクリックしたのか」「クリックした人の何割が来院したのか」などのデータを収集できます。データを分析して徐々に改善していけば、もっとも効率的な集客の実現も可能です。
Web広告を始めたばかりの方が特に重視したいデータは、広告の表示回数とクリック数、クリック率の3点です。Web広告の掲載順位はオークション形式で決まります。同じキーワードを設定している競合に勝てなければ、そもそも広告が表示されない可能性がある点に注意しましょう。
オークションでは、1クリックあたりの予算と広告の品質が評価されます。表示回数が増えない場合は、キーワードや広告の内容、予算を見直す必要があります。
実際にクリックされた数やクリック率も重要です。クリック率とは、表示回数に占めるクリック数の割合です。表示回数は多いもののクリック数が少ないケースでは、広告の内容や出し方に問題がある可能性も疑われます。クリック率が高いのにも関わらず来院につながらない場合は、ホームページの内容も見直しましょう。
クリック率については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
休眠層のユーザーへアプローチできる
しばらく来院がない休眠層にさりげなくアプローチできる点も、Web広告の魅力です。
整骨院の顧客は、新規顧客、既存顧客、休眠顧客の3つに分類できます。集客では新規顧客の獲得や既存顧客の離脱防止も重要ですが、足が遠のいている休眠顧客に「思い出してもらう」ための施策も欠かせません。
代表的な手法はDMですが、費用がかかるうえに確実に読んでもらえるとは限りません。Web広告なら、ユーザーが閲覧しているページに広告を掲載できます。ユーザーが自ら整骨院の存在を思い出すきっかけになる可能性があります。
整骨院の集客に向いているWeb広告は?
整骨院の集客に向いているリスティング広告とディスプレイ広告を紹介します。
リスティング広告
リスティング広告(検索連動型広告)とは、ユーザーがキーワードを入力して検索した際に、結果画面の上部に出稿される広告です。ユーザーのキーワードとWeb広告で設定したキーワードが一致した場合に、広告が表示されます。
リスティング広告は、ニーズが明確になった顕在顧客へのアプローチに向いています。「整骨院」で検索する人は、整骨院に強い関心があると考えられるためです。
例えば、あなたのお店が「腰痛」に強みを持っているとしましょう。あらかじめ広告出稿時に「整骨院 腰痛」でキーワードを指定して、入札しておきます。すると、ユーザーが「整骨院 腰痛」と検索した際、あなたのホームページの宣伝が届けられる、という訳です。
広告出稿時に「整骨院」だけでキーワード指定して入札しようとすると、競合他社が多すぎて、入札単価がとても高くなってしまうことも想定されます。
よって、あなたのお店が強みとしている「共起語(ユーザーニーズのある関連キーワード)」を何かしら考えて入札しましょう。はじめてリスティング広告をする場合はキーワードに迷ってしまうかもしれませんが、「自分が症状に悩んでいるとしたら、どのような言葉で検索するかな?」と想定してみると考えやすいかもしれません。
例としては、
- 「整骨院 施術」
- 「整骨院 矯正」
- 「整骨院 事故」
- 「整骨院 骨盤」
- 「整骨院 スポーツ」
- 「整骨院 柔道」
- 「整骨院 マッサージ」
といったキーワードが挙げられるでしょう。
また、Yahoo! JAPANで「リスティング広告」を出稿する場合には、地域(市区町村レベル)で絞り込んで広告を表示させることが可能です。
ニーズのある見込み顧客に対し、商圏まで絞り込んであなたのお店の宣伝を届けることが可能になるのです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、ユーザーが閲覧しているページの一部に表示する広告です。インターネット上の閲覧履歴や性別、年齢、地域などのデータを活用して、整骨院への関心が高く来院が見込まれる顧客に絞って広告を表示します。
ディスプレイ広告は、検索行動にいたっていない潜在顧客への訴求に適しています。写真や動画が使える点もディスプレイ広告の特徴です。ただし、整骨院の広告には施設の外観やスタッフの写真、施術の様子などを掲載できない点に注意しましょう。
Web広告以外におすすめの集客方法
オンラインでの集客はWeb広告が主流ですが、ほかにもSNSやホームページを活用する方法があります。
SNS
