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リスティング広告の審査とは? 期間や落ちた場合の原因と対処法を解説
多くの人の目に触れる広告は、出稿時に広告掲載側から審査を受けます。リスティング広告も例外ではありません。
本記事はリスティング広告を出稿したい人に向けて、審査内容や審査期間、審査状況を確認する方法、審査に落ちる原因、審査に落ちてしまった際の対処法について解説しています。審査落ちを防いでスムーズな広告配信につなげましょう。
リスティング広告の審査とは?
リスティング広告の審査は、「インターネットユーザーの利便性を損なわないか」「法律違反がないか」「広告効果があるフォーマットになっているか」などをチェックするものです。審査に落ちてしまうと、広告配信できません。
リスティング広告の主な審査対象は、以下のとおりです
- タイトル(見出し)
- 説明文
- 入札キーワード
- リンク先の内容(ランディングページ、Webページなど)
広告媒体各社は「広告ポリシー」「広告審査ガイドライン」などの形で審査基準を公表しています。広告主はこれらを遵守してリスティング広告を制作、入稿することが必要です。
具体例として、Yahoo!広告の審査項目の一部を紹介します。
- ユーザーの利便性のための基準:広告の有用性、不快感や迷惑を与える表現などの審査
- 表示に関する一般的注意:虚偽表示、不当表示などの審査
- 掲載できない広告:公序良俗に反するもの、差別表現など
- 薬機法などの広告表示規制および個別の掲載基準があるもの:医薬品、薬用化粧品、食品、健康器具などの審査
このように、さまざまな審査項目があるため、広告主は関係する審査基準・ポリシーを読んでおく必要があります。
リスティング広告については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「リスティング広告とは? 初心者でもわかる仕組みや費用、やり方・運用方法を解説」を読む
リスティング広告の審査期間・タイミング
Yahoo広告では、インターネットユーザーの広告体験を守るため、機械学習を活用した「システム」と「人の目」による審査を24時間365日実施しています。「システム」と「人の目」の審査を組み合わせることにより、インターネットユーザーの意図に一致した有益な広告を迅速に掲載することを目指し、広告サービス品質チェックを実施しています。審査期間は一般的に3営業日前後です。
参考:審査期間はどのくらいかかりますか? - ヘルプ - Yahoo!広告
審査はシステムによる自動チェックのほか、人間による目視チェックも入るため、ある程度の時間がかかります。審査に落ちて再審査を受ける場合も想定して、スケジュールには余裕を持っておいたほうがよいでしょう。
審査の方法や審査の基準、フローなどについて詳しく動画で解説しています
「Yahoo!広告の審査とは」を詳しく見る
リスティング広告の審査状況を確認する方法
リスティング広告の審査状況は、媒体側の広告管理画面で確認できます。調べたいキーワード(広告)を選ぶと、「審査中」「承認済み」「掲載不可」などのステータスが確認できます。
Yahoo!広告の場合の確認手順は以下のとおりです。
- 広告管理ツールで検索広告のアカウントを表示する
- サイドメニューの「キーワード」「広告」のいずれかをクリックする
- 「表示項目」をクリックし、「表示項目の編集」をクリックする
- 「キーワード(または広告)一覧の表示項目を編集」画面で「審査状況」にチェックを入れる
- 「適用」ボタンを押すと、審査状況が表示される
Yahoo!広告の場合、審査否認(掲載不可・掲載停止)に関するお知らせメールを受け取る設定にもできます。「いざ配信しようとしたら審査に落ちていた」というような事態を予防するのに便利です。
リスティング広告の審査に落ちる原因
ここでは、リスティング広告の審査に落ちてしまう代表的な原因を紹介します。よくある原因を知っておけば、審査落ちを未然に防ぐのに役立ちます。
入稿規定の違反
入稿規定とは広告フォーマットのルールのことです。リスティング広告の場合、文字数や使用可能文字などについて定められています。
よくある入稿規定の違反例は以下のとおりです。
- 文字数をオーバーしている
- 使用不可の記号が入っている(機種依存文字の使用、顔文字の使用など)
- 使用可能記号数の違反がある(同種の記号は1つまで、引用符は2つまでなど)
- 文頭・文末にスペース、Tabスペースが入っている
- 掲載不可となる表現が使用されている
