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リターゲティング広告を運用するには? 費用の相場や運用のメリット、効果アップの方法も解説
インターネットを日常的に利用する人は多く、マーケティングにWeb広告が活用されるシーンが増えています。自社でもWeb広告を導入したいと考えている担当者もいるのではないでしょうか。
Web広告について調べているときに、「リターゲティング広告」という言葉を目にしたことがある人も多いでしょう。リターゲティング広告はWeb広告の手法のひとつで、自社のサイトを訪れたことがある人に広告を掲載する手法です。
本記事では、リターゲティング広告について、基礎的な内容をわかりやすく解説します。課金方式や費用相場も紹介するので、Web広告の導入を検討している方は参考にしてください。
リターゲティング広告とは?
リターゲティング広告は、自社サイトに一度でも訪れたことがあるユーザーに対して広告を掲載する手法で、その特徴から「追跡型広告」ともいわれます。過去に自社の商品やサービスに興味を持ってくれた人をターゲットに広告を掲載するため、自社サイトへの再訪を促すのに効果的です。
「あるサイトを閲覧してから、そのサイトに関連する広告が多く表示されるようになった」などの経験がある方も多いのではないでしょうか。それは、訪問したサイトがリターゲティング広告を採用しているからです。
ここでは、リターゲティング広告の仕組みと特徴をみていきましょう。
リターゲティング広告の仕組み
自社サイトに訪れたことがあるユーザーの識別には、端末のブラウザに保存されているCookie情報を利用します。Cookieとは、ユーザーがWebサイトを閲覧した際にブラウザに保存される情報のことです。Webサイトを訪問するとブラウザごとにCookieIDが発行され、サイトに再訪問した際にWebサーバーが同一ユーザーかどうかを識別できるようになります。
利用する広告媒体が発行する「リターゲティングタグ」を自社サイトに設置すると、サイトを訪問したブラウザにCookieIDが発行されます。発行されたIDは、広告掲載用リストに記録され、リストにあるIDを持つブラウザが広告枠を表示したときにリターゲティング広告が掲載される仕組みです。
「過去に自社サイトを訪れたことがあるユーザー」とは、厳密にはユーザーではなくブラウザを識別しています。例えば、利用者は同じでもスマートフォンとパソコンでそれぞれWebサイトを閲覧した場合、ブラウザが異なるので同一ユーザーだとは認識されません。
リターゲティング広告の活用を検討する場合、ITPについても知っておきましょう。ITPとは、Apple社のブラウザ「Safari」で利用する全ブラウザでCookieの働きを一部制限する機能です。ITPの影響で、24時間以内にサイトを訪問したユーザーにしかリターゲティング広告を掲載できなくなります。スマートフォンユーザーを対象にリターゲティング広告を掲載する場合は、ITPによって広告掲載のチャンスが減ってしまうかもしれません。
サイトリターゲティングの仕組みについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「サイトリターゲティングの始め方」について詳しく見る
リターゲティング広告の特徴
リターゲティング広告には、一度サイトを離脱してしまったユーザーに対してアプローチできる特徴があります。サイトを一度でも訪問したことがあるユーザーは、商品やサービスに対して興味を持っている可能性が高く、一度もサイトに訪れたことがないユーザーよりも広告の効果が見込めます。
自社の商品やサービスに関心のあるユーザーへのアプローチは、広告の費用対効果が高いことも特徴です。不特定多数に広告を掲載するよりも、見込みの高いユーザーにピンポイントで広告を掲載したほうが、広告費に対して得られる成果をよりアップさせられます。
リターゲティング広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
リターゲティング広告を活用するメリット
リターゲティング広告には、さまざまなメリットがあります。
ここでは、リターゲティング広告の代表的なメリットを3つ紹介します。
見込み客の獲得につながる
リターゲティング広告のターゲットとなる「自社サイトに一度訪れたユーザー」は、自社の商品やサービスに興味を持っている可能性があり、広告から再びサイトに誘導できれば見込み客の獲得につながります。
例えば、比較検討のためにサイトに訪れたユーザーは、途中でサイトを離脱してしまうケースが少なくありません。しかし、リターゲティング広告でアプローチを続ければ、自社に興味を持ってもらえる可能性が高まります。
ターゲットを絞って配信できる
リターゲティング広告はターゲットを絞って配信できるため、広告費の無駄が少ないのもメリットです。ターゲット層が広すぎると成果につながりにくいユーザーへも広告が掲載され、余分な広告費が発生してしまうケースがあります。
リターゲティング広告なら、成果につながりやすいユーザーにターゲットを絞って掲載できるため、広告の費用対効果を高められます。
コンバージョン率が高い
すでに自社の商品やサービスについて知っていて、広告から再びサイトを訪れてくれたユーザーは購入につながる可能性が高いと考えられます。そのため、リターゲティング広告はコンバージョン率(CVR)がの向上が見込めます。コンバージョン率が高い広告は費用対効果も高く、売上アップなどが期待できます。
コンバージョン率について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
リターゲティング広告を活用する時の注意点
リターゲティング広告を活用するときは、注意すべきポイントも把握しておかなければなりません。
ここでは、リターゲティング広告の注意点を2つ紹介します。