SNSは双方向コミュニケーションを簡単に実現できるため、集客にも効果的に利用できます。整骨院では、お知らせやフォロワーに有益なコンテンツを配信して集客アップを目指すのがおすすめです。
お知らせでは、休院情報や新しいサービスの告知、イベント開催情報などを配信します。これにより、リピーターや休眠顧客が再来院するきっかけにつながる可能性があります。相談や問い合わせのダイレクトメッセージを受け付ければ、直接会話することも可能です。
コンテンツ配信では、自院と関連度が深い健康に関するトピックを取り上げるのが一般的です。体の悩みと解決策などをわかりやすく解説すれば、フォロワーが増え、新規顧客獲得のチャンスも増します。また、院長やスタッフの趣味や日常の出来事などを配信すれば、親近感を持ってもらえるでしょう。
ホームページ
ホームページのメリットは24時間365日、自院の情報を発信できることと、予約機能や問い合わせフォームを搭載することで自動的に顧客を獲得できることです。
ただし広告と異なり、ホームページを立ち上げただけでは、もともと知名度がない限り集客効果は見込めません。Web広告やチラシ配布、ポータルサイトへの登録と組み合わせるなどアクセス数を増やす施策が必要です。
また、集客を目的としたホームページ運営では、ターゲット層が求めるお役立ち情報を定期的に配信するなどして、検索結果の上位に掲載させるSEO対策が欠かせません。
Web広告を使った整骨院の集客手法
整骨院のWeb広告を成功させるポイントを解説します。
店舗のターゲットユーザーを明確にする
広告のターゲットを決めるためには、「誰に来院してほしいのか」を考える必要があります。Web広告をはじめる前に、自院のターゲットを明確にしておきましょう。幅広いユーザーを対象にすると、集客の確度が低くなるためです。
整骨院の施術には、保険が適用される保険施術と保険が使えない自費メニューの2種類があります。
- 保険施術:骨折・脱臼・打撲・捻挫
- 自費メニュー:自院が独自に提供する施術、カイロプラクティック・ストレッチ・頭痛緩和など
保険施術にかかる費用を療養費といい、金額や保険請求の方法は厳格に定められています。一方、自費メニューは料金の自由な設定が可能です。例えば、産後ケアや骨盤矯正、リラクゼーションは若年層の女性にも人気です。運動療法やスポーツマッサージで子どもや学生を集客する方法もあります。
自費メニューへの関心が高いユーザーは、Web広告の有力なターゲットです。ただし、保険が適用されない事実は必ず伝えなければなりません。
地域ターゲティングを活用する
整骨院は、地域密着型のサービスです。基本的に地域住民が対象となるため、Web広告の出稿では地域ターゲティングを活用しましょう。地域ターゲティングとは、都道府県、市区町村、一部のエリアなど、広告を表示する地域を絞り込む機能です。
例えば、「東京都のなかでも大田区に限定して出稿したい」などのケースに役立ちます。逆に、配信したくない地域を除外する機能もあります。地域ごとに異なる広告を表示できる点もメリットです。
さらに、最寄り駅やバス停の名前、路線名など地域特定に役立つキーワードも有効です。整骨院へのアクセスはユーザーにとって大きな関心事です。
また「整骨院×地域名」のキーワードは、同じ地域の競合も設定している可能性があります。「整骨院×地域名×路線名」や「整骨院×地域名×最寄り駅名」などのロングテールキーワードであれば、競合は減るでしょう。
シニア世代は整骨院を利用している方も多いため、シニア世代をターゲットとした広告を意識したり、年齢を絞って配信することで、より効率的に集客できることもあります。シニア世代でもインターネットの利用率は高いため、検討してみるのも一つの方法です。
「シニア世代向け広告の種類は? Web広告がおすすめな理由と活用方法を解説」を読む
ユーザーに刺さる整骨院の広告を作成するには
ここでは、ユーザーに刺さる整骨院の広告を作成するポイントを紹介します。
ニーズに合わせたキーワードで広告を作成する
ユーザーのニーズにマッチする広告の作成は、Web広告の基本です。しかし、整骨院の広告に記載できる項目は限られているため、差別化は容易ではありません。例えば、料金の安さは通常ならアピールポイントになりえますが、整骨院では料金の記載が禁じられています。
一方、キーワードは規制されていません。例えば、「腰痛」は広告には入れられませんが、キーワードには盛り込めます。柔道整復師法に違反しない方法で、「整骨院 腰痛」で検索した人に訴求できます。ユーザーのニーズや自社の強みは、キーワードに反映させましょう。