入稿規定の違反の多くはシステムのエラーチェックで弾かれるため、入稿時点でわかるでしょう。そのため、審査落ちで特に注意しておきたいのは、最後にある「掲載不可となる表現」です。
Yahoo!広告で、掲載不可となる表現の一部をご紹介します。
入稿規定の違反 | 具体例 |
---|---|
ユーザーに不快感を与える文字列 | orz、DQN |
意味不明な文字の羅列 | ああああ |
記号や文字を装飾的に使用している場合 ※その記号や文字を削除しても文意が通じる場合、装飾的に使用していると判断します |
>ヤフー< Σこの石鹸で黒ずみもすっきり? @デートで行きたいレストラン いますぐメガネを買いに行こう@ カニたべたい¥ 面白いことまちがいなしw |
文意が不明確な広告 | タイトル:テスト 説明文:テスト |
顔文字 | (・∀・) |
機種依存文字 | ㈱、① |
文字が一般的な表記ではない場合 ※その文字が、一般的にカタカナや英字表記であるのに、平仮名表記になっている場合 ※正式な名称の表記になっていない場合 |
マスク→ますく ゲーム→げーむ ヤフー→やふー、やふぅ タブレット→たぶれっと Yahoo!検索広告→けんさく広告、Yahoo!広告けんさく |
表現に関しては、明確な基準がわかりにくい場合もあります。基準がわからない場合は、媒体側に問い合わせてみるのもよいでしょう。
「文字、記号を使用する際のルール」を詳しく見る
クリエイティブに関する最上級表現の使用
根拠のない最上級表現の使用も、審査落ちになりやすい原因です。「地域最安値」「業界No.1」などの表現はつい使いたくなるかもしれませんが、注意が必要です。
最上級表現の具体例を以下に示します。
数字による最大表現 | ・No.1、第一位、世界一、一番、ピカイチ、など |
トップを表す最大表現 | ・トップ、最大規模、最高、最安値、最優秀、など |
「初」を強調する最大表現 | ・世界初、業界初、元祖、これまでにない、など |
オンリーワンを強調する最大表現 | ・唯一、当社だけ、よそにはない、独占、など |
広告運用や出稿に悩んだらまずはココ! Yahoo!広告ヘルプページ
最上級表現を含めたい場合は、根拠を示す必要があります。Yahoo!広告の場合、表示が省略されない場所に、第三者によるデータ出典・調査機関名と調査年の明記が必要となります。
この際、調査データは1年以内の最新のデータが必要です。「日本一(※)の物件数!不動産のことなら○○へ!※2020年3月○○リサーチ調べ」は、データが古いため審査落ちになります。
薬機法への抵触
薬機法とは、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器などの品質、有効性、安全性を確保するための法律です。正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。薬機法の対象となる商品は間違った認識や使い方をしてしまうと、人命に大きな影響を及ぼす可能性があるため、リスティング広告でも厳しく審査されています。
薬機法違反は大きく分けると3つあります。
虚偽・誇大広告等の禁止(第66条) | 名称、製造方法、効能・効果などに関する虚偽・誇大な広告 医師などが保証したと誤解を与えるおそれのある広告の禁止 |
特定疾病用医薬品の広告の制限(第67条) | 高度な専門性が要求される医薬品の広告の禁止 |
承認されていない医薬品などの広告の禁止(第68条) | 名称、製造方法、効能、効果などに関する広告の禁止 |
Yahoo!広告の場合、以下の5つの領域に分けて、薬機法に基づいた審査基準を設けています。自社が扱う商材のガイドラインを確認してください。
- 医薬品・医療機器:かぜ薬、コンタクトレンズ、体温計、など
- 医薬部外品:うがい薬、コンタクトレンズ装着液、歯みがき、など
- 薬用化粧品・化粧品:化粧水、アフターシェーブローション、リップクリーム、など
- 健康食品:サプリメント、ダイエット食品、栄養ドリンク、など
- 健康器具(雑貨):補正下着、美顔器、マッサージ器、など
薬機法違反は多岐にわたりますが、一例を紹介します。
「胃弱が根治する」、「よく効きますので安心してお使いください」
→安全性や効能効果を示して、それが確実であると保証する表現は掲載できません。
「○○年の歴史に裏付けられた安全な商品」
→歴史的な表現を用いた安全性のアピールはできません。
「臨床データでもはっきり証明されています」
→専門的な知識を持たない消費者に、かえって誤解を与える可能性があるため掲載できません。
