ユニークユーザー(UU)とは? 他の指標との違いと計測方法を解説
自社のWebサイト運用でどれくらいの効果が出ているかを測定するために、さまざまな指標が使用されますが、その1つがユニークユーザー(UU)です。ユニークユーザーは個々のユーザーに基づいて計測されるため、Webサイトの具体的な利用状況や人気のコンテンツを把握するうえで重要とされています。
本記事では、ユニークユーザーの概要と他の指標の違いや、計測方法を解説します。
ユニークユーザー(UU)とは?
一定期間内にWebサイトにアクセスしたユーザーを、「ユニークユーザー」(Unique User=UU)と呼びます。ユニークユーザーは、1人のユーザーごとに固有の値として取得されるため、同じ期間内でのアクセス回数やWebページの閲覧数に関係なく、「1」として計測されます。
例えば、Yさんがある週に会社のパソコンからWebサイトに1回アクセスし、合計10ページを閲覧したとします。Yさんは同じ週内に、再び会社のパソコンから同じWebサイトにアクセスし、合計6ページを閲覧しました。この場合、アクセス数は合計2回、ページ閲覧数は合計16ページですが、1週間以内に計測されるYさんのユニークユーザー数は「1」になります。
アクセス回数や閲覧ページ数に関係なく、一定期間内にWebサイトを利用した個々のユーザー数に基づいて計測されるのが、ユニークユーザーです。
ユニークユーザー数と混同しやすい指標
ユニークユーザーは、Webサイトの効果測定に関する他の指標と混同されがちです。ユニークユーザー以外にどのような指標があるのか、それぞれの概要を解説します。
ページビュー(PV)数
PV(Page View:ページビュー)数は、特定の期間内にWebサイト内で閲覧されたWebページの数です。
例えば、YさんがWebサイト内を「トップページ」→「製品一覧」→「製品Aの説明ページ」→「製品Bの説明ページ」というルートで回遊し、離脱したとします。この場合、合計PV数は「4」です。
また、別の日にYさんがWebサイト内を「トップページ」→「製品一覧」→「製品Aの説明ページ」→「製品Bの説明ページ」→「製品一覧」→「トップページ」というルートで回遊し、離脱したとします。同じページに2回アクセスしていますが、この場合もすべてカウントされ、合計PV数は「6」になります。
PV数は、各Webページが何度閲覧されたか計測されるため、どのWebページの利用度が高いのかを知ることができます。
セッション数
セッション数も、ユニークユーザー数と混同されやすい指標です。セッション数は、特定期間に1人のユーザーがWebサイトにアクセスした回数を指します。
例えば、Yさんが1週間以内にWebサイトに3回アクセスしたとします。1回目は3ページ、2回目は5ページ、3回目は10ページにアクセスしました。この場合、各Webページが何度閲覧されたか関係なく、セッション数は「3」になります。
利用ユーザー数やページ閲覧数ではなく、Webサイトへのアクセス数を知りたい場合には、セッション数を計測します。
セッション数については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご確認ください。
アクティブユーザー数
アクティブユーザー数は、ユニークユーザー数と区別が付けづらい指標です。純粋なユーザー数を計測する点では、ユニークユーザーと同じ目的を持っています。アクティブユーザーは、一定期間内にWebサービスやアプリ内で1回以上のセッションが発生したユーザーを指します。
例えば、あるアプリに会員登録後、一度も起動していないユーザーはアクティブユーザーには含まれません。一定期間内にアプリを起動もしくは使用したユーザーが、アクティブユーザーとしてカウントされます。どれくらいのユーザーが行動を起こしているのか把握したい場合、アクティブユーザー数を計測します。
ユニークユーザーを計測する必要性
ユニークユーザーを計測すれば、正確なサイトの訪問者数や新規見込み客の獲得状況が分かり、自社サイトや広告運用の改善につながります。
正確なサイトの訪問者数を計測できる
ユニークユーザー数はPV数と違い、重複ユーザーを削除した数値なので、特定期間のWebサイトへの関心の高さや人気度が的確に測れます。