ブランドの価値が低くなる可能性もある
リターゲティング広告は同じユーザーに対して何度も広告が掲載されるため、「しつこい」と思われてしまうおそれがあります。場合によっては、ブランドへのイメージが悪くなってしまう可能性もゼロではありません。ブランドの価値を損ねないよう、掲載頻度などを調整しましょう。
新規顧客の獲得には向いていない
リターゲティング広告の性質上、すでに自社を認知しているユーザーにしか広告は掲載されません。そのため、新規顧客の獲得や知名度向上などの目的には適していない点にも注意しましょう。
まだ自社のことを認知していないユーザーへのアプローチには、ディスプレイ広告やリスティング広告が向いています。年齢や性別などの属性や、検索キーワードに合わせて広告を掲載できるため、広範囲のユーザーをターゲットとする場合はリターゲティング広告以外を選びましょう。
ディスプレイ広告とリスティング広告について、それぞれ以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
リターゲティング広告の課金方式
「Web広告はどのタイミングで費用がかかるのかわからない」と思っている方もいるのではないでしょうか。決まった金額で新聞や雑誌の広告枠を買う場合と比べて、Web広告は課金方式が少し複雑なのでイメージしにくいかもしれません。
Web広告は課金方式がいくつかあり、課金方式ごとに費用が発生するポイントが変わります。リターゲティング広告の課金方式で多いのが、インプレッション課金とクリック課金です。
ここでは、それぞれの課金方式について詳しく解説します。
インプレッション(CPM)課金
インプレッション課金は、広告が1,000回表示されるごとに課金される方式です。Cost Per Milleの頭文字を取って「CPM課金」といわれることもあります。Milleとは、「1,000」を意味しています。広告が1,000回表示されるまでは、費用は発生しません。
インプレッション課金の費用は、広告表示1,000回あたりの単価と、実際に広告が掲載された回数で求められます。例えば、1,000回あたりの単価が100円で5万回広告が掲載された場合の費用は、以下のとおりです。
50,000回÷1,000回×100円=5,000円
インプレッション課金の特徴は、広告が表示された回数で費用が決まる点です。広告のクリックやその後の申し込みなどの有無は、費用に影響しません。そのため、広告のクリック率が高いほど、広告費用が割安になるのがメリットです。
また、クリック率が低いと広告費用が割高になる点には注意が必要です。インプレッション課金の場合、広告の表示回数が最大になるように掲載されます。広告を多くのユーザーに届けられるので、知名度を高めたいときなどに採用される課金方式です。
クリック(CPC)課金
クリック課金とは広告がクリックされるたびに課金される方式で、Cost Per Clickの頭文字から「CPC課金」ともいわれます。広告が何回表示されたかは関係なく、クリック数に応じて費用が決まります。クリック課金の場合は、一定期間分の費用をまとめて請求されるケースが多いです。
クリック課金の費用は、クリック1回あたりに設定された金額とクリック数によって決まります。例えば、クリック単価が10円で広告が200回クリックされた場合の広告費用は、以下のとおりです。
10円×200回=2,000円
クリック課金は、ユーザーが広告をクリックした数と実際の広告費用に関連性があるため、広告の費用対効果がわかりやすいのがメリットです。どれだけ広告が掲載されてもクリックされるまでは費用が発生しないため、広告費に無駄がありません。
また、ユーザーが間違えてクリックしてしまった場合でも費用が発生するので、広告枠の表示位置などによっては「広告費がかかるわりに成果はいまいち」といった事態も起こりえます。クリック課金では、広告出稿後は早い段階で課金状況をチェックしておきましょう。
クリック課金は、クリック数が最大になるように掲載されます。インプレッション課金が多くの人に広告を見てもらう目的で使われるのに対し、クリック課金は実際にユーザーにアクションを起こしてほしいときに使われる課金方式です。
リターゲティング広告の費用相場
新たにリターゲティング広告を導入しようと検討しているなら、具体的にどの程度の費用が必要なのかも気になるのではないでしょうか。しかし、利用する広告媒体や狙いたいターゲティングなどによって広告費用は変わるため、一概にはいえません。
リターゲティング広告にかかる広告費は、あらかじめ予算を設定しておくことが可能です。例えばYahoo!広告の場合は、広告費用を事前にチャージし、広告がクリックされるごとに残高を消費していく課金方式を採用しています。
予算を設定できる広告媒体を選べば、想定以上の広告費が発生するのを防げます。1日の上限金額も設定できるので、広告費を抑えたい時期と積極的に集客したい時期で上限金額を変えるなどの戦略も可能です。
インプレッション(CPM)課金の相場
インプレッション課金の費用相場は、広告表示1,000回あたりで数十円から数百円程度です。広告の表示回数で費用が決まるので、広告が掲載されるほど広告費は上がります。
リターゲティング広告の配信対象は、自社サイトに訪問履歴があるユーザーです。そのため、配信対象となる自社サイトへの訪問者が多いほど、広告費は上がる傾向にあります。
クリック(CPC)課金の相場
クリック課金の費用相場は、1クリックあたり数十円?数百円程度です。ただし、「クリック(CPC)課金」でも述べたとおり、設定するキーワードによっては入札単価が高くなる傾向にある点に注意してください。競争の激しいキーワードの場合は、1クリックあたり数千円を超えるケースもあります。
インプレッション課金とクリック課金のどちらの場合でも、リターゲティング広告の1ヵ月あたりの費用相場は数十万円程度です。
リターゲティング広告運用の効果を高めるには?