「保湿効果に満足しています。※個人の感想です」
→使用経験や体験談的表現は、効能や安全性を確実であると誤解させるため、注釈があっても掲載できません。
Yahoo!広告における薬機法の考え方や、違反を防ぐためのポイントについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。
広告作成のための薬機法ポータル - Yahoo!広告 公式 ラーニングポータル
リンク先(LP)のエラー
リスティング広告に設定した、ランディングページ(LP)や自社サイトのリンクが間違っていると審査落ちになります。リスティング広告の審査にはリンク先の内容、リスティング広告との関連性なども含まれるため、リンクが間違っていると審査できません。
もっとも多いのは、URLの記述ミスです。入稿時にしっかり確認しておきましょう。
また、リンク先のLPやWebサイトが完成していなかったり、リンク切れの場合にも審査落ちになります。このエラーは、LPやWebサイトを改修している際に起こりがちです。広告運用担当者はサイト運営者と連絡を取りながら出稿手続きするとよいでしょう。
キーワードとリンク先(LP)の関連性が低い
入稿キーワードとリンク先の関連性が低い場合は、審査に落ちる可能性があります。例えば、化粧品のリスティング広告であるのに、リンク先が脱毛サロンのWebサイトになっているようなケースです。
内容レベルで関連性が低い場合も、審査落ちの可能性があります。例えばリスティング広告に「半額セール開催中」とあるのに、リンク先では通常価格で販売しているようなケースです。また、リスティング広告に「マウイ・オアフ・カウアイの豪華周遊ツアー」とあるのに、リンク先のLPで「マウイツアー」となっているようなケースも情報不一致とみなされます。
Webサイトに主体者表記がない
リスティング広告のリンク先Webサイトに「主体者表記」がない場合も、審査に落ちる可能性があります。主体者表記とは、サイト運営者の企業名または氏名、住所、電話番号の情報です。
さらに、リスティング広告自体にも主体者表記が必要です。ヤフーのリスティング広告では、原則として会社名、ブランド名、商品名、サービス名のいずれかを明記するルールになっています。
主体者表記を正しく記述しても、リスティング広告とリンク先Webサイトの情報が一致しないと、審査落ちになる可能性があります。例えば、リスティング広告の主体者が親会社で、リンク先の主体者が子会社になっているようなケースです。また、コラボ商品やダブルブランドなどのように複数の会社名が使われる場合、ユーザーが混乱しないように主体者情報を明示する必要があります。
リスティング広告の審査に落ちた場合の対処法
審査に落ちてしまった場合は、再審査を依頼できます。まずは、なぜ審査に落ちたのか媒体の広告管理ツールで理由を確認しましょう。そして、指摘された点を修正し、再審査の依頼を出します。
Yahoo!広告では以下の手順で、審査落ちの理由の確認→修正→再審査依頼ができます。
- 広告管理ツールで検索広告のアカウントを表示する
- サイドメニューの「キーワード」「広告」のいずれかをクリックする
- 「表示項目」→「表示項目の編集」をクリックする
- 「キーワード(または広告)一覧の表示項目を編集」画面で「審査状況」の項目にチェックする
- 「適用」ボタンを押し、審査状況を表示させる
- 「審査状況詳細」をクリックする
- 審査状況詳細画面を表示し、審査に落ちた理由を確認する
- 画面下部の再審査依頼枠内の「申請画面を開く」をクリックする
- 広告を修正する(説明文やリンクの修正、内容の追加など)
- 「申請」ボタンを押し、再審査の申請が完了する
Yahoo!広告の場合、審査落ち(掲載不可、掲載停止)の理由とともに、推奨する対処方法も説明されています。このため、広告運用初心者でも対処しやすいでしょう。
「広告審査の強い味方!ヤフーの審査サポートチーム」について詳しく見るリスティング広告は審査基準をよく確認して出稿しよう
出稿前に審査基準や広告表現などをチェックしておき、スムーズな広告配信につなげていきましょう。
Yahoo!広告では、広告審査で否認の多い掲載基準やYahoo!広告入稿規定(以下「入稿規定」と表記)に関して、チェックリストを準備しています。ぜひ、スムーズな審査通過にお役立てください。
「「出稿前に確認!カンタンチェックリスト」について詳しく見る」について詳しく見る
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