さらに、ホームページ作成も重要です。広告とは違い、現時点でホームページは柔道整復師法の対象ではありません。リスティング広告が検索画面の上位に表示されれば、ホームページへのアクセスや知名度アップの効果が見込めます。
自院の強みを取り上げた広告を作成する
整骨院のWeb広告では、柔道整復師法の範囲内で自院の強みを伝える広告の作成を心がけましょう。来院のメリットがわかりやすい広告は、ニーズを持つユーザーに刺さります。
例えば、「〇〇駅から徒歩5分」などアクセス性をアピールする方法は有効です。最寄り駅や自院への道順、所要時間などは規制の対象ではありません。駐車場に関する記載も可能です。駐車可能台数やコインパーキングの情報などは、積極的に取り入れましょう。
休日・夜間の施術も強みの一つです。「年中無休」の文言も認められています。連絡に必要なメールアドレスやFAX番号も広告に記載できるため、ユーザーとの接点が拡大します。
予約や出張での施術に対応しているなら、差別化を図るチャンスです。ただし、「完全予約制」の文言は使えません。保険で施術をおこなう整骨院では、利用の間口を狭める行為が禁じられています。予約をアピールしたい場合は、「予約優先制」の文言を使いましょう。
参考:全国柔整鍼灸協同組合「接骨院では「完全予約制」と書いてはいけないのでしょうか?」
覚えておこう!広告で使ってはいけない表現とは?
整骨院の広告に掲載できる内容は、法律で決まっているため、十分な注意が必要です。ここでは広告訴求の観点から、つい違反してしまいやすい、誇大表現と医療行為にとらえられるような表現を解説します。
世界一・日本一などの誇大表現
広告規制は患者の体を守り、経済的な被害を受けないために設けられているため、患者の判断を惑わす誇大表現が禁止されています。過去に指導対象となった事例は以下のとおりです。
- 全国優良○○院、顧客満足度NO1
- ○○にも掲載された、口コミサイトで1位を獲得
- 一人一人に最善の施術
- どこへ行っても治らなかった方、あきらめないで当院へお越し下さい
- たった1回で効果を実感、○%の人が効果を実感、改善率○%以上
チェックポイントは、「客観的な事実が確認できない誇大な内容になっていないか」「他の整骨院よりも優れていることを暗示する比較優良広告になっていないか」の2点です。
医療行為と捉えられるような表現
整骨院で施術を担当する柔道整復師は医師ではないため、医療行為と捉えられるような表現も禁止されています。具体例は以下のとおりです。
- 診療、診察、診断という文言
- あはき、柔整以外の保有資格
- 施術者の技能、効果効能
具体的には、どのような広告が指導対象になったのでしょうか。適応症や効果、効能などに分けて事例を紹介します。
適応症 |
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効果、効能 |
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施術内容 |
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施術対象 |
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整骨院の集客を成功させるためのポイント
整骨院での集客で特に重要になるのが、Web広告だけでなくホームページのコンテンツを充実させることです。Web広告から流入してきた顧客が必要な情報を入手できたり、スムーズに予約を完了できたりするなど、ニーズを満たせてはじめて集客につながります。
また、Web広告からの流入に加えて自然検索からの流入も増えれば、集客数が増え広告コストを下げられます。自然検索からの流入を増やすには、ユーザーニーズを満たす質の高いホームページだと検索エンジンに判断される必要があり、それにはユーザーファーストのコンテンツ制作が欠かせません。
法律に沿ってWeb広告による集客を目指そう
整骨院では、柔道整復師法の定めにより広告に記載できる項目が限定されています。広告での差別化が難しいため、集客方法に悩む経営者は少なくありません。Yahoo!広告なら、キーワード選定や出稿方法、初期設定のサポートも無料で受けられます。Web広告を上手に活用して集客アップにつなげたい方は、ぜひお問い合わせください。
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