リターゲティング広告の効果を高めるには、「サイト訪問データのリスト化」と「タグやデザインの調整」が効果的です。
それぞれの実施内容について、以下で解説します。
サイト訪問データのリスト化をおこなう
リターゲティング広告では、リストの作成が非常に重要です。リストとはCookieIDが付与されたユーザーを条件ごとに一覧化したもので、リターゲティング広告を掲載する対象になります。サイト訪問データを収集し、条件に応じてリストを作成しましょう。
以下で、よく活用されているリストを紹介します。
訪問したユーザー
「訪問したユーザー」は、過去にサイトを訪れた全ユーザーのリストで、リターゲティング広告掲載の基本となるデータです。特に条件を設けない場合は、広告を掲載する対象としてこのリストを使用します。
訪問後の日数別のユーザー
サイトを訪問してからの日数別でリストを作成するのも効果的です。一般的に、サイト訪問日からの日数が長くなるほど、購買意欲は低下するといわれています。サイト訪問後の日数があまり経過していないユーザーに効率的にアプローチできるように、日数別のリストも作っておくとよいでしょう。
過去にCVしているユーザー
リストはターゲットとして設定するだけでなく、除外ユーザーの設定にも活用できます。「サイトに訪れたもののCVには至らなかったユーザー」に対して広告を掲載するために、「過去にCVしているユーザー」リストを作成してターゲットから除外しておきましょう。
対象のエリアを絞る
不動産や求人など特定の地域の情報が求められる商材を扱っている場合は、地域別の訪問ユーザーのリストを作成しましょう。エリアごとに広告文やバナーなどの内容を変えておくと、より広告の訴求力を高められます。
タグやデザインの調整をおこなう
タグの設定やバナーデザインの調整も、リターゲティング広告を運用するうえで大切なポイここからは、リターゲティング広告のタグ設定やバナーデザインについて解説します。
リターゲティングタグの設定
リターゲティングタグはWebページごとに設定する必要があり、ユーザーがアクセスしてもタグが設定されていなければCookieIDは発行されません。見落としがちなパターンとして、「LPにはタグを設定しているのに、ホームページや申し込みフォームには設定されていない」といった事例が挙げられます。
タグが設定されていないと「サイトを訪れたユーザー」として認識できないため、対象としたいWebページには忘れずタグを設定しましょう。広告運用の機械学習の精度を上げるためにも、多くのページへタグの設定をおすすめします。
Web広告のタグについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
配信期間の最適化
取り扱う商品やサービスによって、適した広告の配信期間が変わります。例えば、通信販売の場合は検討期間が短いため、配信期間も短めに設定するのがおすすめです。一方、不動産など検討期間が長い商材は、配信期間も長くしましょう。このように配信期間を最適化すると、広告の効果をより高められます。
配信期間の最適化について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「サイトリターゲティングで、「除外」はどんな時に使うのですか?」について詳しく見る
入札価格の最適化
リターゲティング広告は、リストごとに入札価格を設定できます。コンバージョンにつながる見込みが高いリストの入札価格を高めに設定しておくと、より広告が掲載されやすくなり、効率的な広告運用が可能です。
例えば、ユーザーが直前まで閲覧していた「参照元URL」ごとにリストを作成し、広告と関連度の高いWebページを見ていたユーザーには入札価格を高めに設定する、といった活用方法があります。
バナーデザインの変更
一度見たことがあるバナーが再度表示されても、ユーザーの目には止まりにくくなります。そのため、バナーデザインの変更も大切です。
バナーのデザインを変えると、一度サイトから離脱したユーザーにも再度興味を持ってもらえる可能性があるため、同じバナーを使い続けるのではなくより訴求力の高いバナーに更新しましょう。
リターゲティング広告でニーズのあるユーザーへ訴求しよう
リターゲティング広告は、自社サイトに訪問履歴のあるユーザーに対して広告を掲載する手法です。自社の商品やサービスに興味を持っている可能性の高いユーザーに訴求できるため、高い広告効果が見込めます。
リターゲティング広告の導入を検討しているなら、Yahoo!広告がおすすめです。広告費用は成果が出た分だけで、費用を事前チャージできるので広告費の無駄遣いも防げます。Web広告の利用がはじめてでも、専門スタッフが無料で相談を受け付けております。この機会にぜひご活用ください。
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