いくらPV数やセッション数が高かったとしても、熱心なユーザーがページ内をくまなく見てくれているだけかもしれないですし、調べ物の最中にたくさんアクセスしてくれているだけかもしれません。そのため、ユニークユーザー数を合わせて追っていくことで、そのWebサイトの人気度を測る指標にすることができます。
また、こうしたユニークユーザー数の特性をほかの指標と組み合わせることで、さまざまな改善ポイントを洗い出すことができます。この手法について詳しくは「ユニークユーザー数×ページビュー(PV)数」の段落で後述します。
新規見込み客を獲得できているかがわかる
ユニークユーザー数はリピーター数と新規見込み客の合計なので、ユニークユーザー数が増えれば新規見込み客を獲得できている可能性が高いと判断できます。例えば、新規見込み客向けのWeb広告を出した前後で数値を比較すれば、その効果を測定できます。
この観点での計測が特に必要になるのは、自社サイトに流入した人数が重要になる場合です。例えば、スポーツジムやコンサルティングサービスのサイトのように、リピート購入しにくい商材を扱う場合は、新規見込み客を獲得できているかどうかが業績に大きく影響を与えます。
ユニークユーザー数の計測(カウント)方法
ユニークユーザーは一般的に、IPアドレス、ホスト名、Cookieの3つのデータをもとに集計されます。また、ユニークユーザーの計測には、アクセス解析ツールなどが用いられます。
Webサーバーはユーザーがアクセスするたびに履歴がログ(記録)として保存されますが、取得されるデータのなかにはIPアドレス、ホスト名、Cookieも含まれています。アクセス解析の際、これらのデータをもとにユニークユーザー数が計測されます。
ユニークユーザーは基本的に 、1ユーザーにつき「1」として計測されますが、同一人物でもこのように計測されないケースがあります。
例えば、ある日の午前中にYさんが会社のパソコンを使用してWebサイトにアクセスします。同じ日の夜、Yさんが自宅のパソコンを利用してアクセスした場合は、新たにユニークユーザーが「1」として計測されます。Yさんは同一人物ですが、2箇所の異なる場所からアクセスしているため、別々にカウントされます。
ユニークユーザー数を増やす方法
Webサイトへの集客を増やすためにも、ユニークユーザー数を高めるための施策が欠かせません。ここでは、ユニークユーザー数を増やす方法をポイント別に解説します。
ユーザーに有益な情報を発信する
ユーザーは、自分が必要とする有益な情報を得るためにインターネットを利用します。自社サイトだからこそ提供できる有益な情報をユーザーに届けることで、ユニークユーザーの増加につながるでしょう。
しかし、自社が伝えたい情報のみ発信するだけでは、ユーザーの関心をうまく惹きつけられません。ユーザーがどのような悩みを抱えているのか、課題を解決するためにどのような情報を必要としているのか、ユーザー視点を持ちニーズに沿った良質なコンテンツを企画・作成する必要があります。また、常に最新情報を提供することで、自社コンテンツへの信頼度も高まるでしょう。
ユーザーにとって有益な情報が掲載されたWebサイトは、検索エンジンからのアクセス数も増え、より検索上位に表示されやすくなります。その結果、ユニークユーザー数の増加にもつながります。
Webサイトの滞在時間を延ばす
ユニークユーザー数を増やすには、ユーザー1人あたりの滞在時間を延ばす取り組みも重要です。そのためには、ユーザーにとって有益なコンテンツの作成に加え、Webサイトの機能性を高める工夫をおこないます。ユーザーの滞在時間が長いWebサイトでは、それだけユーザーの関心を惹きつけることができており、使い勝手がよいことを意味します。
サイトの滞在時間を延ばすには、コンテンツの内容にあったクリエイティブ(動画、写真やイラストなどの画像)の配置が効果的です。さらに、文章でユーザーにとって有益な情報を増やせば、その分しっかりと読んでもらえるため、滞在時間が延びるでしょう。
ユーザーにとって有益なコンテンツが掲載されたWebサイトは、口コミで高く評価され、滞在時間が長いユニークユーザーの増加につながる可能性があります。
流入チャネル(ユーザーとの接点)を幅広く用意する
ユニークユーザーを増やすには、より多くの流入チャネル(ユーザーとの接点)を用意して、Webサイトへの玄関口を増やす取り組みも重要です。リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告やSNSなど、さまざまな媒体でターゲットユーザーとの接触機会が増えれば、より多くユニークユーザーの流入が見込めます。
また、特にアクセス数増加に貢献しているチャネルが明らかになれば、そのチャネルから流入してくるユーザー向けのコンテンツを増やすことで、さらなるユニークユーザーの増加が期待できます。
ユニークユーザーを増やすにはWeb広告がおすすめ
ユニークユーザーを増やすうえで大きな効果が見込まれるのは、Web広告の活用です。Web広告を効率よく運用すれば、Web広告をクリック後に遷移するランディングページ(商品購入やサービスの申し込み、資料請求、問い合わせなどを目的とした、縦に長い1枚のWebページ)を通じて自社サイトへのアクセス数が増加します。
Web広告には、検索エンジンのキーワードに連動して表示されるリスティング広告や、WebサイトやSNSなどの広告枠に表示されるディスプレイ広告など、表示形式や課金形式の違いにより異なる種類があります。自社のターゲットユーザーと予算に合わせて、最適なWeb広告を選びましょう。
リスティング広告やディスプレイ広告については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご確認ください。
ユニークユーザー数の活用方法
ここでは、ユニークユーザー数とよく組み合わせて活用するページビュー数、コンバージョン数を使った分析手法を紹介します。ユニークユーザー数を単独で分析するより、ユーザー理解や戦略立案などの精度を高められます。
ユニークユーザー数とページビュー(PV)数を組み合わせる
ユニークユーザー数とページビュー数を組み合わせて分析する手法としてメジャーなのが、「PV/UU」(=PV数÷ユニークユーザー数)を求める方法です。
状況 | 推測できること |
---|---|
PV/UUの数値が大きい | ・1セッションに対するページ数が多い ・1ユーザーあたりの回遊率が高い |
PV/UUの数値が小さい | ・1セッションに対するページ数が少ない ・1ユーザーあたりの回遊率が低い |
先にも述べたように、PV/UUの数値が大きいほど、コンテンツの充実度やサイトの利便性などに対するユーザーの満足度が高いと推測できます。例えばオウンドメディアを運営しているなら、「1ユーザーがさまざまな記事を読んでいる」ことが望ましい状態です。
一方、PV/UUが小さいなら、自社サイトのコンテンツを増やしたり、ユーザーが回遊しやすいサイト構成に変更したりするなどの改善が求められます。
ユニークユーザー数とコンバージョン(CV)数を組み合わせる
ユニークユーザー数とページビュー数を組み合わせて、「CV/UU」(=PV数÷ユニークユーザー数)を測定する手法もよく用いられます。CV/UUを測定すれば、以下のようなことがわかります。
状況 | 推測できること |
CV/UUの数値が大きい | 狙ったターゲットからアクセスされている |
CV/UUの数値が小さい | 狙ったターゲットからアクセスされていない |
「CV/UU」は一般的に「コンバージョン率(CVR)」とも呼ばれ、広告運用やサイト運営の効率を示す指標とされています。コンバージョン率が高ければ、質の高い見込み客を集めて効率よく成果につなげられている状態です。
一方、コンバージョン率が低いなら、広告のターゲティングを見直したり、ユーザーニーズと関連度が高いコンテンツを作成したりするなどの対策が必要です。
CVRの詳細はこちらの記事で解説しています。
ユニークユーザーはWebサイト利用者を知るための基本指標
ユニークユーザーは、Webサイトの具体的な利用者数を知るうえで重要な指標です。ユニークユーザーを計測するには、主にIPアドレス、ホスト名、Cookieを取得します。有益なコンテンツがそろったWebサイトを作成することで、回遊率とユニークユーザーを高められます。
またWeb広告は、ユニークユーザーの増加に有効な手法です。自社に適したWeb広告を知りたい方は、ぜひ専門スタッフにご相談ください。Yahoo!広告はサポートが充実しているため、はじめてWeb広告を運用する方でも安心してご利用できます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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